Fifth Stage ひがし北海道 ホタテフライ夢ロード編

5日目 そしてヒッピー状態へ

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昨晩宿泊した、丸瀬布リラクゼーションホテル。

このホテルの特徴はテント持込用の区画、キャンプ場用語で言うところのフリーサイトが砂や小石でゴツゴツしていることだろう。私は荷物を減らすために銀マットを省いているので、今までの芝生が床面だったホテルに比べて、ゴツゴツして寝づらかった。水環境が良いからか蚊は心配していたほどはいなかったが、小石の上で眠る覚悟は必要だろう。

よくキャンプの入門書では『銀マット必須』『あるとないでは天と地獄の差』みたいなことが書かれている。

しかし、実体験としては、そんなのは机上の空想レベルで、少なくとも北海道の夏場のキャンプ場においては、銀マットなど必須ではない。ここのような小石の上で眠るようなケースを除いては、銀マットがなくても寝袋だけで問題ない。快適さを求めればエアコンの効いた建物内で、高級ベッド+高級ふとんの方が銀マット+寝袋より快適なのだから、荷物を減らしたい場合は銀マットなんかなくていいと思う。

それでも銀マットを積んでいるツーリングライダーをよく見かける。銀マットを積んでいない方が珍しい。彼らはツーリングというワイルドなものをやっているのに、案外おぼっちゃんなんだなぁ、などと思ってしまう。

実際、そんなこと私にはどうでも良くて、テントを片付けて遠軽市街地へ向かう。

朝もやでいい感じのダム周辺。少し中国っぽい。

その前に、丸瀬布のセイコーマートで食事をする。朝6時オープンで、店の前に到着した時がちょうど6時だった。環境面などから『コンビニ24時間営業』の賛否が道外で問われているが、北海道の方が先進的で、セイコーマートは昔から都市部を除いて大半の店舗が深夜帯は営業していない。

このセイコーマートでは少し嫌な思いをした。イートインスペースのようなものがないので、写真のような店舗脇で食事をするのだが、駐車場が沢山空いているにもかかわらず、すぐ前にバックで駐車され、排気ガスを浴びせられるという嫌がらせを受けた。埼玉県や千葉県などではアイドリングが条例で禁止されているが、ここ北海道はコンビニ程度の買い物でエンジンを切る人はむしろ少ない。車どころか、バイクさえもエンジンかけっぱなしで買い物をする人がいる。

適当なイラストだが、こんな感じ。自転車で旅してるふうな人を歓迎しない人がいるというのも理解できるが、どんな思考をしたら食事している人間に発ガン物質も含まれる排気ガスを浴びせる行為ができるのだろう。

もし、貴兄が北海道のコンビニ前で食事をするなら、こんな不快で不健康な行為を受ける可能性があるので、自衛として駐車スペース1台分の中心部分に自転車を停めることをおすすめする。さすがの嫌がらせ好きな北海道人でも、自転車を破壊してまで排気ガスを浴びせようとはしまい。

このころよく飲んだのが缶コーヒー。甘さは茨城などのMAXコーヒーに近い。食事を終えたら遠軽に向かった。天候に恵まれているし、山から海に向けて走っているようなものなので、下りベース。2時間くらいで遠軽に着いた。

遠軽の街のシンボル、瞰望岩。もともとアイヌ民族の時代から戦争の見張り台として利用されていただけあって、街の全体が見渡せる。東京とかだったら、わざわざ高い金出してタワーなどを作らないとならないが、自然環境としてこのような展望台がある田舎街は珍しいだろう。

上は太陽の丘と呼ばれる丘状の公園になっていて、無料のキャンプ場があり、日本最大級とされるコスモス園もある。

洗濯物を干したりしてゴロゴロしていると、この街で教頭先生をしているという方が通りかかる。

「おはようございます」

声を掛けられる。旅の趣旨などを話し、時間があったら学校に遊びに来て下さい、というありがたい誘いを受ける。が、私はその学校の卒業生ではなかったので、遊びに行ってもどう振舞っていいか思いつかず、結局学校には足を運ばなかった。

私はこの街で生まれ育った。駅の近くに味の一平という小さなラーメン屋がある。ここ数年で遠軽にも味の時計台やさんぱちと言った、札幌に本社がある大手ラーメンチェーンが進出してきた。しかし、人口2万人前後の街としては遠軽はラーメン屋が少ない。

そんな中で、昔から続いている伝統あるラーメン屋が味の一平だろう。

いつもは典型的な職人肌の店主とは何も喋らないが、自転車旅をしている人には店主はよく話しかけるという。「故郷はどうだ」などと言われるが、「帰って来たって仕事がないだろう」と私が言う前に、この地で自営業をして37年目の店主が自分で言い当てる。

まぁ、北海道ではよくあることだが・・・「内地は台風も来るし、大地震も起きるし、内地は本当、人が住む所じゃないよね」的なことを仰る店主。

「いやいや、それが・・・関東では雪が10センチ弱積もっただけで大パニックなんですよ。スーパーとかも臨時休業して、去年は大変でした。一晩でアホみたいに1mも雪が積もるこのへんには、関東の人は絶対住めないですよ!」ということを言って応戦しようと思ったものの、無駄な戦いだと思って辞めた。

店主は最近進出してきた他のラーメン屋のことを全く意識していないというが、近々、山岡屋が進出することを把握するなどしっかりアンテナを張っていた。

どっかに行こうかとも思ったけど、面倒くさくて例の丘にテントを張ることにした。もちろん貸し切りだ。1人だけ、犬を連れた若い奥さんが散歩に来た。

遠軽の街では100円ショップで固形燃料と鍋を買い、キャンプ場でジンギスカンの調理を試みた。きちんとしたガスのストーブを買うか迷ったが、遠軽のホームセンターではガスカートリッジは売っているものの、ストーブ本体は売っていなかった。蚊取り線香も買った。

完璧に焼けていると思ったが、後で写真を見ると肉がかなり赤い。でも、ものすごく旨かった。野外調理はキャンプの醍醐味かもしれない。それに火を使うことで少し文明人になった気がする。

肉が旨くて酒も旨い。酔っ払ってテントの中でこういう状態になる。不満もなければ、望みもない。これまで経験したことがないような幸せな時間だった。

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