プロのWebデザイナーとして仕事をする上で、依頼する側の人間から貰う指示というのは、基本的にはチラシの裏に落書きした幼稚園児みたいなワイヤーフレーム(ラフ)であることがほとんどである。
その幼稚園児レベルの落書きから、マトモな商業クオリティのデザインを仕上げるのがプロのデザイナーに求められるのである。
同じことは美容師や理容師にも言えると思うので、独断と偏見で持論を展開してやろうではないか。
依頼する側はド素人で自分では出来ないからプロに頼んでいる
デザインにしろ散髪にしろ、大前提として他人に金を払ってまで依頼しているというのは、自分ではそれが技術的な問題などで出来ないからである。
つまり、依頼者側は基本的にその分野のことが何もわかっていないド素人なのだ。
Web制作の現場においては、クライアントとデザイナーの間に「デザイン経験のあるWebディレクターという神」が仲介する場合があるが、ド素人のクライアントやデザインの素養がないディレクターやクソプロデューサーから依頼を依頼を受けることの方が多い。
美容師や理容師の世界においては、髪を切りに来た依頼者側は、同業者の偵察でない場合は完全ド素人のことが99%であろう。
ド素人がゆえに指示は曖昧というかゴミみたいな指示を出す
依頼者はド素人なので、専門用語を使ったり、作業者がわかりやすい指示を出すことは基本的にできないと思った方がいい。
ワイヤーフレームが虹色のグラデーションでカラフルだったり、クソみたいなレイアウト、ひどすぎるキャチコピーだったりするするのはそのためである。
ただ、そこで溜め息をついてしまったり、PCの電源を引っこ抜いてはWebデザイナーとしてはやってはいけない。諦めた方がよい。これは断言できる。
クソみたいな指示だったとしても、仏のような暖かい心で自分なりに解釈し、素晴らしいデザインに仕上げるのがWebデザイナーとしての存在価値なのである。
その先にはクライアントのビジネスの成功などがあるはずだが、とりあえずは2流デザイナーを目指すためには、クソみたいなレイヤーからまともなデザインを作れるようなマインドセットを獲得すべきである。
10分カットの理容師にも同様のマインドが求められる
そもそも、なんでこんなことを思ったかというと、10分カット1300円の店でさっき散髪をしてきたのだけど、その若い兄ちゃんがやったら細かい指示を求めたがるのである。
クソみたいな10分カットの安い店だから、細かい指示しても無駄なことが多いから、ざっくり「3センチくらい軽くして」という指示をしたのだけど、どこを何センチ切るとか細かい指示が必要だったらしい。
この店は指名とかもないから、誰が担当するかは時の運なのだけど、そんな細かい指示するならカット5千円くらいのまともな美容室に行くわけで、在宅勤務で誰に会うわけでもないから、ざっくり3センチくらい切ってくれればよいのである。
Webデザイナーだったら、ざっくりな指示でも自分なりに解釈しないとやっていけないけれど、10カットの理容師にも同様のマインドが求めらるのではないかと思った次第だ。
まぁ、俺は接客とかはストレスが溜まるから10分カットの理容師の仕事なんて出来るわけないと思うけれど、そんなに細かいことを望んで10分カットの店に行く客は少数だと思うのだがな。
にしても、この業態の店が数年前は1000円カットだったのが軒並み1300円になったのは、いくらなんでも暴力的に感じなくもない。