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ゴールドカード所持者が利用できる羽田空港の有料ラウンジを体験してきたぞ

一生利用することがないと思っていた空港の有料ラウンジの世界へようこそ

日本の主要空港にはゴールドカード所持者が利用できるラウンジというものが設置されている。

正確に言うと、金を積めばゴールドカードを持っていなくとも利用できるが、ゴールドカードを提示すると無料で利用できるので、ほぼほぼゴールドカード所持者向けとも言える。

ゴールドカードを有無を言わさず無理やり持たされた話はこちら。

ゴールドカード提示で1100円が無料になるってばよ

ほぼほぼゴールドカード所持者向けなのかと

通常料金1100円が無料になるって、なんかおかしくね? って思うけど、世の中そういうものなのだ。

この日は、例のJAL便に搭乗する前に羽田空港の国内線ターミナルにあるパワーラウンジという所を利用してみた。

注意点としては、空港によってラウンジがある場所は様々ということ。

羽田空港の場合は手荷物検査後のセキャリティエリア内にある一方で、那覇空港の場合は手荷物検査前の一般エリアにある。

把握していないと、さっさと手荷物検査を済ませてラウンジでまったりしよう~と思ったら、実は手荷物検査後に利用することはできなかった・・・という残念な結果に終わることもあるのだ。

というか、那覇空港では思いっきり罠にハマってしまった。JALのVIP向け(?)ラウンジはあったけど、ゴールドカードのラウンジと大手航空会社のラウンジは全くの別物らしい。

ゴールドカードで利用できるラウンジの様子

個人的な感想をファーストインプレッションすると、ほぼほぼ金払ってまでは利用する場所じゃないなぁという感じ。

たまたまゴールドカードがあるから利用すっか~、くらいな所であった。

イオンのラウンジに毛が生えた程度というか、無料で飲める飲み物としては、コーヒーマシーンのコーヒー、ティーパックの紅茶、オレンジジュース、水、黒酢ドリンクくらいだったかな。写真を撮ろうと思ったけど、ドリンクゾーンには常に人がいて写真は撮れなかった。

胃が悪い人の場合はカフェインは症状を悪化させるため、コーヒーや紅茶は飲めないし、オレンジジュースも胃に刺激を与えるので搭乗前に飲むドリンクとしては相応しくない。

そうなると、自分は消去法で水しか飲むことができなかった。

それもミネラルウォーターなどではなくて、ただの水道水だと思う。ノンカフェイン系のドリンクとか、ハーブティーとかも置いてほしかった。

はっきり言って、フリードリンクはイオンのラウンジよりもショボい。

有料でマフィンかなんかの軽食やビールなども頼めるようだ。有料だったら普通の人はスタバとかに行くもんだと思ったけど。

景色は大体こんな感じ。窓際の席が人気ある

金を払って利用するほどの場所ではないと思ったが、世間はこんなにゴールドカード所持者だらけなのかと思うくらい、大方の席は埋まっていた。

人気があるのは奥の方のソファータイプの席や、駐機場を眺められる窓際の席だ。

上の写真は窓際から撮影しようと思ったが、窓際は人が多かったので、大体同じような景色のラウンジ外の窓から撮影している。

正直、人口密度が高くてゆったりできないし、ラウンジ外の待合室の方がゆったりできるよ。

飲み物も水しか飲めないし。充電やWiFiなんかも別にラウンジでなくても利用できる空港が多いしね。

ラウンジ利用の感想

一生利用することがない金持ち空間だと妄想していたが、なんというか、金持ちの世界はとてつもなく虚しいものだったんだね。

元々、そんなに目指していたわけではないが、ラウンジを利用してみて金持ちを目指すのはやめようと思った。

金持ちやVIPの世界なんて、全然、全くいいものじゃなかったね。少なくとも、ラウンジを利用するためにわざわざ早めに空港に行ったりはしないと思う。

だって、ぼく水しか飲めないもん(3回目)。

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【試される島】那覇から日帰りできる粟国島にソテツを見に行ってきたぞ

粟国島の港に停泊するニューフェリーあぐに

ずいぶん昔から旅行本(じゃらんとかではなくてエッセイ的な単行本)を読んで存在は気になってはいたが、未だに行ったことがない島。

それが粟国島だ。

粟国島は那覇の泊港から日帰り旅行できる離島としては、久米島の次にギリギリなところにある。

離島と言っても毎日出航する定期船があるのでアクセスが特別悪いわけではないが、沖縄に100回くらい行ったことがあるヘビーリピーターでも粟国島には行ったことがなかったり、離島を巡る派の人でも最後の方に訪れる人が多い印象がある。

