PS4「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」のゲームレビュー。個人の感想、ネタバレあり。
プレイステーションやセガサターンなど32bit次世代機が戦争を起こしている最中の1995年にSFCで発売された原作「聖剣伝説3」のリメイク版。
PS4版は2020年にコロナの外出自粛要請が出されているような時期に発売されたこともあり、コロナ禍にやるゲームとも言われていた。
聖剣伝説シリーズは1と2とLEGEND OF MANAはプレイ済み、SFC末期に発売された3だけはSFC売却済みだったために原作未プレイであった。
目次
主人公と味方2人を選択できるシステム
事前情報なしで買ったが、このゲームで一番斬新なシステムなのがパッケージに描かれたパーティキャラっぽい人たちのうち、主人公と2人、計3人の味方パーティをゲーム開始時に選ぶことができるというもの。
同じ聖剣伝説シリーズでもLoMみたいに主人公が選択できるRPGはたまにあるが、性別の違いだったり、あとで選ばなかった方も合流したりするケースが多いように思う。
しかし、このゲームの場合は最初の選んだ3人が序盤に合流したら、クリアするまでずっと固定メンバーとなる。
選ばなかった人たちはストーリー中で部外者として見かけることはあっても、仲間になることはない。
アトリエみたいに女子だけのパーティーも可能
本当はアトリエシリーズをやりたかったけど、やりたいタイトルがなかったので苦し紛れに買ったのが本作。
パーティーが選べるということで、キャバクラ(言ったことはないが)みたいに、見た目だけで直観でパーティーを組んだ。
主人公はアンジェラという紫髪の美形タイプのお嬢様キャラ。
2人目はゲームとかアニメによくいる、ハーフエルフっぽい見た目のリースという女性キャラ。
3人目は聖剣伝説シリーズって言ったら欠かせないような、小さい感じの女の子。名前はシャルロット。
戦力バランスとか何にも考えないでキャバクラ指名感覚で選んだけど、攻略的には大丈夫なのかな? (笑)
序盤~中盤までは単調なバトルが続く
アクションRPGにしては、序盤は戦闘でやれることが少なくて単調さを感じた。
まぁ、RPGの場合は段々とスキルを覚えたりしてやれることが増えていくから普通だとしても、序盤からプレイ時間にして10時間くらいは単調なバトルが続いたように思う。
一応、魔法とかスキルみたいなのはあるけど、いまいちパッとしないのしかない。
クソゲーをつかまされたのではと嫌な感じがしたが、これは女子だけのパーティーにした自分が悪いのかどうかは、男性キャラのパーティーがどんな感じか知らないので不明。
後半はリースがセクシーすぎる別ゲーに化ける
レベル18になると第一段階のクラスチェンジというものができるようになる。
普段からレベルが上がる際に能力が上がるのだけど、クラスチェンジをすると急激に能力が上がり、ワンランク上の強力な技を覚えたり、キャラの見た目が変わるのだ。
さらに終盤に差し掛かる頃、レベルが38に達すると第2段階のクラスチェンジが可能。
第2段階のクラスチェンジはレベルだけでなく特定のアイテムが必要になったり、やや条件は厳しくはなるものの、パーティーメンバーのパッとしないメンツの一人に過ぎなかったリースが、なんとエロエロなセクシーお姉さんに化けた!
原作が90年代のゲームだからか、時代的にやたらとレオタードとかビキニとか、セクシー衣装の女性キャラが多い本作。
クラスチェンジではチェンジさせる方向性を選べるのだが、戦力などは考えずに、とにかく見た目だけでチェンジさせたところ、「ルルアのアトリエ」のルルアに匹敵するほどに、魅力的な尻を持つセクシーキャラであることがわかったのである。
30年も前のゲームにも関わらず、リースは現在でも人気キャラだというが、その理由が尻にあるかどうかは不明なものの、こんなに魅力的な尻のキャラだったことに気付かずに20時間くらいプレイしていたとは。
リース主人公で初めからやり直そうかと思ったくらい。
戦闘難易度は高めだが公式チートのベリーイージーで解決
リースの尻の魅力について語りつくそうとも思ったが、それだけゲームレビューにならないので話を戻そう。
本作のバトル難易度は適当にやっていると高め。
新しいエリアに行くと敵が段階的に強くなっていって、イタチごっち的に装備品も都度買い直すというJRPGにありがちなパターンだけど、特に中盤以降のボスは強い。
女子会みたいなパーティーだから戦力的に厳しいというのもあったかもしれないけど、装備を整えてもイマイチ、急激にランクアップする敵の強さについていけない場面が多かった。
ただ、そんなヘタレプレーヤーにも救済措置が用意されている。
難易度「ベリーイージー」だ。
ストーリーをサクサク進める目的でイージーに設定することはあっても、さすがにベリーが付くとプライドが傷つきかねないものの、もはやリースの尻を鑑賞するためのゲームになっているのでプライドは関係なかった。
ベリーイージーでは全滅しても、その場で全回復してバトルを継続することができるのだ。敵からしたら何という迷惑な主人公一行。しかもペナルティなしで何度でも復活できる。ああ、やり直せる人生って素晴らしい。
ちなみに、PSPの「ガチトラ! ~暴れん坊教師 in High School~」みたいに「勝ったことにする」という選択肢はさすがにない(笑)
根本的に育成が間違っているのか、まともにアクションRPGを攻略するつもりがないからなのかは不明だが、15回くらいも全滅して挙句に倒したボスもいたけれど、ノーマル以上の難易度で普通にクリアするのは、育成とか操作とかが結構難しいゲームなんじゃないかしらん。
