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【抜歯】人生で初めて抜歯をしたので素敵な一部始終を紹介(親知らず以外の歯)

抜いた歯の残骸。神経抜いて10年もした歯はこんなん・・・。言葉も出ない。

「抜歯」ってネット検索すると必ず親知らずについてのページばっかり出てきてうんざりしている抜歯が間近に迫っている諸君のためにお届けしたい記事。

現実はそんなことないと思うが、ほんとインターネッツの世界では「抜歯=親知らず」ってくらい偏った情報ばかり。ネット民はそんなに親知らずが好きなんかなぁ。俺は大嫌いだが(断言)。

その背景には親知らずの抜歯は正義であり、ポジティブな人間がとる行為であり、エンタメやビジネス、時にパズるためのキーワードになったりするからだと想像する。

そんなこんなで、今回の抜歯経験談は吾輩の人生初となる「親知らず以外の歯」についての抜歯経験をお届けする。ちなみに、親知らずは水平埋伏智歯で総合病院の口腔外科でもリスクが高いから抜かない方がいいと断られたので抜いたことはない。

歯医者で抜歯宣告されたけど現実を受け止めるのが辛い貴方や、抜歯処女のために不安で不安で眠れなくて、日中も毎日カリカリしている君にお届けしたい。

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結論=普通の歯の抜歯は5~10分であっされ終わることが多い

普通の歯とは、すなわち歯茎に埋まってるような特殊な症例は別にして、これまで普通に使っていたけど虫歯や歯周病その他のために抜くことになった歯のこと。もちろん、親知らずは含まれない。

人間の歯は親知らずを除くと通常28本あるが、前歯側を1番として左右に番号が振られている。番号には方角がついて右上6番というふうに呼ぶ。歯医者に行った時に「4番c2です」とか検査をすることがあるから何となく知っているのではないだろうか。

今回、拙者が抜歯したのは左下7番である。親知らずの手前にある奥歯で、第2大臼歯ともいう。

ガキの頃生えた歯を一生使うのが人間の定め

今回抜歯した歯が生えてきたのは人間の通例でいうと12歳ころまでのいつかだと思う。親知らずを除くとそのくらいで永久歯が生えそろうのが人間の定番だ。

人生80年と考えたら、40歳くらいで生えるか生え変わるかしてくれるとありがたいが、残念ながらそうはなっていない。

この12歳までに生えた歯を一生使え、というのが人間の定めなのだ。

奥歯を失う人が多いのも人間の定め

奥歯というのは歯を保護する役目がある唾液が行き渡りにくいうえに、位置的に歯ブラシなどでの掃除がしにくい。

そのため、前歯などに比べると虫歯になる確率が高いのだ。

拙者の行きつけだった歯医者の歯科医師などの歯の専門家ですら、7番の奥歯は抜歯してインプラントだと言っていた。

ちなみにインプラントを知らない人に説明すると、保険外診療の人口の歯を埋め込むという比較的最近の技術。1本50万円くらいかかるらしい。あんまり安い所は悪徳だったり、結果が思わしくないなどのトラブルが起きることもあるという。個人的には気軽に手を出せるものではない。道路脇の看板で見かけたことがある人も多いだろう。

抜歯に至った経緯、歯のプロフィール

この歯を治療した時期は割とはっきり覚えている。

なぜなら某歯科医院が新規開業したピカピカの頃に治療した歯だからだ。

12年ほど前のことだ。

「結構大きい虫歯ですよ~」とか言われてゴリゴリ削られ、何の気なしに神経をとる処置もした。

神経を取るなんてよく言うが、今になって思うに、歯の神経を取るということは人間で言えばキンタマをとるようなものである。

歯にとって一番大事なものをとって外側だけを残すのが神経を取るという治療の正体だ。

保険診療では大体は手抜きされる神経の処置

手抜きというと語弊があるが、歯の保険診療というのは、良くも悪くも全国一律でどの歯科医院でも同じ治療を受ければ基本的に同じ料金で治療できるということ。

ベテラン歯科医が担当しようと、新人のピチピチ歯科医が担当しようと同じ料金だ。世の中には悪徳歯科医院もあれば、利用心的な歯科医院もある。

それらをひっくるめて全部同じ料金なわけである。

概して、歯科治療における保険の点数は内科などの歯以外の治療に比べると、命に直結しないものだからと偉い人に軽く考えられているからなのか、低めの診療報酬になっているという。