訪れた時(2024年1月)は、島の観光施策か何かで那覇発の往復フェリーが6千いくらだったのが4千円台まで割引にされていたのも粟国島に行こうと思った理由の一つである。

粟国島に日帰りする旅行プラン

記事執筆時のダイヤとしては、那覇を0930に出航して2時間後の1130頃に粟国着、1400に粟国を出航するパターン。

当日の0730頃に粟国村の公式サイトで出航するか発表される。港に向かう前に必ずチェックするべき。

重要なので2回言うけれど、出航するかどうかは当日の0730頃に決まる。確実に欠航する場合は前日に発表されることもある。

船は1隻体制で運航しているため、急なメンテナンスが必要になると、その日については全便欠航することもあるのだ。

今回も急に「機関整備のため」という理由で欠航して、予定していた日よりも1日ずらして来島したのである。

島旅の基本ではあるが、スケジュールには余裕を持とう。

さて、粟国島に日帰り旅行する場合、島に滞在できるのは2時間弱となる。

「たった2時間の滞在でどうすんの?」という声が一部から聞こえてきそうだけど、個人的な経験では粟国島くらいの規模の島だと、2時間もあれば有名スポットのいくつかに訪れたり、島の雰囲気を感じることが十分可能だと見込んでいる。

ちなみに、鉄道の分野では「乗り鉄」と言って列車に乗ること自体が目的というジャンルもあるけれど、船旅にも同様のジャンルが存在する。

20時間以上もの長距離航路を乗って、目的地に着いたら数時間だけ滞在してすぐに戻りの船に乗るという楽しみ方もある。

2時間乗って2時間滞在するというのは、船旅のジャンルとしては至って普通なのだ。

ニューフェリーあぐにの雰囲気

さらば那覇よ(数時間後に帰ってくるけど)

2時間程度の乗船時間だけど、船は必要不可欠なものを中心に装備を固めた実用重視の印象。

前日が欠航していたので反動で人がいっぱいかと思っていたが、全然そんなことはなかった。

このあたり離島を結ぶ他の船もこんな感じだった気もするが、売店や軽食自販機などの設備はなく、ソフトドリンクの自販機のみ設置されている。

居心地は悪くない客室フロア

写真の客室フロアはテレビが2台設置されていて、それぞれが別の番組を流していた。

WiFiはないが携帯の電波はほぼずっと繋がる。充電設備は見当たらず。

オススメは天気のよい日なら断然デッキ。

椅子などの設備はあまり充実している方ではないが、一般客が上がれる一番上のデッキ(3Fかな)は解放感があってよい。

粟国島は試される島だった

「試される島」というのは筆者が感じた印象であって、公式が掲げているフレーズなどではない。

沖縄本島や石垣島周辺の離島は大体訪れたことがあるが、訪れたことのある島の中では、粟国島は試される方の島という印象を受けた。

「試される大地」が公式フレーズ(たぶん)の北海道を意識しているが、地面と空気は用意するけど、そこから先は自分で何とかしなさいという、本人次第な要素が強いわけである。

観光客や修学旅行生がどっと押し寄せるタイプの離島だと、観光産業が栄えているので心の準備を含めて、何も準備せずとも、観光団体の鬱陶しさを除けば、大体は島で快適に過ごすことができたりする。

そういう意味では粟国島は観光客や修学旅行生がどっと押し寄せるタイプの島ではないと思うので、観光プランや過ごし方は自分で考えなくてはならない。

粟国島での宿泊する場合は、個人経営の昔ながらの民宿が基本となる。

民宿が苦手な場合は1軒だけプチホテルという名の宿泊施設があるが、記事執筆時としては主要なホテル予約サイトなどからは予約できないので、電話などで自分で予約しないとならない。予算は離島なのでどこに泊っても那覇より高い。

