輪行

自転車ノウハウ

飛行機輪行をサクッとできないものかアレコレ考えてみる

かつての飛行機輪行前の準備の様子 @成田空港

昔の偉い人は「旅行は計画を立てている時が一番楽しい」と言う名言を残してこの世を去ったが、コトが飛行機輪行となると楽しさよりも不安や苦悩の方が上回る。

と言っても、筆者は過去に首都圏から沖縄や北海道に4~5回ほど飛行機輪行しているので、その時の経験を交えながら飛行機輪行について語ってみたい。

基本的にペラペラの輪行袋で大丈夫だけど

輪行袋には様々なタイプがある。下は2千円くらいから、売れ筋でオーストリッチみたいな一流ブランドだと5千円くらい、緩衝材が付いていたり国際線にも対応するようなガチなハードタイプだと数万円くらいする。

筆者はLCCかつ4千円くらいのタイオガというメーカーのペラペラの輪行袋を使っていた。航空会社にもよるが、LCCでさえ自転車は一般客のスーツケースなどとは別枠で、預ける時も受け取る時も担当者との手渡しだった。

フレームや自転車の各部品を保護するような保護アイテムは一切使ったことがないが、これで自転車が破損したことはない。小さい傷が付いたりはするが、乗っていれば傷くらい付くのが普通だけど、高級自転車の人はそもそも飛行機輪行自体をやらないか、がっちり緩衝材などで保護する必要はあると思う。

それより空港に行くまでが大変

沖縄や北海道にスムーズにサクッと自転車を起きる方法はないのかと、暇な時に考えるときがある。結論はそんな方法はない。

以前は使ったことがないものの、サイクルヤマト便という割と安い値段で自転車を遠隔地に送る方法があったが、詳しく忘れたが規約が変わったりして使う対象からの検討から外れた。自転車レースに出る人向けに自転車を送るサービスも他にはあるが、料金がLCCで人間が移動するよりも高いのしかない。

そうなると、輪行袋を使って自宅から電車に乗って成田空港や羽田空港に辿り着く必要がある。これがしんどい。

基本的に通勤時間帯の混雑時には乗れないし、日中の空いている時間の空いている車両に乗らないとならない。自転車は大荷物になるから、前輪、後輪とも外せるタイプの輪行袋を使うのがセオリーとなる。

自家用車が使えたりすれば楽かもしれないが、バスには自転車は載せられないことが多いし、載せられる場合でもバス乗り場までの移動がしんどい要素だ。

組み立てがめんどい

飛行機輪行に限らないが解体したり、走行可能な状態まで組み立てるのがめんどい。

電車輪行なら輪行袋に入る状態にすれば良いが、飛行機輪行の場合はタイヤの空気を抜いたり、ペダルを外したり、航空会社の規定に合わせてより細かく解体しないとならない。

フェリーは解体しなくていいので楽

関東から北海道の場合、茨城の大洗から北海道の苫小牧までフェリーが出ている。港に近くて時間があるなら、フェリーだと自転車を解体せずそのままの状態で積載することができる。

沖縄は鹿児島からフェリーが出ている。大阪からだと乗り継ぎになるらしいが、鹿児島の港に辿り着く方法があれば利用価値があるだろう。

フェリーでの輪行(というよりそのまま)は飛行機輪行とは比べ物にならないくらい楽だ。

飛行機輪行用の自転車があってもいいかも

このように考察していくと、そもそも普段使いの自転車とは別に、飛行機輪行用の自転車があってもいいような気がする。

そう、少し質の良い輪行に適した折り畳み自転車の類だ。北海道を旅行している時に、やたらコンパクトな輪行袋で自転車を運んでいる人が見たことがある。いいアイデアだと思った。

走行性能は落ちるにしても、電車や飛行機に積載するのが普通のロードバイクやクロスバイクより楽だし、徒歩より移動の幅が広がる。現地でレンタサイクルという手もあるが、借り物は何かと不便な感じがあるし、北海道の地方なんかだとスポーツ系の自転車を借りられる場所などない。ホテルでママチャリが借りられる程度の可能性しかない。

飛行機輪行というのは難儀なのである。

旅モノ

JR石北本線を守れ! オホーツクへの輪行ができなくなる!?

