PS4他で発売中の英語学習ソフト「Life is Strange (ライフ イズ ストレンジ)」のゲームレビュー。個人の感想、ネタバレあり。
Life is Strangeはこんな英語学習ソフト
いわやる洋ゲーで英語音声だけど、自然な日本語意訳の音声と、字幕は英語や日本語と好きな組み合わせでプレイできる。
つまり、楽して英語を覚えようという、甘々な考えの人には最適な英語学習ソフト。
しかも、主人公は時間を巻き戻せる超能力を持っている。本来の使い方ではないが、クソ耳過ぎて英語が聞き取れなかった箇所は、ゲームの進行状況にもよるけど、基本的に何度でも巻き戻せる。体力やゲームオーバーの概念もない。
この期に及んで巻き戻す演出がダルいと思ったりするけど、リピート再生できるのはポイント高い。
日本で暮らす日本人の大半が永久に英語を覚えられないことからもわかるように、日本語があると甘えてしまって永久に英語を覚えられないから、グッと堪えて英語音声+英語字幕でプレイして、厳しい言葉の壁に向き合うのがオススメ。
スラングだらけの生々しい英語が学べるアドベンチャー
日常に飛び交うbitchというワードや、日本でもありがちなトイレの落書きの英語版など、中学や高校の英語の教科書はもちろんのこと、TOEICの参考書にもあまり載っていない生々しい(汚らしい)英語が学べる。
ノワール映画的な世界観というか、フランス発のゲームだからフランス風の物悲しい作風となっている。猟奇的な表現や胸糞表現も多いから、合わない人には合わない。
ゲーム自体はアメリカの写真学科の高校なのかな、皆さん憧れのアメリカンハイスクール(笑)が舞台になっている。
プレイヤーが操作する主人公はアメリカンハイスクールの女子高生。3Dで構築された世界を彼女と共に謎解きしていく。
主人公のマックスという女の子は、いい意味で可愛い感じでも美人な感じでもないけれど、そこが逆に生々しいからか、このゲームが好きな人種には妙な人気があるらしい。
男からするとモデル級の美人や可愛い子よりも、結局は普通の子が良かったりするから、まぁ、このへんはわからんでもない。
5章構成で元々は章ごとのバラ売りだった
PS4版は全部コミコミだけど、アメリカでの原作(?)は章ごとに販売されていたらしい。
だからなのか、章によって雰囲気やゲーム性がガラッと違ったりする。1章は学校が舞台だからペルソナシリーズとかを彷彿とさせるかもしれないけれど、2章以降は段々と雰囲気とゲーム性が変わっていく。
序盤はちょっとしたギミックを時間を巻き戻して解決していく程度だけど、4章くらいになってくると推理要素が必要になってくるから、真剣にゲームをプレイしないと進めなくなる。
最終的には英語の勉強どころではなくなってくる。
フランスのゲームスタジオが開発
最近はどうだか知らないけど、このゲームが開発された頃のフランス人からすると、日本はクールな国だと思われていた。日本の文化、要は日本のゲームとかアニメなどが注目されていたのである。
だから、ことあるごとに日本のアニメとかゲーム、漫画などの話題が出てくる。
忍者というワードも頻出するけれど、外人からしたらどこの国でも日本といえば忍者だから当然か。
ただ、日本で生まれ育った俺でさえも生で本物の忍者を見たことはないし、現役の忍者って現代日本にはいないんじゃないかな。観光施設とかのは別にして。
忍者が大好きな外人って、どういうプロセスで忍者が大好きになるのか謎すぎる。
5章とか後半のゲーム性はクソすぎるストレスゲー
前半のビン集めとかもストレスゲーだけど、5章はどうかしている。
ゾンビは出てこないけど、FF15のチャプター13とか急にホラーゲーになったりするアレに近い。むしろ、こっちの方が先に出ているし、同じスクウェアが関わっているゲームだから、もしかしてFF15の元ネタがライフイズストレンジだったのではと思うくらい。
高次元の世界で時空が歪んでいるし、殺人鬼のジェファーソン先生に見つかるとどうにも先に進めないから、しびれを切らして攻略サイトを見るも、灯台を目指して進めというくらいしかヒントがなく、ここでゲームを辞める人がいるのも頷ける。3時間くらい彷徨う人もいるらしい。
5章は超能力に頼りすぎるとクリアできない
ジェファーソンに見つかっても時間を巻き戻せばやり直せるけれど、結局、あいつが通せんぼしている場所を通過しないと正解ルートに進めないから、巻き戻す能力に頼ってばかりいると永遠と同じ場所を彷徨うことになる。
こんなユーザーエクスペリエンスがゴミな要素はいらないけれど、洋ゲー的な理不尽な難易度とストレス要素が待ち構えているとは思わなかった。
ただ、暗闇ホラーゲーに突入しても手際よくやれば、クソゲーすぎるビン集めを含めても1時間くらいでクリアできるから、ここまで進んだのなら最後までプレイしてほしいものである。
龍が如く7とか二ノ国とかブルーリフレクション帯にも、巡回している敵に見つからないに進むミニゲームがあるけど、正直、面白くない上にストレスが溜まるだけだから、ありふれたネタだし、金輪際ゲームに実装するのはやめて欲しいと願う。普通につまらないし。
さんざん選択肢がありながらエンディングは2種類
選択がゲームのテーマと言わんばかりに序盤から選択を迫られて、さぞ20種類くらいエンディングがあるのだろうと思いきや、たったの2種類しかない。
しかも、5章の一番最後の選択肢のみが変わるので、それまでの選択肢は一切関係がないっぽい。
クロエが死ぬのがトゥルーエンドで、クロエが死なずに街が崩壊するのがバッドエンド扱いなのかな。
どっちもこれまでのクソ長ったらしい演出に比べると、予算が尽きたB級映画みたいに数分だけの短いエンディングである。
フランス風のノワール映画的な終わり方とでも言うのだろう。どんな選択をしてもバックトゥザフューチャー的というか、ハリウッド映画的に強引なハッピーエンドにはならない。
英語学習ソフトとしては優秀だけどゲームとしては微妙
ゲームをダラダラとプレイしながら英語が学べるのでお得と言えばお得だけど、中盤以降は真剣にゲームをやらないと進めなくなるのが英語学習ソフトとしては残念。
英語は意訳で覚えた方がいいという話もあるけれど、英語字幕+日本語音声でプレイすると、あまりにも意訳すぎて英語本来の意味じゃなくなっている気がしなくもない。
ゲームとしてはゲーム性が微妙で空きやすいし、どこに行ったらいいかわからなかったりとフラグを立てるのが面倒だったりするから、英語学習以外でのプレイは薦めないけれど、世間的には普通にゲームとしてプレイしている日本人が多いのかしらん。
本職の英語学習ソフト以外で、これだけ英語学習がしやすいソフトは滅多にないと思うけれど、さすがに文法とか単語の解説とかはないから、基礎力は自分で身に着けないとならない。
それに楽して英語を覚えようと思っているのも間違いだしね(笑)
ゲーム性はかなりアレだと思うけど、賞を取っていたりとかなり評価が高いゲームなので、続編がいくつも出ているらしい。
俺は1作目だけで、あらゆる部分がいっぱいいっぱいだけどね。俺にはクロエとか無理だわ。