ジンギスカン

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ジンギスカン3大聖地「信州新町ジンギスカン街道」のジンギスカンを北海道人が食したレビュー

日本にはジンギスカンを名物とする地域がいくつかあるが、個人的には500万人以上がジンギスカンを常食している北海道全域、岩手県遠野市、長野県の信州新町を3大聖地としている。

今回はかねてより食してみたかった「信州新町ジンギスカン街道」で売られているジンギスカンを北海道人の目線でレビューがてらに味わってみたい。

信州新町のは漬け込み式ジンギスカン

信州新町の道の駅で売られているラムとマトン

今年の初め頃に岩手県遠野市の有名店とされる店で当地のジンギスカンを食べたが、遠野では北海道でいうところの主に札幌や函館などの地域で食べられているタレを後付けするジンギスカンであった。一般的な焼肉などと同じく、焼いてから個別にタレを付ける方式である。山形など北海道以外でジンギスカンを名物としている地域も、この後付け式が主流のようである。

対して、なんと信州新町のはタレが予め肉に漬け込まれている漬け込み式ジンギスカン。北海道では札幌や函館以外の地域では広く主流として食べられているタイプだ。

私が3歳の頃から食べ続けて慣れ親しんでいるのも漬け込み式ジンギスカンであるから、親近感が非常に沸く。後付け式が「ジンギスカンにあらず!」とまでは思わないものの、ジンギスカンのあるべき姿は漬け込み式であると思う。死ぬ前に何か一つだけ好きなものが食べられるとしたら、漬け込み式ジンギスカンを選ぶつもり。

今回用意したのは2種類。写真中央の「特製」と書かれているマトンが210gで680円の品で、写真右側のラムが250gで800円の品である。

北海道のスーパーだと松尾ジンギスカンとかの「ブランドもの」を別すれば、もう少し安いことが多いから、ちょっと高い感じはするけれど、逆に北海道の「ブランドもの」よりは安いから、まぁこんなものか、という印象。

家庭料理らしくフライパンで作る

私にとってのジンギスカンとは、完全なる家庭料理である。

肉じゃがとかカレーなどと全く同じ並びにジンギスカンがある。店で食べるジンギスカンは「ジンギスカンにあらず!」とまでは思わないけれど、家庭で調理して食べるジンギスカンが本流だと思う。

北海道のよりタレが少なくてゴロッとしている

3歳の頃から食べなれているから、フライパンに投入した瞬間に違いが明白になった。

北海道で一般的な漬け込み式ジンギスカンに比べて、タレが凄く少ない。肉に漬け込まれているタレ以外は全くタレがないのである。

これはおそらくだが、信州新町のジンギスカンは「焼く」タイプのジンギスカンなのではないだろうか。パッケージの裏面を見ると「お好みで季節の野菜と一緒に・・・」みたいに書かれているけれど、北海道の漬け込み式ジンギスカンみたいに煮込む要素は少ないのかもしれない。

あえて北海道のジンギスカンと全く同じように作る

とは言っても、過熱すると肉からタレや油が出てきて、意外とタレの量に困ることはなかった。

北海道の漬け込み式ジンギスカンと同じように、野菜とうどんと豆腐を入れて作ると、ほぼ北海道のと同じような見た目にはなった。

味は北海道のより濃厚

タレの味が濃い目なのが信州新町ジンギスカンの特徴

完全に個人の感覚だけど、信州新町ジンギスカンの特徴はタレの味が濃厚なのである。

北海道のジンギスカンだと作り方やモノによってはタレの味が薄味気味だったりすることもあり、自分でベル食品のタレをかけてみたり、一味唐辛子を加えてみたりするけれど、北海道な比べるとかなり濃厚だ。野菜の量で水気を増やすと変わってくると思うが、濃厚な味のように感じた。

一般的に濃厚な風味とされるマトンを先に食べて、そのあとに一般ウケしやすいラム肉を食べたが、ラム肉は北海道の漬け込み式ではあまり食べたことがないようなゴロッとした肉肉しい感覚があった。

少し水を加えて調理すると大体、北海道のと同じ感じになったが、北海道のはタレの中に肉が存在しているという印象なものの、信州のは肉肉しさを重視しているようにも感じ、より焼肉的なものをイメージしているようにも感じた。

よくよく考えると、ラーメンとかと同じく、ジンギスカンにも「地域性」があっておかしくないわけで、北海道のジンギスカン、遠野のジンギスカン、信州新町のジンギスカンと、それぞれに独自発展したと考えるのがよいだろうか。