その最たるものが前述の「神経を取る」という治療なのだ。

ちゃんとやろうとすると手間がかかるうえに全然儲からないし、神経を取ったあとは最終的に被せモノをして塞いでしまうので患者から歯良し悪しがわからない。

だから、普通は保険診療では、多少の差はあるにしても適当にやらざるを得ないのだという。

そのため、保険診療での神経を取ったり根の処置は、日本の場合は諸説あるが成功率40~50%程度だという。

大体は数年後にトラブルが発生してしまうし、そもそも神経すなわちキンタマを取られた歯は脆くなってしまい、人間の寿命まで耐えられるほどの生命力は持ち合わせていない。むしろ、キンタマを取られた時点で生命力はゼロだ。

拙者の場合は被せモノを付けるところまでだと計4回くらい通った気がするが、途中、仮の詰め物がよくないのが消毒不足かで、痛くて痛くて駆け込みで再処置して貰った記憶が鮮明に残っている。

神経を取ったのに12年くらいして激痛と歯茎の腫れ

普通は神経を取った歯はキンタマを取られたも同然なので、痛みを感じることはない。進行した虫歯でも神経を取れば基本的に痛みは消えるのである。

しかし、神経を取った歯でも周りの歯茎や顎などの神経は当然生きているので、歯の領域を超える炎症などについては痛みを伴うことがある。

むしろ、痛みを感じるということはトラブルが起きたという危険信号を本人に伝えているのでありがたいのだ。そういう意味では神経を取った歯は痛みの信号を送るのに難があるので、全身的な意味での管理上もよろしくない。

なにしろ歯のトラブルが原因で骨隨炎(骨に炎症が広がる難病で入院治療などが必要)などの重い病気にかかる場合もあるのだという。これは紹介された総合病院の口腔外科で担当医に言われたことである。

そんな通例もあって、拙者の神経を取った奥歯は12年目にして噛むと激痛が起こり歯茎にはぽっこりとした腫れができるようになってしまった。調べると歯根膜炎のような症状だったと思う。

神経を取った歯だって、痛くなる時は痛くなるのだ。そして、その時には歯を残せない状態になっている可能性が高い。すなわち抜歯である。

痛みは1週間程度で弱まってきたが、腫れは歯医者を渡り歩いて後に抗生物質4日間ぶんを処方して貰って治まったが、1か月くらい続いた。

歯茎が腫れた場合は前述のように骨隨炎に繋がる場合があるので、できるだけ早く抗生物質などを処方して貰った方がいいという。

歯医者と口腔外科を渡り歩いて3か月して抜歯

なにしろ二度と生えてこない永久歯の抜歯である。

最初に行った歯医者で「こりゃ7番を抜くしかないな(キラッ)」と抜歯宣告されて途方に暮れて、別の歯医者で意見を効くことにしたのだが、隣接している水平埋伏智歯(歯茎の中で横向きに埋まった親知らず)が関係している疑いもあったので、口腔外科をさらに紹介して貰った。

これついては少し前に書いた別記事でも触れたが、親知らずではなくて7番のトラブルが原因であることが確実視されたのと、「お前の親知らずは神経が近すぎて抜くのが危険。障害が残っても責任取れないから抜かない方がいい」的なことを言われてしまうオチだった。

7番も放っておくと抜くのが危険な親知らずに炎症が広がったり、比較的健康な6番なとのお隣さんにまで炎症が広がってしまう懸念があった。さらに、骨隨炎という全身症状で「入院するハメになるよ」とのことで、そりゃ腹くくるしかないなと思った。

