沖縄

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【複雑すぎる】沖縄のバスは乗るのが難しいと思う理由を列挙してみた

よく見ると「すみません回送中です」などとユニーク

沖縄で公共交通と言うと「ゆいレール」を除けばバス。ある意味で恐怖の対象だ。

東京の電車網より遥かに複雑な路線網を持つ沖縄のバスを乗りこなすのは、たまにしか沖縄を訪れない旅行者にとって相当難しい。沖縄に年数回のペースで訪れている筆者にしても、乗ったことのない路線にサクッと乗ることは不可能。初めて沖縄に行く人や、数年に一回しか行かない人にはもっと難しいはずだ。

「このバスだ!」と思って乗っても「終点ですよ!」「乗れないよ!」「そこには行かないよ!」と一瞬でダメ出しされることもしばしば。この程度で凹んでいたら沖縄でバスに乗るのは永久に不可能なのだけど、今回はどうして沖縄のバスはこんなにも乗るのが難しいのか科学的に考察してみた。

1人でも2人でもいい、沖縄のバスで滅多打ちにされてしまった人の救いになればと思う。

一つのバス停に20以上もの行先、経由がある

国道58号線沿いの平均的なバス停

沖縄のバス停と言っても色々あるが、主要幹線である国道58号線にある平均的なバス停だとこんな感じ。

時刻表部分の拡大図

このバス停の場合、行先や経由別に分けると何と22種類もの系統のバスが停まるのだ。平日と土日祝日など曜日によって違ったりもするし、停まるバス停が限られている急行バスというのも混じって走っている。

東京の電車も埼京線のホームに湘南新宿ラインが停まったり、快速、通勤快速や行先の違いがあったりはするけど、ホームで案内もされるし、よほど都会の電車に慣れていない場合以外は、路線図を見ればどこで乗り換えればよいかなどがもう少しわかりやすいと思う。乗り換え検索アプリなんかもあるし、よほど辺鄙な場所に行かない限りはそんなに難しくない。

渋滞に混ざってバスが連続的にやってくることも多いけど

沖縄のバス停の場合、東京の駅と違って無人なので「次のバスはどこどこ経由、どこどこ行きです。途中の停車バス停は・・・」なんて案内されることもないし、バスがやってきたら瞬時に判断しないとならないという緊張感がある。

時刻表が荒れ放題で読めない

都心部でもバス停によっては荒れていることも

那覇の都心部にある幹線道路沿いの利用者が多いバス停だと、さすがにこんなことは滅多にないと思いたいが、少し郊外や利用者の少ないバス停だと時刻表が雨風で敗れていたり荒れ放題で読めないことが多い。

那覇市内の観光名所に近いバス停もこんな感じ

心無い誰かがいたずらしている場合もあるだろうが、ラミネートなどせずに印刷した紙をそのまま貼っているだけのことも多いので、沖縄の激しい雨風で剥がれたり破れたりして、全く読み取ることができないことも多い。

沖縄本島の半分くらいのバス停はこんな感じの気がする

スマホの時刻表などを駆使すれば乗れないこともないが、一番重要なのは現物のリアルなバス停から読み取れる情報なだけに、荒れ放題のバス停と対峙しないとならないのは難易度を上げる大きな要因となっている。

沖縄のバス会社は過去に民事再生したりと経営状態は全体的によくないので、時刻表にラミネートしたり、管理をしっかりする予算が取れないという事情があるとは思うが、バス離れが進む悪循環に陥ってしまうのではないだろうか。

沖縄の人も普段乗る路線以外はよくわからない

基本事項として子供や高齢者を除けば、沖縄の人の多くはマイカー生活をしていることが多いので、そもそも普段バスに乗らないという人が多い。

バス停で居合わせた地元の人に聞こうにも、普段から利用している路線以外はわからない場合が多いのだ。自分に照らし合わせてみればわかるが、東京の電車でも普段利用する路線やその周辺以外は停車駅などの詳細がわからないことが一般的だと思う。

沖縄で地元の人に聞いたところで解決しないのは仕方ない。明らかに地元の人でも時刻表を睨めっこして、乗るべきバスを議論している光景もよく見るし。

運転手の判断で行先が変わることもある(?)

