世間的には「普段はJALやANaを予約しているけどLCCを予約してびっくらこいた」という人の方が多いかもしれないが、筆者は世間と逆パターン。
ジェットスターやピーチ航空など“大手LCC”だったら100回くらい乗っているので何でもわかる反面、JALとかANAみたいなFSC (Full Service Carrier)については20年くらい乗っていないので予約の仕方とかサッパリわからんちん。
いや、ごめん少し嘘付いた。
JALは3年前に那覇から石垣島にフライトした時にLCCがない区間だからと、GoToトラベルの補助金が出たから乗ったのだけど、ほんとに数年に1度くらいしかFSCは乗ることがないのだ。
LCCとFSC(JAL)の違い概要
日本のFSCと言えばJALとANAが該当するが、サービスとか料金体系とかを足並み揃えているかというと、意外とそうでもないみたい。
JALは何たらセーバーみたいな割引料金があって、同じようなものはANAだと何たらバリューという名称になっている。
思ったのは、双方、色々な割引料金があるのはいいけど、LCCとは比較にならんくらい料金体系がわかりにくい! ドコモとかauとかソフトバンクとかのスマホ料金プランみたいで吐き気がする(笑)
人間、簡素が一番なのだ。簡素、簡素!
最近はLCCもオプションが色々用意されていてわかりにくいけど、それでもスマホ料金プラン並みにわかりなくいJALやANAに比べるとシンプルな料金体系ではある。
以下、JALとANAで細かい違いは多いと思うが、基本的にJALを予約するにあたって感じたLCCとの違いを記述してみたい。
FSCはログインにマイレージの番号を使う
LCC派からしたら「マイレージ? なにそれ」だけど、FSCにはマイレージバンクという乗った区間ごとにポイントが溜まるような仕組みがあって、そのカードが何らかのタイミングで発行されるのだ。
自分で発行依頼するのか、どういうタイミングで貰えるのかよく覚えていないが、JALもANAもマイレージ番号が書かれたカードを20年くらい前に発行して貰っていて棚の奥に眠っていたのである。
但し、20年前の住所とか20年前の電話番号がログインに必要になるようで思い出すのがかなり苦労した。
JALもANAも地方の自治体みたいな使いにくいサイトなので、ログインできなくなると難儀する。
このあたりはLCCの方がシンプルでわかりやすい。ピーチはたまにシステムエラーになったり、サーバーが貧弱なのか頻繁に検索に待ち時間が発生するけどね。
FSCは座席指定や預け入れ手荷物が無料、コミコミ料金
LCCだと座席指定や預け入れ手荷物は別料金なのが基本。それどころか、どんな支払い方法を使おうが航空券を買うのに必ず謎の支払い手数料が必要(どうすれっていうねん)。
支払手数料はともかく、座席なんてどこでもいいよという人や、そもそもバッグ一つで旅行する人には不要な料金を払わなくて済むから合理的な仕組みとも言える。
ところが、FSCでは座席指定や預け入れ手荷物は最初からコミコミ料金として含まれているのだ。
予約画面で表示された料金以上を請求されることはない。
むしろLCCだと最初に表示された金額より3割くらい高い値段を最終的に払わされることも珍しくないから、料金表示についてはLCCよりわかりやすい。
LCCに100回乗ってやっとわかったが、こうして比べてみると、LCCに色々オプションを追加するとJALやANAとほとんど変わらない料金になる。
色々くっつけてサービス充実させるなら、わざわざ窮屈なうえに、街から遠くて不便で交通費が余分にかかる空港に行かなきゃならないLCCに乗る意味がないんじゃないかという話である。
FSCは予約のキープが無料、即断即決しなくてよい
これは素晴らしい仕組みだと思う。
ピーチでも200円くらい追加料金払えば予約をキープできるけど、FSCでは無料で予約だけして席を抑えておくことが可能。
即断即決しなくてよいのだ。とりあえず予約して、関係各所に根回ししてから正式に購入するということができるのである。
MCSのAIR DOにも同じ仕組みがあるから、むしろ即断即決なのはLCCだけなのかも。
JALの場合、予約にはコツがあって画面の操作がわかりにくいが、予約した後に購入することなく座席指定まで無料で行うことができる。
すみっコぐらしの人とか、窓際やすみっコじゃないと絶対に嫌だという人は座席指定まで行っておこう。
購入タイミングは研究不足だけど、それぞれのセール期間なども絡みがあるようで、当日中に購入しないと予約が取り消される場合もあれば、3日(72時間)くらいキープしてくれる場合があるようだ。
根回しできる時間を貰えるのはありがたい!
