少し前に『Web Designing(ウェブデザイニング)』という、Web業界経験者の俺からしてもハイソでイケてるふうな人たち専用のWeb業界誌を図書館から借りて読んでいたのだけど、今のトレンドだと言わんばかりにWixやStudioなどというノーコードツールが紹介されていた。
Web業界は自分自身でWebという情報発信方法を持っているからか、雑誌という形での業界紙はウェブデザインニングがほぼ唯一だと思うけれど、ファッション誌だったら男性、女性、年代、カジュアル、フォーマル、底辺、真ん中くらい、ハイソ・・・なと細分化されているのに、Web業界の専門誌はハイソ一択なのが悲しい所だ。
俺の知ってるWeb業界の現場は、ウェブデザインニングで紹介されているやつより、もっとダサくてローテクで地味なことの方が多いというのは、単なるつぶやきである。
広告的によく紹介されているから2大ツールだと考えられるWixとStudioというツールを、別のことをしながらサイドテーブルにおいたノートPCで少しいじってみたので、そっ率直かつ個人的な印象を書いてみたい。
当たり前だけど、一個人の感想である。
いちいち書かないと人類代表くらいに思われる場合もあるので念のため書いておく(笑)
結構、昔からある気がする海外製のWix
2大ノーコードWeb制作ツールの一つがWixである。
たまに個人のサイトなどで「このホームページはWiX.comを使って作成されました」みたいにクレジット的に書かれていることがあるが、そのWixと同じものだ。
Wix Studioという呼称もあって、後で紹介する「Studio」と被っていて混乱しがちだが別物である。
利用登録は簡単でGoogleなどからOAuthでサインアップできる。
ちゃんとしたサイトを作ろうとするとかなり学ばないとならない
ノーコードだから何も考えないでサイトが作れるかというと、全然そんなことはない。
サイト自体の企画、設計はもちろん必要だし、それをサイトとして形にするにはWix自体の使い方を覚えないとならない。
全体的に海外のツールを日本語化したという感じがするし、たしかに超シンプルなページだったら素材や原稿があれば20分くらいで1ページ作れてしまう気がする。
但し、数ページのサイトとか、きちんとしたデザインを作ろうとすると、HTMLやCSSの習得者や業務レベルのWebデザイン経験者でも、wixの使い方がわからないためにスムーズに作成できないという、逆転のような現象が起きる。
課金ありきのツールである
HTMLとCSSの習得者であれば、無料のVSコードなどのエディタだけでシンプルなWebサイトが作成できるのだが、Wixは課金ありきのため、課金しないと「Wixを使って作成されました」みたいな文字が入ったり、機能的にも制限が非常に強い。
実質的にちゃんとしたサイトを運用しようと思ったら、課金しないと全然使えない印象を受けた。
動作が重いのもデメリット
Webブラウザで動作するクラウドツールであるが、クソ遅いCMSのサーバーをいじっている時のような遅さにストレスを感じた。
デザイン業務なんかだとサクサク動作するというのが大事で、サクサク動いて共有が楽なのが好まれてfigmaというデザインツールが流行ったりもするのだけど、Wixは編集画面開くのに時間がかかったりとモッサリ感がある。
Wixの使用感まとめ
Wixでちゃんとサイト運用していこうと思ったら、毎月いくらとか年間いくらとかで延々と費用がかかるので、普通にレンタルサーバーを借りてCMSとか手打ちで作るのと作成方法が違うだけで結局同じ気がする。
HTMLやCSSは普通にPC使える人なら1日6時間も勉強すれば3週間程度で大体習得できるだろうし、Wix自体の仕様変更などで都度学習しないとならないだろうし、普通にサイトを作った方が応用が利いてよいと思ったのが正直なところ。
国産のStudioというノーコードツール
ウェブデザインニング誌に広告記事がよく掲載されているノーコードWeb制作ツール。/Studioという表記がよくされているが、こっちが正式なのかしらん。
広告記事や制作事例などを見ると有名企業や組織などでも使われている場合があり、Web制作会社などでもコーディングの手間を減らせるメリットがあるから、これで作成している場合もあるようだ。
登録自体は簡単だけど退会が微妙
お試しで使ってみたが、登録はwixと同じようにGoogleなどでサインアブができるから簡単。
ただ、試用を終えて退会しようと思ったが、試しに作成したサイトは非公開にはできるものの、削除という機能、概念がないらしい。
誤って削除することを防ぐためなのはわからないが、削除は削除で必要な機能だと思う。
使い方を覚えないと自由に作れない
Wixと同じく、結局は管理画面の使い方や作成方法やノウハウを学ばなければならず、プロのデザイナーが作ったデザインを再現できるようになるには、HTMLやCSSを普通に習得するのと同じくらいの時間がかかる気がした。
ノーコードツールがあっても普通にデザインやコーディングしてWeb制作するのが主流なのは、結局、自由度の問題だったり、当たり前だろうがノーコードツール自体の機能が限られているからであろう。
figmaみたいなデザインツール並みにサクサク動いて、HTMLやCSSのルールを全く考えなくてもサイトが作れるならワンダフルだと思うけれど、ボックスとか色々考えないとならないから、設計を考える頭脳は必要というのも微妙なところ。
やっぱり動作は重い
Web制作界隈だと制作ツールが軽くてサクサク動くというのは重要だけど、Wixと同じくブラウザ内で動くツールなこともあって動作は重め。
導入できる状況は限られていると思う
企業のサイトだとサーバーやサイトの設計にセキュリティ基準があり、サーバーや管理機能なども全部コミコミだから、Web制作における自由度や柔軟性には難があると言えるだろう。
個人的にはノーコードツールはそんないいものじゃない
ノーコードツールで初心者が作れるシンプルなサイトであれば、普通にコーディングを1から学んでも3週間から1か月もあれば十分作れると思うし、どっちのツールも課金前提なので、普通にコーディングを学んだ方がいいのではと個人的には思った。
便利そうに思えるものほど、仕組みが複雑で思わぬトラブルや手間に巻き込まれるというのは世の常だから、メリット、デメリットを検討しないとならないね。
ちなみにデメリット中心の記述になったのは、普通にメリットが思いつかなかったというシンプルな理由。