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新潟市「万代シルバーホテル」に実質1,200円で泊まって豪華バイキングと日本酒を堪能してきたぞ

クリスマスイベント時の万代シテイ(イメージ)

普段は楽天トラベルを主軸にホテルを予約しているが、今回はたまたま検索範囲を広げてYahoo!トラベルも見ていた。そこで見つけたのが新潟市の万代シルバーホテルが期間限定で2,200円相当の朝食代が無料になるプランだった。

1泊3,400円。朝食代を差し引いて考えると、実質1,200円になる。

条件としては破格すぎる内容で、今回はこのプランを選択した。過去にも何度か利用しているホテルだが、今回の価格条件はその中で最も良い部類に入る。

万代シテイの中心にある大型ホテル

万代シルバーホテルは新潟市の中心部にある万代シテイに位置している。東京で言えば、新宿や渋谷のような場所(たぶん)にある大きなホテルだ。

館内には複数のレストランが入っている。この地区にはショッピングモールも多く、単体の宿泊施設というより、商業施設と一体化した複合施設に近い。遠くに出かけなくとも用は足りるし、出かけるにしても交通の便がよい。

朝食バイキングは安定して内容が強い

くれぐれもバイキングの盛り付けは計画的に

万代シルバーホテルが最強なのは、毎回印象に残る朝食バイキングだ。

絶対に外せないタレカツ丼コーナー

新潟名物のタレカツ丼が食べ放題で並んでいる。街中で食べれば1食1,000~1,500円ほどする料理で、朝食として出している時点で勝ち筋に乗っている。

厚切りタイプで濃厚、ジューシーなフレンチトースト

さらに、フレンチトーストとオムレツも定番。作り置きではなく、注文を受けてから調理する方式が維持されている。

注意点を挙げるとすれば、何も考えずに料理を盛ると食べきれなくなることくらいだ。基本はタレカツ丼、フレンチトースト、オムレツを優先。この順番は念頭に置いたほうがよい。

客室に置かれている「新潟の布海苔そば無料券」

お馴染みの謎の無料券も健在

万代シルバーホテルでは、客室に同じ建物内の料理屋で使える「新潟の布海苔そば無料券」が置かれている。何度泊まっても変わらず用意されている。

ただし、この無料券は「ワンドリンク注文」が条件になっている。完全な無料ではない点は注意が必要だ。

これまで使わずにスルーしていたが、今回は実際に利用した。ネットで調べてもドリンクの価格情報はほとんど出てこない。店構えも靴を脱いで入る料亭風で、店の前で5分ほど入店を躊躇した。

一人利用でも個室に通される

10人くらいのグループが利用するような個室(?)

無料券を片手に入店すると、一人にもかかわらず12畳ほどの広い個室に案内された。カウンターの片隅に案内されるのを想定していたため、少し身構える。

佐渡の地酒。この店オリジナルだという。透き通った味

ワンドリンクは、新潟各地の日本酒150mlの小サイズやビールが宿泊者向け10%引きで実質650円前後から。ノンアルビールやソフトドリンクで抑えても500円前後が下限になる。

かけそばではなく、ざるそばにしたり、うどんにしたりもできるらしい。そばやうどんといった麺類は原価が安いから無料券が誕生するのだろうけど、無料券という言葉だけで判断すると、印象はズレるかもしれない。

布海苔そばの味は良くも悪くも普通

ふのりそばと日本酒

かけそばで酒を飲んでいると、人は自然につまみが欲しくなる。靴を脱いだ時点で、長居を前提にした導線になっていると感じた。

冬場の新潟市はホテル価格が大きく下がることがある。今回もその一例で、新潟駅周辺の安ホテルの代表格とも言える「シングルイン」系列のホテルと比べても、食事代まで含めたお得感は万代シルバーホテルの方が今回は強かった。

結果として、慣れているホテルを条件の良いタイミングで使えた形になる。予約サイトを一つに固定せず、複数を横断して確認することの重要性を再確認した滞在だった。

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群馬の魂「シャンゴ風」パスタと「ぐんまちゃん」に全振りしたグンマーへの旅日記

シャンゴは群馬中にあるが群馬県庁近くのシャンゴ

各地を旅して思うのは、観光名所よりも日常の風景から、その土地が何に力を入れているのかがわかることが多いということだ。

駅前の空気、道路の広さ、役所の使われ方。今回の群馬への旅は、シャンゴ風パスタとぐんまちゃんという、ある意味わかりやすい2点に全振りされた群馬県の今の姿を、歩きながら確認する旅になった。

まぁ、実際には新潟旅行の帰りで、切符代が勿体ないという理由からの途中下車であり、通過点に少し足を止めただけ。だが、結果的に群馬という土地を過剰に美化せず、素のままの群馬を見ることになった。