確かにレントゲンやCTの画像で見ると根の分岐部あたりに黒い影のようなものがある。病巣というか、骨が溶けているというような説明を受けた。

きっと素人でもわかりやすいようにかみ砕いて説明してくれているのだろうけど、このあたりは歯学部の専門知識がないと素人には理解は難しかった。

ヘミセクションとルートセパレーションという手もあるが

全く聞いたことがない治療法だが、ヘミセクションとルートセパレーションという治療法がある。

これは口腔外科の先生かチラっと言われたレベルだが、根や歯茎の状態によってはヘミセクションとルートセパレーションというやり方で歯を部分的に残すことができるという。

ヘミセクションは奥歯に適用できる場合があって、下の奥歯の場合は2つ根があるが、片方の根の部分だけ抜いて、根を1本にするという方法。他の歯とブリッジにしたりするらしいが、素人考えでも歯に負担が大きいだろうし、あまりうまく行く気はしなかった。実際、予後はあまりよくなくて数年で抜歯になることも多いという。

ルートセパレーションは拙者みたいに分岐部の限定した病変がある場合に、歯を真ん中で2分割した上で、分岐部を外部に露出されるようなやり方。空気に触れさせれば治療されるようなイメージなんだと思う。根が2つの下の奥歯に適用される。

歯は2分割されて小さい歯が2つになるような感じで、被せモノによって1つの歯に見せかけることができるらしい。で、真ん中部分は空洞になっているので歯間ブラシで丁寧にメンテナンスする・・・。難儀な感じはするけど、歯を残すのは大変なのだ。

どっちも基本的に保険診療でできるらしいが、そもそも予後が悪いことが多いそうで、歯医者によっては割に合わないのと、歯の状態によってできるできないがあるから、歯医者探しに苦労するかもしれない。

ネットを探しても保険診療でやってますというところもあるが、自由診療のところもある。そもそも、ヘミセクやルートセパレーションは普通の一般人が知らないだけあってネット情報が少ない。

抜歯自体は10分くらいで説明や消毒など含めて計30分

親知らずの抜歯となると、人によって2時間格闘しただの4時間粘っただのゾッとするネット情報も多いが、普通の歯の抜歯は先生の腕にもよるが新人とかでなければ5分~10分の話だと思う。

とは行っても外科手術の領域なので、事前に「飲酒や入浴は控えること」などの注意事項の説明や、出血時の対応の説明などが入念にされ、一筆署名を求められた。色々説明してくれる歯医者の方が安心だろう。

事前の診察の時に抜歯後の感染可能性を下げるために、全体的な歯のクリーニングを行った。緊急的な抜歯以外ではワンステップ踏むこともあるだろう。抜歯自体の保険点数は低くて、3割負担で通常抜歯だと数百円程度なので、周辺的な治療も組み合わせることも多いと思う。

処置中は先生と助手に左右を固められた恰好で行われた。

部分麻酔が効いて全く痛くない

事前に言われていた通り、虫歯の治療みたいにしっかり麻酔をする。

しびれ具合から言うと、喉の方まで麻酔の感覚があるくらいだったので、かなりしっかり目に麻酔をされていたと思う。押されても引っ張られても全く痛くなかった。

奥歯の場合、根が二つあるので真ん中で切断して2つの歯にして抜歯するのが一般的だと思う。

最初はそのまま引っ張ろうとしていたが、ダメっぽかったので歯を削る「ウィーン」っていうやつで切断している音が聞こえた。

3~4回くらい、顎を引っ張られるような力が加わる場面があったが、開始から5分か6分くらいで小さく「よし」というより声があり、たぶん抜けたのかなと思った。先生によっては状況の説明もしてくれるかもしれないから、実況があればもっと安心したかもしれない。でも、先生も真剣勝負だから求めていいものかはわからない。

で、途中から思ったのは、助手の理系っぽい女性がいたのだが、フトモモが密着して生暖かったということ。

むしろ、気をそらすのにすごく役立ったが、フトモモを密着されると抜歯の恐怖と緊張が和らいだのは確か(笑)

意図的なものではないけど、こんなにフトモモ密着してくれるんだったら何本でも抜歯するわい!!

