ティズ

ゲーム

TiZ -Tokyo Insect Zoo- の攻略チャートと感想(ネタバレあり)

1996年にPlay Station用ソフトとして発売された『TiZ -Tokyo Insect Zoo-』というゲーム。

リアル中2だった当時はクリアできなかった。しかし、大人になって社会で揉まれ20年越しにクリアできたので、覚書として後任者のために、攻略チャートと個人的な感想を記述する。ネタばれ注意。

TiZはどんなゲーム?

1996年の発売当時は主要ゲーム雑誌や、ソニーコンピュータエンタテインメントがやっていた有料のPSファンクラブ会員向けのCD-ROMにPVなどが収録され、当時としては最新の3DCGとアニメーションが融合された、全く新しい革新的なゲームとして、業界的に非常に注目されていた記憶がある。

当時はPS、サターンなどの32bit次世代機戦争の最中。ゲームが本業以外の会社がこぞってPSなどに参入し、非常に賑やかな時代だった。ゲームなんか作ったこともない会社が無理してゲームを作った結果、クソゲーが量産されていた時代。

そんな時代に、特に注目されるタイトルとして出てきたのがTizなのだ。開発元のゼネラル・エンタテイメントは、2011年に破産しているが元々は映像系の会社である。

ゲームのジャンルとしてはアドベンチャーと言って良いと思う。アクション的要素はあるが、プレイヤー本人が心をズダスタに折ってしまうことはあっても、体力などの能力値や時間制限はない。ゲームオーバーは存在しないのだ。ストーリーを自分で進めない限りは、箱庭的に永久に遊んでいられる。本人がTiZワールドで遊び続けたいと思っている限りは・・・。

Tizの巷でよくある質問

Q、電波ゲームなのですか?
A、キャラクターの会話部分は電波と言って差し支えない。だが、根底にあるテーマは命、愛、環境破壊、昆虫サイエンス、テクノロジー、生まれ変わりなど、非常に深い。プレイヤーにそういった知識があるかどうかで、ゲーム全体の受け止め方が変わるだろう。小さい子供向けというよりは、社会で揉まれた大人の方が楽しめるゲームだと思う。

Q、普通の人でもクリアできますか?
A、今時のヒント満載の親切なゲームと違って、コツがわかっていないと何時間も延々と彷徨うことになり、心が折れて辞めてしまう人が多いと思う。コツは下記に記述するので、コツを参考にすればそう難しくはない。・・・はず。挫折する多いゲームではあるので、クリアできたらちょっとした自慢ができる。

Q、Tizによく出てくるクヌギって?

A、カブトムシ(主人公=プレイヤー)などの昆虫が好む木のこと。昆虫たちが樹液を求めて集まる。クヌギは伐採しても切り株から萌芽更新が発生し、再び数年後には樹勢を回復する。Tizの生まれ変わりや再生といった、大元のテーマを表現している木。

Q、プレイ時間は?
A、驚くことに、テンポよく進めれば最短2~3時間くらいでエンディングを迎えられると思う。長めの映画1本分くらいの時間だ。でも、一度詰まってしまうと、二度とやりたくなくなるので、Tizは短期決戦のつもりでプレイした方が良い。

攻略の基本事項

中古で買ったりした説明書がなかったり、そもそもロクに説明してくれないゲームだが、以下の事項は大事なので理解しておくことをお勧めする。

・セーブの仕方
仲間との会話シーンになった時にセレクトボタンを押す。文字情報は表示されないので、画像を見てなんとなくセーブする。

・排気ダクトのコツ(Tizの極悪要素)
エリア間を移動する際に通る排気ダクトは、操作性の悪さと3D酔いで酷い思いをするはず。TiZを挫折する人の8割はこれが原因だと思う。

Tiz全編に言えることだが、マップなどは表示されない。ファンに吸い込まれた時は何がなんだかわからなくなる。しかし、そこまで超複雑なわけではないので、腹を決めて勘でやるしかない。ダクトの迷路はランダム生成ではないので、行ったことがない場所をしらみ潰し的に進むと良い。

青い光がある部分でボタン操作することで、上や下の階層に移動できる。ファンや柵の部分も通ることができる。初回などはストーリー進行でダクトを通る必要があるが、後述の飛行イベント以降は、飛行することでエリアを移動できるので、必ずしも毎回通らなくてよい。

・飛行の方法
ストーリー上で飛行した後は、夜になればL1、L2、R1、R2のボタンで行き先を選ぶことで、他のエリアに移動可能。砂漠エリアでは落ちている星に触れることで夜に出来る。良くも悪くも、文字で説明してくれないゲームなのを痛感して欲しい。

・会話シーン
文字情報が表示されないゲームなのでわかりづらいが、L、Rで主人公が話す内容や行動を決める台詞がまずプレビューされる仕組み。決定すると実行。どれを選んでもクリアには影響しない。マルチエンディングではなく、エンディングは一つ。

自己流、最短攻略チャート(クリア必須イベント)