とは言っても、最近は近所の某ディスカウントスーパーでジンギスカンを置いてくれなくなったので、イオンのを買うのもプライドが削れるし、近所のスーパーで信州新町のジンギスカンが売られているなら喜んで買うと思う。

ジンギスカンがもっと世間一般で食べられる料理だったらいいのにと思う。最近、道外では手に入りづらくて困る。

信州新町ジンギスカン街道へのアクセス

今回は家庭で食べるジンギスカンとして比較したかったので現地には行けていないが、ドライブがてらに行くような場所なので、公共交通ではあまりアクセスはよくとは言えない。長野駅までは新幹線で行けたとしても、2時間に1本くらいの路線バスで片道1150円くらいで行く感じのようだ。

老舗や人気店みたいのがあって、人気店だと開店前から並んだり結構大変らしい。長野駅の近辺に店があるといいんだけどね。

グルメ

軍用がルーツの万能調理器具「メスティン」で作るジンギスカンのレシピ

俺が人生で今もっとも感銘を受けているのはメスティンという、一般人にとってはキャンプなどのアウトドアで使う調理器具である。

メスティンはヨーロッパでの軍隊にルーツがあり、100年以上前から存在しているという。

日本語では飯盒(はんごう)と呼ぶから飯盒という名称のほうで知っている人もいるかもしれない。

メスティンは和食から洋食、デザートまで何でも作れる

メスティンは基本的に寿司以外の料理はほとんど何でも作ることができる。

某クックパッドで検索すると炊き込みご飯系はもちろん、パスタにラーメン、カップケーキなどのデザート系、そして俺には理解できないような料理まで、この世に存在する大抵の料理は工夫次第で作ることができるようだ。

メスティンでジンギスカンを作る

人口の多い東京圏および本州寄りの内容だから、某クックパッドには紹介されていなかったが、ジンギスカンももちろん作ることができる。

札幌式に近い岩手県の遠野式ジンギスカン

そもそもジンギスカンは地域差が色々あって、大きく分けると北海道、遠野(岩手県)、信州の3つがあると思う。

その中でも北海道は広大なので、北海道の中でも地域差や家庭ごとの違いというのがある。

食べる時にタレをペロっと付けるのが札幌式や遠野式のジンギスカン

東京圏などの本州の観光客がイメージしているジンギスカンは、圧倒的に焼き肉のように生のラム肉を焼いてタレを付けて食べる札幌式のジンギスカンだと思う。

それ以外のジンギスカンはイメージされることが少ないと思うし、ジンギスカンには豚肉のジンギスカンもあるけれど、ジンギスカンの臭みが苦手と言っている本州人が某知恵袋にいたから、ジンギスカン=羊肉しかないというイメージも世間的にはあることだろう。

札幌圏以外はタレに漬け込んだ煮込み式ジンギスカンが主流

北海道の漬け込み式ジンギスカン

焼肉ってなると、さすがにメスティンじゃ厳しいのではと思うかもしれない。

ところが、焼肉方式なのは広い北海道においては局所的であり、札幌圏の金をワンサカ落としてくれる金の卵みたいな観光客相手の店くらいなものなのである。

田舎のダサい料理じゃ、金は稼げない。年に一度か二度しか来ない旅行者の財布をすっからかんに吸い上げるには、都会のナウいジンギスカンが最適である。日本最南端と思われる沖縄の石垣島で見かけたジンギスカン屋も、おそらく札幌式だったと思う。

