コネタ

【映画】『幸福の黄色いハンカチ』は北海道映画の最高峰だと北海道出身者が絶賛する理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

1977年の日本映画『幸福の黄色いハンカチ』(しあわせのきいろいハンカチ)は、北海道を舞台にした映画の最高峰であると考える理由を北海道出身者の目線で述べてみようと思う。

タイトルだけは聞いたことがあっても古い映画だし、邦画自体をあまり観ないという人もいるだろうし、筆者を含む昭和後期以降に生まれた人の中には、意外と観たことがないという人も多いのではないかと思う。

極力ネタバレなしで書くが、まっさらな状態で観たい人は注意。

東京-釧路を結んでいたフェリー「まりも」が登場する

幸福の黄色いハンカチが映画初出演となる武田鉄矢が新車と共に、東京から北海道の釧路へ向かうために乗り込んだのは、今は無き「まりも」というフェリー。

「まりも」は1972年に近海郵船が釧路~東京・有明を約30時間で結んだフェリー。船や運航体制が変わったりしながら、1997年には十勝港にも寄るようになるものの、1999年には廃止。現在に至るまで、東京と釧路を結ぶ旅客船は運航されていない。

現代では東京圏からフェリーで北海道に向かうには茨城の大洗から苫小牧に向かうルートになるが、道東方面に向かうフェリーがあった時代が羨ましい。東京の港からだと房総半島をぐるっと遠回りしないとならないなら時間がかかるのがネックなのと、高速道路の開通など需要の低下が廃止の理由だろうか。

今より栄えていた時代の北海道の各都市が見れる

『幸福の黄色いハンカチ』はいわゆるロードムービー。旅がテーマになっているので北海道の各都市の情景を見ることができる。

釧路は現在では中心部の廃墟ビルがネタとして取り上げることも多いというが、現在の釧路とは比べ物にならないほどの中心部の人混みを見ることができる。人混みはエキストラかもしれないが、商業ビルの看板や街並みが都会的すぎて、かつての栄えていた時代を感じさせる。

この映画が作られた頃は北海道旅行ブームの最中だったと思うのだけど、北海道に行くことや、オホーツク海を見るのが夢だという東京人が多かった時代背景なども感じさせる。

高倉健が美味しい所を全部持っていく展開が熱い

北海道の人は高倉健に憧れていることが多いが、前半~中盤にかけては武田鉄矢が演じる男性がストーリーの中心であるものの、徐々に高倉健が美味しい所を持っていく展開となっている。

高倉健が主演の『網走番外地』では網走刑務所が舞台になった関係で、今でも網走の道の駅では高倉健の大きなポスターが貼られているほど。

北海道や特に網走地方では、高倉健はスーパースターとして扱われているのだ。

登場人物が少なくシンプルでわかりやすい展開

昭和の日本映画というと、ジメジメした人間関係の長ったらしい描写や、今だったら何らかの規制に引っ掛かりそうなほどの痛々しい暴力描写があって嫌だと言う人も多いことだろう。

しかし、『幸福の黄色いハンカチ』では主要な登場人物は4人だけ。明解でわかりやすい、シンプルなストーリーとなっている。

ハリウッド映画のごとく、数分おきにトラブルが起きたり、コントのようなギャグ描写があるるので、退屈せずに全篇通して観れるのが魅力。

カラーで観れるしデジタルリマスター版もある

高倉健が出演している初期の網走番外地シリーズはモノクロだが、『幸福の黄色いハンカチ』はカラーで撮られている。

しかも、現代的に画質を向上させたデジタルリマスター版まである。

色鮮やかに1970年代の北海道の情景を感じられる作品となっているので、北海道に縁のある人や高倉健のファンは手元に置いておきたいものだ。

「黄色」という色に張られた伏線

意識して観ないと気づかかないレベルの伏線があるという。

主人公らが乗る車のファミリアは赤色だし、出演者はカラフルな服装なものの、黄色だけは別格扱いなため、ストーリー上の意味がある場面でしか出てこない。

高倉健の回想シーンであったり、終盤の黄色の追い越し禁止ラインであったり、タイトルにもあるくらいな「黄色」はこの映画で重要な意味を持つのだ。

武田鉄也のアドリブシーン

共演者がベテラン揃いだが、出演当時は新人俳優であった武田鉄矢がアドリブで熱演して監督に驚かれたシーンがあるという。

それはご機嫌を取るべくして、皆でカニを食べるシーン。

元々の台本では監督は自身が書いた脚本に納得がいかなかったものの、武田鉄矢がアドリブで故郷の話をしたら監督からすぐにOKが出たという。

原作のピート・ハミル『黄色いリボン』について

映画でも原作として記載されているピート・ハミル『黄色いリボン』は、1971年にニューヨーク・ポスト紙に掲載されたコラム形式の短編小説。

日本では『ニューヨーク・スケッチブック』という文庫本で読むことができる。6ページほどの短い話である。

アメリカでは発表後にドラマ化されて、別の人が曲にして大ヒットしてピート・ハミル氏が訴訟を起こしたりもしたが、大切な人の帰りを黄色いリボンやハンカチで迎える習慣は昔から普遍的なあるものとして、訴訟は取り下げられたという。

日本映画の『幸福の黄色いハンカチ』は曲や小説が元になっているものの、日本や北海道が舞台というわけではない。刑務所帰りの夫を妻が黄色いリボン、ハンカチで迎えるという部分が共通しているというくらいで、それ以外のドダバタなストーリーはオリジナルなものである。

【PR】ABEMA 14日間の無料体験

ニュース番組やアニメをはじめ、ドラマ、音楽、スポーツ、オリジナル番組など多彩な番組が楽しめる約20チャンネルを提供!

オリジナルバラエティ・ドラマ・音楽番組が5000以上! あなたが見たい番組がきっと見つかる!!

無料体験はこちら