沖縄のバスは時刻表や路線図よりも、最終的には運転手の判断に委ねられていることもある気がする。

那覇市内である路線に乗ろうとした時、路線図的には次のバス停が終点にも関わらず、終点で一つ手前で運転が打ち切られてしまい、乗車させて貰えなかったことがあった。

実際には筆者が乗る方向(上り、下り)を間違えていたのだけど、一般的に歩ける距離の区間を乗ろうとしても乗車させて貰えないケースもあるというふうに納得した。「〇〇方面だったら乗り場は逆ですよ」くらい教えてくれればよかったけど、終点とだけ告げられて思考停止になってしまった。

昔は沖縄のバスの運転手はタクシーの運転手みたいに喋りかけてきたり親切な人が多かったけど、最近は親しみをあまり感じない運転手が多い気がする。

ICカードはOKICAしか使えない(執筆時現在)

OKICAはほぼ沖縄でのバス専用カードなのが悲しい

ゆいレールはSUICAなど本土のICカードで乗車できるようになったけど、バスについてはOKICAという沖縄独自のICカードしか使えない。

筆者はバスで両替したり小銭を払ったりするのが死ぬほど嫌いなのでOKICAを作ったが、バスでSUICAが使えないのは「沖縄のバス路線が複雑過ぎてSUICAのシステムと統合できない」からだと聞いた。

県外の観光客≒レンタカーという図式もあるが、OKICAを持っていない観光客は、キャッシュレスのご時世に小銭での支払いが強いられる不便がある。

ちなみに、OKICAは逆もしかりで、東京の電車で使うことはできないし、電子マネーとして支払いできる所も沖縄県内でさえほとんどない。ほぼバスとゆいレール専用である。

バス停に難読地名が多い

勢理客(じっちゃく)はまだ読みやすい方だけど、読めんのは本当に読めん!

沖縄は本土とは違う独特な読み方をする地名が多い。那覇市内のメジャーな地名でさえ、安謝(あじゃ)、天久(あめく)、銘苅(めかる)など、本土の感覚だとまず読めない地名が多い。行先や経由地の読み方がわからず、心理的なハードルが高くなってしまう場合がある。

地元の人や運転手、車内の案内などで「次はどこどこです」と言っても、地図の地名などと一致しない場合もあったりする。

また、沖縄あるあるで実際の地名とバス停の位置がかなり違ったりすることも多い。北谷のアメリカンビレッジは以前は「軍病院前」というバス停だったが、最近は「美浜アメリカンビレッジ入口」という名称に変更されたり、昔の地名のままのものもあれば、今どきの名称に変わっていものもあったりする。

わかりやすいスマホアプリがなかなかない

沖縄本島の中南部の場合、沖縄バス、琉球バス、那覇バス、東陽バスという4つのバス会社が走っているため、それぞれのバス会社の公式サイトの時刻表を見るだけではとてもじゃないが自在にバスを乗りこなすことはできない。

沖縄のバス移動の行先をスマホのGoogle窓などで検索すると、NAVITIMEやジョルダンなどの東京の会社がやっている乗り換えサイトが出てくることが多いが、これがわかりやすい場合もあれば不十分な場合もある。

本土の電車だとそれらのアプリは優秀でも、沖縄の複雑なバス網には対応しきれていない感じがあるのだ。バス停の上り下りを間違えると酷いことになるし、バス停を探すのがまず大変。幹線道路なら上り下りはわかりやすくても、郊外だと単純に北、南で判断することもできないから、出発する前にホテルなどでじっくり研究した方が後悔しないで済む。

沖縄の複雑なバス網を学ぶ上で一番わかりやすいのは下記の「バスマップ沖縄」というサイトさん。東京で言う「京浜東北線」とか「丸の内線」とかいうのは「〇〇番」みたいな系統番号に置き換えて理解するとよい。番号で覚えるのは大変だけどね。

