Fourth Stage 沖縄本島編

2日目 その1 とりあえず、北谷かどっかまで

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午前9時半頃、沖縄・那覇空港に到着する。沖縄を訪れるのは約2年ぶりだ。10何回目かの沖縄アイランド。ピーク時には年に3回も沖縄に来ていたことを考えると、空白の2年間だったと言える。意識して沖縄から遠ざかっていたのだ。今回の旅の目的の一つは、格好よく言えば、過去の自分との再会だ。

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自転車を受け取り、空港を出て組み立てる。外国だとスーツケースとかと一緒に『グルグル回転するやつ』に載せられて出てきたり、ぶん投げられたりするらしい(?)が、ジェットスターの国内線では、北海道でも沖縄でも、大抵ガタイのいいお兄さんが直接運んできてくれる。

那覇空港からは沖縄県唯一の軌道系交通として「ゆいレール」という名称のモノレールが出ている。観光客集まる「国際通り」近くを経由して、やはり観光客集まる首里までを結んでいる。

首里は元々は首里市という独立した街で、琉球王国時代に偉い人が住んでいた所だ。関西地方で言えば、那覇は大阪、首里は京都だ。住んでいる人の気質も異なると言われる。

首里の人は、無理して北海道に例えれば、東京にいる札幌出身の人だ。札幌の人は「どこ出身?」と言っても「北海道」とは言わないで、なぜか「札幌出身です」と言う。首里の人も那覇じゃなくて「首里」と言う。

沖縄県内のスーパーや、ほっともっとなどの弁当屋は24時間営業しているところも多いが、ゆいレールは24時間営業ではないので注意。ちなみに戦前は沖縄にも多くの鉄道路線があったが、戦争でなくなってしまった。自分が鉄道関係の偉い人だったら、北海道の赤字路線をやめてでも、沖縄に鉄道を作りたい。北海道新幹線も函館まで開業して本州と行き来しやすくなれば、それで十分な気がする。どうせ札幌まででは道北や道東の人は恩恵を受けにくいし、「うちなータイム」ならぬ「道民タイム」が壊されてしまう。

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写真は日本最南端の鉄道駅、赤嶺駅。近くには沖縄ローカルのスーパー「ユニオン」がある。沖縄にはサンエー、かねひで、りうぼうなどのローカルスーパーがある。他に内地資本のイオン、マックスバリューもある。内地色が強いと受け入れられないからか、内地資本の企業は「イオン琉球株式会社」「株式会社ローソン沖縄」などと沖縄を意識した社名で子会社として営業していることが多い。サンエーではローソンのPB商品のレトルト食品などを扱っている。沖縄の吉野家にはタコライスがある。

那覇空港の近くにはレンタカー屋が沢山ある。3泊4日くらいのパック旅行で沖縄に来た家族連れとかは、大抵レンタカーを使う。空港からレンタカー屋のマイクロバスで店舗に移動する形式が多い。那覇市内に宿泊する人はゆいレールで、北谷や恩納、コザ、名護方面に向かう人はバスを使う。那覇市内中心部(国際通りあたり)までは歩いても1時間くらいなので、荷物が少ない人は歩いても楽しいと思う。ほとんど歩いていく人はいないが・・・。ゆいレール沿いに歩いてもいいが、空港北側の道路を歩いた方が街には近い。

今回は自転車があるので、当然自転車を使う。沖縄の人は自転車に乗る習慣があまりないので、いわゆるママチャリに乗っている人はほとんどいない。県内で自転車やトライアスロンなどの大会があるので、スポーツ自転車に乗ってる人をたまに見かける程度。よって、街中の自転車屋はとても少ない。那覇や名護などにスポーツ自転車メインの自転車が数店舗あるが、ママチャリをメインとして自転車屋はほとんど見ない。

イオンやホームセンターの自転車コーナーをあてにしてもいいが、本土でさえ、そういう店には整備士がいない場合があるので、どこまでに頼りにしていいかわからない。沖縄のイオンの自転車コーナーを回ったが、700サイズの仏式バルブという、スポーツ車では極めて一般的なチューブを扱っていなかった。沖縄に行く場合は本土で多めに買っていった方がいい。

文化とか気候とか人間とか色々な面で、東京と北海道は実はそれほど違いがないが、東京と沖縄の違いは大きいように思う。

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かねひでで買い物して朝ごはん。タコライス、ちんすこう、ドラム(フライドチキン)、ルートビア。

