埼玉と東京を合わせた地域を埼京、青森と函館を合わせた地域を青函と呼ぶ。
北海道の人は函館と青森を比較して、「さすが本州だけあって青森の方が函館より都会」と思う場合があるらしい。いや、そんなことはないと思う。景色も人も、函館の方が都会的だ。本州と言っても、首都圏の若い人は北海道に遊びに行ったことがあっても、青森みたいなところに行ったことある人は少ないんじゃないだろうか。
さて、今日は函館本線である。
本州で言えば東海道本線くらい重要な路線だ。なにしろ、函館、札幌、旭川という北海道の3大都市を結んでいる。と言っても、国鉄時代は3大都市を走破する列車があったかもしれないが、今は函館~札幌、札幌~旭川に分割されている。北海道の鉄道ターミナルが函館から札幌に移転しているからだ。
前述の「函館~札幌」を直通する列車は、函館本線だけを走るのではなく、室蘭本線、千歳線などを走る。函館~札幌間のいわゆる函館本線は、ニセコなどの山間部を通り小樽経由で札幌向かうのだ。ガチな函館本線は、非電化単線の箇所も多いし、ローカルな雰囲気だ。
しかし、特急だと3時間程度だけど、その3倍もの時間をかけて、このローカル線を使って札幌に向かう人は意外に多い。帰省客、旅行者で割りと年間通して他のローカル線よりずっと混んでいる。
石北本線の30倍くらい、根室本線の3倍くらいは乗客がいるのではないか。
北海道のローカル線(と言っても本線)としては人気の函館本線だが、この旅の肝は長万部だ。乗り継ぎの良い列車パターンは少なく、乗り継ぎが悪いパターンだと2~3時間くらい空き時間ができる。
長万部での乗り継ぎが良い列車ほど混み合う。18切符や北東パスのシーズンでボックス席が貸切で使えたら、なかなか運が良いだろう。
函館を朝8時に出る。札幌に着くのは夕方4時頃なので、長旅の部類に入る。
このへんの車両は座席配置が微妙で、中央通路挟んで片側が通常の4人ボックスで、もう片方が1席×1席のペアシート(?)になっている。
ボックスシートだけ他人同士でもそれほど違和感がないけど、このペアシートは人によっては微妙に感じるかもしれない。
それでも長旅で立席はきついので、ペアシートでも知らない人同士が相席で座る。
自転車旅行なんかに比べると200倍くらいは出会いがありそうなのが、鉄道旅行、特にローカル線の旅ではないだろうか。
ちなみに、自転車旅行は女性が現状ものすごく少なく、工業高校とか工業大学よりも女性の比率が少ない。ロードバイクブームで自転車をやってる女性は多いはずだが、土日の近場のサイクリングで終わってしまっている。自転車の本当の面白さが、その向こう側あるのにも関わらず。
長万部着。
ペアシートで足を伸ばせないが、海沿いの進行方向側の席を確保できたので、上出来な方の席。
乗り継ぎが最良の列車なので、間髪いれず、長万部駅で待機していた列車に乗り換える。長万部では多少の時間はあるものの、食事用のパンやコーヒーも初めから複数買ってあるので、特にお出かけせず。
長万部から小樽へ向かう列車。また同じタイプの座席構成の列車だが、ペアシートは窮屈でエコノミー症候群になるので、今度は4人掛けを確保。
この区間は世界的(たぶん)なスキーリゾートであるニセコを通るので、外国人旅行者や明らかに道外からの旅行者っぽい人達なども乗り込む。季節運行のリゾート特急を別にすれば、普通列車がメインの交通だからだ。
ニセコ付近に通りかかる。10日ほど前まで札幌は記録的に積雪ゼロだったが、さすがに雪が降ったようで、このあたりはだいぶ札幌に近いが、普通に雪景色だった。
小樽に到着。
小樽からの鉄道網は完全に札幌圏だ。2両編成程度の気動車だったのが長大編成の電車となり、Uシート(グリーン車のようなもの)車両連結の通勤列車が15~30分おきくらいくらいに走る。
電車は30分もしないうちに札幌駅に到着する。