道路工事でバス停の位置が大きく変わる

那覇北部~浦添あたりの58号線

沖縄は主要幹線を含めて、年がら年中大きな道路工事をやっていることがあるが、道路工事の事情に合わせてバス停の位置が大きく変わる場合がある。

執筆時だと那覇北部~浦添あたりの58号線の北向けは絶賛各幅工事中のため、バス停が臨時だったりして乗るのが大変。

このあたりを歩いている時、雨風が強くて歩くのも大変だけど、乗り場がわからなくて困っている地元のおばぁにバスの乗り場を聞かれたけど、俺も正直わからん!

不慣れな場合は面倒でも那覇ターミナルから乗ろう

再開発で上等になった那覇バスターミナル

筆者みたいにペーパードライバーで、とてもじゃないが沖縄でレンタカーなんか運転できるわけない! という人が確実に路線バスに乗ろうとする場合、面倒でも那覇のバスターミナルから乗ると確実性が高い。

ここはちゃんとした電子案内版があるし、時間帯にもよるが建物内にインフォメーションみたいな人がいたはず。観光案内所も近くにあるし、確実に路線バスに乗るならバスターミナルから乗るのがよい。

帰りはバスターミナル行きのやつに乗ればよいし、確信がある場合を除けば、バスターミナル以外のところから乗り降りするのは難易度が高い。

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那覇から無料シャトルバスで南城市(知念とか奥武島とかがある場所)に行って来たぞ

那覇空港から期間限定で出ている無料シャトルバスで南城市(知念とか奥武島とかある場所)に行って来たぞ。

無料シャトルバスの存在は偶然知った

半額とか無料に弱いタイプの人は一定数いる。定価だったら絶対買わないけど、半額だったら絶対に買うものとかあるよね。弁当とか。

この無料シャトルバスは期間限定で2021年10月~2022年2月頃の土日祝などに運行しているが、あまりPRが目立たないので直前まで知らなかった。

知った経緯は1~2日前に那覇から中部に路線バスで移動していて、話すと長くなるが色々あって「やっぱ沖縄のバスは乗りこなすのは日本一難しいなぁ」と半日くらいウダウダ思ってた時だった。

そんな時にある沖縄のバス路線を細かくガイドしているサイトで偶然見つけたのだった。実は那覇空港内でも案内はあるものの、あまりにもピンポイントなので偶然見つけた人が乗っているのではないかと思う。飛行機から降りて空港を出るまでの間とかに絶対に目にする場所とかにはないのだ。

乗る時は那覇空港の水槽前に集合

集合場所のBゲート水槽

那覇側の乗り場というか集合所はBゲート水槽前。水槽は2か所あるので間違わないようにしよう。

バスは運行日には1日3便あり、集合時間に近くなると運転手の小柄なオジサンがボードを持って現れる。コロナでそんなに乗る人はいないが、オジサンが現れたら乗りたいという意思表示をしておこう。

バスは那覇空港の駐車場(?)に停められていた

無料シャトルバスだし、南城市が所有しているようなマイクロバスとかワゴン車とかかな? と思ったら、そのへんを走っている路線バスよりも豪華なちゃんとした観光バスだったのは驚き。期間ごとに沖縄バス、琉球バス、東陽バスという沖縄のバス会社が担当していて、この時は東陽バスが担当していた。

バスは自分含めて3人の乗客を乗せて定刻の分後くらいに出発。集合場所が那覇空港なのは空港に着いたばかりの本土からの観光客をターゲットにしているのか、駐車場とか利権絡みの都合なのかはよくわからない。

自分以外の参加者はそれぞれ単独の中年女性で、1人は沖縄の人っぽくて、もう一人も80%くらいの確率で沖縄の人っぽく感じた。本土からの3泊4日くらいの忙しい観光客にしたら、南城ってそんなに優先度高い行先じゃないもんね。