FSCはキャンセルしても半分以上は返金される
LCCの場合は様々な理由でキャンセルすると基本的には1円も返金されない。
最近は返金されるようなオプションや返金可能な割高のプランも用意されているが、それでも事務手数料のようなものががっぽり引かれるので、はした金しか戻ってこなかったり、そもそも現金じゃなくて次回予約に使えるポイントとして返金されるケースが多い。
LCCが安いのは「残席いくつ」と煽って即断即決で予約させておいて、結局行けなくなって、客の何人かからキャンセル料をむさぼり取ることを最初から見込んでいるからである。これはLCCのビジネスモデルとも言えるだろう。
ところが、FSCやMCCの場合は予約する料金プラン(ケータイみたいでわかりづれー)によるけれど、セールでLCC並みの価格で買った場合でも半分近くはキャンセルしても戻ってくる場合が多い。
割高なプランや割引がない料金プランの場合は、わずかな手数料を除いてほぼ全額戻ってくることもある。
バス移動や遠いターミナルに行かなくていいから時間が節約できる
LCCだと成田とか、中部国際空港も相当酷かったが、LCC専用ターミナルが電車のホームからクソ遠い場所にあったりする。
特に中部国際空港を訳ありで使った時は、成田空港でさんざん第3ターミナルを使ってきた自分でも泣きたくなるくらい遠かったな・・・。なんじゃありゃ、みたいな。
飛行機に乗り降りするときもターミナルからバス移動がデフォで、たまにバス移動なしの時はラッキーと思えたりするのがLCCである。
それらが解消されるのがFSCなのであろう。バス移動は空港によってはあるのかもしれないけど、LCCはバス移動がデフォだかんね。
機内が快適な次世代機であるB787やA350に乗れる
最新の設計で気圧や湿度が従来機より改善されているの次世代機のボーイング社のB787やエアバス社のA350という機材である。
割と飛行機に沢山乗ってきた割に最近まで知らなかったというか、LCCだとA320シリーズ一択なので気にする余地がなかった。
A320をはじめとした従来機の場合、与圧しているものの飛行中は地上で言うところの標高2000~2500m程度に相当する気圧になる。富士山の五合目であり、北海道最高峰の旭岳の頂上付近に匹敵する気圧なのだ。
だから、人によっては耳がツーンと痛くなったり、胃腸やその他の持病が悪化したりする。旅行に行っても飛行機に乗った当日は体調が悪くてグロッキー・・・という人も少なくはないだろう。
湿度も金属が錆びたりするからという保安上の理由で、飛行中は砂漠並みに乾燥しているのが従来の飛行機である。
ところがB787やA350など次世代機はチタンを使ったり最新の設計により、これらの問題を改善。
気圧は標高1800m相当にまで抑えられ、湿度も改善されているというのだ。
現在のところ、国内のLCCやMCCでこれらの最新機材を導入している航空会社はないのでFSCの専売特許となっている。
ちなみに、B787はANAが導入、A350はJALが導入している。
全ての路線、全ての便というわけではなく、東京-那覇、東京-札幌など主要路線を中心が中心となっている。
予約する時に割り当てられている機材を気にする必要があって、JALの方が次世代機に乗れる確率は高い。
今のところ、女満別や釧路とか地方路線には割り当てられていないのが残念ではあるが。
まとめ それでもLCCの方が直前予約は激安
FSCもLCCも時代の流れで差が縮まってきているのは確かだ。
LCCはオプション付けまくりでFSC並みになるし、FSCも2~3か月前に予約、購入すればLCC並みの価格になる。
まぁ、人生、先がわからないのに2~3か月先の予約をするのが難しいことが多いのだけど、当日や1~2週間以内などの直前の利用金で言えば、LCCが圧倒的に安いのは現在でも変わらない。
東京~北海道や東京~沖縄とかの例だと、LCCなら5千円くらいで行けるのにFSCで直前だったら普通に4~5万するもんね。
FSCが直前で安く買えるようになる時代が来た時=LCCが不要になる時だろう。直前の安さはLCC最後の砦だ。