まとめ フトモモが密着するならば抜歯の恐怖はないに等しい

我ながら、まとめがこれかよ・・・って感じだけど、男性だったら可愛い助手がいる歯医者とか、女性だったらイケメンの先生がいるところで抜歯して貰うのが一番心安らぐと思う。

フトモモがこんなにも安定剤になるとは思わなかったし、途中からフトモモばかり考えていて、注意事項の説明とかも頭に入らなかったわい。

抜歯後はそのまま糸で縫って1週間後に抜糸になる予定。

出血もほとんどなくて、今の所ALLハッピー。当分、骨隨炎とかの心配もいらないし、フトモモよかったなーというのが今回の感想。

親知らずの抜歯記事とかだと抜歯後にアンパ〇マンみたいに腫れて死にそうとかよく聞くけど、激痛で夜中に歩き回るとかの事例も聞くけど、そんなのも全然ないし、痛み止めもいらないくらい何ともない。きっと私立の歯学部卒の先生が上手かったのだろう。

もちろん、人それぞれだから難抜歯に相当するものとかは別だろうけど、抜歯に相当ビビっている人の生きるヒントになれば幸い。フトモモのおかげで想像より大したことなかったな・・・。

余談 そもそも神経を簡単に取っちゃいかんという話

ある程度進行した痛みのある虫歯の場合、歯医者に行くと何の気なしに「神経取りますね」とかいって歯髄をゴリゴリやられてしまう。

神経を取った歯は枯れた気も同然。物理的にはもちろん、歯自体に栄養が行きわたらないから脆くなり、奥歯とかだと体重と同じくらい力がかかるから、内部で割れたりして感染が起きてしまう。そうなると抜歯だけが現実的な対応策となってしまう。

最近は保険外診療で直接覆髄法 (ちょくせつふくずいほう)という治療法があり、「MTAセメント」という新素材を使った最新の治療だという。神経が生きていれば大きめの虫歯でも神経を取らずに済むという。もはや歯科領域における保険診療は国民皆保険の弊害で安いのだけが取り柄に思えなくもない。

何もしないでも痛むような場合は適応にならないなど制限もあるが、治療費は1歯あたりトータル10万~くらいらしいし、やっている歯医者が少ないという現状はあるけど、怪しいインプラントとかの方がもっと高額でトラブルの話も聞くから、自分の歯を残せるなら可能な限り残す努力はした方がいいだろう。

病気と健康

親知らずを抜くのは実は危険!? 何軒も歯医者巡りをしたが結局抜かなかった話

画像は現代人の歯のイメージ(本人のではありません)

かつて人間の歯は上下合わせて32本あった。

しかし、高野豆腐やハッシュドポテト、チョコミントアイスや海老とキノコのチーズリゾットといったような原始時代には有り得ないほど柔らかい食品が現代人の食生活の中心となったことで、現代人は顎が小さく退化し、本来の32本ぶんの歯が生えるスペースはなくなってしまった。

親知らずを巡るあらゆる問題は人類の退化が原因

近視もテクノロジー暗黒時代を生きる現代人の病の一つだが、口の中も同じように退化している。

個人差は大きいが、中心から数えて28本の歯は正常に生える人が多いものの、親知らずは正常に生えない人が多い。

上下左右の最奥にあたる4本の歯は智歯と言い、俗に「親知らず」と呼ばれている。

現代人では親知らずが全て正常の生える人は少なくて、基本的に厄介者扱いとなっている。

一般的には親知らずは若い時に抜いた方がいい

あくまで一般論でロードローラーでならした時の平均的な話。

実際には個人差が大きくて一概には言えない。大きめの歯医者や口腔外科のある総合病院で精密検査しないとわからないからだ。しかも、医者によって意見が割れることも多い。(診察が)めんどくさいから抜いちまえと短絡的に言う医者は信用してはいけない。

基本手には、歳をとると骨が硬くなって百戦錬磨の歯科医や口腔外科医でも抜歯に難儀するという。

何より本人に体力や精神力や回復力がなくて手術が辛い。生きるモチベーションが小さい場合もあるし、持病を持つ可能性も高まるから、きめと希望が溢れる若い時の方が比較的楽だという。

親知らずという名前の由来とか

親知らずは親知らずという俗名の通り、20歳前後で生えてくる場合が多い。他の永久歯は12歳頃までに生えそろうが、親が知らないところで生えてくるから嫌知らずと呼ばれている。もっとも、現代人では親知らずが生える年齢でも、親にべったりな場合も少ないと思うが。