バスは乗務員は運転者一人だし、特に観光案内もアナウンスもなくて、フツーに南城に向かった。バスの車内では地元のラジオ番組が流されていて、離婚率が全国で一番高い沖縄らしく、3回も離婚しながら逞しく生きている女子力が高いという女性リスナーの投稿が読まれていた。離婚を肯定する感覚もなんだかなー。

降車地は南城市役所かユインチホテル

バスは冷房を切っていたからか異様に暑かったという以外は何事もなく進んだ。

降りる場所はバスターミナルが併設された南城市役所か、ユインチホテルという南城市にある高級リゾートのどっちかを選ばないとならない。

降り場の一つ、南城市役所。旅行者には用事はないはず

市役所の目の前にあるユインチホテル

と言っても、この2つは道路を挟んで目と鼻の先。どっちで降りても大した変わらないし、このあとに乗り継ぐ南城市内周遊バスもどっちにも停まる。周遊バスの乗り継ぎに30分くらい時間があるので、ユインチホテルの方が時間潰しはしやすい。

南城市は合併してできた街なので、市役所とかバスターミナルと言っても都心部とは感じられないほど何にもないといか、少なくとも、アテのない旅行者が時間を潰せるようなものは見当たらなかった。

ユインチホテルの散策

南城と言えばユインチホテルというくらいの存在感を感じてしまうが、今は売却か委託かされて沖縄の民間企業が運営しているものの、元は厚生年金系の保養施設だったらしい。

与那国馬が飼われている

無料シャトルバスが運行されるくらいだし、素人目に見ても街の規模や雰囲気から不釣り合いなくらいに豪華すぎる。中庭があったり、与那国馬の乗馬体験があったり、温泉施設もあったり、北海道なら無料レベルの設備しかないけど1泊2500円もするキャンプ場があったりと、とにかくブルジョワな施設だ。

ブルジョワな人だったら2000円以上する高級ランチを食べたりするのもよいだろうけど、無料シャトルバス乞食の自分には手が出せないので、この日の昼食は断食することにした。ブルジョワホテルに土産物屋はあったけど、この付近にコンビニとかスーパーは見当たらなかった。吉野家やサイゼリヤも当然ない。ちなみにサイゼリヤは沖縄にはない。

南城市内周遊バスで奥武島に向かう

無料シャトルバスと周遊バスの案内ポスター

本当に旅っぽくなるのはここから。同じく無料の周遊バスに乗り換えて奥武島に向かう。

昼発のバスで来たので、帰りの那覇空港行きのシャトルバスの時間を考えると2時間くらいしか余裕がない。周遊バスだけど1ヵ所だけ選ぶのが賢明かなと見積もった。

17年前に初めて沖縄に来た時に、当時は知念村だった知念にバスで来た記憶があるのと、8年ほど前(もうそんなになるのか)に自転車で来た時の印象もあるので知念にも行ってみたかったけど、離島っぽさを求めて奥武島に向かうことにした。

ちなみに、南城市は2006年に周辺の町と村が合併して出来たが、沖縄県内の市では一番が人口が少ないらしく、なんと警察署もなければ高校もないのだという。確かに高校生くらいの子供を全く見なかった。

あと、奥武島は基本的に「おうじま」と読むが、手元のPCでは本土読みで「おくたけ」と入れないと変換できない。バス停は「おくたけ」と読んだり、豊見城(とみぐすく、とみしろ問題)とか、沖縄読みと本土読みが混在しているので少しややこしい。地名は地元の読み方でいいと思うけど、地元以外の人が読めないというのがある。アイヌ語ルーツの北海道の地名にも多いけど。

周遊バスも観光バス仕様だけど、乗っているのは日曜日なものの2~3人くらい。

ユインチホテルに泊っている人や、レンタカーは使いたくない人が多いのだろうけど、属性はよくわからなくて正体不明の観光客風の日本人が多かった。と言っても、その2~3人の極めて少ないサンプルだけど。

