筑紫恋キャンプ場

旅モノ

【コスパ良好な穴場】北海道厚岸町の筑紫恋キャンプ場に徒歩キャンパーとして行ってきたぞ

広~い“キャンプ場村”の中心部付近。ソロキャンプで宝の持ち腐れだったけど

JR厚岸駅からギリギリ歩けなくもない北海道厚岸町の筑紫恋キャンプ場に行ってきたぞ。

大人一泊フリーサイト220円ながらゴージャスな作りと、エゾシカやヒグマなど野生動物いっぱいのしっとりしたキャンプ場であった。

釧路に通える有望な格安キャンプ場

釧路駅まで50分くらい。朝夕は混みあうので注意

筑紫恋キャンプ場を利用しようと考えたのは、2021年現在においては、釧路市内に行き来するのに最も近くて安いキャンプ場だからである。そう、夏でも気温が低い釧路は夏場のホテル代が異様に高いのだ。何でもないボロホテルでも一泊4千円以上もすることもザラ。

それで黒氏に通えるキャンプ地が必要だったのである。

一応、釧路市内の外れにもオートキャンプ場的な施設はあるのだが、徒歩で訪れるのが無理な距離だし、値段も1泊千円以上と貧乏キャンパーには高すぎるから無理。

かや沼のキャンプ場の今昔

釧網本線の車窓から、かつてのキャンプ場付近

釧路近郊のキャンプ場としては、以前は茅沼駅付近にシラルトロ湖キャンプ場があった。

しかし、人里離れた交通不便な場所だけに隣接する憩の家かや沼(日帰り温泉、宿泊、食事もできて地上最後の楽園だった)とともに閉鎖してしまった。塘路駅付近の徒歩圏にも同じ標茶町が運営するキャンプ場があるが、いかんせん、釧網本線は本数が少な過ぎて釧路市内に出るためのベースキャンプとしては使いにくい。

釧網本線は時間帯によっては5時間くらい列車感覚があるからだ。

ちょっと街に買い出ししてくるぜ・・・というわけにはいかない。微妙に観光地で高齢者の団体ツアーなんかが訪れるのだが、塘路駅近辺にキャンプの食料を調達できる店は存在しないため、徒歩では利用しづらい。そんな塘路のキャンプ場も一度利用したことはあるが、徒歩利用では「陸の孤島」とも言えるキャンプ場でもあったのだ。

その点、厚岸というか、根室本線の釧路~厚岸(愛称・花咲線)は釧網本線に比べると多少利便性が高い。2時間に1本くらいのペースで列車があるからだ。但し、朝や夕方の列車は通学の高校生びっしりなので腰を抜かさないように。

駅から歩くだけで旅人感が沸き上がる

駅からは少し遠いけど、逆に旅人感があり、その手の旅行をしている人には好まれるかも。毎年行くのはキツいけど、たまに行ってもいい気がした。

以下に軽く道順を示す。

厚岸産の牡蠣が買えるエーウロコ

まずは厚岸駅を出たらエーウロコを目指そう。キャンプ場に着いたらバーベキュー的なものをやりたい場合は、ここで食材を調達しても良い。歩いて戻ってくるのは結構大変なので。

厚岸大橋で厚岸湾を渡る

エーウロコを右折して街のシンボルとも言える厚岸大橋を渡る。1972年に開通。それ以前は厚岸フェリーという船で行き来していたという。

地図を見たらわかるが厚岸周辺の地形は複雑で、東京湾的というか陸続きではあるものの、厚岸大橋を使わずに陸路で“向こう側”に行こうとすると、とても徒歩では無理な大変な遠回りになる。

厚岸駅側の街を湖北地区と言って、厚岸大橋の向こうは湖南地区と言うらしい。

スーパーで食材を買いたい場合は、橋を渡る前に付近のフクハラで買い物を済ますとよい。セブンイレブンもここにあるので、キャンプ道具の発送などができる。日帰り入浴のできる施設も同様に橋を渡る前の湖北地区にある。

昔ながらの商店街。コンビニのセイコーマートもある

橋を渡ると基本的にしばらく一直線に歩く。昔ながらの商店街が小気味いい。キャンプ場最寄(約3Km)のコンビニとしてセイコーマートがある。

厚岸の歴史について細かく学ぶ時間がなかったが、“本厚岸”という地名からして昔から栄えていた古くからの厚岸本来の街だと伺える。北海道が“北海道”として開拓される以前から続く街並みであろう。お寺など古い文化財もあるので興味と時間がある人は調べて訪れてみよう。

途中、楽天トラベルやじゃらんでもよく見る「鈴木旅館」の実物を見かけて感動。検索でよく出てくるが泊ったことはない。

商店街を超えるとネイチャーな感じになる

商店街が終わるくらいになるとキャンプ場を示す標識が所々にあるので、ちゃんと見てれば迷わずに行ける。段々と細道になって人や車と遭遇しなくなるが、一応、街灯はある。ただ、キャンプ場付近は該当もまばらなので、夜は懐中電灯の類はあった方が良い。

