Sixth Stage 沖縄やんばる Special Touring Style

6日目 伊江島観光、チン○コ山に登る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

穏やかな波のせせらぎを感じ、静かに眠りから覚める。

今日は伊江島の観光名所を回る。早起きして洗面を済まし、軽装でキャンプ場を出発した。

まずは島の代名詞とも言えるチン○コ山の山頂を目指す。島の中心部分にあり、島のどこにいてもチン○コ山が見えるので、適当に走っていても辿り着ける。登山口が何箇所かあり、キャンプ場から一番近いところから登った。自転車を入り口付近に停めて、土産物屋を無視して山頂を目指す。

入り口には昨日の長野県の高校生らが何人かいた。伊江島は民泊と言って、一般の民家を宿代わりとして観光客らを受け入れているらしい。ホテルや民宿が少ないのと、観光客誘致の戦略だろう。一つの家あたり3~4人くらいを泊めているようで、宿だけではなく、家のワゴン車で観光案内までしているようだ。宿代+タクシー代+観光ガイド料で、結構な収入になるのだろう。

ちなみに、出来心で民泊の料金を後で調べたら、一泊あたり税別9,500円だった。東京都心のシティホテル並みだな。女子高生4人泊めて1晩で4万円か・・・。こりゃ、なかなかの商売だ。

家族や人との繋がりが希薄な世の中のせいか、その家の人達を第2の家族みたいに思い込んでしまって、卒業してからも毎年のように民泊しに来るような人もいるらしい。

おめでたい!

やぁ、なんつーか、本物の家族の方をさ、もっともっと大事にした方がいいと思うぞ? たった2泊泊まったくらいで別れ際に涙してるようじゃ、本物の家族の立場がないぞ~、と。

さてさてと、民泊の家の人に連れられて登山をしている女子高生らを抜いて、山頂を目指す。登山道は階段状になっていて、結構きついところもあるが、10~15分くらいで山頂に辿りついた。

チン○コ山の山頂には男子高校生のグループがいた。案の定、スマホを渡されて写真撮影を頼まれる。「沖縄では色々な所に行ったけど、伊江島こそ最高の思い出です」というようなことを言っていた。内地の子供は沖縄の子供と違って礼儀正しく、撮影後に全員から「ありがとうございます!」とお礼を言われた。まだ内地も捨てたものじゃないな。

山頂から降りようとすると、入り口付近で追い抜いた女子高生らが登ってきた。「ヤバーイ! きっつーい! もうだめー! 無理ー!」「297、298、299・・・」などと言っていた。チン○コ山には階段が300くらいあるらしい。

山を降りた後は再び港の方に行き、時計回りで見て回る。

しかし、どこに行っても必ず民泊の車に連れられて来た人達がいて、なんとなく分が悪い。「民泊じゃないお前はいったいどこに寝泊りしているのだ?」と思われている気がした。

民泊の人達をできる限り刺激しないように、観光地を見て回る。持ち上げると子宝がどうのこうのという石がある洞窟、崖になっていて日本海の荒波みたいな所、花は咲いていないが時期によっては花畑になる場所、ビニールハウスのハイビスカス園などを見て回った。

ハイビスカス園は無人だったが、受付票みたいなのがあり、年齢や性別、どこから来たか、どこに泊まっているか、などのスペックを書く。そこを見ると、圧倒的に県外から来た民泊泊まりの高校生が多かった。

伊江島で個人的に一番好きだったのは、このミンカザント。雨水を貯めて使う。水不足に陥りがちな島の生活の知恵なのだ。

沖縄本島と違って、伊江島の観光地は無料の所がほとんどだ。本島だったら入場料がかかりそうな所も伊江島では無料だった。本島からアクセスするフェリーが村営だから、伊江島に観光客を呼び寄せただけでも村としては儲かっているからだろう。

観光地を巡る以外にやることがないこの島では、有料にしても施設を観光したい人は沢山いるだろう。だけどあえて無料なのは良心的だ。伊江島の偉い人は人道的な選択をしていると思う。

『伊江島には核模擬爆弾の演習基地がある』

それは伊江島の戦後の歴史のせいだ。伊江島の人達は戦後、アメリカに理不尽に土地を没収されて生活できないような状況に陥った。しかし、本島の行政に相談してもロクに力になってくれなかったという。だから、今でも本島のセコイ観光行政のやり方には従わないのだろう。伊江島は今でも島の面積の35%は米軍施設である。

民泊の観光タクシーを利用している人以外にも、この島ではママチャリに乗った観光客集団が多い。長野の人達かわからないが、この日も高校生か大学生くらいの人達がママチャリで自転車イベントのごとく集団走行しているのを見かけた。キャンプ場近くの民宿に「神奈川○○大学めんそ~れ」みたいな表示があったので、神奈川の大学生だろうか。沖縄本島ではママチャリの集団を見ることはないので、内地みたいな光景だった。

午後2時頃、島のほとんどの観光地を見たので、港近くへ買出しに行く。

昨日は気づかなかったが、なんと伊江島には上等なAコープがあるではないか。全日食のスーパーは『酒激安!』みたいな文言がでかでかと壁に書かれていたので、島で一番安いと思って泡盛の小ビンを買ってしまったが、泡盛もAコープの方が安かった。

惣菜も充実しているし、およそ食べたいものが何でも揃っている。

これで日帰り温泉とACコンセントがあれば、伊江島に住んでもいいと思った。そう、あのキャンプ場はアリが多いのを我慢すれば上等そのものだが、ACコンセントだけはどこにもなかった。売店に頭を下げてお願いすれば、デジカメの充電くらいさせて貰えるかもしれないが、キャンプ場に長期滞在するにはACコンセントをどうにかしないとやりにくい。

キャンプ場に戻り、他にやることがないので、少し早いが今日も東屋で宴会をする。

昨日挨拶したロンゲのお兄さんを乗馬体験コーナーで見かけたが、すでにテントを撤収していた。もう一つのテントのロンゲお兄さんのお友達も、今日はもういなかった。

代わりにアメリカ人家族のでかいテントが1つ張られていた。今日のメンツは、このアメリカ人家族と私だけだ。アメリカ人家族は炊事場にスーツケースやクーラーボックス、ベビーカーを一晩中置いたままで、やりたい放題だった。

この島は居心地がいい。このまま本島に戻らず、帰りの飛行機までの数日間をここで過ごしてもいいと思った。静かで、快適で、傷付けるものは誰もいない。だが、そんな人生に何の意味がある・・・?

何時間も自問自答したが、明日の朝、本島に戻ることにした。

【PR】近場の温泉宿で癒されよう

自宅から近すぎず遠すぎず、あまりお金をかけずにリフレッシュできる・・・それが近場の温泉宿の魅力だろう。

日々に疲れてしまった人には、名前の知られていない温泉街の方が良いかもしれないし、意外な発見があることも。

楽天トラベルでは有名どころから無名(?)な宿まで、お得な価格で思い立ったらすぐ予約ができる。

楽天トラベルで近場の温泉宿を探す