スピーカー

コネタ

【追悼】20年使ったBOSE214というスピーカーを分解してみた

20年以上使ったBOSE214というスピーカーを追悼した話。

このスピーカーとの付き合いは長くて、実家にいた頃から使いだし、その後、進学や就職、転職で計3.000Kmくらい引っ越しても使い続けていた。そんな人生の半分以上も一緒に過ごしたスピーカーの追悼のために、この記事を書くことにした。

Bose214とはどんなスピーカーか

1996年に発売された定価4万5千円だったスピーカー。低域用に16cmコーン型ウーファー、高域用に5.1cmコーン型ツイーターを搭載している。ボーズ博士のダイレクト・リフレクティング理論を基にしたスピーカーで、ウーファーは正面向き、ツイーターは斜め前方に付いているのが特徴。314という背面向きにもツイーターがついた上級機種もあるが、小型スピーカーではなくなるのと、背面の反射スペースほ考えると設置場所が限られることから、214の方が使いやすい・・・はず。

ちょっと音質に拘りがあるような広い店舗とかの天井に吊るされていたこともあるが、部屋でオーディオ観賞用として使ってもOKなスピーカー。音の傾向は低域から高域までソツなく鳴らすタイプ。

ツイーターの配置が正面ではないので、あまりリスニングポジションを気にすることなく、部屋のどこにいて心地よいサウンド空間を体感できるスピーカー。それほどキレはないが、たっぷりめの低域で部屋全体を満たし、耳障りのよい、Boseにしては繊細な高域を鳴らすツイーターで、独特の心地よいサウンドを鳴らす。

得意ジャンルはポップス、ロック、テクノ系、ジャズ、ピアノソロ、クラシックなどの順番。Boseの他のスピーカーみたいなギラついた感じがない高域なので、割とどんなジャンルでもこなせる。

214の後継機は201V

後継機は2003年から発売の201Vというスピーカー。買い替えを検討していた時に201Vを一時所持していたことがあった。

しかし、同じコンセプトのスピーカーの割には214と201Vは音の傾向が結構違った。

214の低域は擬音にすると“ぼわっ”、“ぷぉーん”というような柔らかめの低域。それが201Vではもっとシャープで切れ味のある一般的なスピーカーに近い低域になっていた。エージング進むと変わるのかもしれないが、少なくとも購入直後にはそんな印象を持った。

ツイーターもツイーターで、201Vはシャリシャリと現代的なデジタルっぽいサウンドに対応するような音質に変わっていた。これもエージングで変わるかもしれないが、214とは意外と音の傾向が違ったのである。そんなこともあって、201Vは早々に手放したのであった。

214を処分するに至った経緯

なぜそんなお気に入りだった214を分解、処分するに至ったかというと、

・このところDTM趣味などでモニター系のスピーカーを使うことが多くなり出番が減っていた

・アパート住まいなので低域中心の音作りの214は本領発揮できない

・古くなっていてエンクロージャーが膨張し、隙間ができたりしていた

・単に部屋が狭くなってきて雰囲気を変えたかった

などの理由があった。

中古やネットオークションなどで売ることも考えたが、東日本大震災で派手に転倒して外観やユニットが傷だらけだったり、エンクロージャーがダメになってしててジャンク品としてしか売れそうになかったのである。そもそも、こんな古くて101系とかに比べたらマイナーで割と場所をとるスピーカーを欲しがる人は限られていると思った。

それに、20年以上使ったスピーカーだから、自分の手で最後を見届けたいというか、自分で処分したいと思った。これに尽きるだろう。

214を分解してみる

アンプも内蔵していないし、構造的には単純な作りのスピーカー。

エンクロージャーが20年の歳月で湿気を吸ったりして膨張、隙間ができているので、ここにマイナスドライバーを差し込めば何も考えずに分解できる・・・。接着剤とかで補修もできるのかもしれないけど、20年使ったらもう十分でしょう・・・。木で出来たスピーカーのエンクロージャーは接着剤でくっついているだけのことが多い。

エンクロージャーを開けると写真の右奥に転がっている綿みたいな吸音材が入っていた。接着剤の付け方も吸音材も、アメリカ的なザックリした感じ。

ウーファーとバスレフポートの間に入っている感じ。

あまり電気的なことはわからないが、ツイーターの裏当たり、スピーカー接続端子のところにNichiconという日本メーカーのコンデンサ(?)らしきものがあった。nichicon bp-pという電解コンデンサー。電気製品にはなくてはならない重要な部品だという。Boseのスピーカーの重要部品が日本製だったのね。これは知らなかった。

今から中古で214を買うとしても、よほど使用環境が良くないとエンクロージャーが膨張してたり、似たような症状になっている気がする。オンキヨーのスピーカーとかだと、ウーファーのエッジがボロボロになったりするけど、Bise214はウーファー、ツイーターは問題なくて、エンクロージャーがダメになる。

似たようなスピーカーが欲しいなら201Vかな?

結構違うけど、似たようなダイレクト・リフレクティングなスピーカーが欲しい場合は、後継の201Vが選択肢になると思う。広めの部屋でボリューム上げて聴ける環境なら、なかなかテンション高めのスピーカーなのでオススメ。

数年前までヨドバシとかの店頭で見かけた気がするけど、今ネットで調べたら販売終了になっていた。探すなら201Vでも中古になるのかな。

というより、2017年くらいからBoseはスピーカー単体の販売をやめているらしい。セットのスピーカーとか、Blutoothスピーカーとか、ノイズキャンセリングヘッドホンとかに注力しているみたい。

まぁ、214とか201Vとかみたいに4~5万くらいだと、今どきは他のメーカーのハイレゾ的な高音質な小型スピーカーが買えたりするしね。こういう場所も取るうえに、ゴテゴテした音質のスピーカーはやっぱ売れないよねぇ・・・。