
新幹線の整備は狭い日本をさらに狭くする
日本は世界、特にアジア地域においては、他と比較にならないくらいにテクノロジーが進んだ国とされる。
同時に少子高齢化や長時間労働、非正規雇用問題などが世界最悪クラスに悪化しており、もはや滅亡に向かっているとしか考えられない国でもある。
かつては経済的にも世界トップクラスであったのが中国や欧州に追い抜かれ、数字的にもダメダメな国であることがはっきりしてきている。まぁ、数字を出されなくても勘のいい人は20年前に気づいていたことであろうが。
前置きが長くなったが、他に日本における救いようがない問題点を挙げるとすれば、個人的には大陸横断鉄道はもちろんのこと、何日間もかけて走る長距離夜行列車が存在しないということだ。
日本に大陸横断鉄道がない理由
日本がショボい島国だから。日本で生まれ育った人の中には、この真実にショックを隠し切れない人もいるかもしれない。
だが、ロシアやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどには俗にいう大陸横断鉄道というものが存在する。
大陸横断鉄道とは、ロシアのシベリア鉄道を例にすると、モスクワ-ウラジオストク間の約9300kmを6泊7日かけて走るような長距離列車だ。
日本でもかつては東京から北海道や九州へ1泊2日かけて走るような長距離列車が存在していたが、その程度の長距離列車ですら今では絶滅危惧種となっている。
長距離列車が日本で廃れた理由は諸説あるだろうが、ほぼ新幹線が息の根を止めたと言ってよいだろう。死ぬまで働らかされると形容される日本国民だが、のんびりゆったりよりも、短時間で移動できる手段を選択した結果と言い換えることもできるだろう。
鹿児島から根室まで直通する夜行列車がないのはおかしい
インフラ的には沖縄県を除けば、北海道から鹿児島に至るまで鉄道は繋がっている。
ただ、新幹線という利益優先で旅情を壊滅させた厄介なシロモノのせいで、現状、完璧に繋がっているとは言い難い部分もあるが、鹿児島から根室まで、2泊3日ないし3泊4日程度で走る長距離列車があれば、シベリア鉄道には負けるとしても、そこいらの大陸横断鉄道に負けない程度の熱さは実現できるのではないだろうか。