
まさかホッケフライが道外のスーパーで売られる日が来るとは
2025年1月に北海道から完全撤退したイトーヨーカドー。
地元にはイトーヨーカドーがなかったから、言うほど思い入れはないものの、その日、首都圏の某イトーヨーカドーで北海道フェアが始まっていた。
冷やかしで売り場を歩いていたのに、売り場の空気が妙で、思わず足が止まった。すでに北海道から撤退した企業が、まさかこんなに細やかに北海道の味を揃えてくるとは思わなかったのだ。
目次
道外では絶対に存在しないホッケフライの存在
総菜売り場でまず目に入ったのがホッケフライ。
何を隠そう、俺の大好物。北海道では夕食の一品として普通に並ぶのに、道外では絶対に見かけない。少なくとも、俺は一度も見たことがない。イオンや各スーパーの北海道フェアでもホッケフライが並ぶことなんてないのだ。
北海道ではホッケは間違いなく人気の魚だ。だが昔、某外資コンサルにいた頃、上司の女性に「北海道では朝食で普通にホッケを食べる」と話したら、まさかの反応が返ってきたのだ。「まじ? 有り得ない」という反応をされてしまい、その衝撃で俺は3日ほど寝込むはめになったのだ。
今となっては笑える思い出だが、道外のイトーヨーカドーでホッケフライを見てふと思い出したのである。そんな記憶まで引き出されるのだから、今回の北海道フェアの本気度はなかなかのものだった。
釧路ザンギは本当に釧路ザンギなのか
次に目に入ったのが釧路ザンギ。
北海道出身者でも釧路と名付けられると少し戸惑うが、あえて地域名を添えてくるあたりに担当者の熱を感じた。
そもそも、道外の人にはザンギなのか唐揚げなのかもはっきりしないだろう。ザンギって何? ってレベルなのが普通。
俺のザンギの定義は、醤油味がしみ込んでいて、衣が竜田揚げのような感じではなくて、濃い茶色っぽいやつ。油が滴るような、雑な唐揚げが俺が思うザンギだ。そういうザンギを小さい頃に近所のスーパーで買っていたのである。
味覚の脳裏にしみ込んだ俺のザンギの定義と同じかというとそうではないが、味付けが濃いのはザンギの一応の合格点に達しているとしよう。
そして定番の安心感

ナポリン、やきそば弁当といった定番も並んでいた。ナポリンは138円でやきそば弁当は180円と少し高いが、最近は道内のスーパーでも物価高でこれと近い値段のこともあるだろう。セコマ以外のコンビニだったら道内でもこれくらいするかも。
これらは北海道フェアの定番なので驚きはしないが、ホッケフライという破壊力に加え、定番も抑えてくるあたりが心に突き刺さった。
撤退後に伝わる北海道を思うメッセージ
俺は正直、これまでイトーヨーカドーがそんなに北海道愛のある店だとは思ってなかった。
よくよく考えると普段からイオンより総菜が美味いし、きちんとした味の総菜を求めるならイオンより断然イトーヨーカドーだと思い知らされた。
今回のラインナップを考えると、単なる季節イベントとは思えない。北海道から撤退した企業が道外でこれほど本気の北海道フェアを行う理由は何なのか。
まるで、北海道からそっと届いたメッセージのようにも感じられた。北海道にイトーヨーカドーはもう無いけれど、北海道を大切にしていたという、静かな気持ちが伝わってくるようだった。








