日本一周や世界一周など本格的な自転車旅行を志す人にオススメしたい自転車旅行記本を紹介。
実際に旅する人もそうでない人も、他社の自転車旅行記からは計り知れない学びや気付きがある。
女チャリダーふれあい日本一周ひとり旅-よく泣いてよく笑った700日自転車旅日記-
自転車旅行は一部の特殊な人だけのものではなく、健康な体と意気込みがあれば幅広い人に楽しめる可能性があることを知れる一冊。
自宅を拠点に帰宅しながらエリアごとに分割して行っているため、社会生活と並行しながら日本一周を目指す人にも参考になるだろう。
宿泊はテント泊、旅館、ユースホステルなど。
特別仕様の自転車や、登山用テントなどを中心とした厳選されたアイテム類は写真入りで紹介されているため、これから日本一周など本格的な自転車旅行を志す人の参考となるであろう。
タイトルの通り、地元の人とのふれあいなど、自転車以外の内容も多いので一般的な旅行記や読み物としても楽しめる。
“人にはその時にしかできない旅がある”という本書からの言及は拙者も共感できる。
いつか、そのうち自転車旅行に出ようと思っていても、自身の健康や経済状態、周辺の人間や社会との関りなどの問題で、旅に出るのにベストな時期というのは待っていても訪れるとは限らない。
思い立った時こそが最良な旅に出るタイミングと言えるのではないだろうか。
アフリカ一周自転車旅行
1970年代に行われたフランス人青年によるアフリカが舞台の自転車旅行。
出発当初は車での旅行だったが、冒頭で同乗者が砂漠で干からびて死亡したり、紛争地帯を通過するなど、日本国内の旅行では経験できない内容に何らかの気付きを得ることができるだろう。
使用する自転車は旅の途中で手に入れた“空飛ぶ鳩号”という中国製の中古自転車。
現代のようにスマートフォンなど気軽なインターネット端末は存在しない時代で、しかも未開の大地であっても、気持ちさえあれば自転車旅行を成り立たせることができるという一冊だ。
世界130カ国自転車旅行
最後に紹介するのは日本人の方による世界を舞台にした自転車旅行本。
著者は数年がかりで地球2周分の自転車旅行をされた方。
数年がかりの旅行は通常の日本での社会生活をしていたら誰にでも出来るものではないけれど、特に印象的な記述としては、世界の常識としては、自転車旅行者は勇気ある冒険者として賞賛される存在であるということ。
先に紹介した『女チャリダーふれあい日本一周ひとり旅』でもエピソードが紹介されているが、日本では自転車旅行者は物好きな人間として軽蔑されがちな対象であることを考えると、日本と世界の自転車旅行に対する価値観は真逆とも言えるだろう。
狭い日本に囚われることなく、広くて暖かく、時に厳しい世界の実情を目の当たりにしてみたい人にオススメできる本だ。