ルートビアは沖縄独自の飲み物と誤解している人がたまにいるが、別に沖縄の飲み物というわけではない。欧米やアジアなどの大抵の国でコーラと同じくらいどこの店にも売っている、全人類的な飲み物である。映画のタイタニックにも「ルートビアでも飲まないか?」という台詞があった気がする。海外だと1.5Lのペットボトルとかも売っている。日本では沖縄以外では輸入食料品店くらいでしか買えない。ドクターペッパーに似ていると言う人もいるが、私はドクターペッパーとはかなり別物だと思う。

北海道にもガラナというブラジルのコーラ風の飲み物がある。昔、北海道にはコーラがなかったので、先回りしてガラナが普及したらしい。コーラが北海道に入ってきたのはガラナから遅れること3年。私はガラナにはそれほど思い入れがない。

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なんみんビーチ。ガイドブックには波の上ビーチと書いてあるビーチのこと。海に囲まれた沖縄も、那覇市内では唯一のビーチがここ。東京とか横浜みたいに、海岸は橋だらけで、これがビーチと言えるかよ、という状態に。誰もいないのは冬だからで、夏だと多少は人がいる。

なんみんのすぐ近くはラブホテル街で、40軒くらいソープランドもある。自動車学校もあって、本当か知らないが、沖縄出身の人が言うには路上試験のコースがそのラブホテル街なのだとか。ちゃんぷるー(ごちゃまぜという意味)文化らしく、小学校低学年の子供がラブホテル街でボール遊びをしていた。

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写真中央付近にあるのがホテル「きまぐれポニーテール」。ここ2年くらいの間に看板が変わってしまった。昔のポニーテールの女の子の看板の方がよかった。「きまぐれポニーテールの角を右に曲がって」などと教習をやるのだろうか。

私は札幌で自動車免許を取ったが、雪国で免許を取るんだったら、絶対に雪のある季節に通った方がいい。雪のない季節に免許を取ったので、怖くて雪道なんて運転できそうもない。沖縄の人も、信号がほとんどないような離島で免許をノホホンと取ってしまうと、本島に来て運転する時に大変らしいが。

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市街地を避けて、橋の上を通って北に向かっていく。自転車人口の少ない沖縄にもサイクリングロードがあるが、都市間移動に適したものではない。那覇市街を抜けたら沖縄の大動脈・国道58号線に入る予定だ。なんかやっぱり、自転車を漕ぐと右膝が痛む。昨日の痛みは気のせいではなかったようだ。不安だ。膝に負担がかからないようにギアを調整しながら走る。サイクリストにとって膝は命だ。

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国道58号線の立派な交差点。今いる所が那覇市で、向こう側が浦添市。東京と埼玉、いや札幌と小樽、または札幌と江別と言ったところだ。このあたりの通勤時間帯の交通量は、東京、大阪など本土の大都市と同じレベルだという。ぜんぶ電車交通がないせいだ。

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58号線沿いにある沖縄の某理髪店チェーンは、平日大人700円。本土で700円の理髪店はそうはないなー。あっても怖くて行きたくないけど。沖縄の最低賃金は現在、時給664円だ。以前は北海道の最低賃金も630円くらいだったが、今は734円にまでアップしている。この金額、北関東3県や、福岡県、広島県などよりも高い。エラい人が最低賃金をどうやって決めているのかは知らないが、北海道は冬は暖房費がかかるし、隣町まで何十キロも離れていて他県より交通費がかかるから、そのあたりを考慮しているんだろうか。

北海道の物価はイメージほど安くない。ジンギスカンの肉は本州よりかなり安いが・・・。北海道は正社員でも15万円前後の給与の会社が多いのに、なぜか北海道民の平均給与が割と高いのは、自衛官など国家公務員が押し上げているためだ。北海道は日本最北端のうえ、国土の4分の1もの面接があるため、自衛隊の駐屯地が沢山ある・・・。

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58号線の宜野湾バイパス。市街地の混雑を避けつつ、海を見ながら走りたいなら、迷わずバイパスだ。快適な沖縄サイクリングのツボは、ずばりバイパスにある。那覇、浦添、宜野湾くらいまでは街が連続的に続いている。意識していないと、違う街になったことがわからないくらい。

国道58号線は米軍の軍用道路として作られたが、このエリアの旧道に相当するのは、東側を走る県道251号線、パイプライン通りである。その名の通り、かつては米軍基地へのジェット燃料輸送のためにパイプラインが通っていた。元々、車などの走行を想定していない道路なので、歴史めぐりをするなら徒歩で行くのがよい。

