前橋をスタートして上毛高原駅→越後湯沢駅は輪行したが、今日はすでに130Km以上も走っている。「1日の走行は100Kmまで」という自分流の掟を作りながらも、自分で掟を破って走っている。
長岡駅前のイトーヨーカドーに寄る。地元の女子高生が沢山集まるフードコードで食事を摂っているうちに、徐々に体力と気力が回復してきた。長岡は良いところなので宿泊したかったが、例の現象でホテルが高い。諦めてさらに先に進む。長岡から約30Km先の三条市の国道沿いに某ネットカフェがあるので、そこをエスケープ場所にしよう。それに線路も付近を走っているので、いつでも輪行ができる。複数のエスケープ手段は確保できている。
ちなみに、例の現象とは人口1万人~20万人くらいの都市は、人口20万人~200万人以上の大都市よりもホテルの相場が高いことが多い現象のことだ。リゾート地でなくても。需要と供給の関係や、競争が起きにくいことが要因だろう。
長岡市と新潟市は、新潟県では2大都市である。本州太平洋側で言えば東京と大阪、北海道で言えば札幌市と旭川市と言ったところ。高速バスや列車がバンバン走っている区間だ。普通列車も7両編成など長い編成の列車が走っている。
当然、道路もよく整備されていて・・・というか、交通量が半端ではないのだ。国道8号線は直線的な道路で自転車も走りやすいが、あとで北海道でも思い知ることになるが、直線的な道路というのは精神的にとても疲れる。
ショッピングセンター・イオンの大型店は、直線に見えても店内の通路を微妙にカーブさせているという。人というのは、直線でずっと先が見えると進んで行くのが嫌になるからだ。だから、わざとカーブさせているらしい。街と街を道路で結ぶなら、直線の方が効率が良いのは確かだが、自転車だと真っ直ぐな道は精神的な疲労度が高い。
新潟市を示す標識。やっと新潟市に着いた。というのは平成大合併以降の自転車旅行にありがちなトラップで、実際の新潟市(?)はもっと先だったりする。市町村で言うところの新潟市には入ったけども、鉄道旅行の時にイメージする新潟市、つまり 新潟駅付近などの市街はここから30Kmも先なのである。
ここから1Kmおきに「新潟まで○○Km」という小さな標識が出るのだが、直線道路と組み合わさって結構な苦痛である。道路標識というのは、基本的に自動車やバイクの人のためのものなので、自転車だと「こんなに走ったのにまだ○○Kmもあるのか・・・」とげんなりする人が多いのではないだろうか。
新潟市南区というのは、札幌市南区と同じくらい、街の中心部の雰囲気とかけ離れたものがある。新潟市に鉄道で何度も行ったことがある私でも、南区に来たのは初めてで、怪我の功名というか、自転車旅行だからこそ来たという感じがする。一人旅の自転車旅行では寄る気にもならないが、果樹園が多いようである。白根という地域だ。元は白根市だったが、現在は合併で新潟市となっている。
リンゴは全国的には青森県産が有名だが、白根産のリンゴや梨は新潟県内のスーパーなどで売られている。
国道沿いで交通量も多いが、意外にコンビニや飲食店が少なかった。途中で漕ぐ力がなくなってしまった。車で言うガス欠である。仕方がないので、非常食として持ち歩いていたサーターアンダーギー(沖縄風のお菓子、埼玉で買っておいた)を国道上で食べて凌ぐ。
標識はあと15Kmの表示。うーん、遠い。はるか彼方と思えて仕方がない。が、交通量も多く、気をしっかりさせないと危険なので、気合を入れなおす。もう少しで到着だ。
適当な旅行なので、まともな地図を持っていない。この国道8号線が新潟市街地のどのへんに出るのかわかっていない。イメージ的には鳥屋野潟とか新潟駅南口付近ではないか?と思っていたが、標識によると、新潟ふるさと村あたりにアプローチしているらしい。
悪いことに、何度も行ったことがある新潟市でも、ふるさと村の付近は全く土地勘がない。しかし、その付近によく利用するネットカフェのチェーンを見つけ た。立ち寄って、いまさら情報収集する。明日以降は観光も予定しているので、ゆっくり休みたい。新潟市内にホテルを予約する。安いホテルがあって良かったし、一度泊まったことがあるホテルなので地図も必要ないな。これで安心だ。
ネットカフェを出たころ、街は夕日に染まっていた。
END