那覇空港から南城に向かう時に思ったが、このあたりは那覇から割と近いものの、緑豊かというかサトウキビ畑が多くて、道路の脇にカフェとかレストランとかが点在している。那覇から歩いてくるにも遠いし、レンタカーとか足がないと観光しづらい場所だ。

車窓風景と税金の匂いがするニライカナイ橋

安座間ビーチ(?)かどっかの南城市内のビーチ

周遊バスはユインチホテルから南城市役所を経由して、安座間公や知念を通り、時計回りで走っている。舗装路だが山道でアップダウンが激しい。窓ガラス越しに撮ったが、意外と綺麗にビーチが撮れていた。冬だからかコロナだからか、人はあまりいない。

こういう寂れた東海岸のビーチでも、コロナ前は韓国人や中国人のグループがレンタカーで押し寄せていたのだから時代は変わったのだ。時代はコロナフォーエバーである。

そして、中部の「海中道路」と並んで、南部の絶景スポットとして挙げられる「ニライカナイ橋」をバスは通過する。

ニライカナイとは沖縄に伝わる海の向こうにある理想郷みたいな概念。ヘアピン形状の橋で、ヘアピンを境にニライ橋とカナイ橋に分かれているらしい。

素人一般人の意見だけど、この橋の両端近辺に沢山人が住んでいるようには思えないし、絶対スポットとして挙げられることが多いけど、観光用に税金が大量に使われた税金橋のようにも思ってしまう。

自分も最近まで知らなかったので全国的にあまり知られていないと思うけど、沖縄は橋を道路を作る時に全国的にはありえないくらい(9割くらいだとか)、国が補助金つまり血税を出してくれるのだと本で知った。

撮影スポットもあるらしいが時間がないので車内から

沖縄は建設業に関わる人が8%くらいもいるらしいが、補助金がデロデロ出るものだから、何ともないアスファルトをひっぺ剥がして敷き直す工事もあったりするのだという。道路や橋を作るのに補助金は出ても、鉄道を作るお金は出ないのも沖縄のクルマ社会に拍車をかける要因となっていそうだ。

北海道の赤字JRを1~2路線くらい廃止したり、テレワークやリモート会議の時代にリニアなんて作らなければ、沖縄本島に鉄道の1路線くらいは余裕で作れそうだけど。

奥武島で天ぷらと野良猫に出会う

周遊バスは途中で1人2人、降ろしたり乗せたりしながら奥武島に向かった。

途中に斎場御嶽(せーふぁうたき)とか、なんとか御嶽という場所をいくつか通ったけど、そこは意外と観光客が多いようであった。この手の場所は神聖な場所なので信仰心みたいのがないと行っても良さがわからない気がするので行こうと思ったことがない。

バスはアップダウンを繰り返して、橋で繋がった離島の奥武島に到着。

奥武島のバス発着場。さしみ屋みたいな建物の前

奥武島は昔、自転車で訪れた気がするが、天ぷらが名物の島で猫が多かった記憶がある。旅行者がわんさか訪れるというよりは、那覇など本島に住んでいる沖縄県民が休日にドライブで出かけたりする場所らしい。

島の入り口あたり

確かに休日ドライブで来たらしい沖縄の人で島が溢れていた。市役所付近なんかとは比較にならないくらい賑わいがある。

名物の天ぷら屋。入口付近と少し奥まった場所にある

そして、名物の天ぷら店。天ぷらの島と言われることもあるけど、天ぷらが大量にあるわけでなくて、島を一回りしたが天ぷら屋っぽい店は3店舗しかなかった。うち1店舗は時間外なのか閉店していたので、天ぷらを求めてきた人たちで行列が出来ている。

ノープランで来たので名物の天ぷらでも買おうかなと軽く思っていたけど、ああ、沖縄の人にとって天ぷらはソウルフード、魂の食べ物なんだよなぁ、と無くなることのない行列を見て天ぷらを諦めようと思った。

