巷には株の入門書が溢れている。
文庫本サイズやムック本になっているものや、マンガ風に描かれていたり、株や投資が気になり出した初心者クンが手を伸ばしやすいように、これでもかと“初心者でも簡単に稼げるアピール”をしている。
株で稼ぐのはとっても難しいと知ろう
あの手の初心者向け株入門書の説明とは違って、実際は株で稼ぐでのはとても難しいことである。
事実、世の中の大抵の人はサラリーマンだったり公務員だったりフリーター(死語?)だったり、何らかの仕事に就いて生計を立てている。そんなに簡単に株で稼げるなら、世の中からサラリーマンやフリーターが消滅してしまうはずだけど、消滅しないことが株で稼ぐ難しさを証明している。
誤解がないように補足すれば、一部の頭が特別によかったり、要領のよい人、株のセンスがよい人は働かなくてもよいくらいに株で稼いでいる人も存在するだろう。それは認める。何の分野にも存在する“例外”っていうやつだ。
しかし、大半の95%くらいの人にとっては株で稼ぐのはとても難しいのだ。
入門書は株で稼ぐのは簡単という前提に立っている
株の入門書はなんでだか、株で株で稼ぐのは難しいことではないという前提に立っている。
なぜなら、入門書という体裁を保つうえで簡単という架空の前提がなければ成り立たないからだ。
サッカーの入門書だとしたら、初心者でもドリブルやボールの扱い方やルールを覚えれば、大抵の人はプロにはなれないものの、学校のサッカー部や街のサッカークラブくらいには所属することができる。入門書として間違っていないいないだろう。
実は株の入門書もサッカーの入門書と似たようなものだ。大抵の人はプロ(株で稼げる人、株で生計を立てる人、株を仕事にする人)にはなれないものの、「とりあえず株というゲームができますよ」という段階に導く役割を担っている。
つまり、株で稼ぐのはとても難しいのだけど、入門書としは何ら間違っていないのだ。最低限、稼げることを保証している入門書はないことは知っておかないとならない。
大抵の株はほったらかしにすると暴落する
株の入門書を書いているような著者は、コツコツと独自の手法を身に着けたタイプの人と、ITバブル時代など稼ぎやすい相場の時にドカーンと稼いで成功した人などか多い気がする。
いずれにしても、知識や技術の少ないサラリーマンとか無職が片手間で気が向いた時だけに株を売買しているような状況とは全く違うのだ。株を生業にしようと決心していたり、株で稼ぎやすい世の中の状況がバックに付いていたりする。これから何となく株を始めようとと思っているアナタとは、色々と状況が違い過ぎるのだ。
株を買ったら24時間、分刻みで情報収集したりして売却のタイミングを検討しなければ株で稼ぐことはできないと肝に銘じよう。
気が向いた時だけ株の取引きアプリを開いたり、証券会社の取引ページにログインしているようでは、気が付いたら自分の持っている株が暴落しているなんてことは初心者によくあることである。
企業などの個別株だったら、その企業自体の業績だけでなく、業界全体の流れや周辺業界の状況、国全体や海外の状況に引っ張られて暴落してしまうこともよくあるので、24時間オチオチしてられないのだ。