
Windows98の「ようこそ」画面に流れる胸アツな音楽を覚えているかな?
90年代ブームである。
あの頃のインターネットは“あったにはあった”程度で、クソ遅いモデムと従量制料金が当たり前の時代。深夜だけ定額になるNTTのテレホーダイというサービスに合わせて、生活リズムが歪むのが日常だった。
そんな環境では大量のコンテンツをネットで探し回って落とすのは困難で、主流は『Tech Win』などのPC雑誌に毎月付いてきた付録CD-ROMだった。ゲーム、動画、音楽、謎のオリジナルコンテンツが詰め込まれたあの円盤は、今となっては完全に90年代のタイムカプセルだ。
問題は、そのタイムカプセルに入っているプログラム類が現代OSではほぼ動かないという残酷な現実である。互換モードでどうにかなるレベルではなく、OSに弾かれて起動すらしないものがほとんど。
そうなると、90年代の実機ジャンクをギャンブルで買うか、仮想環境で無理やり動かすかの二択に見える。
しかし、実はもう一つ素晴らしい選択肢がある。90年代PCそのものを再現するエミュレーター『86BOX』だ。
仮想化ソフトはXP世代以降を想定しているという現実

そのへんの仮想環境にWindows98は簡単には入らないゾ
まず、仮想環境勢にはお馴染みの『Oracle VirtualBox』や『VMware』があるが、それらにWindows98などの90年代OSを入れようとする時点で、すでに敗北が確定している。
それらはXP〜7あたりを想定した“比較的最近のハードウェア”を仮想的に提供する仕組みで、98や95から見れば未知の生命体みたいなものだ。
IDEの挙動は違う、ACPIは新しすぎる、ドライバは存在しない。何度やってもセットアップの途中で固まる。
つまり、動く設計になっていないのである。XP世代のOSなら簡単にインストールもできるが、98以前は眼中にない。セットアップ画面で固まるのは仕様通りであり、一般個人の手に負えるものではない。
86BOXとは何か、そしてなぜ強いのか
86BOXは、90年代PCの実機をソフトウェアで丸ごと再現するエミュレーターだ。
CPU、チップセット、ビデオカード、サウンドカード、BIOSまで“当時の本物”を再現する。Pentiumや486のCPU、S3 TrioやCirrus Logicのビデオカード、Sound Blasterなど、Windows98や95が動いていたハードウェアがそのまま揃う。
だから普通に動く。相手が求めている環境を正しく用意すれば、機嫌よく動くのは当然である。
インストールは少し面倒だが、エンジニア知識までは不要
86BOXは実機の再現なので、多少の手順は必要になる。
BIOSファイルを置き、仮想のビデオカードやサウンドカード、CD-ROMを設定し、ドライバをインストールする。
だが、これは当時のジャンクPCをギャンブルで手に入れるほどの重さではない。謎のコマンドを叩くわけでもないし、90年代PCを触ったことがある人なら、むしろ懐かしさすら感じる作業だ。
90年代の空気をそのまま吸える
86BOXの魅力は、XPですら弾かれて動かない90年代アプリが普通に動くことだ。
XP以降では動かない古いアプリは山ほどある。インストーラが起動しない、16bitアプリが弾かれる、謎のモジュールが見つからないと言われたり、互換性の壁は結構高い。
だが、86BOX上のWindows98なら、当時のアプリは当時の環境と同じように動く。
Win95専用アプリという落とし穴も存在する
忘れてはいけないのが、Windows95専用アプリという神経質なヤツの存在だ。
これはWindows98でも動かない。XPでは論外、現代OSでは存在すら許されないようなアプリが普通に90年代のCD-ROMには入っている。
どうしても動かしたいなら、Windows95を動かすしかないだろう。86BOXなら95も問題なく動くので、こうした神経質なアプリにも対応できるのだ。









