
画像は鰻丼。本文とはあまり関係ありません
あるアンケート調査によれば、動画編集の挫折率は98%以上、なんと99%近くだという。
動画編集と言っても色々あるし、ちょろっとしたスマホ動画やテロップが潰れているような素人YouTube編集などから、映画やTVCMなどのプロの専門スキルが求められるものまで様々だと思うが、前述のアンケート調査は、おそらく動画編集の恐ろしさを何も知らないズブの素人が挑戦して挫折したパーセンテージと推測できる。
実は司法試験より難儀だった動画編集
司法試験というのは世の中の試験の中でも最難関に位置する試験として知られているが、本来は法科大学院などを卒業しないとならないものの、それを免除するための試験が予備試験であり、その合格率は4%程度と超難関なのだそうだ。
動画編集の挫折率はそのさらに上を行くほどに高難易度という仮説が立てられるが、今回は無謀にもそれを考察していくのである。
ちなみに、筆者は動画編集を始めたのは2009年頃だから、通算15年くらい動画編集をやっている。
まぁ、他にもっとやるべきことや、やりたいことができたために、動画編集みたいなクソなものには微塵も興味無くしたという時期もあるから、ざっくり通算という意味だけど、業務として映像制作会社的なところに正社員として在籍していたこともあるし、並みのYouTuberとかよりも、動画編集の苦いと苦しいを知っているような気がするから、多少は語るに値するのではないかと思う。
動画編集に挫折する人間のパターン
これは深く考えなくても10や20はパッと思いつく。
宇宙規模の膨大な時間がかかる
動画編集の未経験者は100%勘違いしているけど、例えば最終的に出来上がる動画の尺(長さ)が5分だとしても、編集には10倍~1億倍の時間がかかる。
スマホアプリレベルやOS付属の簡易編集ソフトで前後をざっくりカットするレベルの編集とは言わないレベルのお粗末なものは除くけれど、平均して500倍くらいの時間がかかるのが一般的。
意外と単純ルーチン作業が膨大すぎる
動画編集というと、アーティスティックで、なんかクリエイター(笑)みたいな感じがするかもしれない。
確かにそういう面もあるけれど、映像業界の体育会系社会のトップに登り詰めるか、YouTubeなどで一山当てるか、再生回数なんて気にしない己の自己満足に浸るかのどれかに当てはまった場合くらいである。
テロップ入れなんかが代表格で、動画編集は驚くほどにチマチマした、普通の人なら3分で飽きるような地味な単純作業を20時間くらい繰り返さないとならないことが多いのである。
あまりにも面倒なので、普通の人なら飲みに行ったり、ディズニーシーとかに行きたくなるのが動画編集の真実だ。
忘れがちだけど音響の知識、技術も絶対必要
写真のカメラから入った人は、音声で泣きを見るのが動画編集である。
とりあえず、見た目の画については写真のカメラの延長線上でシャッタースピードがバッサバサになっている意外はなんとなく撮れるかもしれないけど、音声のdBって一体何? っていう解決策が何も思いつかない地獄に入り込むのが音声周りである。
まともな録音には、それ自体が専門職として確立しているくらいだから、様々な知識、技術、機材が必要。
逆に、バンド活動とかで録音までやってたり、DTMやってたりする人はこの辺の知識あるかもしれないけど、相当の勉強と試行錯誤が必要になる。
素人YouTubeだったらフリーBGMで誤魔化せるけれど、仕事で作るような動画だとそうはいかないかんね。
基本的に高スペックなPCが必要になって金がかかる
最近はDaVinci Resolveとかプロ仕様の編集ソフトが無料で使えたり、使っている人が多くてデファクトスタンダードなAdobe Premiere proが月額課金で使えたりと、素人でもプロと同じ編集ソフトが手軽に使えるわけだけど、しょぼいPCでは快適な編集はできない。
スマホアプリでも出来るレベルのちょろっとした編集ならともかく、エフェクトをかけたり、テロップを作り込んだりしていると、最新PCの中の上くらいの機種(CPUがi5でメモリ16GBとか)でも、重くて重くて泣きたくなることが多い。
フルHDですらこれなんだから、4Kなんて話にならないし、快適に編集したり、短時間でレンダリングして書き出すには大金を投じる必要がある。
特にPremiereとか最近の主流な動画編集ソフトだと、グラボが重要かな。ノートPCだとグラボを積んでいるのは大体はゲーミングPCとかになるけれど、グラボは意識した方がいい。
あと、モチのロン(死語)だけど、SSDとかHDDの容量は大量に必要。
苦痛ばかりの作業の上に、誰も見ない動画を作るために大金を投じないとならないんだから、多くの人は自分を見失って挫折するのである。
仕事で動画編集する場合は報われない場合がほとんど
仕事として動画編集をしてきた経験から言うと、ほぼほぼ報われない。
業務の場合は上司なりクライアントなりと依頼主がいるわけだが、経験上、こいつらは100%の確率でセンスがないからである。
人がせっかくプロの技術(笑)で絶妙な編集をしたというのに、テロップが見づらい(むしろ細い文字にしろと言ったのはそっち)から、やっぱり全部太くしろとか、後からやり直すのがどれだけ大変なのかも全く知らずに何度も修正を要求してくる。
普通の人だったら、ちゃぶ台をひっくり返すレベルだ。
「金貰っているんだから我慢しろ」と思うかもしれないけれど、我慢にも限界がある。
とにかく、動画編集は常人ではあり得ないほどの忍耐力とストレス耐性が必要だ。
とても大事なのでもう一回言うが、動画編集は常人ではあり得ないほどの忍耐力とストレス耐性が必要なのである。
上から目線で申し訳ないが、もし、あんたがクライアントワークとして動画編集をやるなら、センスとかクソの役にも立たないものは早々に捨て去るべきだ!!
相手はATMだと思って、抜け殻みたいな感性で淡々と仕事をこなす方がまだ幸せである。
ネットで見かけるYouTube動画の編集は時給数百円(?)
見た聞いたレベルの話だけど、上記のように編集作業というのはドMでないとできないことが多いが、ネットのクラウドなんとかなどで募集されているようなYouTube動画などの編集案件は、編集に20~30時間かかるようなシロモノでも報酬が5000円とかだったりするという。
時給にしたら200円とかなので、いかに世間に動画編集がチョロいもんだと誤解されているかがわかるだろう。
もっとも拙者は大手一流企業の案件しかやらないので幸運にもそんなレベルの者は手掛けたことがないが、それでも下積みだと思ったり、副業的にやる人がいるというのが実態。
結論 動画編集を楽しいと思ったことは稀
振り返ってみると、8:2くらいの割合で苦痛に感じることの方が多い。
自分でアーティスティックに好きなように撮影から編集、公開までやれる場合は信じられないくらい楽しい瞬間もあるけれど、そんなのは全体の2割くらいかな。
あとの8割はクソ。
もっとピンポイントで言うと、絵コンテの確認も拒否されるような依頼者はクソのことが多いから気を付けた方がいい。
絵コンテは「こういう動画を作りますよ」という覚書きみたいなものだから、絵コンテ苦手とか言ってないで、パワポとかでも作れるんだから、複数人で動画を作る時は、どんな状況だろうと、ちゃんと作らなければならない。
じゃないと、後出しジャンケンでちゃぶ台ひっくり返すことになる。