なぜだか島に着いたら急に涙が滲んだ

粟国島の船着き場付近の様子

もうじき俺を乗せた船が港に到着する。

船は那覇を出航して2時間11分後、11時41分に粟国島に到着した。

初めて訪れる島だが、港の景色はどこか懐かしさや既視感を覚えさせるものだった。特段に涙もろいわけではないが、なぜだか涙が滲んだ。

日中20度くらいと、沖縄では一番寒い時期ではあるが、南国に照り付ける太陽が眩しかった。

粟国港では島の掟で往復の乗船券であっても、帰りも乗船名簿を記入して係員との対面での乗船手続きが必要。

散策に出かける前に名簿の記入を済ませておくと、気が少し楽になるかもしれない。

賑やかな那覇の泊港とか久米島のターミナルに比べると、粟国港は船着き場という印象が強い。

粟国島はソテツが沢山自生している

粟国島に行ったことがない人でも「粟国=ソテツ」というイメージを持っている人は多いかもしれない。

1億5千万年以上も昔から現在まで姿かたちを変えることなく生き延びているソテツは、他の樹木では育ちにくい厳しい環境でも生きられるという。

粟国島のソテツは数百年前に植えられたらしく、現在も島の至る所でソテツの雄姿を眺めることができる。

戦争の時の食糧難の際には実や芯は食料として、葉は燃料として利用されたらしい。

島にソテツが何本あるか数えようとしたが、無謀に思えて早々に辞めたというのは内緒。

滞在2時間でどこに行くことができるか

以前の自分だったら短い時間で行けるポイントを決めておいて「まず〇分でどこに移動、次は△△に×分で移動・・・」というふうに計画を立てていたものだが、広い地球と生きられる時間が限られている一人の人間としては、そのような行動は苦労の割には大した意味がないものであることに気づいた。

80歳で死ぬとして、地球上の隅々まで80年間で見て周れるかというと、多くの人にとってそれは無理なこと。

出来ることと出来ないことは、無駄な精神の葛藤を減らすためにも初めから白黒はっきりさせておいた方がよいのだ。

このケースでいうと、2時間で粟国島のすべてを見るのは80年間で地球上の隅々まで見るのと同様に無理なことである。

粟国島は西側は崖になっていて東側は浜になっているため、西に進むと上り坂になる。

今回のプランでは港の周辺を意識して見ることと、東側のヘビ公園と呼ばれる場所の付近、人間の活動の中心である中心集落の3か所を重点的に見ることにした。

東浜地区農村公園(通称・ヘビ公園)

Googleマップではヘビ公園としか載っていないが、正式には東浜地区農村公園というらしい。

2019年公開の粟国島が舞台の映画『洗骨』で使われた場所である。

洗骨は日本では粟国島など南西諸島の島の一部に残る風習で、人が亡くなったら土葬あるいは風葬して、しばらくしたら骨を洗って再度埋葬するというものである。

2022年にリニューアルされて現在の形となったが、以前はもっとヘビっぽい感じだったっぽい。

西の浜(ナビィの恋ロケ地)

ヘビ公園から少し歩くと西の浜という場所に出る。

ここは1999年公開の粟国島が舞台の映画『ナビィの恋』のロケ地だ。

ただ、立派な遊歩道と東屋があるものの、遊歩道の入り口は草木で立ち入りできる状態ではなかった。

粟国島はひょっとすると、特に意識して歩かなくても映画のロケ地巡りになる島のようである。

エキストラは村のスピーカーによって集められるという。

粟国島の中心集落

西の浜からさらに北上すると長浜ビーチ(ウーグ浜) というビーチに出るっぽいが、時間的に慌ただしくなってしまうので港方面に戻り、中心集落を目指すことにする。

ちなみに、中心集落を見学しても50分くらい余ったので、余裕のある人はウーグ浜まで行ってもいいと思う。フェリーに乗り遅れても責任は取らないが。

こちらは中心集落にあるAコープ。島に食料品などの買い物ができるスーパー的な店は3か所ほどあるがそのうちの一つ。

日帰りの場合は買い物している時間が勿体ないので、その手の離島買い物ツアーみたいな旅行でない場合は、必要な飲食物は那覇で事前に買っておくのがよいだろう。

飲食店もいくつかあるが、目に入ったものの範囲だと観光客向けのギラギラした店というよりは、島の人が普段利用している食堂という感じの所が多い。基本的に島の散策に時間を回した方がよい気がする。

中心集落には村役場や郵便局、教育機関などが集まっている。

写真の場所には保育園、幼稚園、小学校、中学校がある。それぞれ合体技みたいになっている。

自分は幼稚園の段階で行きたくなくて登園拒否していたが、ここに生まれた場合は10年以上も同じ場所に通わないとならないのか・・・と考えさせられる。クラスに気の合わない人間がいても10年くらいもずっと一緒ということだろう。