札幌以外の北海道の大半の地域では、タレと一緒に肉と野菜、人や家庭によっては豆腐やうどんを入れて煮込む方式の方が一般的なのだ。

いや、正確には極めて主観的に言っているから、人と家庭によるので札幌式とそれ以外の2つしかないというわけでもない。

煮込み料理であればメスティンが得意とする主戦場であり、メスティンがあればジンギスカンが作り放題なのである。

100均のアイテムだけで調理器具が揃うのも素晴らしい

急に野外でジンギスカンを食べたくなった場合などに重宝する。

最近は日本全国どこの田舎でも、人口1万人以上の街なら大抵は100円ショップがあり、そのうちの大抵の店にはメスティンや簡易五徳、固形燃料とライターが売られている。

まともなアウトドアブランドで揃えると結構金が必要だと思うが、100均アイテムだと1千円くらいで全部揃う。軍資金が少なくとも問題がないことが多い。

しかも、軽くて持ち運びが楽というオマケもある。登山とか徒歩キャンプだと、むしろこっちが重要な場合もあるし。

ガスコンロとかまともな調理器具だと、キャンプ用でもなんだかんだで結構嵩張ることが多いが、100均の固形燃料は燃えてしまえば持ち運ぶ必要すらない。

急にジンギスカンやアウトドア調理がしたくなった場合に備えて、メスティンのことは覚えておいて損はない。

旅モノ

【岩手県遠野市】北海道出身者がジンギスカンを食べに20年も憧れ続けていた遠野に行ってきたぞ

JR遠野駅。新幹線の新花巻駅から釜石線のほか、盛岡から直通する快速もある

私は北海道で生まれ育ったが、北海道では毎週末は必ずジンギスカンを食べる。週末じゃなくても何かあれば必ずジンギスカンを食べる習慣があるのが北海道だ。

極端な話、ジンギスカンがないと生きていけないし、生きる価値がないと思うのが北海道出身者である。少なくとも私は。

10年前だったか20年前だったか正確には忘れたが、地球には北海道以外にもジンギスカンを日常的に食べる地域があることを知った。

それが岩手県の遠野市というピンポイントな地域なのである。

岩手県は北海道の次に面積が大きいので広大な地域と言えるが、岩手屈指の大都会である盛岡市では盛岡冷麺とじゃじゃ麺というものが主に食べられていて、ジンギスカンの店など目にしないことから、岩手全域でジンギスカンが食べられているわけではないのだろう。

遠野のどこでジンギスカンを食べるのかが問題

私にとってはジンギスカンは北海道のド田舎なローカルフードだから、本州の都会人がジンギスカンを日常的に食べているとは信じがたい。

遠野の観光協会のサイトを見ると、確かに食事処のページにジンギスカンの店が何店舗か紹介されている。

ジンギスカン事情を探るのも兼ねて、北海道生まれで遠野にジンギスカンをわざわざ食べに行くという趣旨を説明して、観光協会にオススメの店を紹介して貰うことにした。

しかし、駅から徒歩で向かうという条件があったからか、駅から一番近い店を紹介された。

聞いておいてアレだけど、事前調査では遠野で一番の老舗という「じんぎすかんあんべ」の方が気になっていたのと、中心市街ではないが駅からも歩けるし、大きい店のようで入りやすそうだったから、結局、あんべに行くことにしたのである。

雪が舞う中、じんぎすかんあんべに向かった

精肉店にレストランが併設している感じ

雪が舞うし、1年以上ぶりの雪道を歩く。めずらしく去年買った雪道用の靴を履いているから何でもない。

この日、関東は最高気温14度だったが遠野は2度くらいだった。寒いだろうと思って北海道に行く時用の防寒態勢で来たが、さすがに北海道に比べるとかなり暖かいので、歩くと少し暑くなってしまった。

15分くらい歩いて目的地のあんべに到着。

地元で言うとミートパビリオンと同じタイプで、精肉店にレストランが併設している店である。

景色もそうだし、段々と北海道にいるような気持ちになってきた。

普通にジンギスカンを食べている人たちがいて驚いた

マトンのジンギスカン定食は税込1380円だった

新幹線が遅れたせいで在来線に乗り継ぎできなくて、遅めのランチタイムというのもあったけれど、店内に入ると地元の人が何組かジンギスカンを食べている!!

一瞬、私を驚かせるために用意された役者なのではと思ったが、そんなこともなさそう。

ぶっちゃけ、北海道でも観光客を別にすると、ランチではジンギスカンはそんなに食べないよ。特に自分で焼いて食べるやつは。ジンギスカンへの愛情表現が違うのかもしれない。

ここのメニューには、ジンギスカンのランチ定食というのがあるが、ジンギスカン鍋で自分で調理する本格的なタイプ。40~50代くらいの地元の人たちが2組と、あとから家族連れがやってきた。1人でジンギスカンランチをしている人もいるし、ごく普通に遠野の人はジンギスカンを食べるというのが驚きであった。

遠野のジンギスカンの味は北海道とは違った

言うほどジンギスカン鍋に慣れていないが北海道人のプライドで焼く

ジンギスカン鍋で自分で焼くのは、すんごい久しぶり。記憶の範囲では14年ぶりなので緊張するが、北海道人のプライドとして絶対に失敗はできない!!

