ベルデセルバ戦記

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【PS】「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」のレビュー(ネタバレあり)

PS1「ベルデセルバ戦記~翼の勲章~」のゲームレビュー。個人の感想、ネタバレあり。

1997年発売のジブリ世界観を彷彿とさせるフライトシューティング+RPGなゲーム。ガキの頃にリアルタイムで遊んだ記憶があるけれど、独特の操作性が合わずクリアした記憶はない。

オープニング曲「ベルデセルバ戦記」が秀逸

なぜ急に思い出したかのようにベルデセルバ戦記なのかというと、先日、5台くらい買い換えている愛用のSONYウォークマンがぶっ壊れて楽曲の整理を迫られていたら、このゲームのオープニングというかタイトル画面で流れる「ベルデセルバ戦記」という同名曲を聴いたからである。

ジブリ楽曲を彷彿させる同曲は長らくCD音源化されていなかったが、ゲーム発売から22年後の2019年に、同曲を歌う新居昭乃さんのアルバム「Another Planet」に初収録された。

ジブリに出てきそうな飛空船

作中で主人公が乗るのは飛空船と呼ばれる戦闘機。

パッと見ではそこいらのプロペラ機に見えるけども、その場で浮いたまま停止することもできるし、仲間の複数名が乗船して砲台担当として敵機に攻撃するというゲーム性。

なにしろ、こいつらは思いのほか科学力が発達している。侵略した惑星で陸地を反重力装置で浮かび上がらせて浮遊島にして、先住民族から煙たがられたりするのは当たり前のレベル。菓子折りも渡さずに侵略しておいて、勝手に浮遊島なんか作られたら、そりゃ先住民族がブチ切れるでしょ。

まぁ、こいつらにとっては飛空船を浮いたまま停止させるくらい朝飯前なのだ。

技術力はあっても、その割にはエースコンバットシリーズみたいな爽快感は全くなくて、単純明快な操作性は確保されていない。反重力装置はあるけれど、レーザー攻撃や無人機などの技術はない。

戦っている感じは戦闘機系のゲームでのドッグファイトというより、ゆらゆら浮かびながら敵に近づいては、ゆらゆら逃げたりする感じが「金魚すくい」っほいし、少しでも有利な位置から石ころみたいなのを投げる感じが「雪合戦」に似ている。

極めれば初期のショボい機体でも全クリできるというから、思いのほかゲーム性は高いのかもしれない。

共感できない主人公陣営

主人公からして宇宙船のエンジントラブルか何かで未知の惑星に不時着した人物。

どこの馬の骨かわからないのは置いておくとして、不時着した先で主人公が最初に属するのは、やはり訳ありの異星人だという。

90年代に流行ったようなSF系のアニメや、ジブリの設定をオマージュしているのはわかるけれど、自分たちの惑星を住めなくしておいて移住してきた先で先住民とトラブルを起こしている最中なのである。

先住民族より科学が進んでいるからと胡坐をかいていたら、先住民族に技術を追いつかれた~とか、こんなやつらには協力したくないわ~とか思ったりした。

ジブリ風だけどハードボイルドな世界観

設定はジブリ風だけど、最初の街からして住民の反応はハードボイルドである。

普通のゲームだったら最初の街は幼馴染がいたり、顔馴染みの人間など主人公に友好的な人が多いものだけど、どいつもいこつも「失せろ!」だの「さっさと消えろ!」だのディスってくる人間ばかり・・・。

こういうパンク風の荒れた世界観も別作品のオマージュなのかもしれないけれど、飛空船の操作とか覚えること多いし、上司とかも当たりがキツいし、そこらの現代日本のプラック企業みたいな感じでモチベーションが上がらないよ。

でも、序盤に仲間になる女性キャラは不時着したばかりの主人公に対して「恋人はいるのか?」と聞いてきたり、未知の惑星だけに住民の温度感がわからないことが多い。

低クオリティと言われるRPG部分

フライト部分はPSのスペックを差し引きしても鑑賞に浸れるほどのグラフィックではないが、それでも一応PSの性能や特徴を生かした3D画面なのに対して、プレイ時間を多くを占める2DのRPG部分は低クオリティだと言われる。

SCEが販売元だが開発はテンキーという、主にPCエンジンのゲームを開発していた会社なこともあり、PCエンジン程度のクオリティだとも言われる。

上手い人の実況動画を見ててもテンポが悪い

3Dのフライトにしても2DのRPG部分にしても、テンポがよいとは思えない。

わざわざ公式チートのような、今のゲームで言うハイスピードモード的な機能があるのは救いだけど、浮遊感を楽しむというのも微妙だとする意見が開発元にもあったのであろう。

ストーリーを語る部分になる2D部分にしても、せっかく宇宙から飛来してきた異星人がいたり、他の惑星から移住できるような技術があったりするはずなのに、その設定があまり行かせていなのも残念なところ。

ゼノギアスみたいな壮大で抜かりのないストーリーに化けそうな部分もあるのに、ストーリーが練り切れてなかったし、ゲームとしての面白さ、切れ味が洗練されていないのも残念なところ。

名作になれなかった迷作

3Dフライトシューティングっぽいやつと、クソゲーにありがちなデカいキャラの2DマップのRPG風、高品質なアニメーションとか、色々詰め込んだけど詰め方が甘かった残念な作品だと思う。

ゲームとしてのバランスを整えながらリメイクすれば大作に化ける素養もあると思うけれど、ゲームとしてはイマイチなので、いっそアニメーション作品にした方が魅力が伝わりやすかったのではないかと思う。

でも、設定的にはラピュタ+紅の豚と、そこいらのSF作品の融合だから、アニメーション作品としては出せなかったのかもしれないけれど。