沖縄ではアメリカ統治時代の名残で公立の小学校と幼稚園は同じ場所でセットで運営されていることが多く、小学校の校長が幼稚園のトップも兼任していることもあるという。当時は小学校6年、幼稚園1年の計7年間が義務教育だったらしい。

島に高校はないので、中学を出たら那覇などに下宿することになるのだろう。

島を散策していて頻繁に見かけるのが税金を納めましょうという看板。

自分以外に観光客も地元の人も道で見かけることはほとんどなかったが、観光案内の看板も所々に設置されている。

観光客に至れり尽くせりというわけではないが、小さい規模の島ながら観光客を歓迎するムードは感じられる。

その他のおすすめスポット

粟国島を訪れて一番好きだったのはククヤガーという場所。

コミュニティバス「アニー号」でも訪れることができるが、港から西に歩いても10分かそのくらい。

入り組んだ地形だが各方面に行くことができる

粟国島のシンボルツリーとも言えるソテツも生えているし、入り組んだ坂が合流している交差点となっている。

どことなく、かつて歩いた大東京の渋谷駅近辺の道玄坂だとか、あそこらへんの光景とダブるところがあった。

当たり前のように地面にソテツが生えているのも、何とも言えない味わいや奥行を感じる。

粟国島に行く機会があったら、ぜひ訪れて欲しいスポットだ。

日帰り粟国島観光のまとめ

粟国島に観光で行こうか迷っている人の多くは、宿泊施設が民宿中心で敷居が高く感じてしまい、躊躇しているというのがあることだろう。

一般的な旅行ガイドなどでも、観光情報が少ないというのもあるかもしれない。

だけど、日帰りでも2時間もあれば意外と島の雰囲気は感じられるので、渡嘉敷島や座間味島には行ったことあるけど、次はどこの離島に行こうかな、なんて人は旅先に選んでみるのも有意義かもしれない。

注意点としては、船は1隻体制なので天候が良くともメンテナンスなどで急に全便欠航になる場合があるということ。

公式サイトの運航情報は必ずチェックするようにしよう。

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【2023年12月】猛吹雪の北海道で鉄道&高速バス一回りの旅日記