浦添は那覇のベッドタウンという雰囲気だが、しっかり“基地の街”でもある。沖縄に何度も通っていても余所者には掴みどころがわかりにくい街だが、屋冨祖交差点のあたりが繁華街である。

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宜野湾くらいまで来ると、釣りスポットやジョギングコースなどが満載。海っぽい雰囲気になってくる。そんなことを思う平日の昼間。沖縄に住むんだったら、こういう所まで散歩して来れるような場所がいいな。

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ユニオンで買ってランチ。沖縄のカツ丼は、本土のものより具が豪華。店によるが、人参、ピーマン、玉ねぎなど野菜が沢山入っている。奥にあるアイスティーは、実際に那覇にある食堂をモデルとしているらしい。私の行きつけの食堂もそうだが、沖縄の食堂ではアイスティーが飲み放題になっていることが多い。

沖縄の食堂は本土の食堂とは色々な面で異なる。大抵、Aランチ、Bランチ、Cランチというメニューがあるが、Aが一番豪華。ランチとあるが実際はいつでも注文できる。なんとかチャンプルーとか、沖縄そばなど沖縄系の食事は大抵扱っているが、個人的には食堂ではラーメンは頼まない方がいいと思う。・・・インスタントラーメンの場合があるので。

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アラハビーチ。米軍基地がすぐそばにあるので、アメリカ人も多く、金髪の女性がランニングしていたりする。那覇の国際通りなんかより、ずっと国際的だ。米ドルで買い物ができる店もある。遠くに見える観覧車や高層ホテルなどは、北谷町の美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ。地元の人と観光客で半々くらい。いつも賑わっていて、明るい雰囲気。

外人が多いエリアであることは触れたが、外人専用のバーや飲食店も多い。「ここは日本なんだから、日本人お断りなんて有り得ない、俺様が絶対許さん!」などと粋がっても、ホントにガタイのいい外人ばかりで、雰囲気的に絶対入れないような店もある。噂では、金髪ダンサーが躍るストリップ劇場もあるとかないとか。

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昨日100Km走って、空港からここまで20Kmくらい。疲れたので、自転車を降りて少し休憩する。物思いにふける。

右膝の痛みが気になる。膝を伸ばしたり曲げたりすると、激痛というほどではないが、にぶい痛みが走る。靭帯を損傷すると自転車なんてまともに乗れなくなる。自転車どころか、歩行すらままならなくなり、日常生活にも支障が出る。

同じ場所を5年くらい前にも損傷したことがある。寒い冬の日の朝方だった。栃木県宇都宮市からの帰りで、はじめは小さな痛みだったが、気にせず走り続けていたら激痛となった。自転車を放棄して電車で帰ればよかったのだが、無理して乗ってしまった。そして、階段の上り下りがまともにできない状態が1か月も続いた。

新潟や東北、北海道を走って、今は沖縄にいる。自転車を辞めるべきか。自転車を辞めて、人間も辞める・・・が正解だ。

私は普段、煙草を吸わない。吸わないどころか、かなりの嫌煙家だ。自宅近くのコンビニに灰皿が設置されているせいで、自宅近くまで煙草の煙が漂ってくるから、なんとかしろ! と軽く苦情を入れたこともある。体に悪いことを承知で、高い金を出して煙草を吸っている人を理解できない。煙草を吸っている人を「ダメな人」と決めつけてしまう時すらある。

そんな私が、なぜか煙草を吸いたくなった。「ダメな人」になってしまおうと思ったからだ。近くのイオンで煙草とライターを買う。20歳くらいの頃に煙草を吸っていた時期が少しある。その頃は1箱250円くらいだったと思うが、今は410円もする。自販機ではタスポというカードがないと買えない。ライターはCR、チャイルドロックという子供のいたずらを防ぐ構造になっていて、相当な力を加えないと着火できないようになっている。最初、このライター固くておかしいんじゃないの? と思った。煙草のパッケージには「ガンになりますよ」的な警告文が昔よりデカデカと書かれている。

煙草を数本吸ってみる。美味しいとも何とも思わないが、舌先がヒリヒリする。喉が痛い。そして、激しい頭痛が襲う・・・。体がダルい。やはり、煙草は人体に有害だったのだ。ふんだりけったり。

その2に続く

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