シャンゴ風パスタという群馬の魂

パスタに見えない一品料理の佇まい

午後3時。遅いランチとも、早いディナーとも言えない。マダムのティータイムの時間だ。

群馬に降り立った最大の目的は「シャンゴ風」パスタだった。もちろん、向かったのはシャンゴ。価格は1,250円。

マジな話、今までの人生で食べたパスタで一番美味しいかもしれない

ミートソースにトンカツが載ったパスタと言えば、北海道は釧路のスパカツがある。だが、皿が運ばれてきた瞬間、むしろ根室のエスカロップを思い出させる上品さがあった。実際に口にしても、釧路のスパカツとは方向性は全く違う。

圧倒的なボリュームと鉄皿の熱さで押し切るスパカツに対し、こちらは麺150gを基本とした、質で勝負するパスタだ。スパカツというより、エスカロップに近い一品料理。群馬=榛名山=頭文字Dという、雑な群馬のイメージをあっさり修正してくる。

ちなみに、事前にGoogleで調べたところ、GoogleのAI概要には「支払いは現金のみ」と表示されていた。念のため、郵便局に寄って現金を用意したが、さすがクソAIらしく、実際には普通にクレジットカードが使えた。

店内はオシャレ路線だが、肩肘張った感じはない。

時間帯的にマダムだらけかと思いきや、外回りのサラリーマンが寛ぐ姿の方が目立った。観光客向けというより、群馬に自然に溶け込んだ店という印象だった。

食後、ここに載せるために店の外観を撮ろうと道路の向こう側に立ったが、車が全く途切れなかった。常に流れ続ける群馬ナンバーの車列。結局、10分ほど待ってようやくシャッターを切れた。車社会の群馬では人より車が主役なのだ。

群馬県は「ぐんまちゃん」に全て振り切る覚悟

シャンゴを後にして群馬県庁へ向かう。高層階の展望台は無料で開放されており、観光施設というより「ついでに来ていい場所」という距離感が心地いい。

かつて展望フロアに入居していて群馬県民に愛されていた某料理屋が、官民なんたらプロジェクトのスペース拡大の都合で一方的に立ち退きさせられたという悲劇の張り紙があった。よくわからん官民なんたらよりも、愛され料理屋の方がそこにあるべきだと思った。

群馬県全体のジオラマ

26階には以前からあったか不明だが、群馬県の地形を再現したジオラマが設置されていた。

正直なところ、「なるほどわからん」と理解する前に通り過ぎてしまった。窓から見える風景の広がりのほうが、よほど雄弁だった。

大量のヒドリガモが優雅に泳ぐ

群馬が誇る高層建築である群馬県庁の周辺にはヒドリガモが大量にいた。

東京ではもちろん、埼玉でも見た記憶がない種類のカモで、良い環境を選別するカモだという。しかし、群馬では完全に定着している。

鳴き声は甲高く、ピーピーという音が常に響いていて静かではない。人工的な高層建築とは対照的で、妙に野生寄りの環境が残っている。

すでにファミリーを形成しているぐんまちゃん一族

高層建築の建物に隣接している小さな昭和庁舎という建物には、できたばかりの「ぐんまちゃんのひろば」がある。

シャンゴでまったりしていたせいでイベントには間に合わず

グッズとかの展示や販売の施設かと思えば、実態は子供向けの着ぐるみイベントが主軸らしい。平日の後半や週末にイベントをやっているという。

ずいぶん「ぐんまちゃん」に金かけている気がしないでもない

屋外には「ぐんまちゃん」のモニュメントがあった。

かつて、ここには普通に「群馬県庁」と書かれていたモニュメントがあったはず。ご当地キャラブームが過ぎ去った今、この振り切り方は清々しい。これが群馬県民の総意かどうかはわからないが、少なくとも「迷ってはいない」ことだけは伝わってくる。

途中下車の旅先としてのグンマー

今回の群馬は目的地ではなく通過点だった。

シャンゴ風パスタや、ぐんまちゃんへの振り切り方、そして県庁周辺に定着したヒドリガモの騒がしさまで、すべてを距離を保ったまま見られた。

ぐんまちゃんと官民プロジェクトへの振り切り方が最適解なのかと言われれば微妙だが、行政の中心と日常と自然が雑に同居している感じは、他県の県庁所在地ではあまり見ない。

また群馬に途中下車する理由ができたら、その時は特別な期待を持たずに歩くのが正解だと思う。

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2025年の旅を振り返る ~16,174 kmの軌跡が語る北への回帰と喪失~

2025年の旅を振り返ると、移動距離や泊数ではなく、どの土地に身を置き、何を感じたかで語るべき一年だった。

観光地を巡る旅ではなく、その場所の時の流れや質感といった記憶に触れたことが、今年の旅のテーマだった。そして、旅は移動ではなく、その場所そのものに触れる行為だと改めて実感した。

