山田うどん

First Stage 埼玉~新潟編

1日目 旅の始まりの終わり

午前10時頃、出発する。埼玉県南部から埼玉県北部の中心都市、熊谷市まではサイクリングロードを通る。荒川自転車が有名だが、対岸にも別の複数のサイクリングロードがあって熊谷まで接続している。途中にヤギとかロバがいたりいる。ここはホームコースなので走り慣れた道だ。

ロードバイクに乗ったザ・サイクリストといった人達が高速で通り抜けていく。自転車旅行はウサギよりもカメであることの方が大事なので、時速20Km前後で走行する。

2時間ほど走り熊谷で一休みしてから、国道17号線経由で高崎方面に向かう。熊谷は人口20万人ほどの埼玉県北部の中心都市だ。このあたりは17号線とJR高崎線が併走している。国道沿いにロードサイド型の店舗が沢山連なっている。高崎に近づくとビール工場など大きな建造物が増える。

群馬県と言えば、かつてコインスナックなどと言われた自販機コーナーが多い。地元の北海道ではあまり見ないので、自販機コーナーというものが何なのか最近まで知らなかったが、ネットで調べると文字通り、自動販売機が沢山集まったスペースらしい。自販機グルメなる言葉もあって、トーストやラーメンなどを自販機で販売しているという。そういうものを特集したDVDまであるのは驚きだ。

せっかくだから、試しに高崎付近にある藤岡市の自販機コーナー「オレンジハット」で天ぷらうどんを食べてみる。昔、仕事でこの近所のビジネスホテル「ルートイン」に泊まったことがあるので、哀愁漂う。なんとなく近寄りがたいので入ったことはないが、オレンジハットの存在は以前から知ってはいた。

オレンジハットの隣には埼玉で有名な食堂「山田うどん」もある。そんな立地で、わざわざ自販機のうどんなんか食べるやついるのか?と思ったが、私が注文するとちょうど売り切れの表示となった。すぐに店のおばさんが補充していた。群馬では自販機グルメが人気なのだろう。

ちなみに「山田うどん」は埼玉県民のソウルフードとされている。駅から遠い国道沿いにあることが多いので、自転車旅行で埼玉県を通る方はぜひ立ち寄ってみて欲しい。

自販機うどんで食事を済ましてから、前橋方面に向かう。

地図を見るとわかるが、ずっと17号線を走るよりも、高崎の手前で北上して伊勢崎経由で前橋に向かった方が距離的には近い。しかし、高崎~前橋間の17号線は埼玉県内の17号線よりも、道路が広くて街並みがきれいなのである。思い入れもある。そんな理由で17号線をひた走る。先を急ぐだけの旅ではないのだ。

午後6時ころ、予定通り前橋市に到着。いつも行く場所、群馬県庁に寄る。群馬県庁は群馬では相当高い高層ビルで、最上階付近には無料の展望室がある。全国色々な展望施設に行ったが、有料無料問わず、最も快適な空間だと思う。群馬県を舞台にした頭文字Dという漫画でも、デートシーンに出てきたりする。実際に群馬では有名なデートスポットなのだろう。

県庁を後にし、群馬で有名な惣菜屋「でりしゃす」で夕食を済ます。夜の前橋の街を自転車を押して散策。さて、明日はどうするか。明日のことは明日考えよう。宿代を節約するため、ネットカフェで夜を明かすとする。