旅モノ

オホーツクに帰省 ~消えたニポポ人形を探し求めて~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

某土産物屋で最後の一つだったキーホルダー型のニポポ人形

網走市のカントリーサインにもなっているニポポ人形。

なぜか急にニポポ人形が欲しくなったが、このニポポ人形は思いのほか奥が深かった。

ニポポ人形は簡単には買えなかった

これまでニポポ人形をあまり気にしたことがなかったが、ニポポ人形を買おうと思うと簡単には買えないシロモノであることがわかった。

最初は網走の道の駅など土産物っぽいものが売られている場所に行けば、簡単に買えるだろうと甘く考えていたのである。

しかし、網走の土産物屋で一番大きいそうな道の駅の土産物コーナーに行っても、ニポポ人形は全く売られていなかった。

網走駅の観光案内所で聞くもタライ回しに

二ポポ人形のことなら、いっそ網走の人に聞いてしまえばいい。

そう思って網走駅の建物内にある観光案内所で聞いてみた。

しかし、ニポポ人形は人気で在庫が1つもないという。観光案内所と道の駅は同じ組織が関わっているから、ここにないということは道の駅にもないというようなことも言われた。売られていそうな場所を聞いたが、多分どこにもないだろうという話だった。

ニポポ人形のことを何も知らない私は、巷に数あるシマエナガのグッズとか、沖縄のシーサーの土産品とかと同じようなものだと思っていたが、網走における正統なニポポ人形というものは、製造できる場所が限られているという。観光案内所でそんなような話を聞いた。

ニポポ人形は網走刑務所で作られている

ニポポ人形の裏には網走刑務所の焼印が押されている

ニポポ人形が作られている場所。

それは網走刑務所だ。ニポポ人形は古くから網走刑務所の受刑者による刑務作業で作られているというのだ。

網走の地で有名な考古学者の米村喜男衛氏が樺太アイヌのマスコットであったアイヌニポポからヒントを得て、1955年に網走ゆかり民芸品としてニポポ人形が出来上がったのだという。

ニポポ人形は民間のグッズ制作企業などが勝手に製造できるようなものではなかったのだ。

網走駅近くにある民芸品店でも聞いてみた

北方民族ウイルタの偶像であるセワ。事故除けや病魔除けだという

早くも行き場をなくした私は網走駅近くにある大広民芸という民芸品店を訪れた。この地で親子2代に渡って1964年から手作りの民芸品を販売しているという。

ここでも聞いてみると、やはりニポポ人形は扱っていないという。以前は観光協会を通して入荷していたが、コロナで刑務所の製造能力が落ちたために、あまり製造されなくなったというような話を聞いた。

ここではニポポ人形は買えなかったものの、かわいらしい木でできた人形が売られていたので、つい買ってしまった。

北方民族のウイルタについても恥ずかしながら知識がなかったが、本で取り上げられるなどして、道外から店を訪れる人も多いという。

刑務所作業用品展示場にも行ってみた

網走刑務所(博物館の網走監獄ではない)の前にある作業用品展示場

ニポポ人形が網走刑務所で製造されているなら、刑務所作業用品展示場に行けば買えるのでは思った。

網走駅から30分ほど歩いて向かった。ちなみに、この場所は観光客が車で訪れることは禁止されているので注意。

作業用品展示場は展示というよりも普通に販売されているものの、そこにニポポ人形そのものは売られていなかった。

ニポポ人形が買えなかった時の保険として、ニポポ人形がデザインされたコースターを買った。

会計時に二ポポ人形のことをレジ店員に聞いてみたが、ニポポ人形は道の駅で売っているから、ここでは売っていないという。

民芸品店でも言われたが、ニポポ人形の流通一切は観光協会が絡んでいるようだった。観光協会が絡まずに独自に販売されたり、流通することはないのであろう。

ようやくニポポ人形が買えたのはapt.4の土産物店

ニポポ人形を買うには足で探すのが一番

apt.4(アプトフォー)とは網走の中心商店街である。網走駅というよりは道の駅に近いエリアにある。

これまでの話を纏めると、

1、ニポポ人形の流通は網走観光協会が管理している
2、ニポポ人形は網走刑務所で製造されている
3、観光案内所や関連組織である道の駅では売り切れている
4、民間の土産品にも在庫がないっぽい

という状況である。

ニポポ人形を買うのは今回は諦めるほかないかなぁと思いながら、少なくとも過去のある時点ではニポポ人形が売られていたというapt.4にある北斗という土産品店に向かってみた。

結果、売り場の中央付近に菓子類や干物に混じってニポポ人形コーナーがあった。

だが、いくつか種類があるもののほとんどが売り切れていて、筆者が訪れた時点でキーホルダー型のニポポ人形が最後の一つとして残っていたのみであった。

なんとも感慨深く味わいのあるニポポ人形だ。

民芸品の世界にハマってしまいそうな気分だった。

【PR】山あり海あり都会もあり! 夏も冬も魅力たっぷり!
至福の北海道ツアー

四方を海に囲まれ、の国土の約1/4を占める北海道。自然を満喫したい時も、人口約200万人の札幌の街で過ごすも自由。人それぞれの楽しみがあるのが北海道の魅力だろう。

夏場はもちろんのこと、北海道は冬も実は魅力が満載。さっぽろ雪祭りをはじめ、各地で冬ならではの大型イベントが行われるからだ。

楽天トラベルならホテルだけの予約はもちろん、飛行機とホテルを同時に予約することも可能。北海道をはじめ、全国各地への航空券と好きなホテルを組み合わせるだけで、自由に旅の計画が出来る!!

楽天トラベルで旅行計画を立てる