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【トホダー】九州から本州まで歩いたぞ ~関門海峡~

真冬の某日、九州から本州まで歩いた。

北海道の人間としては信じがたい事実だが、九州と本州はたった700mくらいしか離れていない。手前側が九州(福岡県)で、向こう側が本州(山口県)である。望遠レンズで撮っているわけではなくて、広角(35mmフィルム換算で焦点距離28mm)で撮っている。現代の技術なら埋め立てて陸続きにもできるくらいだけど、船が通れなくなるのであえて海の部分の残している程度の感じだ。

新幹線と在来線、車は高速道路と一般道があるが、徒歩や自転車の人は少し寂れた場所にある『人道』を通る。

地下道は海底風のイラストがあって雰囲気はそんなに悪くない。この付近に住んでいる人の散歩コースにもなっていて、ジョギングやウォーキングの人が多かった。

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県境。

こっちは本州側。北海道と本州は鉄道専用の約53.9kmの青函トンネルのみで繋がっているが、トンネルの両端は、まさに辺境の場所。だが、こちらは本州側も九州側もかなり栄えた街がある。

本州側の下関はふぐが有名で観光客が沢山いるし、九州側の北九州市は古くから工業が栄えた政令指定都市。ちなみに本州と四国も一応歩いて渡れるらしい。主要4島で徒歩で行き来できないのは北海道だけである。

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鳥取砂丘に行ってきたぞ ~鳥取旅行記・山陰海岸ジオパーク~

日本最大級の砂丘、鳥取砂丘に行って来たぞ。

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東京方面から鳥取までは東海道本線を乗り継いで京都で乗換え、さらに山陰本線を乗り継いで16~18時間くらい。10年くらい前はJR東海の普通列車は酷いものだった記憶があるが、今の新快速列車はクロスシートで長距離でもかなり快適。関西地方も中・長距離列車はクロスシートが中心。ロングシート主体の関東や東北地方の普通列車なんかよりずっと楽だ。

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鳥取と北海道は実は深い関わりがある。鳥取市の人口は約20万人だが、同じくらいの人口の北海道での主要都市の一つ、釧路市は明治17年、18年に旧鳥取士族513名が移住して開拓した街。鳥取を語らずに北海道は語れない。

鳥取市の町並みはどことなく釧路市と似ている。ターミナル駅の近隣にモクモクと煙をあげる工場、大きな川、寂れた駅前通(鳥取市の方がやや栄えている)、自然環境に恵まれた郊外など、両市はどこか面影が似ている。

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街を離れて砂丘へ向かうこと小1時間、砂丘の案内が見えてくる。このあたりは山陰海岸ジオパークというらしい。『ジオパーク』に聞き覚えのある読者は素晴らしい。北海道で見かけた例のジオパークと同じもので、世界遺産みたいなの一種で、日本や世界にそういったものを認定する団体がある。これに認定されると観光客を呼びやすくなる。

砂丘と砂漠は違うのか? というと基本的に同じ。ただイメージとしては砂漠の方が過酷なイメージで、鳥取砂丘の場合は当然、雨が振るし、観光地なので過酷な環境ではない。

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念願の砂丘到着。

冬だし、風が強いし、小雨はパラつくわで、ある意味、過酷な環境であった。正直、日本や世界の色々な所を見てきたけれど、鳥取砂丘ほど感動したというか、ウキウキした場所はなかった。鳥取から何か貰っているわけではないが、本当に鳥取砂丘は楽しかった。

全ての人が鳥取砂丘でウキウキできるのか? というと、そんなことはないと思うが、自然や地球というものに興味があったりする人でツボに嵌ればこれほど面白い所はない。冬だから人は少ないが、本当の砂漠には行ったことがないけども、遠くに歩いている観光客が遊牧民というか、砂漠の民に見える。向こうからも自分が砂漠の民に見えているに違いない、と思うととても楽しくなる。

