クリエイターと言っても底辺から頂点まで色々あるが、知っている範囲だと主に底辺~中流Webデザイナーの界隈では、就職や転職など己を試される場(笑)において、学歴や資格よりも、むしろ1000倍大事なものがポートフォリオである。
ポートフォリオ以上に大事なものがあるとすれば、一流の人脈とか芸大卒とかの学歴なのだが、おいそれと簡単に手に入るものではないので、諦めてポートフォリオ作りで休日を潰した方がマシである。
学歴とか資格とか、少なくとも底辺界隈では何の役にも立たないかんね!!
みんな間違っているポートフォリオ作りのキモ
拙者は底辺Webデザイナーの器なりに、生意気にもポートフォリオらしきものを常備している。
さすがに、ネットのどこの馬の骨かわからない人間には見せる気はしないが、酒の一杯でも奢ってくれる他人になら誰にでも見せられるシロモノだ。
ところでだが、WEB界隈で仕事をして10年を超えるほど時が経ってから、ようやく自分を含めて世間一般のポートフォリオが間違いだらけの産物であることに気がついた。
ポートフォリオが間違いだらけだと気付いたきっかけ
気がついたきっかけは夢でお告げがあったわけでなく、自分の能力やテイストに合わない、もっと簡単に言うと、マインドが合わない仕事なり会社なりに繋がってしまうことが極端に多いのが異常だと思ったことである。
つまり、ポートフォリオを見せた相手に、何か大きな勘違いをされているという仮説を立てることができる。
はぁ~・・・、って溜息出るわ。
みんなもそんな経験の一つや二つはあることだろう。
誰も知らないポートフォリオの本当の役割
暗闇を提灯片手に歩く底辺Webデザイナーの方向性を示す道標がポートフォリオの本当の役割である。
つまり、ポートフォリオに載せる作品は吟味しなければ意味がない。
自意識過剰になって、意識しまくって、自分が今後もやりたいテイストや技術系統のものだけを厳選してチョイスするのが正しいポートフォリオの姿。
ポートフォリオは履歴書や活動の記録ではないから、関わった案件を列挙するのだけはクリエイター人生が終わるからやめるべき。
たとえキミがたまたまデカい会社のトップページ(の一部分。小さいバナーとか)をデザインしたからと言って、今後やりたいテイストでなければ、そのトップページのキャプチャは載せない方がよい。
嫌々やらされた汚れ仕事の作品は載せる価値ゼロ!!
学生か経験者の転職でも違ってくるけれど、転職を想定した場合、前職で上司に嫌々やらされた汚れ仕事とか、背に腹はかえられぬの心意気でやったゴミ案件とかは、基本的にポートフォリオの掲載には適さない。
望まない案件なわけだから、あなたの理想ではなかったはず。そんなものを代表作みたいに載せてはいけない。
万が一、そんなゴミ案件しか制作物がない場合は、一応は仕事として取り組んだわけだから一定の社会的な価値が多少はあると考えられるため、習作だけよりは載せる意味はあるから、そういう場合は載せるのもやむを得ない。
ポートフォリオ自体も作品である
これに気づくのに10年かかったというのもアレだが、ポートフォリオはそれ自体が作品なのである。
底辺Webデザイナーなんかだと紙のデザインなんてよくわからんからと、適当にキャプチャを貼ってコンビニで印刷して終わらせる、ちょろいぜ!! なんて人もいるかもしれないけれど、まぁ、自分がそんな感じだったわけである。
見せ方は色々あるけれど、タイパやコスパを考えると、IllustratorとかPDFに書き出せるソフトで作って、紙版とPDF版があれば良いと思う。
ナウい人だとWebポートフォリオみたいなのをがっつり作るのかもしれないけど、自分みたいな昭和生まれ(笑)だと、やっぱ紙の安心感というのも感じるんだよね。温もりみたいな。
紙とPDFが昭和生まれ(笑)にはしっくりくる
中立的で冷静な思考回路で考えても、Web媒体は陳腐化が激しいし、閲覧に通信環境やデバイス、一定のITリテラシーが必要だから、PDFの方がどんな相手にも提出しやすくて汎用的に長く使えるんじゃないかしらん。ケースバイケースだけど。
キミが20歳前後の若者だとしても、ポートフォリオを見る相手がそれなりの立場にある昭和の遺物って可能性は高いしねー。
そして、やはり最も大事なのはポートフォリオ自体も作品だと思って作ることだ。レイアウトとか構成、見出しのフォントとかは人生かかってると思って最低3日は考えた方がいい。
心に余裕がある人は、デザイン系の専門学校の卒業展とかに行くと色々な若い人の作品やらポートフォリオっぽいものが見れたりするから、暇だったら行ってみるといいかもしれない。所詮は学生って感じの作品も多いから、必ず収穫があるとは限らないけどね。
どん底で迷える子羊デザイナーに幸多からんことを。