普段はジェットスターやピーチなどのLCCしか乗らない筆者が「人生一度しかないから」という理由でJALが導入している最新鋭機のAirbus A350-900(以下A350)に搭乗した感想をぶちまけてみる。
ちなみに、ジェットスターやピーチの場合は機材はエアバス社のA320しか選択肢がないけれど、JALの場合は予約画面で使用機材を確認することができる。羽田-新千歳や羽田-那覇などの主要路線はA350が多く使われている。
A350が従来型の飛行機と違う所
飛行機マニアではないので細かいスペックなどには言及せず、一般旅行者でもわかりやすい部分について言及してみたい。
客室内の気圧がより地上に近い(気圧が高い)
ジェット旅客機は高度1万m前後を飛ぶが、そのままだとエベレストより高いために乗っている人間の命が保証されないために、従来型機においては客室内の気圧を高度2000~2500m相当になるよう与圧している。
富士山の5合目程度に相当する気圧だが、人によっては耳がツーンと痛くなったり、頭が痛くなったり、体の各所に異常が起きる場合がある。持病がある場合なども特別に注意が必要だったりする。
しかし、最新鋭機のA350においては、胴体の素材に炭素繊維複合材(カーボン素材)を多く用いて剛性を上げることによって、地上で言うところの1800m相当にまで気圧を高められている。
従来機よりも地上に近い気圧のため、耳がツーンとする症状などが和らげられることが期待できる。
ちなみに、この特長はANAが積極的に導入しているボーイング787型機にも当てはまる。(JALが積極導入しているのはA350)
客室内の湿度も改善されている
従来型の飛行機の場合、飛行中の湿度は5~10%程度の乾燥状態のために喉が痛くなったり、目が乾いたり、お肌やメイクにも悪影響を与える場合がしばしばあった。
金属主体の従来機は錆びによって強度に問題が生じる懸念があることから加湿することができなかったものの、最新鋭機のA350は新素材の採用によって湿度を20%前後まで上げることが可能となっている。
加湿器に相当する部分はエアコンの内部に仕組まれているらしく、一般乗客が見ることはできない。
同様の仕組みはボーイング787型機にも備えられているらしい。
A350に実際に乗ってみた感想
散々乗ってきたジェットスターやピーチのA320と比べての感想を率直にぶっちゃけてみる。
気圧は快適な気もするし変わらない気もする
一番期待していた部分は気圧の改善。
ビルの10階にエレベーターで昇るだけでも耳がツーンとして頭痛がする拙者としては、気圧が改善されるのは大変にありがたいことだ。
北海道に行くのに高くて不便な北海道新幹線を利用したのも低気圧が嫌だからである。
1800m相当に改善されているとは言うけれど、A320より快適な気もするけど、ビル10階でもツーンとする耳の持ち主だから、1800mでも十分ツーンとするわな・・・。
それでも多分改善されている気はするし、胃とか内臓への負担なんかも少ない気がする。
それよりも、後ろの席に座っていた女子大生風の2人組が飛び立つときに、きゃーきゃー言ってたのが気になってたわ。
ぶっちゃけ湿度はわからん
最近は長時間の海外路線とか全く乗らないから忘れてしまったけど、からっからに乾燥するのは数時間飛ぶような海外路線が中心の気がする。
国内線だったら1~3時間くらいで着いてしまうことが大半だから、そこまでからっからにはならない気がする。
マスクはしていたけど、至って快適だったよ。
飛行中の騒音は78dB前後
静かっては言われているけど、ノイズキャンセリングイヤホンでノイキャン全開にしたくなる感じは変わらない。
スマホの騒音測定アプリで測ったら、北海道新幹線のはやぶさ号と同じくらいの78dB前後だった。
他の飛行機と比べても特別に静かだなぁ、という感じはしない。
シートピッチはLCCとそんな変わんなくね?
ジェットスターやピーチに乗ると必ず
「うわっ、狭すぎ」
とか周囲に聞こえるデカい声で言うエセエリートが何人かいたりするけれど、ぶっちゃけ、JALとか大手航空会社の普通席とLCCの座席のシートピッチは全くと言ってよいほど変わらない。
実際のところ、5cmっていうか、乾電池1本分程度しか違いがないんだから、言うほどLCCは狭くないとも言える。ほとんど座り方とか誤差の範囲。
むしろ、JALに乗った時の方がエセエリート達のほざきのせいでLCCより広いという先入観があったから、「狭くね?」とか「LCCと変わんなくね?」というような複雑な気持ちになった。
LCCに乗って狭いとかほざく人はアレなのかな、普段はファーストクラス的な席に乗っている人なのかな。どうしてそんな人がLCCに乗るまで落ちぶれたのか心配になるけれど。
個人モニターはないよりはよいけれど
LCCになくてJALにあるものと言えば個人モニター。
観たいのはないけれど映画とかも観れるし、機外に搭載されたカメラ映像が見れるのはすぐに飽きるものの最初は結構楽しい。
3Dのマップで飛んでいる位置が表示されるやつはパナソニック製らしいけど、常にグルグル回転していて見づらいったらありゃしない。技術とセンスは別物ってやつだ。
無料ドリンクサービス
LCCになくて大手やエアドゥなどの中堅にあるサービス。
個人主義の時代に突入している昨今においては、昭和の名残で続いているサービスのような気もするけど、LCCばっかりだと飲み物が運ばれてきた時には少し感動するわな。
10年以上前に香港に行った時、航空会社のミスで席が取れていなかったのだけど、お詫びとして無料でビジネスクラスに乗せて貰って、ウェルカムシャンパンが運ばれてきたり、偉い人(?)が席まで挨拶に来たりして偉く感動したのを思い出した。
LCCにもあるけど充電設備
USBの充電設備はLCCのピーチでも機材によってはあるから、大手ならでは特権ではない。
WiFiはあるけど使い物にならない
飛行中に使える機内のWiFiは繋いでみたものの、遅すぎて全く機能せず。
衛星通信を使っているから仕方ないけど、せっかく接続設定して使い物にならないのはサービスとしてダメじゃん。
路線や購入時期によってはLCCも大手も値段は同じ説
今回乗ったJALの羽田-那覇線は1か月半ほど前に予約したものだけど、LCCに座席指定や変更可能オプションなどを色々付けた時と変わらないくらいの値段だった。
拙者はバックパッカーなので預け入れ手荷物はないけれど、これに預け入れ手荷物の料金もプラスするなら、JALの方が確実に安くなるくらいだった。
大手は座席指定や預け入れ手荷物は無料なのである。
LCCだとキャンセルしたら1円も帰ってこない場合もあるけど、大手はセール料金でも半分か40%くらい返金される場合がある。まともな運賃の場合は5%くらいの手数料でキャンセルしたり、便の変更も無料だったりする。
(ちなみに記事執筆時は例の羽田空港の衝突事故のため、変更できないセール料金で買ったチケットでも変更やキャンセルが無料)
さすがに前日とか直前の予約だと大手は死ぬほど高いが、かなり前もって予約できるなら、羽田-那覇線などはLCCより安くなることを知ったのである。
散々乗ったから自己否定になるけれど、LCCは安物買いの銭失いになってしまうケースも意外にあるってことだね。
以上がLCCと比較したA350のレポートである。
飛行機マニアじゃないから細かい部分の間違いがあっても突っ込まないで欲しいが、1万人に1人くらいは参考になる人がいれば言うことナッシング。