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「日経平均」は日本経済の平均ではないシンプルな理由→大手数社程度の株価平均に過ぎないから

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社会人経験ウン十年の人でもよく間違えているのが「日経平均=日本経済の平均」という大きな誤解。経済を知ったかで語りたいビジネスマンは大体間違っているので、もう1段階踏み込んで知ったか顔で経済を語りたい人向けに、日経平均がそもそも何なのかをシンプルに書くよ。

日経平均とは、日経新聞という新聞社が独断と偏見でチョイスした、イケてる方の大手企業225社の株価の平均のこと。

経済系の新聞社がチョイスするようなイケてる大手企業ばかりだから、「日経平均が上がっている」などとニュースで言われても、周りは失業者ばっかりだし、潰れた個人商店がいっぱいあっても、そりゃ当然。庶民の生活を反映している数字ではないからね。

日経平均はあくまでイケてる大手225社の株価平均

経済知ったかクンはこの時点で軽く汗を掻いているだろうが、あくまでも日経新聞社がチョイスした主要銘柄だけなのだ。日本には400万社くらい企業があるのに、それぞれの業界から誰でも知っているような企業をチョイスして平均値を算出している。

しかも、このチョイスはどんな基準なのかわかったものではない。高度成長期という遠い昔の栄光を背景とした、歴史と伝統ある業界や銘柄にウエイトを置いているように思える。非常に歪んだ基準を元に算出したのが日経平均の正体だ。

日経平均は高度成長期の流れを汲む歪んだ値

例えば、自動車業界は高度成長期の頃は日本を代表する業界だった。トヨタなんかは世界の株価時価総額ランキングでも上位に位置し、かつては世界的な大企業だった。それが現在はどうだろう。クルマは一部の年齢が高い層の熱狂的ファンは存在するものの、普通の若者はクルマなんかより流行りのカフェやiPhoneに夢中。自動車メーカーは一つ残らず、世界における株価時価総額ランキングからもすっかり姿を消した。

それなのに日経平均の算出には、ほとんどの自動車メーカーが並んでいる。おいおい、1970年代かよと言いたくもなる。どこの会社とは言わないが株価が数百円レベルの今にも潰れそうな自動車メーカーまで並んでいるのは微笑ましくもある。自動車業界だけみても、古くからの業界のしがらみかなんかで、こんな歪なチョイスになっているのだ。

そんな既得権益や世界経済の流れ、人々の生活様式wの変化を反映していない数字がニュースなどでバシバシ報じられる日経平均の正体と言えるのだ。

日経平均はユニクロ1社で10%くらい決まる

普段、株の売買をしていない「経済知ったクン」はユニクロ(ファーストリテイリング)の株価が何円くらいなのか、イメージすらわかないだろう。そりゃ当然だ。経済知ったかクンなのだから。

ユニクロと言えばディスカウントな激安服屋だから、株価も激安なのでは? と少しでも思った知ったかクンは、もう人前で経済を語るのは向こう10年くらいは本当にやめた方がいい。株価は常に変動しているから、それくらいは自分で調べて貰うとして、100株取得してユニクロの株主になろうとするなら、記事執筆時点だとざっくり850万円くらいの現金がいる。かなりの大金だ。おいそれと払える人は限られているだろう。高級車を買ってもお釣りが来るし、田舎の安い住宅が買えてしまいそうな金額なのだ。

こんな化け物みたいな銘柄も日経平均の算出に組み込まれている。ユニクロの株価の影響力は大きく、ユニクロ一社だけで日経平均の10%くらいが決まってしまうというシロモノなのだ。

ユニクロだけでも日経平均がざっくり決まってしまうが、日経平均の算出に含まれてる225社のうち、上位10社くらいで日経平均の半分近くが決まってしまうという話もある。その企業に勤めている人ならいざ知らず、こんな限定的な算出方法で日本全国の経済の平均が計れるわけがないのだ。

金融業界や経済界は知ったかクンを量産する仕組み

あなたが経済知ったかクンとして日経平均を誤解していたのも、まぁ無理はない。金融業界や経済系のメディアというのは、わざと難しい言葉を使って知ったかクンを量産するようなフシがある。どの業界でも言えることだが、難しい用語を使った方が専門家っぽく見えるというのもある。

「日経平均とは」なんてググったらわかるが、証券会社や金融業界の専門サイトですら、「日経平均を見れば日本経済の動向がわかります」なんて平気で言っていたりする。

個人的に言わせて貰えば、日経平均でわかるのはユニクロの株価と、高度成長期のしがらみでチョイスされた歴史と伝統あるイケてる大手企業の株価の平均だけだ。間違っても日本経済の平均とか庶民の雇用とか暮らしは見えてこないから、経済知ったクンはノートに書いて覚えておこう。

コロナ禍で日経平均が上がるのは巣ごもり銘柄が多いから

ちょうどタイムリーに日本社会が新型コロナでボロボロに食い殺されている最中だというのに、日経平均が高騰するというニュースが流れた。

これで景気が良くなった、求人がいっぱい増える、各社で進んでいるリストラも中止されるのでは? と勘違いしてはいけない。ここまで飛ばさずに読んだ従順な良い子ちゃんなら察しがつくだろうが、日経平均の数字はまやかしだ。

日経平均の算出に使われている銘柄を細かくみていけばわかるが、電機業界、運送、ITサービスなど、コロナで影響を受けないどころか、コロナの巣ごもり需要で売り上げが増大しているような業界、銘柄のチョイスが多いというか、ほとんどなくらいの印象を受ける。大手ゲーム会社のバンダイナムコHDや、巣ごもり配送で需要が増大しているヤマト運輸なんかも含まれている。

上場企業の中でも歴史と伝統ある大手企業が中心なので、そもそも体力がある企業が多いのだ。当然だが中小企業をはじめとして非上場の企業や、個人経営の店なんかは全く含まれていない。

経済指標を読み解くのは容易ではないが、コロナ禍では接客業や対面サービスみたいな「現場」に近い業種、職種が主にダメージを受けているだけに、コロナ禍でのダメージなど計ることができないのが日経平均だと、経済知ったかクンはざっくり理解しておこう。

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