私は10代後半で社会人になってからというもの、20代後半までは1日の食費が300円までという貧乏生活を送っていた。昭和の小学生のおやつ代と同じレベルである。
職業訓練の末にハローワークでやっと紹介された東京都心にある零細企業に正社員として就職したあとも、残業代や休日出勤込みで年俸250万円という、それって最低賃金とかどうなってんの? というレベルのブラック企業だったので、昼食はメロンパン1つという素晴らしいグルメを堪能していたものである。
そんなブラック企業は早々に退職して別の道を歩むことにしたのだが、孤軍奮闘の後にアラフォーとなった現在では1日の食費が平均1000円台という、世の中の平均(多分)と同じくらいリッチになった。
特に金周りの良い時なんかは丸の内でのクソ高いランチだけで州勅題1500円を超える時期もあったくらいである。
だが、最近になって人生の真実がわかってしまった。
人は金持ちになっても結局は浪費が増えるだけで、ちっとも幸せになんかなれないのである。むしろ金持ちになると不幸になるということを。
食費300円の頃の方が幸せだった
世の中の多くの人は大きな勘違いをしている。
金持ちになると幸せになれるという、何の根拠もない勘違いである。
大人の場合はクソ上司のご機嫌を取って昇給を狙ったり、転職してより給料の高い仕事に就いたり、考えなしの政府の薦めで副業に精を出したりする。
子供の場合はクソみたいな大人を見て育つから、貴重な青春時代を棒に振って塾に通ったり、暗記するだけで社会ではほとんど役に立たない学校の勉強に精を出す。暗記科目をどんな頑張っても、ググったりAIで調べれば人間の記憶力なんてゴミ以下なのでコンピュータの奴隷にしかなれないことに気づかないとならない。
国にとっては労働ロボットみたいな思考能力ゼロの人間を量産した方が都合がよいのだけど、その話はいったん置いておこう。
つまるところ、私は食費300円で工夫しながら暮らしていた時代の方が幸せだったのである。
いかにして少ない食費の中でおいしくて腹が膨れて栄養のあるものを手に入れられるか、と考えるのが楽しかった。
メロンパン1個を買うにしても同じくらいの値段でもメーカーによって味や食感が違うから、その違いを研究するのも楽しくて幸せだった。
ところが、リッチになって金に余裕ができるとメロンパンなんかタダでも食べる気はしないし、丸の内や大手町のクソ高いランチを食べ歩くだけの生活になってしまったのである。
毎日、丸の内のランチを食べていたら1か月のランチ代は2万円以上もかかる。ランチ代だけである。月の食費を1万円以内にしていた時代からは考えられないことだ。
しかし、どっちが楽しいか? 幸せか? と冷静になって考えると、1万円以内に収めて工夫しながら暮らしていた時代の方が幸せだった。
収入が増えてもどうでもいいものに金を浪費させるだけ
生活がキツキツだった20代の頃には想像もできなかったが、リッチになってもクソどうでもいいものに金を使うだけで、ちっちも人生の満足感や幸せを感じることはなかった。
金持ちの生活がこんなにも空虚なものだとは思わなかったのである。
貧乏な時はカレーを作っても野菜しか入れられないが、リッチになると肉が入ったりカツカツーになるというだけのことである。
健康なのはむしろ貧乏な時のカレーで、後者は肥満や病気になりやすくなってメリットはない。
貧乏な時とは違って、リッチになると毎日のように寿司やピザ、焼き肉を食べるようになるが、毎日旨いものを食べていると飽きてくるし、ハイカロリーになりがちで、肥満や鬱などの病気の原因になるし、実際にそうなった。
日用品や趣味の物品に関しても同じで、買わなくてもいいもの(例えば最近だと使い物にならないWindows Phoneや性能を生かす場面のない最新PC)に無駄金を使うだけで、何一つとして人生の幸せには結び付いていないのである。
収入が増えると納税額も上がるし、税金対策とか下らないことに神経を使う必要も出てくる。
全くもって収入が増えるのは不幸なことなのだ。
私は気づくのに20年もかかったが、盲目的に収入を増やしたいとか思っている人は、この事実に1秒でも早く気付いた方がいい。
老若男女の全ての人間に言えるが、どうせあと何十年かしたら寿命が尽きて灰になるだけである。
無駄な夢とか持たない方がいい。
宝くじの高額当選者はもれなく不幸になる人が大半
私は株以外のギャンブルには手を出したことはないが、宝くじの高額当選者の99%が不幸になっているというのは有名な話である。
人は力を持つと使わずにはいられないため、貯蓄に回すとか賢明な使い方を出来る人は少なく、力を持て余した結果、家庭崩壊は序の口で、自殺、他殺、自己破産など、あらゆる不幸に直結するパターンが多いという。
現代社会を生きていくには最低限の金が必要だとしても、必要以上の金を持たない方がいいという良い例(悪い例)であろう。
ブラック企業が世の蔓延るのも金のマジック
ところで、世の中にはブラック企業が蔓延っているのは、金のマジックによるものだというのはご存じだろうか。
私が関わった企業においては、経営者が金に心を奪われているケースが大半である。
従業員の待遇を悪くすれば頭を使わずとも経営者が儲けられるという、小学生レベルの単純ロジックがあるためにブラック企業が誕生するのである。
私が最近関わっているブラック企業の案件においても、社員が軒並みブラック体質なので転職サイトでの評判を調べてみたところ、やはり上場大手の正社員なのに平均年収は500万円程度と薄給で離職率は平均より高く、退職金がなかったり、残業代がグレーというものであった。
そのくせ、代表者はプライベートジェットを持っていたりと日本有数の金持ちなのである。
金持ちに関わると周囲や下の人間がとことん不幸になるという、負の連鎖があることにも気を付けないといけない。
まとめ 金持ちになることは悪いことである
個人の思想には自由が認められているが、金持ちを目指して何が悪いか? みたいな思想の人も多いことであろうが、実際問題、私が経験した範囲だと金持ちになると不幸になるし、金持ちに関わると不幸になる。
これは、昨夜にイオンで買ってきたシシャモを焼きながらつくづく思ったことだけど、このシシャモは誰かが釣ったものだろうが、各所を流通してスーパーに並んでいるのを金で買って焼いて食べたところで、幸せや満足感は微塵もなかったのである。
オスのシシャモで卵が入っていないというのも満足感がない理由の一つではあると思うが、自分の力で釣ったシシャモではないし、イオンはセルフレジばっかりになって、人の気配が全くしなくなったのであ。
ロボット社会やAI社会の末路もこれと同じで人間の幸せとは程遠いものだ。
そういえば、前述のクソブラック企業も「これからはAIが経営のカギだ」とか言って洗脳してくるけれど、AIも不幸に導くブラックキーワードなので覚えておくとよいだろう。