4本の親知らずが上下左右ともに正常に生えている人は、幸運なので特に抜く必要はない。それどころか、他の歯がダメになった時に移植できる場合があるのでラッキーなのである。

但し、退化した人類の場合は正常に生えるスペースがない。そのため斜めに傾いてたり、何年も地中で生きる幼虫みたいに歯茎の中から出てこれなかったり、真横に生えてこようとしたり、とんでもない悪態をつく場合も多い。

歯茎の中で悪態をついている場合は、虫歯や定期健診などでパノラマレントゲンを撮った時に「やばい親知らずがありますよ」と歯科医が教えてくれて気が付く場合が多いだろう。

まぁ、拙者の場合は、上は先天的に存在しなくてラッキーなのだが、下の親知らずは左右ともにがっつり歯茎の中に核搭載の時限爆弾の如く格納されている。

親知らずと手前の7番の歯(?)が腫れた

歳がバレるが、拙者は厄年である。読んで字の如く、厄介な年だから気を引き締めなさいと昔から言い伝えられている年齢を生きている。

厄年は3年間あって、真ん中が本厄、今年は本番前の前厄に過ぎないのだけど、すでに色々ありすぎて精神的に参っている(笑)。

(笑)とか書いたが、実際には笑う余裕すらないくらいに生半可なものではない。

初めに起きた出来事としては、広島風お好み焼き作りに夢中になっていた頃、10年ほど前に神経を抜いた左下7番(大2大臼歯)が激痛とともに周囲の歯茎が腫れた。親知らずの手前の歯であるが、どっちが原因なのかよくわからなかった。

痛みは4~5日くらいは続いたが、行きつけの歯医者に電話しても急患扱いなどはなくて、予約は1週間以上先と言われた。

やがて痛みはなくなったが、異様な腫れは治まらず。口内炎の時に飲むビタミン剤的な市販薬とか、市販の歯痛用の塗り薬(弱い麻酔成分が入っているらしい塗り薬がある)で凌いだが、大きな効果があるとも思えなかった。

今だから言えることとしては、急患扱いで即日で診てくれる歯医者も都市部ならきっとあるから、激痛なのに1週間も待たせる歯医者は変えた方がいい。市販の薬なんかじゃ力不足で、歯医者に行ければ抗生物質の飲み薬や注射でこの手の腫れや痛みは治まる場合がある。

腫れの原因は親知らずではない気がした

左下の親知らずは95%以上も歯茎に埋まっているが、その存在は知っているので、時限爆弾が作動したのかと思った。

1週間ほど待って、行きつけの歯医者にようやく行けた。

もう一度言うけど、急患なのに1週間以上待たせる歯医者はかかりつけにしてはいけない。開院した当初から通っているのに酷い扱いだと思った。うん。

この歯医者は雇われの歯科医が何人かいて、特に担当が決まっているわけではないが、年金が受給できる世代の初めて担当する高齢の歯科医に歯の蘊蓄を聞かされる羽目になった。

歳をとっても歯を失わないための生活習慣だとか、虫歯にならない歯磨き習慣だとか、今さら遅いわ~系の話でひたすら30分。ないわもう。

1週間も待ったのに歯を診てくれないのではないかと不安になったころに、下手くそな助手にレントゲンを撮って貰ってようやく診察へ。いや、先に診察してほしかったわ。

ちなみに、歯医者の現場には一般的に歯科医師と歯科衛生士と助手がいるが、歯科医師と歯科衛生士は免許や資格が必要なものの、助手は免許不要。いわば一般人なのである。

歯科医師と助手はフレンドリーで結婚するパターンも多いらしい。しかし、歯科衛生士は国家資格持ちだからか、厳しく当たることも多いのだとか。

まぁ、拙者にはどうでもいい話なんだが。

いきなり抜歯と言われても・・・

この最初に行った歯科医院をA歯科医院としよう。

A歯科医院では「これは親知らずっていうよりは、7番の歯だね。こうなったら抜くしかないね」と。

同じ状況でスパっと抜ける人がいるのかどうか知らないけど、二度と生えてこない大切な歯を即断で抜いて貰うことはできず、救う手立てがないか他の歯科医院でも診て貰うことにしたのである。

