Part.2 The After (痔アフター) 新潟~東北~函館~札幌

Part.2 The After (痔アフター) 新潟~東北~函館~札幌

3日目 青函トンネルで海を渡って青森→函館へ

昔、急行はまなすは腐るほど乗った。青森と札幌を繋ぐ夜行急行列車だ。気付けば、日本で最後の夜行列車なんだとか。だが、北海道新幹線開業でもう時期、廃止される。

北東パスも10年くらいの間に何度か条件が変わったが、以前は自由席オンリーなら追加料金なしではまなすに乗れた。自由席を確保するために、寒空の中、ホームではまなすを長時間待ったことが何度あっただろか。.

旅行シーズンだと発車の5時間も前から札幌駅のホームに行列が出来たり、ホームでコーヒーを沸かしたりする人も出たりしたことから、JRが問題視したのだろう。やがて北東パスの条件が変わって、自由席は追加料金必要、指定席は指定券を変えば北東パスでも乗れるようになった。

指定席客が増えたことで、5時間も並ぶ人はほとんどいなくなった。

LCCなんてものがなかった時代では、はまなすに乗る経済的メリットは大きかった。今だったら並ぶ気はしないが、はまなすの廃止は北海道新幹線開業が直接の原因だが、自分がはまなすに乗らなくなったのはLCCによる影響だ。

しかし、はまなすなんてオンボロ車両だし、混み合って相席だったりすると全く楽しくないので、お別れ乗車はしない。はまなす、さようならありがとう。

はまなすに乗らない場合、特急列車と普通列車の乗り継ぎとなる。

青森から蟹田までは普通列車で移動。蟹田は何もなくてホームがヤケに狭い駅だ。ここからは特急しか走っていないため、特例で自由席に乗れる。

北海道新幹線開業後はまた難儀だが、津軽海峡を渡る手段は現在でも特例だらけだ。新青森、青森駅間の移動も条件がややこしい。北東パスの場合、特急券を買えば青森、函館の移動は全編特急にすることもできる。

だが、安上がりだから、普通、特急と乗り継ぐ、面倒な移動をしている輩も多いことは多い。

特急列車に乗るといわゆる普通の旅行をしている人達が多く、貧乏旅行の人も混じるという妙な面子となる。

青函トンネルを通り北海道に渡ると木古内で下車。函館まで乗ってしまうと全額料金が請求されるので、降りないと細かい努力が台無しになる。

そもそも今でそ北海道新幹線などと一部で騒ぎ立てているが、本州から北海道の行き来が青函連絡船だった時代の洞爺丸が起こした大事故のことを考えないとならない。

青函トンネルはもっと以前から構想だけはあったというが、洞爺丸が引き起こした死者千名を越える転覆事故によって、さっさと青函トンネルを作ろうと、国が本気になったという。

洞爺丸の事故は原因が軍国主義だとか色々言われているが、興味があれば下記の本をおすすめする。

さて、もうすぐ北海道新幹線の駅ができる木古内は、ひそかに盛り上がっている。

新幹線の駅があるのに寂れまくっている田舎は全国に沢山あるが、木古内もその中に加わるだけである可能性が高いのだが、それでもルート的に新幹線駅が開業するので、駅中のポスターなどから町が沸いていることが伺える。

特に印象的だったのが、町役場とか町の人が何人も乗っていて、それぞれ「木古内は良い所だから遊びに来てください」的なアピールをしているポスター。

木古内には乗り継ぎの都合で何度か来ているが、元々、木古内に住んでいるとか縁がある人はともかく、新幹線の駅が出来ても、普通の旅行者には99.9%素通りされてしまうのではないだろうか。

岩手県とか青森県とかの東北新幹線の寂れた小さなローカル新幹線駅で、観光客が大勢来ているのは想像できない。

この青森~函館の普通列車、特急列車乗り継ぎの旅は鬼畜で、この何もない木古内とか蟹田の両方またはどちらかで2~3時間程度の待ち時間ができる。

蟹田には何もなくて蟹飯だけあるが、木古内は駅徒歩圏にスーパーやドラッグストアーがある。夏場だとぶらぶらすると比較的楽しいが、冬場は気候が厳しいところなので、出歩くのが大変だろう。

列車の時間になり、函館に向かう。ここから先はキハ40のいわゆる北海道の鉄道旅だ。

北海道仕様のキハ40は暖房は強力。夏場は冷房が付いてなくてツライい場合があるが、冬場は快適なのだ。普通列車の移動需要が多い路線なので、時期によっては混む。車窓は函館に向かって右側が良い。