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オアシス発見。ぶっちゃけると、鳥取砂丘はでっかい砂浜みたいなものなので、雨が降ったりすると水溜りができる場所があったりして、また楽しい。丘のようになっている所を登ったり降りたりするのと、かなり楽しい。

鳥取砂丘

・入場料金 無料
・アクセス 東京方面から普通列車で16~18時間くらい。鳥取駅から徒歩1時間。
・お勧め度 ★★★★★(最大)

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佐渡に行ってきたぞ ~佐渡旅行記・朱鷺に出会う旅~

新潟県の島、佐渡に行ってきたぞ。

早朝の新潟市内にあるフェリーターミナルへ。手前のがジェットフォイルと呼ばれる速い船で、料金は高いが1時間くらいで行ける。主に裕福層が利用する。カーフェリーは車とかがある人向けだけど、料金が安いのでこっちの方が人気ある。2時間ちょっとで着くから、どうせ1時間しか変わらない。

大洗~苫小牧とかのフェリーと違って、人間だけなら乗船手続のようなものはなく、券売機でチケットを買って自動改札を通るだけという気軽さ。乗船が短時間だからか、乗船名簿の記入も不要。

カーフェリーだけど新造船なので綺麗な船内。2時間くらいしか居れないけど、風呂とベッドがあれば住んでもいいくらい快適。しょぼい青森~函館とか、八戸~苫小牧のフェリーよりも設備が充実している。比べると、向こうは本当に終わっている。こっちは無料でWifiが使えるし、展望台や各フロアのデッキ、ファーストフード、売店、ゲームコーナー、イベント広場などがある。

デッキから見る本州(新潟市)。考えたら、本州の離島に行くのは江ノ島を除けば初めての気がする。江ノ島が離島かどうかは知らないが、あそこは全体的に岩場でゴツゴツしてるのにハイヒール履いてる女が多すぎる。

乗船して1時間半くらいしたら、佐渡が見えてくる。日本では沖縄本島の次にでっかい島なので、ガチで大きい。普通に山や森があるし、沖縄とかの小さい離島のイメージでいると、そのスケール感に驚く。

本州の新潟しか知らないので、ここも新潟なのだな、としみじみ思うと、変に自分を意識してしまってならない。ここがどこなのか状況を飲み込むのに時間がかかる。佐渡は歴史的には後から新潟県に編入したそうなので、今でも佐渡の人は本州側に行くことを『新潟に行く』と言う。佐渡は佐渡なのだ。

新造船のときわ丸外観。新潟県外に暮らす我々の耳には全然入ってこないが、新造船は地元では相当なビッグニュースなのだろう。

フェリーの到着口。“生活感あふれる地味な島”のイメージだったが、想像と違って観光ムードたっぷりで意外! お嬢ちゃんもはしゃぐ。乗客の9割くらいは観光客っぽい。

着いたばっかりだけど、お土産コーナー。ほぼほぼ北海道の新千歳空港や、沖縄の那覇空港のノリに近い。人ごみは平日の竹下通り並み。ここは両津港というところで、本州から3航路くらいあるうちで一番メインになるところ。両津と言っても、こち亀の両さんとは無関係。

徒歩で朝イチの船に乗って完全ノープランでなんとなく来たが、佐渡はトキの保護センターがあるので、視察しに行くことにする。交通網が厳しい(というか、よくわからん)ので、普通の人は車かバイクか自転車があった方が絶対いい。

佐渡は沖縄本島の次に大きい島なので、『半日くらいで徒歩でブラブラ島を一周』なんて絶対できない。なんとなく来る人は注意! 島一周は無理っぽいので、両津港近くにある加茂湖という湖の一周を目指す。この湖もかなりでっかいので、半端な気持ちでの一周は厳しい。

今回は旅行ガイドとかは一切ないので、地図を現場に来て初めて見る。両津港と加茂湖の間にある小さい陸地に街が栄えている。沖縄だと栄えている場所=飲み屋街という場合ばっかりだけど、市街地には普通に洋服店とかCD屋とかがある。