沖縄の天ぷらと本土の天ぷらは正反対

正反対と言っても衣を具で包んでいるとかではないのだが、目指すところやソウルが正反対。

沖縄の天ぷらというのは本土の天ぷらみたいに具に衣を付けて油で揚げたものだけど、衣が分厚くてモチモチしている。アメリカンドッグの衣の半分くらいあるのが沖縄の天ぷら。

本土の天ぷらはサクサクしていないとダメ、ド素人、失敗作、人間やり直して来い! と言われるが、衣がモチモチしているような本土の大失敗が沖縄では大正解と評価されるのだ。

具は白身魚やチキン、イカだったり、エビだったり、野菜もあるけど魚や肉っぽいものが好まれる印象。

帰りのバスの都合もあり、天ぷらにそこまでソウルを感じない自分としては、うちなんちゅーの率に並んで買うモチベーションが湧かなかったので、天ぷらを買うのは諦めた。

だが、天ぷらは沖縄のソウルフードなので近年は沖縄のファミリーマートでホットスナックの一種として、カウンターで沖縄の人にファンの多い上間という天ぷら屋(たぶん)の天ぷらを買うことができる。そのファミマの上間天ぷらの食べかけ写真を載せるので、雰囲気を感じ取ってほしい。

スナック感覚で食べるのが沖縄天ぷらのソウル

ウスターソースを付ける派の人もいるけど、特に上間の天ぷらは衣自体に割と味が付いている気がするので、このままかぶりつくのが正解な気がする。そして重要なのは、ご飯のおかずや酒のつまみにならない気がするということ。味や食感がジャンクフード的なスナック感覚なのだ。

本土では天ぷらというと、ちゃんとした店で食べる料理だったり、下手したら料亭や懐石料理で食べるような上品な料理だろう。江戸時代では屋台で食べられていたり庶民的なものだったらしいが、沖縄の天ぷらは庶民感たっぷりのソウルフードだ。

奥武島の捨て猫たち

人が多いところに猫が多い

天ぷら目当ての観光客からおこぼれが貰えるのか、天ぷら屋とかから海産物を貰ったりできるのか、奥武島には野良猫が多い。ここも沖縄本島の人が捨てに来るのかもしれない。

駐車場にも猫が多い

天ぷら客の駐車場にも猫が多くて、ぺったんこの猫がいるんじゃないかと心配になったが、滞在中には見かけなかった。

元飼い猫のきれいな猫が多い

猫たちは普段、人からおこぼれを貰っているからか人慣れしていて、下手な猫カフェより猫と戯れることが出来る。

そんなこんなしていたら、周遊バスの時間になってユインチホテルに戻り、バスで那覇空港に戻った。

那覇のバスターミナルとか国際通りとかに行ってくれた方が格段に便利だけど、無料乞食だから文句は言えない。普通だったら南城までの往復と、奥武島乗り換えで1500円くらいはかかりそうな旅が楽しめたのでよかったということにしよう。

南城は那覇から近いけど、歩いてくるには遠いので陸の孤島感があって、まぁまぁ旅行感があって楽しかった気はする。

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沖縄で鉄道の旅!! おきなわ軽便鉄道プチ遺跡巡り ~壺川東公園・軽便与那原駅舎など~

全国で唯一JRなどの本格的な鉄道路線がなく、世界的には遊園地の乗り物とされるモノレールの「ゆいレール」しか鉄道らしきものがない沖縄で鉄道巡りの旅をしてみたのである。

沖縄にも戦前は鉄道路線が複数あった

まず、沖縄で鉄道の旅とは何ぞ? という話から。

沖縄は那覇周辺などの都市部は東京、大阪、名古屋に匹敵するくらいの人口過密と車の渋滞がある一方、本格的な鉄道が存在しない唯一の都道府県である。

戦前には那覇を起点に北は嘉手納、東は与那原、南は糸満まで、軽便鉄道と呼ばれる鉄道路線があった。軽便鉄道は沖縄では親しみを込めて「ケイビン」と呼ばれることが多い。ケイビンはJRより線路幅が狭く、一回り小さい列車が健気に走っていたのである。