石北本線はオホーツクへのアクセスの要

JR北海道が発表した「単独では維持困難な路線」に石北本線が含まれており、沿線自治体は危機感を募らせている。

大雑把に言うと北海道の人口分布は札幌周辺や函館、旭川など西側が多く、旭川以東の地域は人口が少ない。現在も鉄道が残っている地域としては、石北本線沿線は人口約10万人の北見市が最大で、他は人口3万人台の網走市、約2万人の遠軽町が主要な街。

筆者はこの地域で育ったが、多くの家庭が自家用車を持つ地域なこともあり、2~3時間以上の待ち時間が当たり前のダイヤの不便さもあって、地元の人はちょっとした移動ではまず列車に乗らないというのが根本問題と思う。

道東地域は太平洋側の釧路周辺は釧路湿原などがあることから観光客が多いのだが、オホーツク地域はこれまで真剣に観光客誘致を実行してこなかったのではないかと思う。

地元も路線維持に本腰を入れる構え

沿線自治体である遠軽町では広報誌にて路線維持のためのアイデアを募集していた。


・遠軽町出身の漫画家である安彦良和さんが作品に携わった「機動戦士ガンダム」のラッピング列車を走らせる
・「生田原駅」を「生田原温泉駅」に改名する

出典: engaru.jp

地元出身の漫画家とのコラボは、ルパン3世の車両を走らせている根室本線があるが、なぜか石北本線にはそういったものがなかった。地元出身者としては、もっと前から取り組むべきだったと思うが、こういったことは観光客誘致のためには早急にやったほうがいいと思う。

「生田原駅」は駅前に温泉ホテルがあのだが、確かにこのままの名称では知らない人は誰も降りない。釧網本線では川湯温泉などの温泉という名のついた駅があるので、これももっと前から見習うべきだったと思う。

個人的には観光客に依存し過ぎるのはよくないので、地元の人が利用しやすいように、道央などのように「休日フリー切符」のようなものを出してはどうかと思う。例えば、遠軽~網走の普通列車フリー切符で3,000円くらいだったら、ぶらっと地元の人が列車で旅しようという気持ちになるのではないだろうか。

列車がなくなると自転車輪行もできない

筆者はこの地域の列車をよく利用するが、最近のライトな大学生などの自転車旅行グループは峠越えを好まず、輪行でパスするようなケースも多いようである。

確かに経験者でも峠越えは体調や天候などによっては危険が伴うので、一つの方法だと思う。

しかし、石北本線がバス転換などすると北見峠は自力で越えるしかないし、万が一の時に駆け込み寺的に輪行するというのが選択肢からなくなってしまう。自転車を始めて間もない人が気軽に訪れることができなくなってしまう。



沿線の見所スポット

・遠軽町
人口約2万人の沿線では比較的大きな町。紋別、湧別、サロマ湖方面へ自転車、バスで行くことができる。秋にはコスモスが満開でイベントが行われる。2017年にはMay.Jが来て熱唱した街。


・北見市
冬季は-20度くらいだが真冬に外で焼肉をやるイベントが有名。沿線最大の街だが、玉ねぎの街としても知られる。

・網走市
網走湖に無料のキャンプ場があり、また日帰り温泉施設も多いので、旅行に便利。オホーツクでは最も観光客に目を向けている街だろう。

道外から訪れるには飛行機+鉄道がおすすめ

北海道に来る旅行者はレンタカーを利用する人もいるが、慣れない道であることや北海道特有の交通事情もあり、便利な反面、事故に合うリスクもある。

当サイトでおすすめしたいのは、飛行機で現地に訪れ、鉄道+自転車で沿線自治体を回るスタイル。

道東地域では女満別空港が最も大きな空港で、東京や大阪などから発着便が多い。旅行日数を確保できる場合は、全国主要都市に航路がある札幌の新千歳空港から、特急が使用できるフリー切符を使って道東にアクセスのもオススメだ。移動距離は長くなるが、広い北海道を満喫できることは間違いない。

この記事では自転車旅行者にも大切な鉄道の存在を、今一度考えてみた。



自転車ノウハウ

【意外に簡単】飛行機輪行!! それは自転車最大の魅力!!

飛行機輪行!! それは自転車最大の魅力!!

