福島

Second Stage 埼玉~東北~北海道編

2日目 南東北エリア初進出

宇都宮市内のネットカフェから出発。本当はちゃんとしたベッドでないと眠れない性質だが、サイクリング疲れで割と眠ることができた。午前4時頃、外の世界は、だいぶ明るくなってきていた。

昨晩、暗闇の中迷った道で、また迷う。宇都宮市街地の北部は道路が高速のインターチェンジみたいになっていて、土地勘もカーナビもないと、どこに進んだらいいのかよくわからない。2Kmくらい違う方向に進んで、やっぱり引き返して、福島県方面に向かう道を見つける。

道はとっーても広く、路面状態が良くて走りやすい。車も少ない。早朝のサイクリングは快適だ。宇都宮以北を自転車で走るのは初めてだが、ひたすら国道4号線を北上するだけなので、道に迷うことはないだろう。

今日の宿は福島県郡山市にビジネスホテルを予約してある。チェックインは午後3時からだから、それくらいに着けば良いだろう。今日もゆっくり人生を楽しもう。人生などと大げさに思えるかもしれないが、生まれてから死ぬまでの間が人生だ。この自転車旅行も、人生の一部であることは間違いない。

国道を時速30Km前後で走っていると、道路に散らばったガラスの欠片を踏みそうになる。新潟でも大きい道路ではよくあったが、自動車のライトのカバーが破損したものや、酒の瓶が散乱したものが道路に散らばっていることが時折ある。クロスバイクのツルツルしたタイヤでこれを踏んでしまうと、パンクは免れない。新潟旅行でそれなりにタイヤがすり減っているから、パンクの危険度は高い。走行中は前方に加えて、路面も常に見ている。常に神経を尖らせているので、長時間走るのは精神的に結構疲れる。

ちなみに、パンクに備えてパンク修理の工具一式と、予備の交換用チューブを1つ持ち歩いている。市街地ならともかく、山の中でパンクしたら自分で何とかするしかないからだ。パンク修理はそれほど高度な作業ではないが、タイヤからチューブを取り出して、パンクの箇所を探して穴を埋めて、またタイヤの中にチューブを戻す・・・つまり、そんなに楽しい作業ではないから、できればパンクはしたくない。パンクが好きな人は滅多にいないだろうけど。

サイクリストなら誰でも羨むであろう、走りやすそうな道を走っている。新幹線で言うと那須塩原駅の近辺で、栃木屈指のリゾート地帯(多分)だ。遠くに「なす岳」を見ながら、北へ向かう。いやぁ、本当に走りやすい。

しかし、走りやすい道路も長くも続かず、この日最大の難所となる栃木と福島の県境の峠がもうすぐ待っている。東北新幹線は一気にトンネルで抜けてしまうが、暑さも手伝って、まぁそんなに急ぐ必要ないからと所々、自転車を押して登る。

峠を越えると福島県だ。以前、車で東北地方を回るような仕事をしていたが、白河の街に来るのは何年ぶりだろうか。国道沿いに大きなイオンがある。自転車で国道ベースで旅をしていると、本当に色々なところでイオンを見かける。しかも、どこも賑わっている。茨城県の水戸市のように、昔からの市街地は寂しい一方で、郊外のイオンは若者が大勢集まるような、一大レジャースポットと化しているところもある。

一企業が街を支配しているような様はあまり好きではないが、安価に食料を調達できて、イートインスペースもあって、トイレも綺麗で、自転車コーナーもあって、しかも国道沿いにあって、遠くからでも目立つ・・・と良いこと尽くめだ。自転車旅行でも大変便利なのである。一企業が(以下略)。

午後2時ころ、郡山市に入る。福島県の県庁所在地は福島市だが、郡山市の方が東京には近く、新潟方面とのアクセスが良い。郡山出身の知人が昔言っていたが、郡山が福島県で一番都会だと言う。

郡山も何度が来たことがあるが、自転車で走ると街の構造が手に取るようにわかる。鉄道というは、基本的に街と街を結んでいるものだが、道路交通というは街そのものの血管みたいなものだ。自転車は血管の中を進んでいく。

午後3時前、予約していたビジネスホテルに到着。隣のスーパーで食料と酒を買い込む。朝早かったのと、2日分の疲れを癒すため、早めに眠る。