Second Stage 埼玉~東北~北海道編

6日目 激走! 本州最北端から北海道へ

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出発の段階では盛岡くらいまで来るイメージはあったが、そこから先をどうするか決めていなかった。なぜなら、それは単純だ。実際に盛岡まで来れるとは思っていなかったからだ。途中で、疲労や怪我、その他のトラブルで、盛岡くらいから新幹線で泣きながら帰る可能性の方が高いのでは? と思っていたからだ。

幸運なことに、大きなトラブルもなく、健康なまま盛岡を出発することができた。そのため、そこから先をどうするか決めなければならない。

盛岡から北海道へ進むルートで思いついたのは、次の3コース。

1、盛岡市~青森市~(フェリー)~函館市
2、盛岡市~青森市~(列車)~函館市
3、盛岡市~八戸市~(フェリー)~苫小牧市

東北を全部走り切って、北海道も道南から全部走るとなると、1か2のコースとなる。しかし、天気予報をみると、そのコースだと悪天候が重なってしまう可能性が高い。函館から札幌までの間は距離が相当長く、最速の特急列車でも3時間かかる。自転車だと1日では辿りつけないだろう。列車で何度も旅したことがある区間なことに加え、函館などの道南はどうも北海道の中でも色々な意味で本州的だからパスしても良いのでは?という、偏見とも言える意見を採用しようと思った。現実的には、安い宿泊先の確保が難しいという問題もあった。

そのため、旅行期間と費用をセーブできる八戸市から苫小牧に渡るルートを選んだ。

盛岡市のホテルを午前6時に出発。早朝の盛岡市は心地よい。盛岡市も広くて、山道に入って進んでも進んでも盛岡市のままだった。岩手県と青森県の間には国道4号線で最も標高が高い部分がある。奥中山峠だ。

国道17号線の旅の時に見事に輪行で峠をスルーしたので、もしかしたら初の本格的な峠になるかもしれない。そんな不安もあったが、割と快調に登って行く。

このあたりは普通列車乗り継ぎの旅でもゲンナリする区間だが、自転車でもやっぱり距離が 長くてゲンナリする。八戸までの間にも、三戸や二戸などと言った「○戸」という地名が続く。昔の偉い人が街の名前を考えるのが面倒臭かったからそういう風 にしたのかなぁ、などと考えながら進んで行く。そういえば、新潟にも六日町とか十日町とかあるなぁ、あれもそうなのかなぁ、とか。人間って、本質的には楽がしたい生き物なのだろうか、とか。

埼玉からずっと走ってきた国道4号線とも、ここでお別れする。ずっと4号線を走ると青森市方面に行くので、途中で東に分岐する。こんな山中で道を間違っては大変なので、慎重に何度も確認して道を選ぶ。

自衛隊の車が沢山走っている。青森くらいまで来ると、もはや北海道みたいな光景だ。

八戸は港町なので下りとなる。東北新幹線の八戸駅はルートの都合でかなり街外れにある。八戸駅周辺は港町という雰囲気は全くしない。八戸市街は普通列車を何駅か乗り継いだ場所となる。

今回の目的の場所はフェリーターミナルだ。一日に何便もあるから、適当に行けば乗れるだろうと思って、街中の案内板を参考に乗り場に辿りつく。だが、ちょうどいい時間のフェリーは点検のために「今日は出航しない」という。事前の情報では、割と近所にスーパー銭湯があるので、4時間ほど時間を潰す。

疲れが蓄積しているのか、スーパー銭湯ではダラダラしていると一瞬のうちに数時間が流れた気がする。八戸も例に漏れず、中心部よりも郊外型のショッピングセンター群が栄えている。

八戸のフェリーターミナル付近は、家畜の飼料工場があって、慣れていないと独特の匂いで息が苦しい。家の近所にあんなものがあったら絶対に住めないな、などと思いながら、マスクをして口で小さく息をしながら、スーパー銭湯からフェリーターミナルへと再び向かう。

苫小牧まではザコ寝の2等船室で、人間が4500円、自転車が2000円だった。受付で「バイクの人達と同じタイミングで乗船してください」と言われたが、はじめてで並ぶタイミングがよくわからず、とりあえず付近を散歩して過ごす。・・・そもそもバイクの人達がいなかったので、かなりタイミングを逃す。2等船室は早い者勝ちで場所取りされるが、私が乗り込んだころには、良さそうな場所がほとんど占領されていた。なんということだ。残念。

飛行機全盛の時代でも、八戸~苫小牧のフェリーは需要がある。平日なのにかなり込み合っている。高速道路もあるし、岩手県や青森県からだと北日本最大の都市・札幌へ車でアクセスするのには最も都合がいい港だ。家畜や貨物を乗せたトラックが多いし、乗用車の旅行者と思われる人達も多い。

2等船室の様子はというと、定年退職者と思われる団体旅行客が多い。いわゆる団塊の世代と言われる人達で、仕事中心で生きてきた人たちが、いざ仕事がなくなってしまうと旅行くらいしかやることがなくなってしまうという。年金が沢山貰える世代だから、お金もある。それでも、年中旅行ばかりしていると、やがて飽きてしまうという。この人達は、まだ飽きる前なのだろうか。沖縄の宮古島に行ったときも、真冬のオフシーズンだというのに、空港には定年退職者のグループが大勢いた。

2等船室はあまり居心地がよくないが、8時間後には念願の北海道へ上陸する。旅を振り返る余韻もなく、あっという間に夢の中へ。おやすみなさい。

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