そもそも、元々10年前にA歯科医院で神経を抜く治療をした歯なのである。もう少し、歯の講釈を垂れるよりも、歯を残すための提案などをしてくれたり、治療の素振り見せてもよい気がする。洗浄や大災害でもないのに、目の前の死にかけている人間を救わないのが医者なのだろうか。

それとなく矯正(厄年だし今更しないわい!)やインプラントを薦めたりしてくるあたり、A歯科医院にすれば、細かい治療や検査をするよりも、さくっと抜いてインプラントを薦めた方が儲かるのであろう。まぁ、そりゃそうか。

抜歯を断わって診察室を出る時に中年女性の助手が「セカンドオピニオンは大切ですから」と笑顔で言われたのが怖かった。

数年後に歯がダメになる保険診療の歪み

日本の歯医者というのは保険診療のシステムが歪んでいるがために、わざと数年後にトラブルが起こるような適当な治療をして“リピーター”を作るような商売をしているところもあると聞く。

つまり、悪徳歯医者である。

虫歯の治療をした後の歯の詰め物や被せモノにしたって、保険診療で使える安い金属は見た目もさることながら、歯に強い力がかかるので数年後に歯が割れたり、トラブルの原因になりやすいが、保険外診療にすると一気に値段の桁が跳ねあがる。

毎月2~3万円くらい健康保険料を払っていても、こと歯の治療に関しては保険では数年後にダメになるような低レベルの治療しか受けられないのが基本なのだ。

悲しいかな、この国の健康保険システムの歪みなのである。だから、保険外診療しかしない歯医者も存在するけど、価格の差が激しすぎるので貧乏人は足を運ぶことができない。

希望を求めてB歯科医院へ

都市部の住宅街だったら本当にコンビニと同じくらい歯医者があるのだけど、それぞれの歯医者で治療方針の違いや技術の差はかなりあるように思う。

保険診療の歪みのせいで、保険診療の範囲であれば基本的に日本全国どこの歯医者でも同じ治療をすれば同じ料金なものの、その中身は様々だということだ。

とりあえず、いきなり初対面の高齢歯科医に抜歯一辺倒で抜かれてしまうのは勘弁なので、ターミナル駅近くの「親知らず抜歯が得意」と宣伝している大きめの歯科医院Bでも診で貰うことにした。

抜きたくないと言えば抗生物質で治療して貰えた

A歯科医院で抜くしかないと言われた7番の歯だが、救う手立てはないのかと尋ねた。

首都圏各地のターミナル駅近くで複数展開している歯科医院だが、当日2時間前くらいにネットで予約出来て便利だなぁと思った。ターミナル駅近くだから、新患を優遇する戦略なのかもしれないけど、1週間以上待たされるかかりつけなんかより、よっぽど好感が持てた。

この時は検査でパノラマレントゲンとCTを撮って3割負担で5000円くらいかかった。7番の歯は抗生物質の注射と飲み薬で炎症を抑えることになった。

担当医いわく「親知らずも炎症に関わっているかもしれないけど、親知らずは神経が近くて抜くリスクがあるから大学病院を紹介する」ということになった。

ただ、紹介されそうになった大学病院は県内随一の有名どころだが、自宅からアクセスが悪いのと、どうも大学病院というのが学生の練習台にされるイメージがある(偏見?)ので、自宅から歩いていける距離にある総合病院の口腔外科を紹介して貰った。

総合病院は紹介状がないと初診料が高くなる場合や、そもそも受診できない場合もあるらしいから、事前に自分で情報収集するのは大事。受け身はダメ。

一般的には相談すれば画像データを貰ったりすることもできるらしいけど、PCの画像なんかと違って、歯科医院ごとに使っている機器のメーカーやソフトウェアが違うので、A歯科医院で撮った画像をB歯科医院で読み込ませて・・・ということは基本的にできないらしい。えええええっ・・・。