北海道新幹線で北海道に渡った初めての旅行でもある

グローバル人間(?)なので令和何年なのかは知らないけど、西暦2024年、あけましておめでとうございます。

拙者はこれでも厳かに年末年始、いや出来れば365日を厳かに過ごしたいタイプなので、年を開けてからの数々の出来事には心を痛めている昨今。

少し前まで本州日本海側や北海道を旅行していた身からすると、全く他人事には思えず。

とある企画でJAL航空機での旅行を計画していたこともあり、例のアレも全く他人事には思えず。

そんなこんなで旅というのは掛け替えのないものであり、同時に危険も付きまとうものであると再認識するのであった。

今回取り上げる北海道旅行記は、下記旅行記にてあっさり割愛した北海道部分の記録である。北海道に渡るまでと本州に渡った後の旅行は該当旅行記に託す。

旅行は記録しておかないと1か月後には綺麗さっぱり忘れる懸念があるので、主に自分用と似たようなルートで旅行したい人向け。

1日目 仙台→新函館北斗→函館の旅

北海道新幹線に仙台から乗車、2時間半くらいぼわーんとしていると新函館北斗に到着。

時間も午後9時半を過ぎていて、もの悲しい新函館北斗駅で普通列車である函館ライナーに乗り継いだ。

北海道の玄関口に到着だというのに、辺境の街にある駅のような印象だった。

函館ライナーは乗車約20分で函館駅に到着した。

到着したことで気が緩んだというか注意力が散漫になって、ホームに出たところ、ザックのサイドポケットからペットボトルが落としたことに気づかなかった。

少しして地元のサラリーマン風の紳士から「落としましたよ」と教えてくれて、気温は寒いけど北海道の人は心が暖かいと感じた。教えてくれてあれがとうございました。

冬の函館駅周辺。北海道の中では気候は穏やか

この日予約した安ホテルは函館沖から徒歩数分。雪と氷でテカテカの道路を歩くのは2年ぶり。

安ホテルに向かう前に、明日の朝一で利用予定の『北海道&東日本パス北海道線特急オプション券』を買おうと函館駅の券売機に向かった。

このオプション券は北海道新幹線の区間で使う他に、北海道&東日本パスと組み合わせると、北海道内の特急に1日乗り放題になるのだ。

しかし、時間が遅い(と言っても午後9時台)からか券売機が販売中止していて、みどりの窓口も終了していて買えなかった。

改札で聞くと明日の午前5時半から買えるというので、朝一で買いに来よう。函館駅は券売機が終わるの早くて、北海道では大きな駅とはいえ、地方の駅であることを認識。

2日目 函館→南千歳→釧路の旅

朝5時25分、6時間くらいしか滞在していない安ホテルを早々とチェックアウトした私は函館駅へと向かった。

5時30分きっかりに特急券を買おうとしているらしいオジサンがいて、31分にならないと券売機が動作しないからイラついて駅員に噛みついたりしていた。

6時発の札幌行きの始発の特急はすでに入線しているから早く切符を買いたい気持ちはわかるけど、本州の大都市とかに比べると、こんなに早い時間に出かける人は数えるほどしかいないのである。

オプション券を無事に買った私は、特急北斗の自由席に乗り込んだ。

函館から南千歳までの乗車率は20~30%くらいでゆったりした旅であった。

3時間程度乗って南千歳駅で釧路行きの特急おおぞらに乗り換える。乗り換え時間はどっちの列車も遅れないことを見込んでかなりタイトだけど、運よくどちらも遅れなかったので乗り換えは問題がなかった。

釧路行きの特急はそんなに本数がない。乗り継ぎできなかった場合に次の列車を待つと釧路到着が3時間くらいロスすることになる。

南千歳駅では本州方面から朝一で航空機で飛んできたであろう観光客と合流することになった。

昨今の北海道では珍しく、ワイワイ、ウキウキした感じの乗客が増えて、北斗と違っておおぞらは雰囲気が明るかった。

乗車率も自由席は90&くらい。

釧路まで直通する列車が少ないことも関係しているだろうと思ったら、出張ビジネスマン系は帯広で降りる人が多かった。釧路まで行くのは観光客風が大半であった。

釧路駅前。12月中旬としては雪が多い印象だった

ホテルはコロナの影響でしばらく休業していた釧路駅前のクラウンヒルズ。

記憶だと2015年~2018年くらいだったら、冬場は1泊3千円しないくらいで泊まれる普通のビジネスホテルもあったが、コロナで情勢が変わったりした影響で冬場も夏場よりは多少安いが、1泊5千円を切る普通のホテルはほぼ探せなかった。

普段は楽天トラベルで予約することが多いが、この時ばかりはリクルートのじゃらんがくれた謎の3000ポイントを使って高い宿泊料を少しでも軽減させた。

釧路は3泊したかったが、宿泊料が高いために2泊でスケジューリングした。

3日目 釧路→根室→厚岸の旅

この区間は特急は走っていないのでオプション券は使わず。

ちなみに、オプション券は北海道内だけで使う場合、半端な距離では赤字になるので覚悟して使った方がよい。3枚以上使うなら、最初から特急も乗れる北海道フリーパスにした方がよい。函館から釧路まで一気に行くとかの場合に勧められる。

冬の根室の街に降り立ったのは2年ぶりであった。

行きは少な目だけどテカテカ路面に泣かされる

根室の街では贔屓のイーストーハーバーホテルでエスカロップを食べる予定だったが、ランチは休業することも最近多いようで、ばっちり休業日だった。

代わりと言っては何だけど、駅前のニューモンブランで食事をした。

このご時世に税込1000円は良心的に思える

ニューモンブランでエビエスカを食べるのは初めてだと思うが、海老がプリプリしていてよかった。

エスカロップは伝統的にワンプレートが基本だけど、ニューモンブランは基本に忠実な根室料理が味わえる店としてオススメ。

自分が出入りした何回かの経験では、駅前にある割には観光客より地元の人で賑わっていることが多い。

釧路方面に戻る列車に乗り、いつものパターン通り、厚岸で下車して道の駅グルメで有名なコンキリエに向かった。

厚岸駅は花咲線では大きい駅で無人ではないけど、秘境の無人駅によくある駅ノートが置かれていた。

駅ノートにコンキリエに向かう方法に難儀したと書かれていたけど、駅裏のピンクの跨線橋を渡ると近いものの、普通に街中を歩いて向かうこともできる。

せっかくだから街中を少し歩いて向かった方が旅人感があっていいと思う。

コンキリエはメニューが改定されていて、全体的に値上げされたりしていた。ハーフサイズがなくなったのが痛い。他の地元っぽい客からも「メニューが変わったな?」という声があちこちから聞こえてきた。