函館に到着。

港町だが、釧路と違って冬場の函館は気候が厳しい。私が冬場に函館に行くと、寒くて雪深くて猛吹雪の場合が多い。道南と言っても津軽海峡付近の冬場は気候が厳しい。

函館は北海道新幹線で沸いているし、北海道の中でもかなりの観光都市だ。

しかし、吹雪いていてベイエリアまで行くのも一苦労。前が見えないくらいの吹雪で向かうも、函館も他の道内と同じで、韓国人、中国、台湾人が多いようだ。

ベイエリアのレンガの店は、ほとんど土産物ばかりで、あまり良い思い出はない。お土産を買っても鞄にスペースがない。

函館の名物はラッキーピエロのハンバーガーと、ハセガワストアのやきとり弁当。

ホテル近くのローカルデパートの地価にもハセガワストアの売店があったが、夜に買いに行こうとしたらデパートの営業時間より早く閉店していた。ここのデパチカも青森のさくらやのようにデパチカ的ではない。なにしろ惣菜がデイリーヤマザキのカツ丼とか、有り得ないぞ。

仕方ないので、やきそば弁当とセイコーマートのフライドポテトで晩酌。ホテルは窓のない部屋で、断熱能力が高く、今まで一番暖かい。

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4日目 函館→札幌への鈍行列車の旅は長いゾ

埼玉と東京を合わせた地域を埼京、青森と函館を合わせた地域を青函と呼ぶ。

北海道の人は函館と青森を比較して、「さすが本州だけあって青森の方が函館より都会」と思う場合があるらしい。いや、そんなことはないと思う。景色も人も、函館の方が都会的だ。本州と言っても、首都圏の若い人は北海道に遊びに行ったことがあっても、青森みたいなところに行ったことある人は少ないんじゃないだろうか。

さて、今日は函館本線である。

本州で言えば東海道本線くらい重要な路線だ。なにしろ、函館、札幌、旭川という北海道の3大都市を結んでいる。と言っても、国鉄時代は3大都市を走破する列車があったかもしれないが、今は函館~札幌、札幌~旭川に分割されている。北海道の鉄道ターミナルが函館から札幌に移転しているからだ。

前述の「函館~札幌」を直通する列車は、函館本線だけを走るのではなく、室蘭本線、千歳線などを走る。函館~札幌間のいわゆる函館本線は、ニセコなどの山間部を通り小樽経由で札幌向かうのだ。ガチな函館本線は、非電化単線の箇所も多いし、ローカルな雰囲気だ。

しかし、特急だと3時間程度だけど、その3倍もの時間をかけて、このローカル線を使って札幌に向かう人は意外に多い。帰省客、旅行者で割りと年間通して他のローカル線よりずっと混んでいる。

石北本線の30倍くらい、根室本線の3倍くらいは乗客がいるのではないか。

北海道のローカル線(と言っても本線)としては人気の函館本線だが、この旅の肝は長万部だ。乗り継ぎの良い列車パターンは少なく、乗り継ぎが悪いパターンだと2~3時間くらい空き時間ができる。

長万部での乗り継ぎが良い列車ほど混み合う。18切符や北東パスのシーズンでボックス席が貸切で使えたら、なかなか運が良いだろう。

函館を朝8時に出る。札幌に着くのは夕方4時頃なので、長旅の部類に入る。

このへんの車両は座席配置が微妙で、中央通路挟んで片側が通常の4人ボックスで、もう片方が1席×1席のペアシート(?)になっている。

ボックスシートだけ他人同士でもそれほど違和感がないけど、このペアシートは人によっては微妙に感じるかもしれない。

それでも長旅で立席はきついので、ペアシートでも知らない人同士が相席で座る。

自転車旅行なんかに比べると200倍くらいは出会いがありそうなのが、鉄道旅行、特にローカル線の旅ではないだろうか。

ちなみに、自転車旅行は女性が現状ものすごく少なく、工業高校とか工業大学よりも女性の比率が少ない。ロードバイクブームで自転車をやってる女性は多いはずだが、土日の近場のサイクリングで終わってしまっている。自転車の本当の面白さが、その向こう側あるのにも関わらず。

長万部着。

ペアシートで足を伸ばせないが、海沿いの進行方向側の席を確保できたので、上出来な方の席。

乗り継ぎが最良の列車なので、間髪いれず、長万部駅で待機していた列車に乗り換える。長万部では多少の時間はあるものの、食事用のパンやコーヒーも初めから複数買ってあるので、特にお出かけせず。

長万部から小樽へ向かう列車。また同じタイプの座席構成の列車だが、ペアシートは窮屈でエコノミー症候群になるので、今度は4人掛けを確保。

この区間は世界的(たぶん)なスキーリゾートであるニセコを通るので、外国人旅行者や明らかに道外からの旅行者っぽい人達なども乗り込む。季節運行のリゾート特急を別にすれば、普通列車がメインの交通だからだ。

