軽井沢と碓氷峠は同じもの
私は知らなかった。
私は、自分の無知さ加減を思い知った。
私が今まで越えたことのある峠全てや、一般的な峠は普通こうだ。峠という字の通りで、峠を登りきると、今度は下りがある。
おわかり頂けるだろうか。碓氷峠はこうなのだ。峠を登り切ると、そこに軽井沢の街がある。
北海道の感覚で言えば、美幌峠とかでは峠のてっぺんに土産物屋や小さいレストランがあるが、あれを街レベルにでっかくしたのが軽井沢だ。
軽井沢に来たのは初めてではないが、新幹線で来るとこのことがわからなかった。しかし、自転車で来るとこの事実がわかってしまう。厳密には数メートルレベルの下りはあるが、峠の下りと言えたレベルではない。
この峠のてっぺんにある地の利を生かして、軽井沢は東京の別荘地として開発された。なにしろ、こんな高所にあることで、軽井沢の年間平均気温は北海道の石狩平野よりも若干低いという。
東京の別荘地としては、新潟県の越後湯沢も有名。だが、あちらは温泉街があるにも関わらず、350m程度の標高なので、夏は東京都心と同じ程度に暑い。さらに冬は豪雪地帯。そのためか、バブル期には東京都湯沢町として別荘用のリゾートマンションが沢山建てられたものの、今では廃墟同然。中古の元豪華リゾートマンションが20万円くらいで売られている始末である。
峠のてっぺんに広がる、東京都軽井沢町。新幹線で東京から到着した観光客らがキャリーケースを引っ張って歩く。群馬のそれとは違い、渋谷や新宿など東京23区で見かけるようなファッションの人が多い。
中高年団体旅行者を乗せた星野リゾートのバス。今や北海道でもリゾートホテルを展開する星野リゾートは、ここ軽井沢が本拠地だ。
軽井沢では『新幹線で来てレンタサイクルを借りてサイクリング』という需要が多いらしく、レンタサイクル屋が駅近辺に多かった。クロスバイクやロードバイクをレンタルしている所もある。私は埼玉から自転車で来たが、新幹線で来たキャリーケースを引っ張る渋谷っぽい女性達とすれ違ったとき、「私達も自転車で周ろうか?」などと話しているのが聞こえた。
こういう道路を見るだけで、軽井沢が人工的に感発された街だという感じが伝わる。関東と北海道、どっちに近いかというと北海道の雰囲気だ。
軽井沢では新幹線や高速道路で来た人が行くようなレストランは多いものの、別荘地だけに庶民的な店がなかなか見つけられなかった。セーブオンに行くと、セイコーマートよりは少し高いが、セイコーマートと提携しているので、あの100円惣菜を扱っている。128円のパスタと豆腐でランチをする。この豆腐は手で簡単に開けられるのが良い。
軽井沢の話はここまでで終わり。あとは帰りに通った碓氷バイパスの話だけ。