しかし、ケイビンは第2次世界大戦の沖縄地上戦で線路も駅も列車も、原型を留めないほどに破壊された。

戦後、本土は新幹線が走ったり、地方都市にも地下鉄が出来たりしたが、沖縄は27年間にも渡って「クルマ社会」のアメリカに統治されていたために、ケイビンは復旧されることなく徹底した「クルマ社会」が貫かれて現在に至っているのだ。

意外と寂しい那覇中心部付近のゆいレール「美栄橋駅」

2000年代に入って那覇空港から首里(現在は浦添まで少し延伸)まで「ゆいレール」が開業したのは奇跡みたいなものだけど、美栄橋駅とか牧志駅とか中心部の駅でさえ、いまいち本土の街の駅前みたいな賑やかさはないのをみると、一度出来上がったクルマ社会の文化、行動様式をぶち壊すのは簡単ではないものと考えさせられる。

壺川東公園に展示されている軽便車両

と、ここまで本やネットで知ったかになった沖縄の軽便鉄道知識を書いてみたわけだが、実際のところ、軽便鉄道の車両もレールも見たことがなかった拙者である。

那覇のゆいレール壺川駅近くにある「壺川東公園」という、何でもない住宅街の小公園に車両が展示されていると聞いたので見に行ってみた。普通の3泊4日とかの沖縄旅行者はまず行かない場所である。本土の鉄道のマニアの人も、コアな人以外はあまり行ったことがないのではないだろうか。

那覇「壺川東公園」の軽便車両

団地的な住宅街にある付近住民のための公園といった何でもない公園だった。

確かに、そこにはケイビンの車両とレールがあった。だが、沖縄の眩しい直射日光や雨風に晒されて、結構、無残な姿になっている。本土にもSLの車両が展示されていたりする公園はよくあるれど、もうちょっと綺麗な状態を保たれているので、貴重な「歴史資料」なだけにもう少し管理や展示の仕方はなんとかならんのだろうかと思った。

狭い運転席にも自由に入れるけど、結構朽ち果ててる

ちなみに、この車両は沖縄本島で走っていたものではなくて、南大東島でサトウキビ運搬に使われていたディーゼル機関車なのだという。沖縄本島のものは戦争で破壊されて現存していないはず。

コンテナを載せるやつかと思ったら・・・

公園を訪れた時はよくわからなかったが、あとで説明書きをじっくり読むと、ディーゼル機関車の後ろ側にはSLの下部(台車?)らしきものも展示されている。

SLの煙突や運転席などは取り外されているので、貨物列車的にコンテナとかを載せるやつかと思ったが、これはSLの下部なのだと思う。

那覇から与那原に向かう

那覇バスターミナルから「沖縄バス [39]南城線 南城市役所行」に乗ると30分くらいで与那原に着く。片道440円で30分間隔くらいでバスが出ている。沖縄のバスは慣れていないと首都圏の電車より乗るのが難しいので、バスで行くならバスターミナルから乗るのが比較的わかりやすい。

だが、10Kmくらいだし個人的には歩いて行った。男なら、いや女でも、健康な脚があるなら歩いて向かってみよう。雨風が厳しい時や熱中症の危険がある時はオススメしないけど。

沖縄本島の東西の行き来は基本的に山越えがあるので大変だけど、昔の人は歩いて旅をしたのだし、風景や街並みをじっくり見るなら徒歩に勝る交通手段はない。長距離を歩いてばかりいると、靴底とインソールと靴下がすり減ってしまうのが難点だが。すり減らない方法があるなら知りたい。

那覇と行っても広いので、那覇のどこから与那原に向かうかで難易度はかなり違う。

牧志や安里付近のホテルに泊まっているなら、首里に向かうと見せかけて首里の少し南あたりの道を東に進んでいくとよい。

途中に石畳みの道を左手に、右手に金城ダムが見える道だ。その道をしばらくいくと大胆なカーブやアップダウンがある分かれ道が目の前に出てくる。スマホの地図を見ながら間違わないように与那原に向かおう。とりあえずイオン南風原を目印にするとよいし、イオンでいったん休憩するのもよい。