ニセコ付近に通りかかる。10日ほど前まで札幌は記録的に積雪ゼロだったが、さすがに雪が降ったようで、このあたりはだいぶ札幌に近いが、普通に雪景色だった。

小樽に到着。

小樽からの鉄道網は完全に札幌圏だ。2両編成程度の気動車だったのが長大編成の電車となり、Uシート(グリーン車のようなもの)車両連結の通勤列車が15~30分おきくらいくらいに走る。

電車は30分もしないうちに札幌駅に到着する。

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5日目 道都・札幌へ到着も体のどこかに異変が・・・

微かな体の異変を感じたのは札幌のホテルに滞在中だったと思う。

デリケートな部分に異物感というか、痛みを感じるようになった。

そういう目的で来ているから仕方ないが、氷点下の街を何キロも散策したり、青森や函館で地酒を堪能したこと。そして、直接的に大きいと思ったのが、久しぶりの長時間の普通列車の座席に座っていたことだろう。

痔になる原因はいくつもあるが、この5日間、ほとんど痔への最短コースを歩んでいたと思う。

最初は軽いものだと思っていたが、3日目となる大晦日、座るのが困難な状態となった。

・滞在中に開発したナポリンハイの記事はこちら

立ってるほうがマシだが、せっかくなので札幌駅付近の有名ラーメン屋、桑に入ってみる。初めての店だ。

桑は確か、一部スーパーで売ってる袋ラーメンにもなっているくらいの有名店だ。札幌の有名ラーメン店はすすきのの歓楽街、飲み屋街にあることが多いが、ここは札幌駅近所の官公庁街、ビジネス街である。

店に入るとカウンター席中心。ラーメン屋というと体育会系の雰囲気の所が多いが、ここは家族経営らしく、店員さんが普通の家族という感じだった。初代(?)経営者のおばさんが「みつお」のあれのような詩集を出しているらしく、店内で販売していた。

見本を見ると「みつお」のあれより意外にグッと来るものが多く、買いそうになったが500円くらいと結構高いので買わなかった。他人に裏切られても、あなたは他人を裏切るな、(だったかな)みたいなのがグッと来た。でも、詩の感じ方は、その時の精神状態によるわな。

味は、すみれとは違う方向のかなりな濃厚系。体調が悪いのもあるが、スープは濃いのと油が半端でないので、健康に悪いから全く飲めなかった。値段はノーマルな味噌ラーメンでも900円台後半。有名税(意味が違うか)のせいで札幌ラーメンの中でもかなり高い。再訪はないな。

でも、韓国や中国人系、また日本人などの観光客っぽい人たちが続々と出入りしていた。でも、900円台となると、割高感は否めない。

帰り、新千歳空港に向かうまでが大変だった。途中、新札幌に寄ったが、休憩しようと思っても椅子に座るのが辛い。公共の場所にある椅子は硬いものが多いので、柔らか目の椅子を探すのが大変だった。

新千歳空港に着いてからはもっと大変だった。これからエコノミー必至なLCCに乗るのは試練だと思った。

無料使える新千歳空港のWifiで調べると、痔は暖めると痛みが和らぐらしい。空港内のダイソーで早速ホッカイロを買う。下着越しに貼ってみるも、効果があるのか微妙。

後で思うと、この段階で薬局で塗り薬と飲み薬を買うべきだったと思う。

ジェットスターは「痔なので乗れません」という泣き言が通用するような航空会社じゃない。いや、JALのビジネスクラスでも厳しいのに、LCCの3人掛け座席の真ん中に乗るんだぞ。

ちなみにジェットスターはWEBチェックインの仕様が変わったようで、座席指定がしょぼい席でも有料になった。無造作割り当てだが、前方から割り当てられるようで、前のほうに歯抜けみたいに3人掛け席の真ん中が空いている場合は注意! たぶん、そこに割り当てられる! そういう時は別の時間帯にチェックインすれば回避できる、かもしれない。

ジェットスターに乗り込む。

3人掛けの真ん中なので遅めに乗り込む。窓側に体格のいいコワモテの男性、通路側に普通の男性がいたので、普通の男性に頭を下げていったんどいて貰い、なんとか着席。痛い痛い。

ジェットスターに限らないがLCCは預けの荷物が有料なので、なるだけ荷物を機内に持ち込もうとする人が多い(サイズ、個数の制限は厳しい)。

そのため、キャリーバックや土産やらで荷物棚が占領されていて、後から乗り込むと真面目に荷物入れる所がない。足元における程度のリュック一つだからいいが、後から乗り込む荷物多い人はどうするの、これ。

成田着。あと数時間で2015年も終わろうとしている今、帰省なのか旅行なのか、渋谷かどこかのカウントダウンイベントに行くのか、こんな日時の飛行機でも割りと混んでいる。それでも年末年始なのに直前に6,000円で買えたのは幸運だろう。

いや、こんな酷い痔になって、幸運も何もないか。

2015年のうちに無事に帰宅。自宅療養に専念する。

END