諸事情で手放したがこのスピーカーを一時期所有していた。
バブル時代にこれの大きいサイズのスピーカーがあって、それのミニチュアバージョンだという。
大きい方は名機とされているが、12cmウーハーのこのミニチュアモデルはどんなものなのか気になる人もいるだろう。ちなみに1990年代後半発売で、新品価格3万円。中古でも出玉は多いものの、未だそれなりの値段で出回っている。
聴く曲を選ぶスピーカー
一言で特徴を言えば、これに尽きるだろう。オールラウンド派ではない。
ハマれば、他のスピーカーでは出せない艶やかなサウンドを出すが、ハマらなかった時がちょっとキツい、中高域寄りの音。12cmウーハーの密閉型なので、低音は量感も質感もあまり良いものとは言えない。見た目通りというか、コンパクトなサイズそのものの、軽めのサウンドである。よく言えば軽快。
決して悪いスピーカーではないが、クラシックからジャズ、ロック、ポップスなど、あらゆるジャンルをソツなく鳴らせるスピーカーではないだろう。
向くジャンル
・ピアノ曲などシンプルな生楽器の曲
・女性ボーカルの軽いポップス
・ピコピコした明るめのテクノ
・軽いジャズ
向かないジャンル
・今時の高音圧ポップス全般
・ロック全般
・重厚なオーケストラ
・重い感じのジャズ
・その他いろいろ
とは言っても、光る部分があるスピーカー!
ここまで書いた内容だと『残念なスピーカー』と思うだろう。
しかし、このスピーカーに光る部分があるのは事実。中古価格がそれなりの相場を保っていることも、それを物語っているだろう。
これよりも何倍も価格の高いスピーカーと聴き比べても、このスピーカーで鳴らした方が『キレイ』な曲が時々あるのだ。独特の線の細さというか、艶っぽさのあるピアノなどの音は、目を閉じてずっと聴いていたくなる。
繰り返しになるが、まさに『ハマった時』が素晴らしいスピーカー。コンパクトなサイズとシンプルなデザインは部屋に調和しやすい。
決してオールラウンドなタイプではないものの、ピアノや軽めのジャズ、女性ボーカルなどを聴くオーディオファンならば、一度は聴いて損はしないスピーカーだと思う。