イオンからさらに東に進むとまもなく与那原に到着だ。

与那原の軽便与那原駅舎

与那原には人生で3回か4回くらいは行ったことがあるが、軽便与那原駅舎に行ったのは今回が初めてだった。

2014年に駅舎を復元する形で誕生した。ミニ博物館のような施設になっている。屋外部分は無料だが、内部の資料を見るのは旅行者の大人は100円かかる。

本土には鉄道系の博物館は多いが沖縄では珍しい

博物館と言っても内部はコンビニくらいの広さ。しかし、ここでしか見れないような当時の時刻表などもあって、沖縄の歴史に興味がある人や鉄道好きなら楽しい空想が広がっていく展示物がいっぱいある。

この博物館はあくまで復元したものだが、建物の奥には実際の駅舎で使われていた構造物の残骸がある。

戦争というものは何もかもぶっ壊してしまうものだと考えさせられることが多かった。戦争のせいで沖縄から鉄道が失われてしまい、沖縄で鉄道旅行することができなくなり、レンタカーを運転したくない人などは複雑怪奇な沖縄の路線バスを乗りこなすか、足と魂をすり減らして長距離を歩かないとならなくなってしまったのだ。

与那原は鉄道の街の面影が残る

与那原の旧「駅前通り」

前述のように沖縄は鉄道文化が戦争で破壊し尽されてしまったので、街並みから鉄道の面影を見れることは少ない。

だが、かつてはケイビンの始発着駅があり、駅舎を復元した博物館があるほどケイビンへの愛着が強い与那覇の街には、駅を中心に街が栄えた様子を今でも感じることができる。

ちょうど北海道の鉄道駅がある田舎町と似たような、駅を起点とした「駅前通り」のような街並みがあるのだ。北海道の田舎町はみんなこんな感じなので、北海道出身の拙者としてたは昔から知っているような街並みに感じてしまう。

駅から少し歩くと飲み屋街があって、川があって橋があって、少し郊外に行くと大きいショッピングセンターがあったりするのも、北海道の田舎町とすごく似ている。

那覇の与儀公園で「デゴイチ」蒸気機関車を見る

ヤシの木と桜が並ぶのは沖縄ならでは。観光客はゼロで、地元のオジサン中心の公園

初めて沖縄に行ってから20年近く気付かなかったけど、実は那覇中心部にも「デゴイチ」として知られるD51型蒸気機関車を見れる場所がある。沖縄には鉄道らしきものがないと思い込んでいるとスルーしてしまいがちだが、意外と存在しているのである。

本土のデゴイチ展示はフェンスで囲まれていない気がする

ゆいレールの駅で言うと「安里」あたりが近いと思うが、国際通りの東側あたりの壺屋近くにある与儀公園に展示されている。と言っても、これは沖縄で走っていたものではなく、九州の国鉄で走っていたものだ。沖縄の子供たちへのプレゼントという形で運ばれてきたのだという。

素晴らしいエピソードなのに説明版もフェンス越し

デゴイチはフェンスで囲まれていて、説明版までフェンスの中。読みにくいし写真も撮りにくい。ケイビンの車両を見てからだと大きさの違いを感じてしまうが、沖縄で鉄道観察をしたい人は寄ってみよう。

ケイビン的なことを言うと今は線路や駅の面影は全くないものの、与儀公園の近くを走る「ひめゆり通り」という大きい道路はケイビン嘉手納線の跡地である。ケイビン与儀駅の跡地ということで、ここにデゴイチが設置されたのだろう。

ケイビンに関する参考書籍など

今回は沖縄で「なんちゃって鉄道旅」をしてみた。

時間と体力とバイタリティーがある人は、他の駅の跡地巡りをしてみるのも楽しいと思うが、多くは跡形もなくなっていたり、米軍基地の中にあったりする跡地もあるので、十分に研究してから望んだ方がよいと思う。

参考書籍は下記など。