自転車最大の魅力は、空港に乗り付けて、僅かな手数料(航空会社によっては無料)で、そのままヒョイっと飛行機に乗せて日本や世界の各地をマイ自転車と一緒に旅できることです。

車やバイクじゃ、こんなこと気軽にできません。

おまえはすでに飛行機輪行している! (かも)

写真は成田空港での輪行準備の様子。ネットで検索したりすると、各地のレースに出ているような人だと、ガチな価格帯の自転車なので飛行機専用の緩衝材が付いた輪行袋や箱状のものなどに入れているようですが、一般人の普通の価格帯の自転車であれば、普通に売ってるペラペラな輪行袋で十分です。

ただし、航空会社によってはガチな輪行袋や箱を推奨してくる場合もあります。そういう時は、自己責任で免責のうえで積載して貰うよう交渉すれば、載せてもらえることが多いと思います。ツワモノになると、そのへんのダンボールをくくりつけて、自転車を箱状にして一発解決する人もいます。

まぁ、繰り返しになりますが、普通の人は、普通のペラペラな輪行袋で十分です。

飛行機に乗ったことがあればわかると思いますが、普通の旅客機は食事ができるくらいラグジュアリーな乗り物です。コーヒーも飲めない通勤電車とは違います。バスや電車の方がよっぽど揺れるくらいです。飛行機は着陸時だってがっちり固定されているので、ペラペラな輪行袋で普通は十分なのです。どうせ、自転車が大破するようなケースは、人間も無事ではないので気にする必要ありません。

最低限、前輪とペダルを外せばOK!

飛行機用のコンテナ

写真は新千歳空港の展示コーナーで撮影した飛行機用のコンテナです。大きいスーツケースを寝かして2つ並べられるくらいのサイズ感なのです。

飛行機や航空会社によって異なりますが、ジェットスターでは前輪とペダルを外せば、後輪はつけたままで規定サイズにおさまるでしょう。一般的な旅客機の貨物コンテナは大型バイクもそのまま積載できるくらいの大きさがあります。ちなみに、バイクを載せる場合はコンテナ一つを丸々使うので、かなり高額な料金です。基本、10万円とかです。

貨物室は与圧されてるからタイヤの空気は抜かなくていい、という説明もネットではありますが空気を抜くのが決まりです。正直、飛行機輪行はそれなりに面倒も多いです。でも、何度かやると儀式みたいな感じで楽しくなってくるのです。

輪行袋は前輪だけ外すタイプと、両輪外すタイプがあります。しかし、最近の日本の電車はJRを含めて、自転車持込みの際に両輪を外さないとサイズ的な規則に引っかかる場合があります。電車で輪行する場合は両輪を外すタイプの輪行袋が良いでしょう。

例え、規則で大丈夫であったとしても、前輪を外すだけのタイプの輪行袋では都市部の電車の場合はかなりサイズ的に厳しくなります。どちらのタイプであっても、自転車を持ち込む場合はなるべく空いている時間の空いている車両に乗るようにしましょう。一般的には、一番前か一番後ろの車両が良いと思います。

輪行に必要なアイテム

飛行機輪行というと高等テクニックに思えますが、基本的には下記のアイテムを買うだけでOKです。

紹介したアイテムは一例なので、実際に購入する場合は自分の自転車のサイズに合ったものが必要となります。輪行袋は解体した自転車を入れるためのもので、エンド金具はタイヤを外した後のフレームを保護するためのものです。

スパナ(モンキーレンチ)はペダルを外すときに使用し、クイックレバーに対応していない自転車ではタイヤを外すためにも必要となります。

工具類は手荷物として持ち込めない

注意点としては、自転車整備関係の工具は機内に持ち込めないので、自転車本体に括り付けるなどの工夫が必要です。

チェーンオイル等の危険物も基本的に破棄することになるので、高級なものは持っていかないほうがいいでしょう。そのあたりは、その時の世界情勢や担当者の判断によりますし、大きい自転車レースとかがあると、『今日はこんなものまで捨てないと駄目なの?』と思うようなこともあるかもしれません。

↓まぁ、面倒くさい人は日ごろから工具入れを自転車に付けておくと何も考えなくても、この部分は1発OKだと思います。

空港に辿り着くまでが難儀!?

輪行は慣れてしまえば単なる『作業』ですが、最も大変なのは空港に辿りつくことかもしれません。

街中にある空港も僅かにありますが、日本の大体の空港は辺境の場所にあります。都会の空港は列車や高速道路で乗りつけるのが一般的で、自転車で来ることが想定されていないこともあります。

「空港まで列車で輪行すればいいじゃん」という意見も一理ありますが、サイクリストたるもの、自転車で乗りつけるのが基本だと思います。

複雑な立体交差を掻い潜って空港に辿り着くのが一苦労かもしれません。でも、飛行機輪行ができるようになると、日本全国はもちろん、世界中がサイクリングの舞台となるのです。