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【北海道】雪景色が美しい冬の女満別湖畔キャンプ場を散策して来たぞ

冬になるとキャンプが待ち遠しくなるからというわけではないけれど、夏場にキャンプしたことのある女満別湖畔キャンプ場に冬に訪れてみた。

夏には何度も訪れているけど冬に散策したのは初めて

北海道と言っても場所によって積雪量は大きく違うが、オホーツク地方は道南や太平洋側よりは多いものの、基本的には大量に雪が降る場所ではないので積雪は思ったより少ない。

東京人とかは意外に思うかもしれないけど、日本海側の札幌あたりが実は北海道トップクラスの豪雪地帯である。

散策できるように網走湖周辺が除雪されていた

歩けるように除雪されているのがワンダフル

管理上の都合なのかわからないけど、キャンプ所の網走湖側が除雪車で除雪されていた。

ワカサギ釣り会場はもっと網走寄りだし、冬季の北海道は外が歩きにくいこともあって運動不足に陥りやすいから、住民向けのサービスとしてなのかもしれない。

地元の某公園は冬季は雪で閉ざされてしまうけど、こういうランドマーク的な場所が散策できるようになっているのは嬉しい。

駅近、温泉隣接、コンビニとスーパーが徒歩圏など、徒歩キャンパーにとっては、このほど利用しやすいキャンプ場は世の中に存在しないと思っているけど、自分以外にJR利用の徒歩キャンパーと出会ったことがないのが不思議なキャンプ場。

来るたびに撮影してしまう網走湖の看板

湖は近隣の氷上でワカサギ釣りイベントが行われているくらいだから、おそらく氷が張っていると思われる。

でも、死にたくないので湖の上には立ち入っていない。死にたくないから(2回目)。

宿泊は近隣のホテル山水

キャンプ場隣接のホテル山水

キャンプ場利用者なら大抵の人が世話になるであろう近隣のホテル山水の日帰り入浴。

湯元ホテル山水 美肌の湯の宿泊予約はこちら

日帰り入浴は利用したことがあるけど、ホテル自体には宿泊したことがなかった。理由は夏場は観光客がそこそこ多い土地で値段が高いし、そもそもキャンプしに来ているからである。

北海道で最も素敵な季節は冬だというのに、内地の観光客は夏ばかりに北海道に来たがるという。観光客争いのライバルである沖縄は特に明確な観光シーズンがいつっていうのがないのに対して、北海道の観光客は夏の3か月間に集中しているのだ。実にもったいない。

そんなわけで冬の北海道における観光系ホテルは値段が安い。お金があまりなくても泊まりやすいのだ。冬の北海道が素敵だという理由の一つである。

布団がセルフだけど和室もたまには悪くないよね

夏場は調べただけで泊まってはいないけど1万円くらいした記憶があるが、今回は税込み1泊素泊まり5千円だった。もちろん入浴施設の料金も含まれているから、お得なんじゃないかしらん。

建物はキャンプ場側の客室などがある建物と、フロントや食事会場、宴会やイベント会場(?)みたいなのがある建物、入浴施設に分かれている。温泉街ってわけではないし、駅隣接の施設としては、生田原のノースキングに雰囲気が少し近いかもしれない。

客室から見る網走湖とキャンプ場方面

このキャンプ場は7月~8月は料金がかかるけど、それ以外の時期も勝手に利用できる感じの緩い所。

今年こそは雪が溶けたら暖かくなったらリベンジしたいなぁ。

2年前は安物テントだったのを忘れて、低気圧だか台風だかの時にキャンプを強行したら、テントのポールを折れてしまったり、水没というか洪水寸前で「もう二度とキャンプなんてするものか」と思ったものけど、何度でもリベンジしてやろうかと思う。

我ながら、他の分野で役に立たなさそうな、妙な打たれ強さだけは持ち合わせている。

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日高本線の浜厚真駅から苫小牧東港に歩いて行って新潟行きの直行らいらっくに乗船したぞ

