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夜行バスのメリットと言えば、新幹線や特急列車より安かったり、夜間に移動できるため時間を節約したり、ホテル代を浮かせることができることなどが挙げられる。
若い時はこれらメリットが絶大的なものだと感じていて、高速バス網が便利だった九州各地の移動や、東京~名古屋、東京~大阪、東京~青森などの路線を夜行バスで旅したこともある。
だけど、最近はめっきり夜行バスには乗らなくなった。
理由1 ぐっすり寝れない
若い時は宿泊費を浮かせつつ国内外の旅行がしたくて、0泊3日とか全く眠らない旅行をしていた。
コンビニで立ち読みするだけで夜を明かしたとか、今考えたら、ちょっとなって思うけど、旅行においてこ眠ることは重要だと全く考えていなかった。
ところが、ある程度の年齢になって人生の全体像が見え隠れしてきたり、物事の分別も付いてくると、眠る時間こそが人生で最も幸せな時間だと気づいてしまったのである。
そうなると夜行バスは自分の場合はぐっすり眠ることが難しいから、できるだけ避けてしまいたくなる。
理由2 移動中の景色も楽しみたい
移動中も貴重な旅の時間だと考えるようになると、移動中に景色も見られずに何もできない夜行バスは、旅の楽しみがないものだと思ってしまって避けてしまいたくなる。
飛行機や新幹線に乗る時は景色が見れるように窓際席を指定するし、旅の行程の全部を大事にしようとすると夜行バスは割高に感じてしまう。
理由3 乗降場所が不便なことが多い
大手のバス会社の場合はターミナル駅近辺などの大きいバスターミナルが発着場所になっているけど、低価格重視で探すとなると、駅から少し離れた停留所とかに行かないとならないことがある。
高速の停留所の場合もあるし、この交通網が発達した日本で、何もないような場所で待つのはちょっと不便に感じる。
理由4 客層や雰囲気が少し不安
海外だと移動は移動と割り切る人も多いから、本当にそうなのは知らんけど、金持ちやエリートがLCCで移動することも多いと聞くものの、日本人はくだらない見栄とプライドを重視するため、ジェットスターとJALではあからさまに客層が違うというのを何度もこの目で見てきている。
日本では若奥さんがディスカウントスーパーではなくて、見栄を重視して割高なのにイオンで買い物するというケースも多い。
この理屈で考えると、少なくとも新幹線や特急列車が走っているようなルートで夜行バスに乗るのは、安ければいいという客層が多くなりがちのはずである。
若い時にロンドン~パリの夜行バス(ドーバー海峡はバスごとフェリーに乗り込む)に乗ったことがあるが、明らかに貧困層が乗っているような海外の夜行バスでさえも、車内の治安が特段悪いということはなかったから、日本国内の夜行バスの治安が悪いとは思わないが、日本人は交通機関にさえ、見栄とプライドを重視しがちというだけの話である。
理由5 事故の不安が多少はある
飛行機だって列車だって事故る時は事故るけど、一般の車両も走っている道路を走る高速バスは、一般車両の事故に巻き込まれる可能性もあるし、実際に死亡事故も割と起きている。
ペーパードライバーが自分で運転するよりは1億倍は安全だと思うけれど、3千円を浮かすために死んだんじゃ、来世に大きな期待はできない気がする。
理由6 朝の5時くらいに到着する場合がある
東京~新潟とか、東京~名古屋とか、割と近距離の場合に多いと思うけれど、早朝から行動できるのは良いとしても、あんまり早すぎる時間に到着すると行ける場所がコンビニくらいしかなくて困る場合がある。
都会だったらそうでもないかもしれないが、特に寒い時期の地方都市とかだと、世の中が動き出すまでの時間がしんどかったりする。
ホテルに泊まってたら朝食をとって9時くらいまでは部屋でウダウダしてるじゃん、って話。
このウダウダしている時間が実は重要だったりするし。
理由7 運転手の態度が悪い場合がある
夜行バスではなくて昼間のバスだったけど、北海道で札幌からオホーツク地方に移動した時の話。
ネットで予約して乗車券を一応印刷していったのだけど、事前決済済みだし、降りる時に乗車券の確認があるとは思わなくて、車内で食べたパンとかのゴミと一緒にゴミ扱いで処分してたのね。
そうしたら、いざ降りる時になったら、運転手に乗車券を見せろと言われて、若い運転手にタメ口で滅茶苦茶にキレられたことがある。
ネットで予約して決済済みなのは乗車する時に確認して貰っているし、降りる時に見せる意味が不明だけど、バス会社ごとにルールがあって、合理的かどうかは別にしても、それがそのバス会社のルールなんだろう、と思った。
パーキングエリアとかでトイレ休憩のときに乗客が入れ替わったりしないように、っていうことなんだろうか。飛行機とかフェリーだと到着後にチケットを確認したりしないよね。鉄道はするから、鉄道に倣ってるのかな。
バス会社によってマチマチだと思うけど、こういう独特のローカルルールを知らないことでイヤな思いをしたくないから、高速バスや夜行バスは極力乗りたくないな、と思った。
理由8 LCC並みに座席が狭いことがある
夜行バスにも3列とか4列とか、足元広めとか色々あるけど、低価格重視だとLCC並みに狭い座席で一晩過ごすことになる場合もある。
LCCもJALの普通席も、実はそこまで広さに違いはないというのは個人的に思うことだけど、新幹線の普通車よりも飛行機はだいぶ狭いし、バスはもっと狭い印象がある。
理由9 天候や事故で高速が通行止めになると大幅遅延する
冬の北海道で大雪で特急が遅れたり運休して、その日のうちに札幌に行きたかったから、仕方なく旭川~札幌の高速バスに乗った時の話。
鉄道がボロボロになるくらいだから、道路交通も良くはないのだけど、その時点では高速道路は生きていた。
だけど、バスに乗ってから高速道路が通行止めになってしまい、普通なら2時間程度で着くところが、一般道のデコボコ道を走りながら4時間くらいもかかってしまった。
デコボコすぎる道を結構バスは飛ばすから、ひっくり返らないかとか事故の方が心配だった。全く生きた心地がしなかった。
理由10 LCCとか代替の安い交通機関がある
ニッチな地方路線を別にすれば、東京~大阪とか西日本方面はLCCで大体の主要都市に移動できると思う。
LCCは空港までの移動とか支払い手数料とかの謎の料金でバスより高くなるかもしれないし、アクセス手段がない早朝の時間帯すぎて空港に間に合わない場合もあるけれど、LCCがライバルなのは間違いないと思う。
高速バスや夜行バスの料金はJRの普通乗車券と同じくらいか、少し安いくらいに価格設定されていると思うけど、逆に言えば普通列車の乗り継ぎでもバスと同じくらいの料金で移動できることが多いとも言える。
夜行バスで移動した方が良いというケース
宿泊代を浮かせつつ、さらに移動先で早い時間から行動したい場合であろう。
現代日本では夜行列車がほほ姿を消したし、朝一の飛行機や新幹線よりも、もっと早くから旅先で行動する手段として評価することもできると思う。
個人的には、アホみたいに高くてもいいから、かつての夜行列車とかフェリーの個室とか、ネットカフェの鍵付き防音個室みたいな座席がある夜行バスがあったら乗ってみたいと思うけど、シートベルトとか安全面もあるから、バスで完全個室というのは無理なんだろうね。