観光地ばりに観光バスで来る人が多くなると、やはり値上げに走ってしまうのだろうか。

厚岸は牡蠣が名物だけど、この年は暑さによる不作で小さめのカキフライで満足できる価格と味ではなかった。

4日目 釧路→生田原の旅

釧路から網走方面に向かう釧網本線も普通列車と快速しか走っていないのでオプション券の類は必要ない。

オホーツク地方に近づくに従って雪が強くなっていった。

首都圏とかだったら、大雪扱いで鉄道は全面運休するレベルだけど、そこは北海道。この程度は慣れっこだからか、この時点では鉄道の運行に支障はなかった。

雪が降りしきる遠軽町の願望岩付近

用事もろもろを済ますために立ち寄ったのだが、この時気付いたのは地方の役場というのは郵便受けがない場合があるということ。

鉄道の補助金書類を郵送するのだが、切手代を節約しようと役場周辺を散策したものの、郵便受けがなかったのである。平日なら窓口に手渡しできるが、滞在できるのは休日のみのため、切手代節約は諦めた。

役場ごとにルールがあるのかもしれないけど、電気代とか水道代の請求書とかは郵送で送られてくるものだと思うけど、その手のものとかも平日に配達員が窓口で渡しているのかしらん。

宿泊は遠軽駅からJRで20分くらいの生田原にある温泉ホテルのノースキング。

この地の歴史に興味のある人は「北の王」というキーワードで調べてみると面白いかもしれないけど、地元出身でも興味のある人以外は名前の由来がわからないことが多いという。

北海道は炭鉱や木材など、かつては資源目的で栄えて何とかなく維持している街や、丸っきり衰退しきった街が多い。国鉄時代にあった廃止済みの鉄道路線も資源目的だったのが多い。

5日目 生田原→旭川→札幌

この日はオホーツク地方から札幌へのそこそこ大移動の日。

しかし、オプション券を使うほどの移動ではないので普通列車で頑張って移動することとする。

昨日に引き続いて天気が大雪チックで怪しいものの、札幌まで戻ると本州に強制送還されるのも目前となるため、この地になるべく留まりたい気持ちも強かった。

なので最速で札幌に向かえる特別快速きたみには乗らず、というかそもそも混んでいる楽しくない列車のため、午後1時過ぎに遠軽発の浅き川行き普通列車で向かうことにした。

3時間以上も乗って、ようやく旭川市内に入ったかなという時だった。

あと2駅くらいで終点の旭川という地点にある新旭川という駅の手前で、凍結によるポイント故障のため1時間半ほど缶詰状態になったのである。

個人的に嫌な思い出が多い旭川でまたしても嫌な思い出が出来てしまった。

飲み会の待ち合わせをしているであろう地元の若い人とかも乗っていたが、飲み会に間に合ったのだろうか。

1時間半くらい足止めを喰らって旭川駅に着いたものの、旭川から先の札幌方面は特急も含めて、運休や遅延が多かった。札幌方面は余計に大荒れなのであった。

特急が遅れたり遅延するという場合、その合間を縫って細々と走る普通列車はさらに遅れたり、運休する可能性が高かった。

この調子だと当日中に札幌に辿り着くのが難しかったり、旭川~札幌の間にある小さな駅で運転休止になったりしたら、宿を探すのも困難で、前にも後ろにも進めなくなる。夏場ならまだしも、大雪で吹雪いている状況で何もない駅前に投げ出されたら命にも関わる。

最近は愛天候での代行輸送もきっぱり「しません」と予め宣言していることがJR各社では多いけど、今回は代行輸送は行われないとのことだった。

一時は特急で札幌に向かうことも検討したが、できるだけ安く確実に向かえそうな高速バスで向かうことにしたのである。

厳寒の旭川駅前で高速バスを待つ

札幌行きの高速バスの運行状況などを調べると、一部に運休が発生しているものの、30分後くらいに発車する19時30分発のバスに乗れそうであった。

なにぶん、この路線に乗るのが数年ぶりで旭川から乗るのは初めてで勝手がわからない。

チケット売り場を探すのも難しかったが、駅から出てイオンの反対サイドあたりのビルの中に券売機があった。時間の関係で窓口は閉まっていたが、わかりづらい券売機でなんとか札幌までの2500円のチケットを買えた。

