白石市

Second Stage 埼玉~東北~北海道編

3日目 失速するモチベーション

昨晩はビジネスホテルでぐっすり休んだ。宿泊費の節約のため、ネットカフェ、ホテル、ネットカフェ・・・という繰り返しで行こうと思う。峠があったり疲れがたまっている時はホテルで、そうでもないときはネットカフェで行こう。

昨晩は午後5時くらいに眠ったせいで、夜中に目が覚めてしまった。隣に大きい24時間営業りスーパーがあり、夜食を買った。レトルトのタイのグリーンカレーを食べたが、タケノコ(多分)ばかり入っていて、あまり美味しくなかった。米は売れ残っていた惣菜コーナーのものを買って、ホテルのロビーにあった電子レンジで温めた。一緒に買った紀文の調整豆乳は美味しかった。豆乳は普段飲まないから10年ぶりくらいか。昨晩飲んだ焼酎は「かのか」だが、「いいちこ」の方がよかったかな。

朝食はホテル側でパンとジャムを用意してくれた。スーツ姿の出張ビジネスマンに混じりながら食べる。本当は米が食べたいが、無料(宿泊代に含まれている)だから、不味いパンと不味いコーヒーで我慢する。

3日目の今日は仙台方面へ向かう。なんとなく、今日が山場のような気がする。大きな、見えない山が目の前にある。すなわち、今日を越えられれば北海道まで行けるし、今日が駄目だったら、半泣きで帰ることになるだろう。旅の結末は、3分の1も進めば、いつもその時点でわかってしまう。周囲の人間にはわからないが、旅の当事者には、それがはっきりとわかる。

「惨めなサイクリスト、福島で疲れ果てて死ぬ」

そんな新聞記事の見出しを想像してしまう。この日はアンニュイな気持ちでスタートした。

郡山市と福島市の間は、普通列車で何度も通ったことがあるのでわかるが、割と市街地が続いている。何かトラブルがあっても安心だ。普通列車でも1時間かからないくらいの距離だし、道路も比較的走りやすい。

遠くに見えるのが福島市の街並み。自転車で旅していると、日本というのは東京近辺を除くと、本当に山ばかりの国だというのが実感できる。

福島市を通り過ぎて、宮城県へと急ぐ。今日はホテルでゆっくりしていたので、珍しくスタートは午前10時と遅かった。明るいうちに宮城県に辿りつきたかった。福島市を過ぎると、郡山~福島間に比べると随分と田舎の平和な景色となる。スーパーで食事休憩を取りながら、宮城県へと進む。

そんなにきつくはない長い山道のあとに宮城県白石市に到着。白石市は福島県との県境にある街だ。新幹線など鉄道旅行では、東京近辺の人はあまり訪れることがない街だと思う。

この日の宿は仙台市の南にある名取市のネットカフェを予定している。名取には午後5時頃に着いて、時間的にまだ早いので、ネットカフェ近くのビッグボーイ(ファミリーレストラン)で食事をする。ハンバーグなどのメニューが中心だが、カレーやサラダなどのバイキングもある。通常はハンバーグなどのグランドメニューとバイキングを組み合わせるが、バイキング単品でも注文できる。

学生風のウエイトレスに「カレーのバイキング単品ありますか?」と頼むが、「ない」と言われる。聞き方が悪かったのだろうか。「カレーの」じゃなくて、「バイキング単品ありますか?」と聞けば「ある」と一回で答えて貰えたのだろう。サイクリング後で頭があまり働かなくて、自分でもよくわからないまま、別の学生風のウエイトレスに改めてカレーもある「バイキング単品」を頼む。日本語とかコミュニケーションは難しい。

2時間くらいしてからネットカフェに移動しておやすみなさい。