クマにビビってたら北海道でキャンプできないけど注意はしよう

朽ち果てたくしろバスの車両はなんなんだろう

キャンプ場は刑務所的(?)な囲いがあるのが特徴

徒歩で向かうとキャンプ場が見えてきても囲いがあるので、入り口まで回り込む必要がある。

まぁ、普通は車かバイクか自転車で訪れると便利な立地。近隣にバス路線はなく、最寄の昔ながらの商店街にはバス店があったが、それでも2Kmくらいはある。厚岸駅から歩いて訪れる場合は片道5Kmくらいなイメージ。厚岸大橋を渡って対岸に出て、昔ながらの商店街を抜けて、さらに山沿いに海の手前まで歩き切るイメージだ。

受付時間はキャンプ場としては長く、朝の7時~21時まで管理人のおじさんが常駐する。

地図で言うとこんな感じだ。付近は民家もあるし、電波(ドコモ)も問題ないので、そのへんは心配ない。

実は商店街まではバスもある

鉄道+徒歩がテーマなので詳細は省くが、実はキャンプ場への細道に入る前の国泰寺というところまでは、厚岸駅どころか釧路まで(から)バスがある。

時間や色々な都合でバスに乗った方が良い場合は知っておくと良いかもしれない。本数はそんなにないが「国泰寺線」と検索すると詳細がわかる。

食料調達と入浴は厚岸市街で出来る

立派な炊事場もあるのでちゃんとした料理も可能だ

筑紫恋キャンプ場から徒歩圏内にスーパーやコンビニ、飲食店、日帰り入浴できる施設が複数存在すること。これは徒歩キャンパーにとって重要だ。テントを設営してから街に買い出しに行ったり自在に計画を立てることができる。筑紫恋キャンプ場は徒歩キャンパーに利便性が高いのだ。

ただ、街まで3~4kmあるので結構ガチだけど。

囲いは予算に余裕があったから?

団体とか林間学校的なやつにも使われるのだろうか

キャンプのフリーサイトは非常に広い。

刑務所のような囲いがあり、テントは基本的にどこに張っても良いと言われた。炊事場付近が人気があるが、柔らかめの草地や、ちょっとした木陰も選べる。

10分くらい歩くと地元の漁港的なところに出る。店などはない

徒歩10分くらいのところに海はあるけど、ロケーションとしては山のキャンプ場である。北海道のキャンプシーズンは海や湖の見えるところや無料のキャンプ場は混みあう傾向があるが、ここは穴場なので基本的には閑散としている。

筆者が訪れた時は天気が霧雨気味だったので、1泊目は車キャンパーが2組、2泊目はソロキャンプだった。山の中の草原に一人って感じである。熊除けになってくれる人がいないので少し寂しいが、慣れていればなんでもない。

付近はもちろん、キャンプ場の中にもシカが行き来する

エゾシカの群れが常にいるような場所だし、割と最近ヒグマが出没したという看板もあった。全体に囲いがあるわけではないので、テントのすぐ近くまで動物が来る場合もある。

炊事場や水洗トイレも完備

立派なトイレもあり。夜は電灯が付かず真っ暗だったけど

1泊220円とほぼ無料だが、無料施設では有り得ないくらい設備は充実している。

炊事場やバーベキューコンロも沢山あるし、トイレも洋式の水洗トイレが沢山あった。但し、照明のスイッチが見当たらなくて、おそらく自動センサータイプなのだろうが夜間は真っ暗だった。

厚岸町内や釧路市内に日帰り入浴施設は沢山あるので、利用しなかったが300円ちょっとでシャワーも利用できるし、洗濯機もあるらしい。いずれも管理人さんを仲介するので、利用時間は管理人さんがいる時だけだと思う。

今どき珍しく(?)ゴミ回収もしてくれる

最近は有料のキャンプ場でもゴミは持ち帰ってくれという所もあるけど、ここはゴミの受け入れが無料。ツーリングとかで遠隔地からキャンプに来ている場合は、ゴミを持ち帰ってくれと言われても捨て場所に困る場合があるが、キャンプ場で捨てられるのは今どきありがたい。

自分の地元には自治体がやっている無料キャンプ場があるが、年々、設備が悪くなっていって今では仮設トイレすら置いてくれなくなったので見習って欲しい。

キャンプ場があれば街で食材を買ったり、お金が落ちるものである。キャンパー同士でも口コミで評判は広がるし、投資効果はあると思うのだが。

連泊でも1泊ずつ清算するスタイル

フリーサイトで好きな場所選べるのはいいね

特に事前予約などは必要ないが、連泊する場合も必ず当日に1泊分ずつ払うルールだった。前もって払うのはダメらしかった。

夏場の北海道だと1つのキャンプ場に長々と滞在する人もいるが、長期滞在というよりは基本的に1泊か2泊程度の利用を想定しているのかもしれない。

厚岸はもちろん、釧路や根室に比較的通いやすいキャンプ場ではあるので、少しガチな徒歩キャンパーは訪れてみると良いだろう。少し遠いし、ある種の覚悟は必要だけど。