日本人の酒飲みが最終的に行き着く酒の終着点は、日本酒なのではないかと思う。
筆者も安酒として出回っている酒は大体全部飲んだが、そう思わざるを得ない。
なぜ日本酒が日本人の終着点なのかの仮説
多くの一般~上級国民が主食として日常的に食べているであろう日本米が原料というのが大きいだろう。
世界ウルルン滞在記でアフリカかどこかの少数民族に手土産として日本酒を持って行って渡す回があったが、日本米を食べたことがない人達にも「素晴らしい!」と絶賛していたので、必ずしも主食が原料だからというのは断定できないが、当たらずとも遠からずではないかと思う。
もしくは、人類の味覚に近い所にあるはずだ。
米を原料にする酒は米焼酎とかもあるだろうが、あちらは蒸留酒だから米本来の風味は日本酒に比べると薄い。
日本酒はほどよいアルコール度数と手軽な飲み方がメリット
日本酒は実は酒の中でも飲む手間が極限までかからない。
ビールは冷やさないと飲めたものじゃない。
缶チューハイも冷やさないと飲めたものじゃないし、氷がないとものじゃないという人もいるだろう。
ワインも相応なワイングラスがないとものじゃないし、モノによっては栓を開けるのに一苦労する(主に高級ワイン)。
ウイスキーや焼酎、泡盛、梅酒などは人によるが、冷やした上に氷がないと飲めたものじゃない。
テキーラに至っては、塩とレモンがないとどうにもならない(個人の感想)。
ところが、日本酒の最も一般的な飲み方は常温だ。
ビールしか飲まないような人からすると異常に思えるらしいが、日本酒の場合は常温がもっとも風味豊かで味わい深いのである。
季節によっては少し冷やしたり、温めて飲むこともできるオプションもあり、日本酒の楽しみ方は奥深いのだ。
アルコール度数は世の中に出回っている酒の平均値くらいである13度~15度くらいのものが一般的。
ガンガンに度数が高いわけではないので、割ったりする必要もなく、ちょうどコップ一杯くらいで適量になるので食事を食べながら飲むにもちょうどいい手頃感なのもポイントだ。
日本で古くから飲まれてきた酒の実力
缶チューハイなんて安くて種類が多いのはいいけれど、冷静に考えると相当不味い。
果汁たっぷり使ったようなタイプのはまだしも、ほぼ香料だけで風味付けしているようなやつは、ウォッカや焼酎の炭酸割に香味料が付いただけの飲み物である。
そんな理科の実験室で作られたかのような飲み物が旨いわけはないが、アル中一歩手前で判断能力がなくなっている人には好まれるのだろう。筆者もそんな時期が長期間あったからわかる。
だが真実、つまり不味いことに気づける人はどのくらいいるのだろうか。
日本酒は日本の環境の中で長い間作られてきた日本独自の「地酒」である。
最終的に日本酒が終着点になるのも自然なことであろう。