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ソニーの5万円もするWH-1000XM5というヘッドフォンを試聴したが率直にカスみたいな音質だった件

画像はヘッドフォンの参考イメージ

1年に1回くらい、無性にオーディオ機器の音質が気になってしまうという厄介な持病がある。

アマゾンで試聴もせずに最新のオーディオ製品をポチりたくなる衝動を抑えながら、近所の某量販店で各所のオーディオ専門サイトなどで絶賛されていて、何基準かわからんけど、ランキング上位にあることの多いソニーのWH-1000XM5という5万円以上もする最新ノイズキャンセリング機能が付いたワイヤレスヘッドフォンを試聴してきた。

他にもランクが少し下の機種もいくつか試聴したけど、これがまぁ・・・、脳天に絶望感を覚えるほどにカスカスな音質だったことにびっくりしたのでござる。

一応言っておくが、ソニー製品が大好きなソニーマニアである。

実際に20年くらい愛用しているデジタルオーディオプレーヤーはソニーのウォークマンだ。

スマホ時代の今ですら、出先での音楽鑑賞はソニーのウォークマンというソニー大好き人間だから、決してソニーアンチの感想ではないし、ライバルメーカーの回し者(笑)でもないよ。

VGPとかオーディオ製品の賞が怪しい説

日本人というのは根本的に権威にめちゃくちゃ弱い。

自分がその分野について全く知識がなかったとしても、権威ある組織なり人物なりが「これは素晴らしい製品である」「卓越したデザインである」「味が優れている」などと表明すれば、おお、これはありがたい品物なんだな、間違いない! と一発で信じてしまう人が99%を占める。

例を挙げれば、優れたデザインの製品に付くとされる何たらデザイン賞やら、お菓子の権威である何たらセレクションなんかがあるが、オーディオ製品の場合はオーディオマニアしか読まない某オーディオ専門誌が主催しているVGPがそれにあたる。

話が脱線するからここには書かないが、昔いろいろと関わっていたけど、人材派遣会社の優良認定とか、プライバシーマークなんかも怪しい。

要は、金で権威に認定して貰うような類は日本社会の隅々まで蔓延っているのである。

VPGについては少し検索すればわかるからここには詳細は書かないけれど、他の分野の何たら賞と同じく、金を払ってエントリーすれば大多数が受賞するという金で賞を買う類のものである。

まぁ、日本人はとにかく自分の頭で考えないしし権威に弱いのは確かなことだ。コロナだからマスクしなさいと国が言えばマスクを買うために行列を作るし、マスクしなくていいよと国が言えばあっさり外すのが日本国民である。

自転車ヘルメットも努力義務になったからと権威に言われて被り出す人がそれなりにいる。原付バイク以上の高速走行をするスポーツ自転車ならともかく、ママチャリの一般的な走行速度である時速15Km前後で転倒したとしても、まず頭から落ちることなどないが、ヘルメットは無意味とは言わないけど意味がないことの方が多いの実際。

経験してみればわかるが、15Km程度で転倒すると胸や肩から落ちることの方が多いと思う。ヘルメットじゃ守れない。

受賞歴多数の製品はしょぼい説

日本人は自分の頭で考える人は1%に過ぎないというくらい権威に弱い。

そのため、メーカーは権威に評価して貰えるならば製品を良くすることに金を使うよりも、受賞して貰えることに金を注ぎ込むのである。一般的には賄賂というが、金で権威に評価して貰うのである。これは少なくとも日本においては一般的な商取引である。

御察しの通り、この業界構造において出来上がる製品はしょぼい品質かつ、権威からの受賞は多数という、使う側にとってはしょうもないカスみたいな製品だ。

よくオーディオ製品でVGPという何たら賞の受賞マークが付いていたりする製品があるけど、そんなものを製品の量悪の判断材料にしてはいけないのである。

音質という他人と共有しにくい感覚だから、お菓子とかデザインの賞とは比較できないくらいグレーゾーンがやり放題なのが、5万円以上もするヘッドフォンの音質がカスカスだという事象に結びついているのではないかと思う。

なぜ5万円以上もするのにWH-1000XM5はカスカスの音なのか

何たら賞の受賞は金が買えるようなものだから実際の製品の品質とは別問題だとしても、オーディオ関係のサイトなどでも同様に評価が高いのはなぜだろうと考えてみる。

これも日本人が権威に弱いことを利用していると思うが、オーディオ業界での勤務経験やオーディオの専門家であることを根拠にしてオススメしている場合は鵜呑みにしない方がいいのではないかと思う。

