新潟

旅モノ

新潟で見かけた不可能を可能にする合体店舗の妙技

新潟という土地は不思議なところで、他の地域では見かけることが少ない合体技をいとも簡単にやってのける。

県民食(?)のイタリアンはミートソースと焼きそばの合わせ技が生み出した料理である。

地域の分類ですら、時と場合に応じて北陸地方であったり、東北地方であったり、関東甲信越地方であったりと、その柔軟性と発想力は見習わなければならないと思うこともしばしば。

そんな中、新潟をぶらついていて気付いたのが、新潟には他の地域では一般的ではない「合体店舗」というものが存在するということだ。

新潟の合体店舗とはなんぞ?

勝手に命名しているだけだが、他の地域だったら別会社だったり、別テナントのはずが、一つの店舗として合体しているものを指す。

百聞は一見に如かずなので、以下に一例を挙げよう。

ひらせい ダイソーとスーパーとホームセンターが合体!!

附船町店。シュールに見えなくもない熊の親子がトレードマーク。

ひらせいは新潟の地場ホームセンター。ホームセンターとしては土地柄的に農業関係の商品を多く扱っている印象があるものの、一般的なホームセンターとそう大きな違いはない。

だが、全国各地の一般的なホームセンターと異なるのは、ダイソーとスーパーの売り場が合体しているということ。ひらせいでも店舗によるが、新潟市内にある夕日が綺麗で散歩適地である西海岸からも近い附船町店は完全に全てが合体している。

一つの建物の中に百均とホームセンターとスーパーが入居しているケースは多くあると思うが、売り場やレジが完全に同じなのである。普通なら百均とホームセンターとスーパーでそれぞれ買い物して3回も会計しないとならないところを、一回の買い物と会計で済ませられる。

フランチャイズ化して一体経営しているから成せる技だと思うが、この利便性の高さこそが合体店舗の利点である。

チャレンジャー 業務スーパーと普通のスーパーが合体!!

鳥屋野潟近くの店舗。周囲には様々な業種の店が集まる

ここはたまたま近くを通りかかったが、何の店なのかよくわからず、なんとなく怖かったので通り過ぎようとした。

しかし、気になってGoogleマップのクチコミを見てみると「業務スーパーと普通のスーパーが合体」という、わかりそうでわからないコメントがあった。

休日ということもあり、ひっきりなしに客が出入りしていることから考えると、特殊な店ではなく、客を選ばない万人向けの店であることが伺えた。

意を決して入ってみると驚いた。業務スーパーは普段から地元でよく利用するが、本当に普通のスーパーの姿形をしていながら、業務スーパーのプライベートブランド的な商品も同じ売場で扱っているのである。

肉や魚や生鮮食品を普通に買いながら、業務スーパーの格安加工食品などを同時に買うことができるのだ。

合体技がなせる利便性ももちろんだが、ここは特に惣菜が安くて美味しいのでオススメ。

事務キチ 事務用品店とスーパーと日用品店が合体!!

ここも合体技か? と思って引き返して入店してみた

最後に紹介するのは新潟地場店舗というわけではないが、新潟で初めて目にした店舗の事務キチ。

事務用品、つまりノートとかボールペンを扱っている店のようだが、スーパーマーケットのような広さがある。ノートとかボールペンを扱うだけでこの広さが成立するのかと不思議に思って入店してみることにした。

確かに事務用品がメインの店ではあるようだが、ホームセンター的な日用品や、カップラーメンやお菓子などの加工食品も扱っている。

1か所で様々なジャンルの商品が買えるのは客からしても利便性が高いし、店側からしても日用品を同時に扱うことで客足を増やせるという利点があるのだろう。

新潟には知らないだけで、まだまだ様々な合体店舗があるのかもしれない。

旅モノ

新潟駅から歩いて行ける今代司酒造の酒蔵を見学してきたぞ

新潟駅から歩いて15分くらいで行ける今代司(いまよつかさ)酒造の酒蔵を見学して、ついでにタダ酒を飲んできたぞ。

なぜ今代司酒造の見学なのか?

新潟のスーパーの日本酒売り場に行くと、全国平均の5倍くらい様々な種類の日本酒のワンカップが売られていて、初めて見る人はその光景に驚くことだろう。

ワンカップ売り場から言えることは、新潟にはそこら中に日本酒を作っているメーカーがあるわけで、日本酒王国なのである。

そんな中、なぜ今代司酒造を見学先として選んだかというと、新潟駅から徒歩で行けるくらい街中にあるからだ。

他にも各所の駅から歩いて行けそうな酒蔵はいくつか見つけることができたものの、行き帰りの列車の時刻を気にしなくていいことを考えると、新潟駅に近いというのは利便性が高い。