佐渡の平均的な街並み。私が徒歩で見て周った範囲だと、どこにいっても大体こんな街並みだった。

加茂湖。相当でかい。実は散策路みたいのがあって、サイクリングやウォーキングができるようになっている。狭い車道をしばらく歩いてから気づいたが。電動タイプのレンタサイクルに乗っている人に抜かれる。

これは佐渡の特徴的な風景だろう。田んぼだ。佐渡は島で消費する何倍もの米を作っている。ここが新潟県であることを実感する。全体的な風景としては、北海道や沖縄に似通ったものが少しあるが、トウキビやサトウキビではなくて、ここでは米を作っている。酒蔵もいくつかある。記念に帰りにワンカップを買ったが、佐渡の酒は定評があり、埼玉をはじめ全国のデパートでも扱っているそうな。

こうなると完全に北海道。北海道でこういう見事な北海道っぽい景色を見つけるのは、徒歩では相当難しいが、佐渡の方が北海道っぽい景色をすぐ見つけられる。

30度を超える炎天下の中、港から4時間歩いて辿り着いた朱鷺の保護センターみたいな所。正式名称は忘れてしまった。

ここに来る前に、トキなんとかという名称の別の施設があって、一かバチか行ってみたら場末の公民館だった。

仕方ないので2Kmくらいトボトボ引き返した。ローソンでWifiを使えたらいいなぁとか思ってたけど、佐渡にローソンなどないし、セーブオン(群馬方面ローカルのコンビニ)が稀にある程度。

道路には沖縄によくある『何でも商店』みたいな個人商店が点在してる。熱中症の危険があったため、仕方なしに数年ぶりに自動販売機で飲み物を買ってしまう。なぜか決まってそういう時はゼリー飲料みたいな変わった飲み物を買う。

佐渡は観光名所や道の駅などに、観光ボランティアみたいな人が待機している。観光客が来ると頼んでもいないが、ここがどういう所かなど概要を説明してくれる。モノを売りつけるような気配はなく、不思議と商売っ気がない。北海道や沖縄では『観光客=カネ』であり、純粋なボランティアは滅多にいないから、素朴な彼らには感動する。

さて、そんなこんなで辿りついた保護センターみたいなところで、お待ちかねの生モノホン朱鷺との面会だ。

朱鷺。閲覧料400円。

ナーバスな鳥だから・・・とのことで、マジックミラー越しに観察。ただの鳥なんだけど、ありがたいものを見ている気分に浸れる。運が良ければ5cm先まで来てくれますよ、と例の観光ボランティアが言っていたが、この施設のガイドによれば『今日は暑いからまず動いてくれない』とのこと。暑いから10mくらい先の木陰でずっと休んでいた。

ガイドによれば、朱鷺は驚くと一直線に飛ぶ性質があるらしい。以前、驚いた拍子に柱に一直線に飛んで行って事故死したのがいて、ナーバスというか、それだけ聞くと朱鷺はアホな鳥なのではないかと思った。そりゃ、絶滅寸前になるのも無理はない。閲覧料400円。

せっかく佐渡に来たんだから、何か名物でも食べようかと思ったけど、さんざん迷った挙句、小さい産直所みたいな店で売ってた半額の『新潟たれカツ丼』にする。

帰りのフェリー。

連休最後の夕方便だからか、小さい子供を連れた家族と、中高年団体観光客が凄まじく多い。パっと見、1000~2000人くらいはいる。船内に居場所がないので、追い出された形でデッキで過ごす。意外にうんざりした様子の人は少なくて、むしろ下手な海外リゾートの帰りの飛行機とかより、楽しそうに過ごしている感じの人たちが多かった。みんな幸せそうでなによりだ。

朱鷺も見れたし、佐渡も案外悪くないな。なぜだか酒を飲む気にはなれなかったけど。