ヘッドフォンやイヤホンを含めて、オーディオ製品というのは極めて個人的な音の好みや音質に対する感覚を元にしているから、専門家がセールストークすれば素人は鵜呑みにしてしまうのである。オーディオ業界り権威からの言葉責めに言葉で対抗できる素人は少ないという仮説が立てられる。

なぜそう言えるかというと、現実問題としてWH-1000XM5を試聴する限り、受賞に値するような音質ではなかったし、権威が作ったランキング票通りの音質でもなかったからだ。

それは100均に売っているような音が出れば十分という用途に使う安いイヤホンと変わらないしょぼい音だった。こんなものでも金を払えばオーディオの賞が取れるのだから、世の中、自分の頭で考えたり自分の感覚で疑いながら歩いていくしかないのではないかと思う。

普段モニター系ヘッドフォンを使っているからという説

なんで世間の評価とは違ってこんなアンチみたいな評価になってしまうかというと、仮設として考えられるのは普段、拙者はDTMや音楽制作、動画系の仕事経験の関係もあって、モニター系のヘッドフォンを使っているからということも考えられなくはない。

それも超高級なものとかではなくて、1万円するかしないかのオーディテクニカのどっちかというば低価格帯、少なくとも普及価格帯の製品である。

モニターヘッドフォンとは、音楽視聴用にも使えるし、実際に筆者は視聴用として使っているけど、主にノイズをチェックしたり、楽器や音響のバランスをチェックする用途に向いた設計となっているヘッドフォンである。音楽スタジオなどでよく使われているし、個人で楽器やDTM、(本格的な)動画編集などをやっている人に使われていたりする。

対して、一般向けの音楽視聴用のヘッドフォンは低音を強調したり、空間に広がりを出したり、残響音を足すような色付けがされている。

原音に忠実なのがモニターヘッドフォンの使命であり、ベースはベースの音に忠実で、ドラムはドラム、ピアノはピアノの音、ボーカルはボーカル本来の音という、当たり前のことを当たり前にやっているだけである。

そんなモニターヘッドフォンの当たり前を日常的に聴いていると、世間で評価されている5万円台の最新ヘッドフォンがしょぼく聴こえてしまうのかな・・・なんて思ったりするけど、それにしても5万円のくせにしょぼすぎないかという疑惑はぬぐい切れない。

まことに不思議なことである。

ノイズキャンセリングもしょぼかった

最近でこそスマホ視聴が増えているから「ノイキャン」などと略されて言われるけど、ノイズキャンセリングって10年前から全く進化していないと思う。

オーディオ権威の説明と違って、実際にWH-1000XM5を装着してみるとノンキャン性能が低い・・・。

10年以上前に発売された当時の新品価格で1万円程度のソニーのウォークマンと付属ノイキャンイヤホンの方がずっとノイキャン性能が高いという。これには技術の進歩のなさにがっくりしたな。

それとも専用アプリで調整したりすればノイキャン性能がアップするのだろうか。

いや、そうだったとしてもメンドクセ~。

10年前のウォークマンだったら、何もしなくてもノイキャン性能は高いぞ。電車、室内、航空機とかの設定もあるし、いずれの場所でも静けさが訪れる。

ウォークマンはスマホ派が増えたせいでラインナップこそ減っているけど、今でも普通に売られている。中古でも良品を引き当てればよいけど、ホリュームやホールドボダンがダメになりやすい欠点がある。

ノイキャンなんかは10年前の時点で技術の頂点に達しているから、よい製品が廃れていくのは寂しい限り。

一般人のレビューでは最近になって、こういう数万円もするヘッドフォンやイヤホンで初めてノイキャンを経験したという人も散見するけど、ウォークマンでは10年以上前から低価格で当たり前に使われている技術だったりする。

ちなみに、ChatGPTよろしく、AI(人口知能)なんかも話題の最新技術というふうに世間には紹介されているが、AIはコンピュータの歴史が始まった大昔から存在している。

AIは何十年も前から存在している古~い技術である。子供時代に遊んだファミコンのドラクエ4にも搭載されているし、何年かごとにブームが起きては飽きられて忘れ去られていくような類のものである。

今日の話を一言でまとめる

一言でまとめると、権威に屈することなく、世間の声を無視してでも日頃から自分の頭で考えたり、自分の基準と感覚を大切にしなきゃなんないってことね。

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【レビュー】Bose SoundLink around-ear wireless headphones IIは個人的に残念な音質!?