沖縄 かつて旅の中心地だった南の島

かつての自分は沖縄にと向かっていた。日常から距離を置くため、また別の可能性を探るためであった。しかし今年、沖縄はかつての特別な場所でありながらも、旅の中心ではなくなった。

南へと向かう旅は、静かに役割を終えつつあることを感じさせた。

長崎 街の空気と坂の情景を吸い込む旅

長崎県の佐世保や大村は、どちらも海や山に隣接した街でありながら、街に漂う空気は違う。

佐世保の坂の多い街を歩くと、歴史の重さが足元から立ち上がってくるような感覚がある。映画のロケ地を歩き、街の空気を吸い込み、坂が作り出した歴史を感じさせる旅だった。街そのものに触れる旅。沖縄とは別の方向に心が動いた。

新潟 海と港が旅情を交差させる場所

新潟は旅を整える場所であった。新潟の港の空気は、沖縄とも長崎とも違う。

風は冷たく、北海道へ行き来するフェリーの玄関口として、新潟は旅情を整える場所だった。海を眺めながら、これから向かう場所の気配を静かに受け渡す。新潟は旅の余白を美しくつなぐ土地である。

北海道 原点に帰る旅への重さと軽さ

今年、旅の重心は北海道にあった。地元である北海道は帰省ではなく回帰だった。

身体が覚えている空気の軽さ、風の冷たさ、夜の静けさが旅の中で再び呼び起こされる。沖縄が逃避の旅だったとすれば、北海道は心が回帰する旅だった。場所そのものに身を委ねる旅。観光ではなく、生活に近い旅。北海道は今年の旅の中心であり、旅の答えだった。

距離で見る旅の重心

今年、単純計算での自宅から旅先までの往復での総移動距離は約16,174 km。

そのうち、北海道への旅が約9,708 kmで全体の60%を占めた。沖縄は約3,134 km(19%)、長崎は約1,928 km(12%)、新潟は約1,404 km(9%)。最も遠いのは沖縄だが、旅先の主役は北海道だった。距離ベースで見ても、今年の旅の重力は北海道にあった。これは遠くへ行きたいのではなく、意味のある土地に何度も身を置きたいという旅の成熟を示している。

宿泊数と訪問回数が示す旅の重力

宿泊数と訪問回数という基準で見ても、今年の旅の重心北海道にあった。

沖縄:1回、4泊
九州(長崎):1回、3泊
新潟:3回、8泊(経由地としての訪問は含まず)
北海道:6回、45泊

数字を並べるだけで、旅の重力がどこに落ちていたかは明らかだ。南の旅は短く、単発で完結しているのに対し、北海道だけが何度も、そして長く滞在している。これは単なる嗜好ではなく、その場所に身を置く必然性の差だと感じている。南は1回で旅が完結する場所だったが、北海道は6回でも足りなかったのである。

キャンプ 土地と自然に触れるための最も純度の高い方法

北海道での旅の中心にあったのはキャンプだ。テント越しに聞く風の音や土の匂いは、ホテルでは絶対に触れられないものだった。

キャンプは節約ではなく、土地と自然に触れるための最も確実で贅沢な方法だ。普通の旅行者では一生辿り着けない思想かもしれないが、俺にとってはこれが旅の答えだった。

フェリー・鉄路・新幹線 旅を熟成させた3つの柱

フェリーの個室は旅情を育むための空間だった。海の上で過ごす時間は移動ではなく、思考のための静かな部屋だった。

鉄路は自由を確保するための装置だった。キャンプ場は街から遠く、徒歩だけでは世界が閉じる。自由に動けるという前提が旅の密度を決めた。

新幹線は時間と体力を守る合理的な選択となり、中距離の移動においては飛行機とは違った利便性が光る。

地元ダンスチームの突然の解散

今年は旅先として訪れた地元で大きな出来事があった。長年活動してきた地元のダンスチームが解散したという知らせだ。旅の途中でそのニュースを知ったとき、胸の奥が酷くざわついた。北海道の清らかな風の中にいながら、地元の空気が急に遠く感じられた。

それは単なるダンスチームではなく、街のイベントに必ず姿があり、地域の動きそのものを象徴していた。観光ガイドには載らないが、その土地の呼吸を形づくっていた。旅に出ている間にも地元は静かに姿を変え、かつて当たり前にあったものが消えていく。

当たり前のことではあるが、日常の間でも、旅に出ている間でも、街は常に変わっていくのだと思い知らされた瞬間だった。

今年の旅は思想と回帰の旅だった

沖縄、長崎、新潟、北海道。それぞれの場所が異なる役割を果たし、今年の旅は観光ではなく生き方そのものとして成立していた。普通の旅行者がホテルで安心を買う間に、自分は台地の匂いと冷たさの中で眠り、風の音で目覚めていた。旅は快適さではなく、どこに身を置くかで決まる。

来年もまた旅は続くのだろう。どの場所に身を委ねるかは、まだ決めていない。