あとから落ち着いて考えると、札幌~旭川の高速バスは予約不要で、どちらかというと路線バスに近い仕組みであった。

バス停から普通に乗って降りる時に料金を払うタイプである。

25分前にチケットを買って乗り場っぽいとうに並んでいたので、一番奥の席に座ることができた。隣には運休か何かで疲れ果てた若いサラリーマン風の人が座ったが、「お隣失礼します」など言う礼儀正しい人であった。

道央道の通行止めで一般道を走る高速バス

旭川を定刻に出発したものの、雪は激しくなる一方だった。

北海道でも大雪になりがちな地帯なこともあって、オホーツク地方よりも雪が多い。もちろん、オホーツクも降るときは降るが。

通常は道央自動車道にすぐ乗るが、滝川あたりまで通行止めのため一般道経由で向かうという。道路がデコボコでバスは大きく揺れて、とても心地が悪かったのと、事故に巻き込まれるのではと気が気ではなかった。

北海道の冬はバスなどの自動車よりも、列車の方が快適なのである。

高速道路オンリーだと2時間ちょっとで札幌に着くはずだが、一般道経由のため、なかなかバスは進まない。

走っている間にもさらに通行止め区間は増えて、結局、札幌圏である岩見沢まで一般道経由での旅であった。

札幌に着いたのは午後11時半頃。約4時間の旅であった。

なんとか予約しているホテルに辿りつけたけど、冬場の北海道旅行ではこの程度のことはよくあるので、スケジューリングの際にはゆとりを持つ必要がある。

今日はほとんど移動に費やされた気がする。

6日目 札幌ぶらぶら観光

円山動物園は800円に値上げ

翌日、札幌の天候は穏やかだったものの、テカテカ路面は凄まじい。いつ転んで死亡(?)してもおかしくない。

ぶらぶらしたいのもヤマヤマだったが、できるだけ歩かなくて済む場所ということで円山動物園に行くことにしたのである。

600円から800円に値上げしていたが、冬場はどうしても冬眠中だったり、寒いのが苦手な動物は屋内の暖かい所に避難するため、観れる動物が少なくて値段の割に合わないと思った。

こればっかりは仕方がない。

大通公園のイルミネーション

夜はなけなしのイルミネーションを鑑賞しに行った。

札幌の冬ではいつもの光景ではあるが、北海道の地方(田舎という意味)や東北の都市を回ったりすると、札幌のイルミネーションは200万都市だからこそできるものなのだと思ったりする。

7日目 札幌→新函館北斗→新青森

北海道滞在の最終日、例のオプション券を使って札幌から新青森まで移動した。

途中、函館でラッキーピエロに言ったりベイエリアで油を売ったりした。

札幌の狸小路でも気になったが、街のお土産売り場は爆買いの中国人団体が目立つ。

レジに割り込んだり、床に座り込んだり、通路を塞いだりするので不快に感じる人もいると思うが、自分の国での行動と同じことをしているだけで、決して悪気があるわけではないのだという。

それこそ文化の違いであって、「他人に迷惑をかけてはいけない」とか「郷に入っては郷に従え」と何となく刷り込まれて育つ日本人とは違うのである。

彼らがなぜ爆買いするのか不思議だったが、調べると彼らからすると欧米以外では数少ない先進国であり、その国の製品は価値が高いものだからという、日本人からするとあながち悪い気がしないものであった。

経済的に豊かになったとは言え、中国の人が日本に来るのはビザなど手続きも大変で、意を決して訪れていることが多いのだと想像する。人の繋がりを重視する社会でお土産を大量に買わないとならない事情もあるだろうし、不快な事象に遭遇した時は、彼らの事情を理解すると少しは気持ちが穏やかになるだろう。

北海道新幹線は先の記事でも伝えたが、飛行機を使わずに北海道と東北や首都圏を現実的な時間で行き来できる乗り物である一方、まだまだ良さが一般旅行者レベルに届いていない乗り物である。

特急と乗り継いでも半日で首都圏と札幌を結んでいる、飛行機の代替となる交通機関であるということを頭の片隅に入れておくと、いざという時に役に立つかもしれない。