Tizではクリアに必須な『メインストーリー』と、必須ではない『サブイベント』がある。

エンディングに到達するだけなら『メインストーリー』を追えばOK。会話の選択でエンディングが変わることはない。仲間を探す時ではストーリー進行が一部変わる。以下、参考までに記憶の範囲で覚書。上から順番に進めて行けばクリアできるはず。

ストーリーが進まない場合は、何かのフラグを立てていないからなので一つずつ確実に進めること。女王アリのイベントがわかりにくいが、女王アリに会うのはクリアに必須なので注意しよう。

・オープニング
L1、R1、L2、R2、を適当に押していれば物体が変形して次に進む。

・バスケットボール
木に登るか、アパートの扉や商店街の方に行く。木に登った方が進行は早いが、主人公の実家に行ったりできるので、アパートの扉の中に入ったりするのがおすすめ。公衆電話が鳴っていて、謎の白い少女の声が聞こえる。商店街の街並みは後の『龍が如く』シリーズのよう。ちなみに、この時しか街に来ることはできない。

・Tokyo Insect Zooに移動
主人公がカブトムシに生まれ変わった後。どのエリアでも、基本的にうろうろしながら○ボタンを押したりすると、イベントが起きてストーリーが進む。序盤はイベントが立て続けに起こるので、詰まることはないと思う。

どのエリアでもどこかに排気ダクトの出入り口がある。そこから他のエリアに移動できるようになっているのがTiZの掟。但し、砂漠エリアはわかりづらくて蟻塚(山のように見えるもの)を見上げながら近づくと上に登れて、そこにダクトがあるという仕組み。

・砂漠エリア(初めて飛ぶシーン)
仲間の声を聞いて、初めて飛ぶ時は、L1、R1、を押しながら、L2、R2を連打してパタパタやる。これ以降からエリアを移動する際は、夜間になればLRボタンで行き先を決めて、○ボタンで飛び立てるようになる。

・エントランスで女王アリに会う(中盤の山場)
ダクトで彷徨って、東京インセクトズーのエントランス(入口)っぽい所に移動する。正面の横にある黒い三角形の隙間(▲←こんなの)に入ると、中にヤバそうな女王アリがいる。これでクリアに必須のストーリー上のフラグが立つ。

・砂漠エリア
サソリに刺された今にも死にそうな細い仲間がいる。話した後、R2ボタンでクヌギの森へ飛ぶ。

・クヌギの森
イベントを見ながらキノコが生えている場所まで進む。排気ダクトに入り、砂漠エリアなど他の場所に移動する(空の見える場所ならどこでもよい?)

・移動後の場所
謎の白い少女のメッセージが聞ける。クヌギの森に戻り、女王蜂を探して蜜を貰う。砂漠エリアに自動的に移動するので、夜にして仲間を探しにクヌギの森へ飛ぶ。(星のオブジェに触れると一瞬で夜にできる)

・クヌギの森(夜)
光の玉が発生しているはず。後のFFXのティーダとユウナのXXなイベントのよう。キノコエリアに移動して、うろうろしているとイベントが起こる。

・芋虫イベント
R1、L1を同時に押したり離したりしていると進む。まさかのテーマソング(?)が流れ、Tizで一番盛り上がる感動のシーン。FFXで言えば究極召喚の秘密を知ってしまった時のイベントに相当する。

・クヌギの森(秋)
気温が低下してきている。キノコのあたりでイベント発生。

・氷原
右の壁伝いに進み、氷の橋や動く氷にタイミングを合わせて対岸に渡る。滑るので慎重に進む。Tizのメインストーリー中のアクションシーンでは最も操作が難しい。ミスってもゲームオーバーになったりはしないでやり直せる。

・エンディング
こんな感じでエンディングに到達できる。良いゲームだったでしょ?



全般的な感想

よく『電波』とか『クソゲー』と言われるが、電波なのは主に会話部分だと思う。『クソゲー』なのは排気ダクトやフィールドの操作性、イベントフラグのわかりづらさだと思う。セーブ、ロード含めて、活字による案内はゲーム中に一切ないし。

聞いた話だと、縦に長いジャングルエリアにはクリアに関係ないが、物語上重要なサブイベントがあるという。操作に自信のある人は挑戦してみるといいだろう。操作性最悪だが。



ストーリー考察

閉鎖して取り壊しが決定した昆虫動物園を舞台にした話で、子供向けの絵本のようなタッチのTiz。白い少女は皆のお母さんで、序盤に人間からカブトムシにされた主人公は、エンディングで再び人間に生まれ変わるのだ。破壊と再生・・・生まれ変わりや愛や生命といった深いテーマを根底に持つTiz。

ゲームソフトとしての操作性の悪さや、ゲームシステムなどを含めてヒントが少なく不親切なため、クリアまで行ける人は意外に少なく、その結末を近年になってプレイ動画で見て興味を持ったという人も多いだろう。

開発元が破産した今となっては叶わないだろうが、ストーリー自体は優れているので、操作性などを改善してリメイクされると見直されるのでは?と思う惜しいゲームだと思う。

今で言うマルチ展開もしていて、開発元が出したTizに関連した絵本もある。