船旅にハマってしまい、苫小牧東港発の新潟直行便の「らいらっく」に乗ったぞ。

苫小牧東港の最寄り駅は浜厚真

鵡川駅までは残っている日高本線を走るのはキハ40

苫小牧には苫小牧駅に近いフェリーターミナルもあるが、新日本海フェリーのターミナルは日高本線を20分くらい乗った先にある浜厚真が最寄り駅になる。

2025年の今では北海道のローカル線でも見かけることの少ない希少なキハ40が走っていた。日高本欄も鵡川駅から先は廃線となっているので現在は短い路線である。

昔、プライベートで静内に列車で行ったことがあるし、当時やっていた出張の多い仕事では浦河まで行ったことがあるから、世の中というのは永久に続くものではないことを実感する。

札幌から苫小牧駅に普通列車で行くのも意外と本数が少ないから注意。昔は苫小牧って札幌近郊の街としては結構栄えていたイメージがあるし、もっと列車が多かったイメージがあるけど、ここも札幌~函館間の特急銀座みたいになっているから、普通列車が思いのほか少ない。

札幌~新千歳空港間は快速が高頻度で走るから、とりあえず千歳まで快速で向かった。千歳で千歳水族館に行ったり、この先で食料品が満足に買えるか不明だったので、千歳駅前のイオンで少しだけ食料を調達した。あとで無駄だったことを知ったが。

食料品の調達は苫小牧駅直結のMEGAドン・キホーテが便利

小樽のフェリーターミナルと違って、苫小牧東港の近くにはフェリーターミナル以外になにもない。

食品はどこかで事前調達が必要になるが、苫小牧駅に直結されたMEGAドン・キホーテがオススメ。パンとか総菜、飲料、インスタント食品など何でもあるし、イオンより安い。

日高本線は2時間に一本くらいの頻度なので、時間には余裕を持った方がよい。浜厚真からも2Kmほと歩くことになるし、苫小牧駅からは歩ける距離じゃないから、乗り逃したら終わりである。

一応、フェリー利用者向けに事前予約で南千歳からバスがあるけども、結構まともな値段だった気がした。

ファンが多いであろう浜厚真駅

客車を利用したタイプの駅舎

20分ほどで浜厚真駅に到着した。フェリーの利用者が何人かいるかなと思ったが、乗客自体も地元の人が3人くらいで、あとはその手の鉄道旅行者が2名いたくらいだった。浜厚真駅で降りたのは自分だけ。

駅の中は駅ノートがあったりして、フェリーの利用者の書き込みもいくつかあった。事前情報通り、駅の近くには何もなく、トイレもないので準備は苫小牧で全部済ませるのがよい。

直前に悪天候でフェリーの到着が遅れるというメールが届いていたけれど、吹雪いていてフェリーターミナルに辿り着けるか不安だった。食料品の買い出しも荷物もリュックに入るだけにした。

道自体はトラップなどもなくて、Googleマップの通りに歩けば問題なかった。

ターミナルは小樽と大体同じくらいの規模がある気がする

ターミナルに辿り着いた。トラックの駐車場などがあって、小樽の方が札幌圏って感じがするから、小樽よりは少し規模が小さいのかもしれない。

自分は時々ある新潟との直行便に乗るが、基本的に秋田や新潟、敦賀などの経由便が主力で小樽と棲み分けしているみたい。小樽は直行便が基本で、最新型のフェリーが運航しているのも小樽便。

このフェリーターミナルの待合室は団体が多い印象

交通の便は小樽より悪いので出航の2時間半前に着いたが、2時間前くらいには待合室がいっぱいになるくらいだった。フェリーの固定客らしく自衛隊員が多くて、彼らは朝食も専用の呼び出しがあったりした。あとは大学か何かの団体客がいた。普通のツアー客とか中国人観光客はいなかった。