今代司酒造は歴史のある酒蔵だが、県外不出というわけではないものの、新潟県内メインで消費されていると思われる。

ワンカップを見たことはないので、新潟の一般家庭や、飲食店などで飲む日本酒というイメージだろうか。駅から近い一方で、もしかすると通向けの酒なのかもしれない。

解説付きの見学は40分くらい、1日数回行われる

拙者は沖縄で泡盛工場やオリオンビール工場なら見学に行ったことがあるが、日本酒の酒蔵は小学生の時に北海道は旭川市の男山酒造に見学に行ったことがあるくらい。

その内容は全く覚えていないが、小学生じゃ、日本酒が飲めないのだから無理もないだろう。なぜ連れて行かれるのかよくわからんかったりする。

見学は当日でも空きがあれば、公式サイトから申し込める。休日は知らんが、平日だったら、そんなにピチピチにならないと思うので、何となく思いつきで訪れても見学できる気がする。

酒蔵の見学は決まった時刻ピッタリに解説員に連れられて回ることになる。

なにしろ、実際に酒を製造している場所であり、時おり作業中の従業員の姿も見かけるくらい。自由に見学することはできない。

ガチモンの製造現場を見学して回る

解説は思いのほか、アカデミックな内容だった。

現場を見ながら設備や製造方法などについて解説されるが、さながら就職の説明会か、面接の後に「ついでに中も見ていくかい?」という雰囲気に近い。カジュアルなものを想像していたので、途中から眠くなったのは内緒。

ホースや各種の機器が並ぶ

頭に入ってきづらいのは、日本酒の匂いに酔っているからではなく、こちらに日本酒製造の基礎知識がないからというのが大きいが、おそらく企業秘密になるような部分や、素人には難しいだろうという部分を簡略化して説明しているから、余計に頭にすんなり入ってこないのではないかと思う。

こちらは試飲用ではなくて展示物

ノンストップで40分くらい解説を聞きながら見て周ると、最後の方には実際の商品や歴代の宣伝ポスターなどが展示されている。

グルっと一回りしたらスタート地点に戻って終わり。

ちなみに、写真では誰も写らないように撮っているから無人だが、実際は10人くらいの見学者と解説員が同行している。

皆さん、なかなか勉強熱心なようで、解説後に質問をしている人もいた。

気になる試飲について

実は試飲だけだったら見学するまでもなく、入り口を入ってすぐの販売コーナーでアルコールとノンアルコールで計4種類くらい無料試飲ができる。

1千円だったか、有料で試飲できるものが増える仕組みになっている。

酒蔵によっては見学も有料の所もあるので、見学と試飲も一部無料なのを考えると太っ腹な方なのだと思う。

しかし、個人的には泡盛の試飲だと平日の昼間でも高尚な気分になるけれど、日本酒の試飲だと飲んだくれ感があるのはなぜだろうか。

グルメ

新潟の車麩で沖縄料理「フーチャンプルー」を作る夢のコラボ

新潟で買ってきた三回巻き車麩

世間的にフーチャンプルーという料理がどの程度知られているのか未知数だけど、知らない人はゴーヤーチャンプルーのゴーヤーの代わりに麩が使われているものと思って貰えばよい(たぶん)。

沖縄の定食屋や沖縄の家庭、沖縄料理系のランチバイキングではポピュラーなメニューである。

ちなみに、本土で麩と言うと、味噌汁で器の端に浮かんでいる小さいやつだったり、酷い場合だと金魚の餌のイメージかもしれないけど、沖縄では主役級のメイン食材である。

沖縄の麩は本土では入手しづらい

そんな主役級の麩だけど、本土ではおいそれとそのへんで手軽に買うことができない。

通販や沖縄物産の店とかだと買えるけれど、送料のぶん割高になってしまう。

でも、よくよく考えると形状こそ沖縄の麩は本土の麩と違うけど、新潟とか、或いは他の地方に存在する車麩も、割と沖縄の麩に近いのではないかという疑惑があった。

新潟三条の三回巻き車麩で代用してみた

この間、新潟に行った時に買ってきたのは、新潟県三条市のマルヨネというメーカーの商品名「ぜにふ」という車麩。

見た感じは沖縄の麩に少し近いような気がする。

実際に手にもって水に漬けてみると、沖縄の麩がほわ~んとしててやる気がない感じがするのに対して、ぜにふは密度が高い印象だ。

それでも構わず、いつも通りに卵を絡めてフーチャンプルーを作ってみた。

新潟の車麩で作ったフーチャンプルーの味は・・・

良くも悪くも惜しい線まで行っていたと思う。

思ったことは、フーチャンプルーの美味しさを決定付けているのは、沖縄の麩が持つ独特のやる気のないほわーんとした感じにあるのだと思った。

新潟の車麩で作るのもアリではあるが、どうしても芯が強いしっかりしたフーチャンプルーになってしまう。

揉んだり水を徹底的にしみ込ませたり工夫すると変わるのかもしれないが、特段の工夫をしなくても美味しいフーチャンプルーが簡単に作れるという意味では、やはり沖縄の麩がフーチャンプルーに向いていると思う。

麩は全国色々なので、もっと沖縄の麩に近い麩もどこかにあるのかもしれない。