この世には作曲の入門書が溢れている。
しかし、大抵の場合において「やさしい」とか「猫でもわかる」と書かれているような作曲入門書を読んだところで、きっと作曲できるようにならないであろう。
なぜなら作曲は実技科目であるから
いくら座学を一生懸命に頑張ったところで水泳やスキーを覚えられるわけがないのと似ている。
楽器を鳴らしたり、PCに打ち込んだり、五線譜を書いたり、色々やりながら体で覚えていくものである。
しかも、現代においては作曲方法は様々。楽器が全くなくてもPCのマウスだけで名曲を作ってしまうエスパーみたいな人もいる。
世界一やさしいと謳いながらも、どういったテクノロジーやアプローチで作曲するのかに言及しない入門書なんかは謎に感じる。
水泳を習うはずが中華料理を覚えてしまった・・・というチグハグな状況になってしまうのはまだいいが、何にも身に付かない入門書というのも多いことだろう。
出来るのと教えるのは全く違うから
作曲の本を書くくらいの人だったら、作曲や音楽活動に少なくとも1万時間以上は費やした人間であると想像できる。
だが、仕事のできる人が教えるのも上手いかというと、必ずしもそうとは言えない。
しょうもない先輩や上司が付いたばっかりに、仕事の要領が掴めずに早期退職した経験がある人もいることだろう。
教える側はその道のプロだから十分理解しているけれど、それがセンスも基本もないズブの素人にわかりやすい説明かという保証は微塵もない。
きっと参考になるのはレビュー
そもそもレビューが少ない入門書は売れていないか、レビューするに値しないものなので除外した方がいい。
レビューが沢山あっても星の数は主観だから鵜呑みにしないほうがいい。
具体的に自分と同じ程度の初心者が成長している様子がわかる記述が多くあれば、それはきっと良本であるとと判断できる。
昔の本をタイトルを変えただけの新刊には注意
ゲームなんかでも次世代機でリメイクばかり作られる昨今だけど、本の世界でも昔の書籍をタイトルだけ変えて新刊に見せかれる手法が取られることは多い。
本もゲームも中古が出回ったところで出版社や著者は懐が潤わないからだろう。
新しい本を一から企画するよりも、売れなかった昔の本のタイトルを変えたり、微妙に内容を変えて新刊に見せかけた方がコスパがよいのだ。
売れている本だったら単に増版するだけなものの、タイトルを変えた新刊に見せかけた入門書は何の役にも立たないことが多い。
なぜだか作曲関連の本はそんなエセ新刊が多い気がする。