らいらっく船内の様子

「らいらっく」は前回小樽から乗った「らべんだあ」より古い船。

ゲームコーナーはちょっとした昭和のゲームセンターのよう

船内の雰囲気は自分のイメージにある通り。ゲームコーナーとかが目立っていて、てんこ盛りな日本のいわゆるフェリーっていう感じ。

オブジェなども凝っていた

新造のフェリーは時代を反映して個室空間を重視していたりして、あまり共用部分は力を入れない傾向があるようだけど、この時代のフェリーは共用部分に力が入っている。

カフェとか語らいスペースは解放感がある

船内の客層は男性のトラックドライバーが多い。同じ北海道から新潟に向かうフェリーなのに、小樽便と苫小牧便は客層がちょっと違う感じがした。小樽の方が若い学生とか女性が多かった。

ステートB和室の雰囲気

今回利用したのはステートB和室というタイプの個室。15500円でこの時期は貸し切り料金が不要。

前回利用した個室と違って、シャワーやトイレの設備は客室内にはない。冷蔵庫がなかったので飲み物は窓際において冷やした。空調は20度に設定しても、なぜかかなり暑かった。

前回の新造船は部屋の出入りはQRコードを使ったが、こちらは普通にアナログのカギを使う。船内の受付で受け取って、降りる頃に回収に来る。QRは反応しない時があるから安心感はあるけど、到着が近づくと回収に来るのはちょっと面倒だった。

食事内容は同じフェリー会社だから前回とあまり変わらないので利用しなかった。売店は飲食物や土産ものなど、販売品目が充実しているように思った。陸地より値段が高いというデメリットはあるが。

部屋にいて思ったのは、新造船では感じなかったけど、航行中にミシミシ言うのが少し気になった。

少しノウハウが増えた新日本海フェリーの賢い予約方法

夏の繁忙期だとそうは行かないと思うけど、閑散期だと当日でも定価で予約できるのがよい。

一度支払いをしてしまうと自分の都合で乗れなくなった場合はキャンセル料がかかるが、閑散期だと満室には滅多にならないと思うので直前で大丈夫。

この時も空き状況を見ながら前日に予約して支払いをしたけど全然余裕だった。飛行機だとLCCでも直前になると料金が上がったりするけど、このフェリーは空き室がある限りは定額だから落ち着いていていいね。

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オホーツクに帰省 ~消えたニポポ人形を探し求めて~

某土産物屋で最後の一つだったキーホルダー型のニポポ人形

網走市のカントリーサインにもなっているニポポ人形。

なぜか急にニポポ人形が欲しくなったが、このニポポ人形は思いのほか奥が深かった。

ニポポ人形は簡単には買えなかった

これまでニポポ人形をあまり気にしたことがなかったが、ニポポ人形を買おうと思うと簡単には買えないシロモノであることがわかった。

最初は網走の道の駅など土産物っぽいものが売られている場所に行けば、簡単に買えるだろうと甘く考えていたのである。

しかし、網走の土産物屋で一番大きいそうな道の駅の土産物コーナーに行っても、ニポポ人形は全く売られていなかった。

網走駅の観光案内所で聞くもタライ回しに

二ポポ人形のことなら、いっそ網走の人に聞いてしまえばいい。

そう思って網走駅の建物内にある観光案内所で聞いてみた。

しかし、ニポポ人形は人気で在庫が1つもないという。観光案内所と道の駅は同じ組織が関わっているから、ここにないということは道の駅にもないというようなことも言われた。売られていそうな場所を聞いたが、多分どこにもないだろうという話だった。

ニポポ人形のことを何も知らない私は、巷に数あるシマエナガのグッズとか、沖縄のシーサーの土産品とかと同じようなものだと思っていたが、網走における正統なニポポ人形というものは、製造できる場所が限られているという。観光案内所でそんなような話を聞いた。

ニポポ人形は網走刑務所で作られている

ニポポ人形の裏には網走刑務所の焼印が押されている

ニポポ人形が作られている場所。

それは網走刑務所だ。ニポポ人形は古くから網走刑務所の受刑者による刑務作業で作られているというのだ。

網走の地で有名な考古学者の米村喜男衛氏が樺太アイヌのマスコットであったアイヌニポポからヒントを得て、1955年に網走ゆかり民芸品としてニポポ人形が出来上がったのだという。