BOSEという音響機器メーカー。個人的には20年くらいBOSEのスピーカー“も”所有し続けているが、一般ユーザーのBOSE=高音質というイメージとは裏腹に、ピュアオーディオの世界ではそれほど評価されていないメーカーだったりもする。

製品にもよるが、BOSEのスピーカーは繊細な音をじっくり聴くというよりは、カジュアルに大音量でガンガン鳴らした時に真価を発揮するようなタイプと認識している。ただ、このメーカーはアップルよろしくイメージ戦略が上手くて、最近だと製品パッケージのデザインなんかもアップルのそれに近いものとなっていたりする。

話が横道に逸れてきたが、そんなBOSEの今どきワイヤレスヘッドホン「SoundLink around-ear wireless headphones II」という製品を中古で入手して、不具合等ですぐ手放したが後世のためにレビューしたい。

基本、ワイヤレスヘッドホンの音は悪い?

この認識で大体合ってる気がする。最近のスマホでの音楽試聴はワイヤレスでスピーカーやヘッドホンと接続するのが主流だが、一見、便利そうなワイヤレスの落とし穴として音質が悪いというのがある。

ワイヤレスでスマホからヘッドホンに音楽を飛ばすために、データを圧縮しているのだが、その方式には何種類かあるものの、このヘッドホンの場合は一番ベーシックな音質劣化するタイプのものを使っている。高音質な方式との聴き比べというのはその機能がない以上やれないのだが、音質に拘るタイプの人はこの時点でアウトだろう。

このヘッドホンはスマホに専用アプリをインストールすると簡単に接続はできる。ノイズキャンセリングや音質調整用のイコライザーは、ワイヤレスで使う限りは常に動作し続けるようでオン/オフはできない。ヘッドホンの装着感は緩めで、製品自体が見た目より軽めなので、少なくとも1時間くらい装着し続ける分においては、ほとんど耳周辺が物理的に疲れるというのはない。

ノイズキャンセリングの利きがどの程度かは、電車や街中などで聴いた時に初めて判断できることだが、自室など屋内のそれなりに元々静かな環境ではあってもなくても、正直、そんなに変わらない。

極端な中域寄り、低音ほとんどなし

低音がなしという表現は少し極端だが、国内メーカーの5千円しないイヤホンや、1万円しないヘッドホンの方がよっぽど低域~高域のバランスが良い。それくらいに低域がほとんどないのだ。

安いラジカセやミニコンポによくある低域強調はアレだが、低域というのはベース楽器やバスドラムのように、音楽の安定感やリズムを支える土台のようなもの。その部分がほとんど再生できないこのヘッドホンは、音楽鑑賞に向くヘッドホンとは思えなかった。

ポップス系の曲を聴けばボーカルに全エネルギーが集中して、ピアノやギターなど中域寄りの楽器が全部一緒くたに纏わりつく分離の悪さ。高域はイコライザーなのか、物理的にそういう音質なのかわからないが、どんな楽曲を聴いても似たようなコンプレッサーをかけたような潰れた音がする。左右の定位感や広がりはイヤホンにも負けるくらい酷い。

せっかくヘッドホンだからそれなりの音量で音楽に没頭したいと考える人は多いだろうが、中域の密集具合と何を聴いてもコンプレッサー臭い高域で、すぐに耳が痛くなってしまうヘッドホンだった。低域がスカスカなので、ダンス系の曲を聴いてもイマイチ、ジャンルの良さがなくて、高域がシャカシャカ言うだけ。

スマホと気軽にワイヤレス接続で使えるというだけで、音質で言えば5千円~1万円の国内メーカー品に負けるという認識で良いだろう。

中古品は匂いや付属品に注意

発売から少し年数が経つので2万円弱くらいから新品が買える。

中古だと状態により1万円くらいからあるが、直接肌に触れるものだし、劣化して変な匂いなどが付いている場合があるので中古はあまりオススメしない。

また、このヘッドフォンは新品で買うと充電用のUSBケーブル(古いAndroidのスマホで一般的だったタイプで、そのへんに売ってる一般的なもの)と、専用のオーディオケーブルが付属してくる。

後者が厄介で、これがないとBluetoorth対応でないデスクトップPCや、古めの音楽プレーヤー的な機器との接続ができない。有線で聴いた方が音質が無線での圧縮やイコライジング、ノイズキャンセリングなど余計な囲いがないぶん、ソースに多少は忠実に再生するはずなのだが、そのへんのケーブルは刺さらないようなわざわざ細工してあるので注意しよう。

中古品でこれが入っていないと、1,600円くらい出して買わないといけない。イヤーパッドが劣化してたりする可能性も高いので、買うなら新品一択だろう。

まぁ、音質に拘らずカジュアルにスマホで音楽を聴くヘッドホンでブランド重視な人には消去法的に良いヘッドホンかもしれない。2万ちょいだから、そこまで高くもないしね。