自転車旅行

Final Stage 真・北海道編 Excellent Hokkaido Native

8日目 夜明け

何度か目を覚ましながら迎えた朝。空はまだ厚い雲に覆われていたが、雨はなんとか止んでいた。買い置きしていたジンギスカンを作り、テントを片付け、自転車に荷物を積載する。

6時頃、キャンプ場を出発する。調理場で寝させて貰ったので、管理人さんが起きているかわからないから、最悪、メモ書きでお礼を伝えようと思ったが、キャンプ場を出る時にプレハブから管理人さんが出てきてくれた。最初の受付の時に対応してくれた方だ。

「炊事場で寝た? なんか可愛そうだからさぁ、テントを移動するように(昨日担当だった同僚に)言ったんだよ~(笑)」

どうもありがとうございます。おかげで大変助かりました。

その後、新札幌駅に向かい、うまくダンボールを探して不要なキャンプ用品などをコンビニから自宅に送った。もう江別に来ることはないし、キャンプすることもない。

某ホテルで無難な朝食バイキングを食べ、この日は街で過ごした。

Final Stage 真・北海道編 Excellent Hokkaido Native

7日目 雷雨

キャンプ場4泊目となるこの日、午前中から江別市内に出かけた。

大都市近郊のベッドタウンという埼玉と同じようなポジションだから、埼玉と同じくらい観光客が少ないと思われる江別にも、色々な魅力があるのではと思った。

私が江別でまず魅力的だと思ったのは、北のたまゆらという440円の温泉である。ここはほとんどスーパー銭湯のようなところで、色々な風呂があり、休憩所があったり、400円台くらいで各種定食を食べることができる。

ここはキャンプ場の受付で「4泊もするなら温泉くらい行った方がいい」みたいなことを言われてリーフレット渡されて知ったのだが、札幌の江別に隣接した地域、厚別区にある森林公園温泉きよらと比較すると、同じ値段なのにとても豪華に思える。たまゆらはボディソープとシャンプーが備え付けだし、ヘアトニックやアフターシェーブローションも備え付けだ。

それらは、きよらにはない。きよらも好きな所で100回くらい行ったことがあるが、たまゆらの前ではとても色あせて見える。エリアが近いから温泉の質もほとんど同じで、真っ黒いタイプ。ドライヤーこそ3分10円のタイプだが、江別のキャンプ場を利用するなら、ここはお世話になった方がいいだろう。

住宅街の外れにあって、江別も五番の目の感じで始めての人は探しづらいだろうが、3番道りだかというところまで行くと、交差点のところにある。最寄り駅から歩くのは大変だが、足がある人は訪れる価値が大アリ。

江別はレンガや陶芸の街としても有名で、そういう博物館があるが定休日で訪れることができなかった。

また、情報図書館という名の図書館(アニメのDVDとかCDが充実している)は、この街の規模にしてはなかなか良い所だ。でも、北広島の図書館の方がガチで良いので、まぁ、普通レベルだ。ラーメン屋は味の時計台がある。

基本的な町並みは、埼玉の高崎線沿線の国道17号線のロードサイドショップ密集地帯みたいな感じに近い。

今回のキャンプではガスコンロを使えるので、料理に熱が入る。ジンギスカンを作ったり、イカを焼いたり、ソーセージをボイルしたりした。

ところが、最終宿泊日のこの日、夕方から天気が悪くなって、なかなか強い雨となった。翌日が平日のため、家族連れとかは皆帰って、宿泊者は私だけ。雷よけの避雷針があるとは言え、雷のときのキャンプは危険とされている。雷に打たれると7割か8割くらいは死亡するという。

18時ころ、テントで食事を終えて、覚悟を決めた。雨に備えてどうやったら浸水せずに夜を明かせるか、ビニール袋や折り畳み傘でテントの浸水しやすい部分を補強したりした。

それでも、3500円の安物テントは地面や、フライシートとインナーが密着すると、内部に水が滴ってくる・・・。高級テントや普通のテントは使ったことがないが、雨が止まない限り、この安物テントで浸水せずに過ごすことは無理だろう。特に寝る時に頭になる部分に小さな物入れの袋があるが、ここから特に水が滴るので、ハサミで物入れのポケットを切り落とした。

腹をくくったあと、外から呼び声がしてくる。

「今日は雨も強いし、雷注意報が出て危険だから、調理場か東屋で寝たらどうですか」的な、管理人さんからのドクターストップが出た。

ありがたいですが大丈夫、と言えばカッコいいと思ったが、私が事故に巻き込まれて迷惑するのは、このキャンプ場を管理している江別市。迷惑はかけたくないと思い、いや、こんな雨の中、キャンプなんかしたくないと思ったのも本当のことで、10往復くらいして、小分けして荷物を運び、キャンプ場の端から調理場にテントを移動した。

キャンパーたるもの、屋根の下にテントを張るなんてみっともない!と0.5秒だけ思ったが、テント内に雨がしたたることもないし、実に快適だった。心底ありがたい気持ちだった。

雨の中、安物テントでキャンプなんてできないことを思い知った。前言撤回するが、これからキャンプツーリングをする方は、お金に余裕があれば、それなりに雨に強いテントを買った方がいいと思う。安物は晴れの日しか使えないから。

深夜も風が強かった。夜が明けたら、キャンプ場を出る。

Final Stage 真・北海道編 Excellent Hokkaido Native

6日目 モエレ沼公園、さとらんど

江別のキャンプ場から札幌都心に“通う”のが割りと負担なため、地図を見て市内でも通いやすい場所を探す。

札幌の北東の町外れにある、モエレ沼公園を目指す。北海道の道と書いて道道と読むが、道道を通ると負担を少なく、そこに行くことができる。

モエレ沼公園は以前も来たことがあるが、自転車がないとバスじゃないとアクセスできない。定山渓とかを除く札幌市内でも、モエレ沼公園付近は地下鉄や電車交通がなく、田畑が広がるようなエリア。信号があったりなかったりで、似たような景色が広がるため、十勝型事故が起こりやすいので、自転車の人は注意!

こっちが優先的な道路で、向こうに“止まれ”があるから大丈夫だと思うと、そのまま撥ねられる。というか、撥ねられそうになった。

北海道の人でも読めないような地名があったり、ある意味、ディープなエリアだったりする。

モエレ沼公園は芸術家の作品的な建築物があったりして、札幌市民の誇り、自慢でもあるという。広大な公園で市街地から遠いため、大規模な駐車場がある。公園用のレンタサイクルもあり。

モエレ沼公園に隣接して、札幌さとらんどという、自然、動物、農業体験施設のような公園が隣接してある。こちらも入場料無料なので、セットで行く家族連れが多い。無料バーベキュー施設もあるので、車庫でジンギスカンをやる北海道の人でも、バーベキューをやりにさとらんどに来ている家族連れが多かった。

2つの施設を見学してから、キャンプ場に戻った。

江別は札幌のベッドタウンのようなところだが、ローカルの私立大学などが多いため、家賃が安いアパートが多く、大型のディスカウントスーパーなどが充実している。ある意味、埼玉みたいなところで、実際、札幌市内より食料品などが安い買える気がした。