今のPCとかスマホとかのデジタル界隈を見たらわかるけど、時代は共通フォーマット。だが、この分野は歯科業界の利権(?)で共通化されていないのだという。

まぁ、共通化すると儲からなくなるからね。それぞれでレントゲンを撮り直した方が金を取れるわけだ。

初めて総合病院の口腔外科へ

普通の歯医者に行ったことがあっても口腔外科には行ったことがないという人も多いと思う。

まぁ、歯医者によっては診療科目に「一般歯科 口腔外科」みたいに記載していることもあるけど、虫歯とか一般的な歯の治療ではなくて、歯茎のトラブルとか歯茎に埋まった親知らずとか、外部に露出している歯以外の口内の外科的治療を専門にしているようなところである。

総合病院に行くのも地元を出て以来、20年以上ぶりであった。

地元は田舎だから、総合病院しかまともな病院がないので、ちょっとした風邪とかでも総合病院に行くのが普通で、大きな病気をしたことがあるわけではない。

総合病院には雰囲気などの下調べのために、あえて口腔外科の窓口へ紹介状を持参して直接予約に行った。紹介状は封筒に入っているので、そのまま渡す。

どんなことが書かれているのか気になったが、渡した時にチラ見した感じだと、こちらの名前や年齢などの個人情報と「お忙しい所恐れ入りますが、智歯の抜歯リスクが高いため貴院に紹介させて下さい」というようなことが書かれていた。他の病院を紹介されるというのは初めてなので紹介されるのもドキドキ。

初診は担当の医師は希望はあるかと言われたが、希望と言われても知っている医師などいないので誰でもいいと答えた。事前に病院のサイトなどで医師を調べておくといいのかもしれない。

翌日と1週間後くらいに空きがあったが、町中の歯医者と比べても、そんなに激混みというわけではないようだった。

総合病院でもレントゲンやCTは撮り直し

歯医者と同じで他院の画像データの読み込みに対応していない場合もあるので、基本的に再撮影が必要。

総合病院ではレントゲンは口腔外科の部屋にあったが、CTは歯科用でなくてレントゲン科に行って全身用のやつで別に日に撮った。普通の歯科医院と違って、一般的には平日の9時~17時とかで動いている。

待っている間にベッドに寝かされた入院患者とかが続々と運ばれてくるので総合病院という感じがした。手術室に運ばれてくる人とか、運び出されてくる人をいっぱい見た。普通の歯医者にはない光景だ。自分もいつかああなる日が来るのだろう。

総合病院では初診とCTだけの日と説明だけの日で計3回通った。

親知らずは抜かない方がいいと忠告

拙者の場合、親知らず抜歯の最後の砦とされる総合病院の口腔外科を紹介されたわけだけど、結論としては神経が近すぎるから抜歯しない方がいいと告知されて口腔外科への通院は終了した。

自分でもネットや本で学んだけど、顎のあたりには人間の神経の中でも3本の指に入るくらい重要な神経があり、それを傷つけると麻痺が残ったり、口が自由に動かせなくなったり、味覚や嗅覚にも影響が出るという。5.5%の人は障害が残るという。

拙者の場合は今回は親知らずが原因で炎症が起きたわけではないとのことだったので、色々検査はしたけれど、触らぬ神に祟りなしで抜かない方がよい親知らずというのもあるというのを伝えたくて、このとりとめもない記事を書くことにしたのである。

まとめ 抜かない方がいいというか抜けない親知らずもある

ネットで「親知らず 抜歯」とかって検索するとまず出てくるのが歯科医院の広告。

抜歯が得意で実績もあって親知らずを抜くメリットがいっぱいで、抜かないのはリスクがあるからうちに相談して下さい、というような内容。

あるいは、拙者みたいに歯茎に埋まってる難易度の高い親知らずだけど、口腔外科に行って抜歯に成功した、意外とちょろかったぜ~というような記事。

でも、拙者みたいに散々検査はしたけれど、抜かない方がいい親知らずもあるってことで、妄信的に親知らずを抜くのが正義みたいに思わない方がいいのかな、と個人的な感想で締めてみるのでござる。

なにしろ、障害が残ったりと、親知らず抜歯はハイリスク案件なわけで万人に薦められるものじゃない。

まぁ、思ったのは、現代人の体は欠陥だらけなんだなぁってこと。ゼノギアス的にいうとデウス復活の部品には使えないから粛清した方がいいみたいな(やりすぎ?)