ニポポ人形は民間のグッズ制作企業などが勝手に製造できるようなものではなかったのだ。

網走駅近くにある民芸品店でも聞いてみた

北方民族ウイルタの偶像であるセワ。事故除けや病魔除けだという

早くも行き場をなくした私は網走駅近くにある大広民芸という民芸品店を訪れた。この地で親子2代に渡って1964年から手作りの民芸品を販売しているという。

ここでも聞いてみると、やはりニポポ人形は扱っていないという。以前は観光協会を通して入荷していたが、コロナで刑務所の製造能力が落ちたために、あまり製造されなくなったというような話を聞いた。

ここではニポポ人形は買えなかったものの、かわいらしい木でできた人形が売られていたので、つい買ってしまった。

北方民族のウイルタについても恥ずかしながら知識がなかったが、本で取り上げられるなどして、道外から店を訪れる人も多いという。

刑務所作業用品展示場にも行ってみた

網走刑務所(博物館の網走監獄ではない)の前にある作業用品展示場

ニポポ人形が網走刑務所で製造されているなら、刑務所作業用品展示場に行けば買えるのでは思った。

網走駅から30分ほど歩いて向かった。ちなみに、この場所は観光客が車で訪れることは禁止されているので注意。

作業用品展示場は展示というよりも普通に販売されているものの、そこにニポポ人形そのものは売られていなかった。

ニポポ人形が買えなかった時の保険として、ニポポ人形がデザインされたコースターを買った。

会計時に二ポポ人形のことをレジ店員に聞いてみたが、ニポポ人形は道の駅で売っているから、ここでは売っていないという。

民芸品店でも言われたが、ニポポ人形の流通一切は観光協会が絡んでいるようだった。観光協会が絡まずに独自に販売されたり、流通することはないのであろう。

ようやくニポポ人形が買えたのはapt.4の土産物店

ニポポ人形を買うには足で探すのが一番

apt.4(アプトフォー)とは網走の中心商店街である。網走駅というよりは道の駅に近いエリアにある。

これまでの話を纏めると、

1、ニポポ人形の流通は網走観光協会が管理している
2、ニポポ人形は網走刑務所で製造されている
3、観光案内所や関連組織である道の駅では売り切れている
4、民間の土産品にも在庫がないっぽい

という状況である。

ニポポ人形を買うのは今回は諦めるほかないかなぁと思いながら、少なくとも過去のある時点ではニポポ人形が売られていたというapt.4にある北斗という土産品店に向かってみた。

結果、売り場の中央付近に菓子類や干物に混じってニポポ人形コーナーがあった。

だが、いくつか種類があるもののほとんどが売り切れていて、筆者が訪れた時点でキーホルダー型のニポポ人形が最後の一つとして残っていたのみであった。

なんとも感慨深く味わいのあるニポポ人形だ。

民芸品の世界にハマってしまいそうな気分だった。

余談 世界的には刑務所の強制労働は禁止傾向にある

世界的には日本の刑務所というのは特殊。

日本も加盟しているILO(国際労働機関)の基準としては、刑務作業はグレーな扱い。ILOでは強制労働は禁止されていて、刑務作業などは事実上の強制労働のため、将来的には廃止すべきという意見も有識者から出ているという。

そもそも日本の刑務所は軍隊式どころか、旧日本軍にルーツがあるという話もある。

欧米諸国の刑務所では日本のような軍隊式の生活様式は強制されないし、生活必需品の持ち込みすら制限が厳しい日本に比べると、家族を招いたり、外部と自由に電話が出来たりと、相当に生活の自由度が高いのが世界の刑務所である。

イタリアの刑務所では受刑者に労働をさせる場合は一般世間と同じ待遇で給料を払わないとならないという。しかし、日本の刑務所での強制労働的な刑務作業の報酬は月給4千円程度と一般世間とは程遠い。

このあたりの事情を知っていると、刑務作業で作られるニポポ人形の“見え方”も違ってくるであろう。