近年、欧米をはじめとして日本や世界でアナログレコードブームが再燃している。欧米の若者からすれば、アナログレコードで音楽を聴くのはカッコイイのだという。
多くの人はCDを買わずにYouTubeやspotifyなどストリーミングで音楽を聴く時代なのでCDの売り上げは激減しているのだが、近年ではCDよりレコードの売り上げが上回っているらしい。ソニーは29年ぶりにレコードの生産を再開して24時間フル稼働ともいう。
そんな時代背景もあって、CD世代だけどレコードがどんなものか聴いてみようと近所の中古家電も扱っているデカいブックオフでプレイヤーを探してみた。
なお、マニアックなオーディオファン向けの内容ではないので、そういった情報は期待しても書かれていないのでご了承を。
アイワのPX-E800というレコードプレイヤー
1週間くらい前から目を付けていたのがアイワのPX-E800というレコードプレイヤー。動作保証1カ月付きで税込990円。ヤフオクの出品物なんかを見ても、手持ちで持って帰れるので送料や保証を考えたらお得感はあった。
調べると1994年くらいの時代の製品なので、軽く27年くらい前の製品だ。動作保証付きというけど、ホントに動くのかな? という疑惑付き。
メンテナンスや修理する技術はないし、そこまでの情熱もない。返品するのが面倒だなと1週間くらい考えたが、誰も買う気配がないし自分が買ってきた。
フルオートプレイヤーとはなんぞ?
うん、写真だと余計目立つけどホコリが汚い。買ってきたばかりなので、我が家で積もったホコリではない。売りものなんだから、もう少し清掃くらいしてくれブックオフ。
ホコリをスルーして進めるけど、この機種の特長はフルオートプレイヤーということ。
CDプレイヤーとかだとみんなフルオートなので、あえてフルオートと言われてもよくわからないけど、ネットなどで調べてみると自動的にアームが動いて再生してくれるらしい。
よく「針を落とす」なんていうけど、あの動作が自動なのだろう。
電源が入るのか? ちゃんと回るのか? というのを一つずつクリアさせていく。回転するまでに微妙にタイムラグというか、反応が鈍いというのがあるが、これは新品当時からり仕様なのか、27年経ってるからこうなのかはわからない。おそらく、劣化が原因だろう。
とりあえず、ディスクは回った。
だが、ボタンらしいものを押してもアームが動く気配がないので、手動で針を落としてみたら音が出た。
しかも、アイワというオーディオメーカー(たぶん)の製品らしく、音はいい。アマゾンで買った5000円くらいの安物一体型プレイヤーで外部スピーカーで再生した時よりも、明らかに音がいい。安物と違って豊かな低音が出ているし、高音まで自然に伸びている。
よく「レコードはCDより音がいい」なんていうけど、あながち嘘ではないと思った。安物だとスカスカな音しか出ないが、アナログな製品だけにCDプレイヤーなんかとは比較にならないくらいプレイヤーによって音質の差があるのだろう。
動作に関してはヤフオクやメルカリなんかでも「アームは動かないけど手動なら使える」という但し書きがあるものが多いので同じ症状だろう。ブックオフにはそんな但し書きなかったけどね。
再生時はまだいいんだけど、再生が終わるとアームが持ち上がらないまま「ズズズズー!」と盤面を引きずって終了動作するので気が気でない。終わりそうになったら手動でアームを持ち上げる必要がある。これで動作保証付きというのもどうかと思うけど。
聴いたのはNSPという70年代の人気バンド
最近はレコード再ブームもあってデカいブックオフなんかでは中古レコードも扱っている。
適当に税込み110円で買えるレコードを買ってきた。その中でもお気に入りなのかNSP(ニュー・サディスティック・ピンク)という、70年代に流行っていたという男性3人組のバンドの「僕らはごきげん」というライブアルバム。
最近のアーティストのライブアルバムなんかと比べて、自然で生々しい音で記録されているのがわかる。
この1週間のレコード研究わかったこと
レコード再ブームでレコード世代じゃない人が初めてレコードプレイヤーを買うという人に、1週間ばかりレコードの先輩(?)としてアドバイス。
本当にCDより音がいいのか?
本当な気がする。ただ、プレイヤーによって音質に差がある。もっと言うとカートリッジとか針にもよるんだろうけど、そういうマニアックな領域はわからないけど、とりあえずプレイヤーで大きく変わるのは確か。
高級品でなくても、まともなオーディオメーカーが出している製品なら、古いものでも新しいものでもCDと同等以上の音質で再生できる。
CDと違って音圧ぎゅーぎゅー詰めというのがレコードは技術的に出来ないなので、強弱や音のニュアンス、余韻が生々しく記録されている音源が多い。CDや最近のデジタル音源に慣れていると、とても心の良い音に聴こえる。
レコードの再生は難しい?
思ったほど難しくない。
ストリーミング再生なんかもアプリの登録やなんかで難しい部分はあるけど、レコードは高級機は知らないが安いプレイヤーだと基本的に勝手に回転するので、レコードを適当にセットして針を適当に落とせばよい。
ただ、記事で紹介した中古で動作が微妙(というか壊れている)なプレイヤーだと、勝手にアームが不完全な状態で動いたり、予期せぬ動作をするので注意。
初心者にオススメな機種は?
レコードプレイヤーはアームやターンテーブルなどの稼働部分や、ベルトなどの消耗品が多いので、程度の良い中古品を探すというのは初心者にはオススメできない気がする。
初めて車を買う人が安い中古車を買ったはいいが、数カ月で故障だらけで酷い目に合うアレと似ているかも。車と違って命にかかわることは少ないと思うけど。
オススメなのは以下のような機種選択プラン。
まともな日本メーカーの低価格機種
レコード趣味が続くかわからんのにいきなり高級機を買うのも金持ちならダメとは言わんが、とりあえずまともな日本メーカーの低価格、入門機種が良いと思う。
調べたところ、記事執筆時点ではオーディオテクニカの製品がよさげ。デザインもいいし、使い方の公式動画なんかもアップされている。
5千円~1万円くらいの一体型プレイヤー
主に海外メーカーや一部で輸入アイテムを取り扱う日本メーカーが出しているレトロなトランク型の一体型プレイヤー。
小型スピーカー内蔵でラジオやUSBメモリへの録音、ブルートゥースなど今どきの機能に対応していたりする。ターンテーブルやアームはOEMで各社で共通部品を使っていたりする模様。品質にバラつきがあったりするのは注意。
外部スピーカーにも出力できるようになっているが、自分が購入した5000円くらいの機種はアイワの単体プレイヤーに比べて明らかに音質がシャカシャカしていてFMラジオ以下の音質だった。
手軽に内蔵スピーカーで楽しむぶんには場所もとらなくてよいけど、レコード本来の音質を再生するには力不足といってよい。機種によるのかもしれないが・・・。オーディオ機器というより、雑貨というカテゴリーの製品だろう。
音にこだわる人がちゃんと聴く目的で買うんだったら、オンキヨーなど名の知れたオーディオ機器メーカーのものが良い気がする。でも、中身がどうなのかはわからないので未知数。