自宅はIHコンロ(最近は火災防止で安い賃貸物件でもIHが多い)だというのもあるし、私が食するタレを予め漬け込んだ漬け込み式だとフライパンの方が調理しやすかったりするし、人によって主義主張があるから異論は認めるけど、個人的にはジンギスカン鍋は普段は使わないのだ。地域によってはタレでぐつぐつと煮込むジンギスカンもあるし。

普段、何かにプライドを燃やして闘うというのは滅多にないが、こればかりは話が違う。無駄に早起き(というかほとんど寝れなかった)して遠路はるばる夢にまで見た遠野にまでやってきて、ジンギスカン鍋から野菜を落とすとかあり得ないけど、もやしを1本だけ落としてしまったのは、ここだけの内緒にしてくれ!!(笑)

北海道のジンギスカンと言っても地域によって違うのだけど、田舎に多い漬け込み式と、札幌などの都市部や観光客向けの店に多い後付け式がある。

遠野のジンギスカンはタレを後付けするタイプで、北海道で言えば札幌風のジンギスカンとなる。

タレが北海道の平均的なジンギスカンのタレとは違う

私のジンギスカンの基準が田舎の漬け込み式なので、札幌風はそんなに知らないのだけど、遠野のジンギスカンを食べた感想としては、マトン焼肉を食べているイメージだった。

マトンという肉の種類もあって匂いは強め。ジンギスカンが好きな人は独特の臭みを好む人が多いし、私も北海道出身だからジンギスカンという感じがしていいと思うけれど、漬け込み式にはあまりこの匂いはない。

肉は私がイメージしている北海道のジンギスカンより厚切りで、歯ごたえが結構ある。自家製というタレはピリ辛な感じがあって、北海道のジンギスカンで食べるような甘ったるいフルーツっぽいタレとは少し違うなと思った。

これはこれでおいしいけれど、逆に北海道のジンギスカンと違ってよかったなぁ、という気がした。

ちなみに、北海道の地元精肉店で食べるジンギスカンランチはこんな感じ。

北海道の漬け込み式のジンギスカン

全然違うでしょ。全国の北海道以外の人のイメージとも違うかもしれない。

遠野の人も「こんなのジンギスカンじゃない」と思うかもしれないけれど、北海道の田舎の方では店で食べるのもこんな感じのジンギスカンなのだ。

家で食べる場合は家庭にもよると思うけど、我が家では豆腐とうどんが入っている。

遠野など北海道以外でジンギスカンが食べられている理由

北海道を旅した先人がジンギスカンの味を気に入って地元に広めたという理由であって欲しかったけど、羊を多く飼っていた地域だったというのが理由らしい。

北海道の場合は当時の国の方針で羊を多く飼っていて肉も有効活用しようみたいな話だったと思う。長野県のジンギスカンを食べている地域も同じく羊理由らしい。

ジンギスカンの料理としての起源自体は中国にあって、戦前に日本陸軍が満州に進出したことがきっかけで日本人向けにアレンジした上で日本に伝わったという説が有力だが、名称や起源など素性については明確にはなっていない謎な食べ物でもある。

遠野へのJRでのアクセス方法

遠野には東北新幹線の駅はないので、東北新幹線の新花巻か盛岡からアクセスする。

今回は「キュンパス」という新幹線乗り放題切符を使ったが、キュンパスについては別記事にした。

新花巻から遠野にアクセスする場合

新花巻駅の外観。ぎりぎりで乗り換えは不可能かつ、待ち合わせしてくれない

快速「はまゆり」で40分程度。私が乗った時は3両編成で、1両は指定席だったけれど、自由席も北海道のローカル線に毛が生えた程度の乗車率だった。雰囲気は北海道でいうと釧路から厚岸や根室に向かう花咲線を彷彿とさせたかな。

普通列車もあるけれど、快速と合わせても1~2時間くらい間が空く場合もある。

新花巻駅は結構いわく付きの駅なのだけど、経緯としては東北新幹線が花巻市に駅が設置されない方針だったことを地元が激怒して、住民運動などを経て地元負担で作られたのがある。

新花巻駅も花巻市街からは離れた場所で、新幹線と釜石線の乗り換えだけの駅という印象が強い。駅前風景も地方の空港みたいに、広い駐車場とレンタカー屋があったり、ポツンと土産物屋があったりする。

新幹線の駅舎と在来線の駅舎は一応連絡通路はあるものの、乗り換え時間は最低5分はみておいた方がよいだろう。乗り換えアプリでも5分とあった。

この乗り換えは結構ネタになったりするみたいだけど、東京駅と大手町駅の乗り換えの方が複雑で長距離だし、東北新幹線の小さい駅は在来線がかなり離れていることが多いのでネタってほどでもないかな。

あんまり乗り継ぎを考慮したダイヤにはなっていなくて、元々7分しか乗り換え時間がなかったけれど、新幹線が15分ほど遅れたせいで在来線も待ってはくれてなくて乗り継ぎできなかった。

盛岡駅からアクセスする場合

快速「はまゆり」が新花巻経由で遠野に直通する。盛岡から新花巻は30分程度。ちなみに新幹線だと10分で移動できる。

時間帯によっては盛岡から快速でアクセスした方が便利かもしれない。