
シャンゴは群馬中にあるが群馬県庁近くのシャンゴ
各地を旅して思うのは、観光名所よりも日常の風景から、その土地が何に力を入れているのかがわかることが多いということだ。
駅前の空気、道路の広さ、役所の使われ方。今回の群馬への旅は、シャンゴ風パスタとぐんまちゃんという、ある意味わかりやすい2点に全振りされた群馬県の今の姿を、歩きながら確認する旅になった。
まぁ、実際には新潟旅行の帰りで、切符代が勿体ないという理由からの途中下車であり、通過点に少し足を止めただけ。だが、結果的に群馬という土地を過剰に美化せず、素のままの群馬を見ることになった。
シャンゴ風パスタという群馬の魂

パスタに見えない一品料理の佇まい
午後3時。遅いランチとも、早いディナーとも言えない。マダムのティータイムの時間だ。
群馬に降り立った最大の目的は「シャンゴ風」パスタだった。もちろん、向かったのはシャンゴ。価格は1,250円。

マジな話、今までの人生で食べたパスタで一番美味しいかもしれない
ミートソースにトンカツが載ったパスタと言えば、北海道は釧路のスパカツがある。だが、皿が運ばれてきた瞬間、むしろ根室のエスカロップを思い出させる上品さがあった。実際に口にしても、釧路のスパカツとは方向性は全く違う。
圧倒的なボリュームと鉄皿の熱さで押し切るスパカツに対し、こちらは麺150gを基本とした、質で勝負するパスタだ。スパカツというより、エスカロップに近い一品料理。群馬=榛名山=頭文字Dという、雑な群馬のイメージをあっさり修正してくる。
ちなみに、事前にGoogleで調べたところ、GoogleのAI概要には「支払いは現金のみ」と表示されていた。念のため、郵便局に寄って現金を用意したが、さすがクソAIらしく、実際には普通にクレジットカードが使えた。

店内はオシャレ路線だが、肩肘張った感じはない。
時間帯的にマダムだらけかと思いきや、外回りのサラリーマンが寛ぐ姿の方が目立った。観光客向けというより、群馬に自然に溶け込んだ店という印象だった。

食後、ここに載せるために店の外観を撮ろうと道路の向こう側に立ったが、車が全く途切れなかった。常に流れ続ける群馬ナンバーの車列。結局、10分ほど待ってようやくシャッターを切れた。車社会の群馬では人より車が主役なのだ。
群馬県は「ぐんまちゃん」に全て振り切る覚悟
シャンゴを後にして群馬県庁へ向かう。高層階の展望台は無料で開放されており、観光施設というより「ついでに来ていい場所」という距離感が心地いい。
かつて展望フロアに入居していて群馬県民に愛されていた某料理屋が、官民なんたらプロジェクトのスペース拡大の都合で一方的に立ち退きさせられたという悲劇の張り紙があった。よくわからん官民なんたらよりも、愛され料理屋の方がそこにあるべきだと思った。

群馬県全体のジオラマ
26階には以前からあったか不明だが、群馬県の地形を再現したジオラマが設置されていた。
正直なところ、「なるほどわからん」と理解する前に通り過ぎてしまった。窓から見える風景の広がりのほうが、よほど雄弁だった。

大量のヒドリガモが優雅に泳ぐ
群馬が誇る高層建築である群馬県庁の周辺にはヒドリガモが大量にいた。
東京ではもちろん、埼玉でも見た記憶がない種類のカモで、良い環境を選別するカモだという。しかし、群馬では完全に定着している。
鳴き声は甲高く、ピーピーという音が常に響いていて静かではない。人工的な高層建築とは対照的で、妙に野生寄りの環境が残っている。

すでにファミリーを形成しているぐんまちゃん一族
高層建築の建物に隣接している小さな昭和庁舎という建物には、できたばかりの「ぐんまちゃんのひろば」がある。

シャンゴでまったりしていたせいでイベントには間に合わず
グッズとかの展示や販売の施設かと思えば、実態は子供向けの着ぐるみイベントが主軸らしい。平日の後半や週末にイベントをやっているという。

ずいぶん「ぐんまちゃん」に金かけている気がしないでもない
屋外には「ぐんまちゃん」のモニュメントがあった。
かつて、ここには普通に「群馬県庁」と書かれていたモニュメントがあったはず。ご当地キャラブームが過ぎ去った今、この振り切り方は清々しい。これが群馬県民の総意かどうかはわからないが、少なくとも「迷ってはいない」ことだけは伝わってくる。
途中下車の旅先としてのグンマー
今回の群馬は目的地ではなく通過点だった。
シャンゴ風パスタや、ぐんまちゃんへの振り切り方、そして県庁周辺に定着したヒドリガモの騒がしさまで、すべてを距離を保ったまま見られた。
ぐんまちゃんと官民プロジェクトへの振り切り方が最適解なのかと言われれば微妙だが、行政の中心と日常と自然が雑に同居している感じは、他県の県庁所在地ではあまり見ない。
また群馬に途中下車する理由ができたら、その時は特別な期待を持たずに歩くのが正解だと思う。