ボスはほとんど全員イラつく戦い方
ベリーイージーでは何度死んでも蘇るからいいんだけど、カメラワークが酷くて、今どういう状況にあるのか全くわからないことが多かった。
カメラワークも酷いけど、ボスの戦い方も酷いのが多い。
定期的に手下みたいのを召喚して、手下を倒さないと本体にダメージが通らない面倒くさいボス多数。
コストの高いスキルを発動したというのに、瞬間移動されて当たらなくてイラついたボス多数。
ボスに限らないけど、雑魚も無駄に空中を飛んでいて、攻撃を当てづらくてイラついたことは数えきれない。
たまにネプテューヌのボスか? と思うくらいに無駄に硬いだけのボスがいるのもイラついた。
ネプテューヌと比べるのも失礼だが、ネプテューヌに比べたら全体的な出来は高品質なものの、イラつくタイプの敵は結構多い。
ボスはほとんど全員イラつく。
たまに体力バカなだけのボスが出てくると、手下野郎とか瞬間移動野郎とかに比べればの話だけど、すごく嬉しく思ったりした。
イラつくボスと戦っているとき、リースの尻にどれだけ救われただろうか。
聖剣伝説シリーズに付き物のバグも多い
ギャグじゃないが、聖剣伝説シリーズにはバグ伝説が多い。
SFC版の聖剣伝説2では味方キャラがバグで突然消えてしまい、そのまま永久離脱してしまうバグがあり、これのせいで何度やり直したかわからない。
本作では味方キャラが消えるというのはなかったけれど、ダンジョンや戦闘中のBGMが無音になってしまうバグは何度も遭遇した。
初見プレイだから原作も知らないし、「BGMがないダンジョンなのかな」とか「BGMがないボスなのかな」とか、そういう演出だと願いつつプレイした。
よくよく考えたら、一番盛り上がるはずのラスボスでBGMが無音っていうのも考えづらいから、きっとバグなんだと思う。
FF5のエクスデス戦とか、FF7のラストのセフィロス戦のBGMとか頭に刷り込まれていて、いつでも脳内再生できるくらいだし、ラスボスに盛り上がるBGMは欠かせないはずだもんね。だからきっと無音のはずがない。
「龍が如く」みたいに次行く場所が☆マーク表示される
これって時代性だと思うんだけど、今の若者とかって音楽聞く時も飛ばしながらサビだけ聞くのが普通らしい。
時代は時短なのである。
この記事も誰かが読む時にはAIに要約されてしまい、ほとんどの部分がくだらない内容と判断され、たったの2行になってしまうのかもしれない・・・。
小学生の時にリアルタイムで聖剣伝説2をやってた昭和のお兄さん(おじさんじゃないよ)からしたら、RPGは村人全員に話しかけて情報収集するのが普通だと思うけど、このゲームの場合は次の行先はおろか、街や村で話しかけるべきモブキャラにすら、☆マークが表示されて全部教えてくれる親切設計。
閃の軌跡レベルでも割と攻略サイト見ながらプレイする自分だけど、このゲームの場合は次の行先がわかるから、クリアするだけだったら特に攻略サイトを見る必要性がなかった。
ダンジョンも多少のギミックはあるけど、小1の子でも自力で解けるレベルのギミックがほとんど。
クリア時間は本編のみで20~25時間くらい
8時間が定時だったら、残業しなくても3日くらいでクリアできるくらいのボリューム。
時短仕様だからストーリー進行で迷う部分がないし、イベントもスキップし放題。
アトリエシリーズみたいにストーリー上での調合とか素材集めとか、時間のかかるものはないし、ひたすら新しいマップに行って、新しい武器と防具を買って、ボスをボコボコにしていくだけ(たまにボコボコにされる)。
原作にない要素として、本編クリア後に追加ストーリーとか、本編ではラスボスがデカいだけの体力バカだったこともあり、最強の隠しボスみたいのと戦えるらしい。
音楽はビジュアルに比べると少し残念
アレンジ版とSFCオリジナル版が選べるようになっている。
原作の雰囲気を知りたくてオリジナル版で遊んでいたけど、やっぱりBGMが鳴らなくなるバグが残念だった。
聖剣伝説2とかLoMは心に残る名曲が多かったけど、そもそもBGMが鳴らないバグもあって印象に残った曲がなかったのは残念。
閃の軌跡シリーズみたいにゲームはアレだけど、音楽はいいなっていうのもアレだとは思うんだけどね。
製品版に引継ぎできる体験版もある
序盤の数時間を割とがっつりプレイできる体験版がPlayStation Storeで無料ダウンロードできる。
言及したように序盤はバトルでやれることがあまりなくて微妙感が少し漂うけれど、それでもネプテューヌとか閃の軌跡とかよりも、高クオリティなしっかり作ってあるゲームだというのは感じられると思う。
主人公とかパーティーキャラは後から変えられないので、後悔しないように体験版をやる時もじっくり決めた方がいいと思う。
まとめ 原作未プレイでもどこか懐かしくプレイできるゲーム
原作をやったことあるかどうかでも印象は変わると思うけど、未プレイでもキャラの雰囲気とかが90年代バリバリなので、どこか懐かしさを覚えるゲーム。
アトリエシリーズとかに比べると、ひたすら店売りの武器、防具を買い換えていく方式だから、装備品とかに愛着が持てなくて記号的だなぁ、とは思ったりした。
しかしその実、後半でクラスチェンジするとリースがセクシーお姉さんに化けるサプライズがあり、実は単なるリメイク作品ではなくて、神ゲーなのではないかと思い始めている。
願わくば、せっかくキャラが魅力的なだけに、カメラアングルをもっと自由に動かせたらよかったのになぁ、と思ったりもする。
まぁ、元が割とカチカチの正統派RPGだから、美少女路線のアトリエとは違うか。








