平均的な現代人は恐竜を意識して生活することはない。
なぜなら彼らは同じ地球に暮らしていたものの、我々みたいな人類が誕生するよりずっと前に絶滅してしまったからだ。
そんな恐竜をテクノロジーで現代に蘇らせてしまった映画が1993年に公開されたスピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」である。
今回は筆者も子供時代に観て思い入れの強い「ジュラシック・パーク」をはじめとした旧3部作と、新3部作と言われる「ジュラシック・ワールド」シリーズを含めた全6作品を独断と偏見、ネタばれありで紹介したい。
なお、筆者は映画マニアや恐竜マニアなどではない極めて一般人なので、あくまで一般人目線での記述である点をご了承頂きたい。点数は筆者の独断と偏見である。
1993年「ジュラシック・パーク」 評価100点
シリーズ第一作。それまで恐竜に興味のなかった一般人の多くを恐竜好きにさせるほどの圧倒的なCG演出が話題となった。当時としてはもちろん、現代でも通用するクオリティなのが驚かされる。
ストーリーとしては離れ小島で恐竜を蘇らせたテーマパーク「ジュラシック・パーク」が舞台となり、学者や科学者が視察するという内容。恐竜をよく知らない人にもストーリー中でうまく解説してくれるので、恐竜の予備知識がなくても楽しめる良作。
ポイント 悪役のデネス・ネドリーが良い味出している
この第一作目にだけ登場する悪役のデネス・ネドリーは愛すべき悪役としてファンが多い。公開当時に観たという人でも「デブの悪役」と言えば思い出せるのではないだろうか?
悪役にも関わらず、なぜここまでネドリーが愛されるかというと、彼がやっていることはブラック企業に対する報復であり、現代日本のブラック企業に堂々と立ち向かっているからであろう。
詳しく書くと、ネドリーはジュラシックパークの運営企業であるインジェン社に雇われているハーバード大学卒業の凄腕エンジニア。スーパーコンピューターの並列処理を実現し、恐竜のDNA解析すら行っただけでなく、一人でパーク全体のシステム管理まで行っているにも関わらず、会社からは評価されず安月給でコキ使われていることから、ライバル会社に裏取引する悪事を働いた。
結果、パークは大混乱を起こことなる・・・という、第一作目のストーリーを語る上で重要なキャラクターなのである。
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1997年「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」 評価60点
1作目の評価が高かったこともあり、主人公の変更や作風の変化から評価が分かれる作品となった第2作目。
作風としては、1作目が科学者目線で雑学あり、人間ドラマあり、パニック要素ありでバランスがとれていたのと比べると、ロストワールドは「恐竜パニック映画」としての風味が強まった。
決して低予算ではないし、むしろ1作目以上に恐竜が暴れたり人を食い殺すシーンは増えているものの、全体としてはパニック映画の枠に留まっているのがおしいところ。
中には「そんな状況で現実なら助かるわけがない」とツッコミを入れたくなるシーンもあり、典型的なハリウッド映画を感じさせるとも言える。
世間的な評価はあまり高くないものの、シリーズ全6作品の中ではストーリーや映像のテンポがよいので、エンターテインメントとして楽しめる映画にはなっていると思う。
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2001年「ジュラシック・パーク III」 評価40点
監督が変更となり、スピルバーグは製作総指揮に立場となったシリーズ第3作目。監督が変更になったこともあり、作風は前2作とはだいぶ違う。
主人公は1作目と同じとなったが、恐竜も沢山登場するものの、ヒステリックな中年女性など人間ドラマ中心の作品。
ストーリー的には前2作をさらっとでも知っていないと置いてけぼりを喰らう可能性もあり、観るなら順番としては1作目から見た方がよいと思う。
他のシリーズは全部120分以上あるのに、この作品は上映時間が94分とシリーズの中でも最短。
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2015年「ジュラシック・ワールド」 評価85点
新3部作と呼ばれるシリーズの1作目。
ジュラシック~シリーズは公開年と作品の時代背景が同一となっているが、1作目から数えて22年後の世界を描く。
監督も主人公も変更となり、舞台はリゾート施設「ジュラシック・ワールド」に移る。旧3部作にはなかったリゾートが舞台なので、映像は全体的に明るい雰囲気なのが特徴。もちろん、恐竜パニック映画であることは変わりないのだけど。
ジュラシック・ワールドシリーズでは主人公が恐竜も手懐ける海軍出身のオーウェンとなったことで、旧3部作にはなかった恐竜とのコミュニケーションや友情などが描かれるのが特徴。
また、登場する恐竜は人間が意図的にDNA操作をした人造生物であることが強調されたストーリー展開となっているのも特徴。
この新シリーズ1作目は全体的にテンポもよいので、旧3部作を知っている人で観たことがないという人も、毛嫌いしないでフラックな気持ちで観てみると多くの人が楽しめるのではないかと思う。
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2018年「ジュラシック・ワールド 炎の王国」 評価70点
ハリウッド映画にありがちな日本語タイトルではあるけども、恐竜が住んでいる島の火山が噴火する内容。
主人公のオーウェンが麻酔銃で撃たれたり、人間同士のモメゴトも容赦ないのが特徴。
新シリーズ1作目とは作風が変わってしまったけど、しょうもない人間同士のゴタゴタと恐竜のゴタゴタが違和感なく溶け込んでいるのは凄い。
遺伝子操作されて戦闘用に作り出された恐竜やら、クローン人間の少女やらが重要人物として出てきたり、もはや話は恐竜だけに留まらない。
若手の科学者などの活躍が描かれるシーンも多く、ドラマ風味も強い作品。後半は恐竜をアメリカ本土に逃がすという内容で、次回作の展開を思わせぶり。次回作とセットで観るのがよいかと思う。
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2022年「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」 評価60点
シリーズ完結編となる作品。
タイトルからすると、恐竜が人間を支配する?・・・と思わせてしまうが、作物を食い尽くすDNA操作されたイナゴだかバッタだかの話が基本。
クローン人間とイナゴやらバッタやらの話で、上映時間も147分も長い。
純粋な恐竜映画として観ると肩透かしを食らってしまう可能性は高いが、初代「ジュラシック・パーク」から続く遺伝子操作の話として考えると、シリーズ完結編にふさわしいとも言える内容ではないかと思ったり思わなかったり。
意外な展開の映画が好きな人にはオススメな作品。
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余談「ジュラシック・パーク」シリーズを観るオススメの順番
公開された順番通りのストーリーなので、観るなら公開順がオススメ。
ゆったりした時間がなくて面白いのだけピンポイントで観たい人は、旧シリーズ1作目の「ジュラシック・パーク」と新シリーズ1作目の「ジュラシック・ワールド」の2作品がオススメ。
ちなみに、新3部作は旧3部作を知らなくても特にストーリー的な問題はない。新3部作だけ観るというのもアリ。